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2022年07月29日
ちょっとだけMリーグ#23
今回もMリーガーの良い部分に注目して一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は二階堂 亜樹プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/HEYHH6MuewU
2020年10月29日 第2試合
南4局
東家 黒沢 咲 25400
南家 魚谷 侑未 40000
西家 二階堂 亜樹 36300
北家 沢崎 誠 -1700
(敬称略)
トップ目の魚谷さんと二着目の亜樹さんの点差は3700点で3900ロンや800-1600ツモでも逆転トップになれます。
三着目の黒沢さんは親で4000オールツモならトップ目になり連荘、沢崎さんが箱下ラス目でここは跳満直撃では変わらないので倍満以上直撃か三倍満以上ツモが必要です。
まず親・黒沢さんの手は
ドラ黒沢手牌
まず見えるのはマンズの一気通貫、マンズ混一色の2つです。
この手にはが不足しており、この手には必要不可欠な牌でもあります。
仮にこの手が一気通貫にならなくてもここが引けるかどうかでこの手の押し引きを決めるのが良いんじゃないでしょうか?
もし一気通貫や混一色になれば押し寄り、平和なら引き気味といった感じです。
黒沢さんはラス目と点差が27100点差あり、ラス目に跳満放銃でも転落しない為、思い切って攻めることも可能です。
ツモ打
続いて南家・魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
トップ目の魚谷さんは役牌を重ねてポン1000点でもアガればトップですが、ドラということもありドラをくっつけたタンヤオ、平和が考えられます。
ただ二着目亜樹さんとの点差が近く、亜樹さんに3900ロンや1000−2000ツモでもアガられれば二着転落という危うい立場です。
ツモ打
次に西家・亜樹さんの手は
ドラ亜樹手牌
この手はを切ればタンヤオ、3対子で七対子の3シャンテンでもあります。
赤とドラ1枚ずつがありタンヤオ・赤・ドラでも3900点以上、食いタンでもトップ条件を満たします。
ツモ打
最後に北家・沢崎さんは
ドラ沢崎手牌
ドラが1枚あるタンピンになりそうですが、三着目から跳満直撃でも着順が変わらない沢崎さんはスルーで良さそうです。
この手では倍満ロンか三倍満ツモが必要な沢崎さんには厳しそうです。
ツモツモ切り
6巡後、亜樹さんは
ドラ亜樹手牌
平和やタンヤオ、4対子で七対子2シャンテンでもあります。
同巡、沢崎さんは
ドラ沢崎手牌
ドラ2枚ありますが、せいぜい頑張って跳満くらいの手です。(リーチ・タンヤオ・平和・ツモ・ドラ2)
まだ沢崎さんの手はスルーで良さそうです。
次巡、黒沢さんは
ドラ黒沢手牌
234三色同順と一気通貫が見える手です。
また同巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
雀頭はほぼどこからでもできる&雀頭でも良い形です。
例えば引きでも
例1
例2
例3
こんな形や、引きでも
例4
例5
例6
この雀頭+2メンツになります。
なのでマンズ引きも嬉しい牌です。
同巡、亜樹さんは
ドラ亜樹手牌
ここで七対子1シャンテンになりました。
もしかするとこの手から食いタンを考える方がいらっしゃるかもしれませんが、メンツを考えるとが2枚、ソーズも2枚、、のどれか、あるいはポンのどれかが必要になります。
のうちは山に1枚以下(他家にあるかも?)では真ん中であまり場に切られるような牌ではありません。(しかもドラ)
食いタンならここから2枚以上を鳴くか引くかしないとテンパイしません。
