2020年10月20日
携帯料金値下げ圧力の本質を探る
今回は、日経記事『携帯値下げ、菅政権とせめぎ合い 3社「圧力すごい」』について取り上げてみようと思います
記事の概要としては、菅政権に変わり携帯料金の値下げが注力される中、携帯大手三社のNTTドコモ(コード:9437)、KDDI(コード:9433)、ソフトバンク(コード:9434)もそれに対応する形で、値下げの対応を検討していく流れとなっている、というものになります
菅首相は官房長官時代から、携帯料金の高止まりが一般家庭の家計を圧迫している要因の一つであるとし、大容量プランを中心に現行価格の4割近い値下げを大手三社に要求していました
その中で今回、ソフトバンクは4Gのサービスで20ギガ〜30ギガバイトのデータ容量を月5000円以下にするプランを検討したり、NTTドコモは、TOB(株式公開買い付け)に伴うNTTへの完全子会社化を通じてこの波を乗り切ろうとするなど、各社、政権からの要請に対応する形で、携帯料金の値下げ等を検討しているような状況となっています
しかしながら、政権からの値下げ圧力もかなりのものがあり、まだまだ携帯大手三社の料金値下げ劇は始まったばかりというところです。
さて、今回の政府主導の携帯大手三社の料金大幅値下げ圧力について、「一般家庭の家計負担を減らすため」というところが表に立っているようですが、果たしてその効果はどれほどあるのだろうかと個人的には疑問に思っています
というのも、今回値下げの対象となるのは、データ容量無制限のような月々1万円弱近くするようなプランであり、格安SIMなどが多く出回っている中で、一般家庭のユーザーがわざわざそのようなプランを使っていることなど、そんなに多いケースではないと考えているからです
では、なぜ菅政権は携帯料金値下げ圧力に力を入れているのか、ということに対して私の個人的な見解ですが、2つ理由があると考えています。
一つ目は、ビジネスユーザーへの配慮です。
企業の場合は、飛行機でもLCCではなく、ANAやJALを利用するよう指定されることも多々あるように、格安SIMを利用せず、大手三社のプランを利用する傾向が高いのではないかと思います。
その中で、今回の改革により企業の支出を減らし、ひいては企業の活性化や法人税収の拡大を目論んでいるのではないかと考えています。
そして二つ目は、今後の携帯大手三社への事業補助金支出に対する国民の不満を回避するためです。
日経記事の最後の方にも述べられていますが、5Gはこれからの日本成長戦略の中核になるようなものであり、通信網整備や国際競争における国の後押しが必須となってくるでしょう
その中で、一方的に補助金支出をしたのでは、国民の不満が出てくる可能性もあるため、携帯大手三社に対し、値下げの余地がある部分に対して値下げをさせ、それを国民に広く周知させることでガス抜きを図ろうとしているのではないかと考えています。
これは具体的な証拠のある話ではなく、単純に私の想像に過ぎないので、あまり過信はしないでいただきたいですが、この説が正しいとすると、今、政権からの値下げ圧力のせいで株価を下げているソフトバンクやKDDIの他、NTTドコモを吸収予定の日本電信電話(コード:9432)もそのうちリバウンドする可能性もあるのではないでしょうか?
今後の通信株の動向が興味深いですね
このブログを応援していただける方は、下の「株式人気ブログランキング」バナーをクリックしてもらえると嬉しいです
株式ランキング
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/10277444
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック