2020年10月03日
少ない元手で大儲けを目指す「信用取引」の魅力
株式取引には、「信用取引」と呼ばれる特殊な取引方法があります
今回はこの「信用取引の魅力」について、ご紹介させていただきます
(次回の株式コラムでは「信用取引の注意点」についてお伝えします。)
信用取引とは、自分の持つ現金や金融商品を担保に、証券会社から資金や株券などを借り入れて、株式の売買を行う取引方法になります
この取引方法は、短期売買がメインになってくるので、このブログで推奨している「投資初心者向けの長期投資」には、あまり向かない方法であると考えていますが、将来的に取引の幅を広げる際の参考として頂くためにも、今回の記事では信用取引のメリットを中心にお伝えしていこうと思います
手持ち資産の約3倍の額まで取引が出来る
信用取引においては、担保に差し入れた現金や金融商品などから算出される保証金額の約3倍近くの額まで株式を購入することが出来ます
(正確には、保証金の10/3倍まで取引をすることが可能です。)
例えば、手持ちで60万円の現金しかもっていない場合、現物取引では1単元10万円の株は6単元分までしか購入することが出来ませんが、信用取引を用いることで20単元分まで購入することが出来ます
このことにより、同じ元手でありながら利益を3倍近くにまで膨らませることが出来るというメリットがあります
(しかしながら言うまでもなく、予想と逆の方向に株価が進んだ場合は、損失も3倍近くに膨れ上がりますのでご注意ください)
また、信用取引においては、現金だけでなく、現物取引で購入した株式や投資信託なども担保として利用できるのもメリットとして挙げられます
(投資信託も担保として利用できるかは証券会社によって異なりますのでご注意ください。ちなみに私が推奨するSBI証券や楽天証券では投資信託を信用取引の担保として利用することが出来ます。)
現金は担保として納めた額の100%が保証金に算入されますが、現物取引で購入した株式や投資信託の場合は、一般的に評価額の80%が保証金に算入されます
(業績悪化が懸念される銘柄によっては、値下がりするリスクが考慮され、保証金計算のための係数が80%以下に設定されることがありますのでご注意ください。)
このことにより、手持ち現金60万円で1単元10万円の株式をフルで購入しようと思うと、まず現物取引で6単元購入します。
そして、その株式を全て信用取引の担保に入れることで60(現物株評価額)×0.8(保証金算出係数)×10÷3(信用取引での購入枠増加率)=160万円分の購入可能枠が出来ますので、新に16単元分の株式を購入することが出来ます。
現物取引だけでは6単元しか買えなかった銘柄も、信用取引もフル活用することでトータル22単元購入することが出来、資金効率を約3.7倍近くまで高めることが出来ます
現物取引で購入した金融商品を担保にできるということは、レバレッジをかけるという面だけでなく、「値下がりし続けて売るに売れず、塩漬けしている銘柄」や「株主優待の長期保有によるレベルアップを目指している銘柄」なども、売却して現金化することなく、他の銘柄の購入資金として活用できるという面で資金効率を高めることが出来る方法であると言えます
下落局面でも利益を得ることが出来る
現物取引の場合、手持ちには現金しかありませんので、取引の始めは「株を購入する」ということしかできません
しかしながら、信用取引の場合は、現金や金融商品を担保に、現金だけでなく「株も借りる」ことが出来るため「株を借りてきてそれを市場で売る」というところから取引を始めることが出来ます
この場合、自分が売った価格よりも低い価格で株を買い戻し、証券会社に株を返済することで、利益を得ることが出来ます
すなわち、現物取引の場合では、株の値上がりでしか利益を得ることが出来ませんが、信用取引による売りからの取引開始を行うことによって、株の下落局面でも利益を得ることが出来るというメリットがあります
(信用取引において、売注文から入ることを「空売り」と呼びます。)
ただし、買いから入った場合は、購入金額以上の損失が発生することはありませんが、売から入った場合は理論上、損失の上限がありませんので十分に気を付けて下さい
デイトレードがしやすくなる
現物取引の場合、同一日に、同一銘柄を同一資金で購入することが出来るのは1度までです。
例えば、手持ちに50万円の資金があり、これで1単元50万円のA株を購入したのち、51万円に値上がりしたタイミングで売却した場合、得た51万円で同日中に再びA株を購入することはできません
これは何故かというと、現物取引では金融商品の受け渡しをせずに、買代金と売代金の差額だけをやり取りする差金決済が法的に禁じられているのと、売買注文の約定から株の受け渡しまで2営業日かかることから、お金の動きとしては、
手持ち資金50万円
↓
50万円でA株の買注文約定
↓
手持ち資金0円
↓
51万円でA株の売注文約定
↓
(2営業日後)
↓
A株の入手とA株の譲渡を同時に行う
↓
A株譲渡により51万円を入手
という形になり、売注文当日ではなくA株を譲渡することが出来るようになる2営業日後にならないと、A株の売却代金を入手できないためです
これに対して、信用取引の場合は、差金決済をすることが認められているため、同日中に同じ銘柄を同じ資金で何度も買→売→買→売→買→・・・と繰り返していくことが出来、デイトレードが非常にやりやすくなります
(というか、デイトレードを目指そうと思ったら信用取引を行わないとまず無理だと思います)
まとめ
今回は、短期売買に向いている信用取引の特徴をそのメリットの面からお伝えしました
一見便利そうに見える信用取引ですが、メリットがあれば当然デメリットもあります
次回の株式コラムでは、信用取引のデメリットを中心にご説明していく予定ですので、そちらもご覧いただいたうえで、信用取引の利用をご検討いただければと思います
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