ここは素直にタンヤオ・七対子の1シャンテンになる打。
次巡、黒沢さんは
ドラ黒沢手牌
一気通貫と234三色変化が残りました。
また同巡、亜樹さんは
ドラ亜樹手牌
456三色変化もあります。
ただしもう巡目は中盤にさしかかっているにもかかわらず、マンズもピンズもメンツは1つもありません。
次巡、亜樹さんは
ドラ亜樹手牌
前巡、沢崎さんが2枚目切りで引きよりもその外側対子を見たのでしょう。
七対子1シャンテンを維持。
自分からが2枚ずつ見えているのにを引かず、場の2枚切れに違和感があったのかもしれません。
この時点でが魚谷さんに1枚、沢崎さんにが1枚ずつで場の2枚切れで山には2枚、が1枚だけです。
ちょっとが薄くなってきました。
同巡、沢崎さんは
ドラ沢崎手牌
役なしドラ2の1シャンテン、平和がつけば満貫といった所。
次巡、沢崎さんは
ドラ沢崎手牌
ダマテンに取りました。
黒沢さんと魚谷さんの手が進まない中、亜樹さんは
ドラ亜樹手牌
七対子の待ちに良さそうな1枚切れを温存。
そして次巡、黒沢さんがテンパイ即リーチ。
ドラ黒沢
役なしペン待ちは山に2枚。
このリーチに魚谷さんはを中抜きしてオリ。
同巡、亜樹さんもを合わせ打ち。
更に同巡、沢崎さんはツモ切りリーチ。
ドラ沢崎手牌
リーチの2巡後、亜樹さんテンパイ。
ドラ亜樹手牌
亜樹さんもタンキ待ちの三人テンパイ。
捨牌を見ると
黒沢捨牌
魚谷捨牌
亜樹捨牌
沢崎捨牌
黒沢さんにはが現物で待ちはなし、沢崎さんにはが現物では中スジになります。
黒沢さんの捨牌にピンズはだけでピンズ待ちの方が怖く見えます。
次巡、亜樹さんツモ!
ツモドラ亜樹手牌
このアガリはツモ・七対子・赤2・ドラ2の跳満、リーチなら倍満ですが亜樹さんは当たり牌らしきものを引けばいつでもオリるつもりだったようです。
黒沢 咲 18400
魚谷 侑未 37000
二階堂 亜樹 50300
沢崎 誠 -5700
で、二着目と13300点差のトップに輝きました。
二階堂亜樹は1981年11月15日生まれ、神奈川県鎌倉市出身。
愛称は「卓上の舞姫」。
実家が雀荘を経営しており、幼い頃から麻雀に慣れ親しんでいた。
1999年、日本プロ麻雀連盟からプロデビュー。
2005年、プロクィーン獲得。
2006年、モンド21王座獲得。
2009年、鳳凰戦A2リーグ昇級。
2011年、自伝的漫画「aki」連載。後に「女流闘牌伝 aki-アキ-」として映画化。
2013年、自身のブログで妊娠と入籍を発表。後に夫が井出康平と公表する。
2016年、第14回女流モンド杯獲得。
2018年、Mリーグドラフト会議にてEX風林火山から一位指名される。
2019年、離婚を公表。
二階堂亜樹プロは二階堂姉妹の妹にあたり、姉妹揃って師匠は故・安藤満プロ。
その打ち筋はドラを大切にすることもその一つで「ドラは恋人」と語る。(ただしこの言葉は桜井章一氏の言葉である)
雀風は守備型で二着や三着が多く過去には「永遠のブロンズコレクター」と皮肉られた事もある。
好きな役は混一色・清一色・メンタンピン、嫌いな役は七対子。
趣味は漫画を読む事。
亜樹さんは東場である程度点棒を稼ぐと南場はその点棒を守ろうと守備にシフトチェンジします。
おそらく本人的にこれがある程度スコアや着順を残す手段だと思っている節があります。
それによってオーラスでトップ逆転などの憂き目に遭う事もしばしば。
確かにそれだと大崩れするのは少ないですが、それと同時にトップ率も下がりがちになります。
おそらくそれは、女流同士の争いにおいて生み出された戦い方ではないかと私は感じます。
それは予選が上位2名残りのような大会においては、有効な戦い方なのかもしれません。
亜樹さんは麻雀に限らずパチンコ・パチスロ番組を持っていたりと、他分野でも活躍されています。
過去には自分自身を「僕」と呼んでいた時代があります。
