2020年09月12日
2024年から始まるNISA新制度の特徴
前回の株式コラム『節税でお得に投資できる「NISA」制度』にて、投資によって得られた利益に対し非課税で処理できるお得なNISA制度についてご紹介しました
しかしながら、前回ご紹介したNISA制度は2023年枠を以って一旦運用を終了し、2024年枠からは新たな『新NISA制度』での運用がされる予定となっています
そこで今回は、2024年から運用が開始される、新NISA制度の概要についてご説明したいと思います
(つみたてNISAの方については『投資初心者におススメ「つみたてNISA」』の記事でご紹介した制度のまま、2024年以降も運用が続けられる予定です。)
現行NISA制度と新NISA制度の違いは、非課税枠の内訳になります
(非課税期間5年については、新制度でも同じまま運用される予定です。)
現行NISA制度では、株式(ETF、REIT含む)や投資信託など比較的自由に投資が出来る非課税枠が年間120万円分用意されています
しかしながら、新NISA制度においては、
<1階部分>
投資対象:つみたてNISAが対応する投資信託
非課税枠:年間20万円分
<2階部分>
投資対象:現行NISA制度と同じく株式、投資信託
(ただし、整理・監理銘柄の株式やレバレッジ型投資信託は除く)
非課税枠:年間102万円分
の2階建て構造とやや複雑な仕組みになりました
金融庁が出している資料ではこんなイメージです。
(現行NISA制度の思想に、つみたてNISAの思想を取り入れたような形ですね)
年間のトータル非課税枠は120万円⇒122万円と増えているのですが、上場株式に投資できる非課税枠としてみると、120万円⇒102万円に減額されており、今まで通常NISAを利用していた方にとっては、ちょっと使いづらくなるのではないでしょうか
さらに、使いづらいなと思った点としては、原則1階部分の投資信託枠を全て使い切らないと、2階部分の上場株式も投資できる非課税枠が使えないということ
正直、投資信託の積立をするのであればつみたてNISAを使うほうがメリットがあるので、通常NISAを使う人は基本的に上場株式への投資を目的にしている人が多いと思います
その中で、20万円分もの資金が、目的外の投資信託購入のためにロックされてしまうというのは、非効率感が否めないと思います
まぁ、これも一応「NISA口座を開設していた者、又は投資経験者が2階で上場株式のみに投資する場合は、1階での積立投資は不要」との例外注記があったりするので、実際の運用時にどうなるかというのは、要確認なところではあると思います
このような感じで現行NISA制度を利用していた人にとっては、あまり嬉しくない改正になるのではないかと思うのですが、このような改正に至った背景は、理解できなくもないと考えています
というのも、金融庁がこのようなNISA制度の改正を打ち出した背景は、『現行NISA制度下において、株式の短期売買に利用されていることが多く、長期視点での資産形成という本来の趣旨に即していないため』、ということのようであるからです。
このブログにおいても、投資信託の記事を中心に、安定した資産形成を行うためには、時間を味方につけて長期視点で運用することが大切であることを述べてきました
そのために、今回金融庁が打ち出した新NISA制度への変更に当たり、『長期的視点に立って安定した資産形成を国民に行ってほしい』という理念は、なるほどその通りだな、と思っています
ですので皆さんも2024年以降、新NISA制度を利用されるのか、つみたてNISA制度を利用されるのか、いずれの場合においても、金融庁からの『長期投資で安定的な資産形成を!』というメッセージは忘れることなく、資産拡大を進めていただければと思っています
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