2020年12月01日
アメリカの赤字から見える分散投資の有効性
今回は、日経記事『弱いドル、理論値さらに安く 米「双子の赤字」膨張』について取り上げてみようと思います
記事の概要としては、アメリカの財政赤字と経常赤字のダブルパンチによって、米ドルの下落基調が止まらない状況になっているというものになります
財政赤字については、今年のコロナ禍に対する経済対策として、アメリカ政府は失業給付の拡大などで支出が増加し、財政赤字が額にして3兆ドル、対GDP比で18.7%にまで上昇しているのが現状です。
日本においても1.7兆ドル相当の経済対策が行われましたが、無利子融資などの目先の財政支出を伴わない支援も多く、財政赤字の対GDP比は、14.2%とアメリカに比べるとまだマシな状況です
また経常収支の面でも、アメリカでは自動車の輸入などが伸びる一方で輸出は鈍く、今年8月には貿易赤字が670億ドルと過去最大の水準に迫っていますです
このような財政赤字と経常赤字を背景に、米ドルがどんどんと弱まり、米ドル/円のレートは、昨年末から4円ほど円高の104円前後で推移しています。
しかしながら、実質金利の差、輸出入の価格比など、いくつかの計算条件を基に算出される理論値である「日経均衡為替レート」は更に数円ほど円高の値を示しており、これから更なる米ドル安が進んでいくのではないかと予想されています。
先日の『2020年11月FX運用状況報告』において、チャートから予測されるテクニカル分析からも今後の円高・ドル安トレンドが予想されることを記載しましたが、今回の日経記事を読んでみるとファンダメンタルの面でも円高・ドル安トレンドが支持されているようですね
(まぁ、かといってFXでどちらか片方に多大なポジションを持ちすぎると死亡するリスクが高まるので、無茶なドル売り攻めはしませんが)
この流れがしばらく続くとすると、日本を始めとした世界各国の輸出企業にとっては更なる向かい風となるでしょうから、各国の株価市場にとってはあまり嬉しくない事態かもしれませんね
そして、当のアメリカにとっては輸出がしやすくなるでしょうから経常赤字の解消につながることが予想されます
このようにして見ると、世界経済の中でどこかのバランスが崩れると、まわりまわって元通りに戻ろうとする力が働いているようにも思えます
そして、この経済原理を把握すればするほど、世界全体へ、時間の面でも分散させながら投資を行うことが、効果的であることが身に沁みて感じられますね
(一時的に沈んでいたとしても、いずれは回復の圧力がかかり戻るため、安値のうちに分散投資で買えば儲かりやすい)
<お知らせ>
12/3、12/5は更新をお休みします。
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