Mリーグ2018−2019は−49.0ポイントで21人中12位、2019−2020は−286.4ポイントで29人中27位、2020−2021は−37.5ポイントで30人中17位、2021−2022は+49.4ポイントで32人中16位。
今回のまとめ
・漫画を読むのが好きで笑い上戸な亜樹さん
・他ジャンルでも活躍する「卓上の舞姫」
・攻撃より守備が得意な大崩れの少ない打ち手(二着と三着多め)
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2022年07月27日
ちょっとだけMリーグ#22
今回もMリーガーの良い部分に注目して一局だけを掘り下げます。
今日の主役は茅森 早香プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/CCZoda7jzTc
2021年10月11日 第2試合
南2局1本場
東家 萩原 聖人 40400
南家 日向 藍子 13400
西家 茅森 早香 27000
北家 滝沢 和典 19200
(敬称略)
現在、萩原さんがトップ目ですが親につき茅森さんが跳満ツモや萩原さんから6400以上直撃ならトップ目になります。
滝沢さんや日向さんは満貫クラスのアガリが欲しい場面です。
最初に親の萩原さんの手は
ドラ萩原手牌
赤もドラもない手で役なしリーチや役牌が重なればポンもありますがリーチでは2000点、役牌ポンでは1500点と安手にしかならないのと他家からの反撃が怖い局になりそうです。
赤とドラが0=他家に赤とドラがある可能性が高いわけで、他家から「リーチ」と言われれば他家のドラ2、ドラ3の手の可能性が高いとも言えます。
メンツ手ならこの手は3シャンテンですが愚形受け入れも多く、このままでは愚形待ちになりそうです。
ツモ打
次に南家・日向さんの手は
ドラ日向手牌
この手はタンヤオか平和を見て、ツモによっては234三色同順や345三色の可能性まであります。
点棒状況的に日向さんは三着目と5800差、二着目と13600差で最低5200~跳満ツモ狙いで進めたい所。
これは1300−2600ツモなら三着目、跳満ツモなら二着目になるのがその理由です。
ツモ打
続いて西家・茅森さんの手は
ドラ茅森手牌
この手はと赤2枚あり平和を中心に見て456三色や567三色になりそうなら狙える、茅森さんにとってはチャンス手です。
これはメンツ手の3シャンテンで雀頭が無いのでそれを探す必要があります。
リーチ・平和・赤2やリーチ・平和・三色同順・赤2のような満貫〜跳満狙いで良さそうです。
ツモツモ切り
最後に北家・滝沢さんの手は
ドラ滝沢手牌
この手は場風がありポンした1000点、チャンタ、789三色同順もあります。
ただチャンタ狙いではペンチャンかカンチャン受け入れを複数引く必要がある為、テンパイスピードで他家に遅れる可能性が高いと考えられます。
滝沢さんは二着目と7800点差の三着目で満貫くらいがアガれそうなら押し寄り、それ以外はオリ寄りで良さそうです。
ツモ打
これはからの切りで待ちになった時の布石を打っています。
次巡、萩原さんは
ドラ萩原手牌
マンズ受けが少しだけ広くなりましたが安いまま。
また同巡、日向さんは
ドラ日向手牌
マンズリャンカン形ができてここで1ブロック、ピンズで2ブロック、ソーズ1ブロックで後は雀頭だけ、という状態。
次巡、萩原さんは
ドラ萩原手牌
暗刻ができ、2シャンテン。
親ならもう少し高い手にしてツモりたい所。
また同巡、日向さんは
ドラ日向手牌
1メンツ完成で2シャンテン。
更に同巡、茅森さんは
ドラ茅森手牌
雀頭ができ、こちらも2シャンテン。
そこから3巡後、萩原さんは
ドラ萩原手牌
ソーズがリャンメン変化し、ピンズへのくっつき待ちです。
また同巡、茅森さんは
ドラ茅森手牌
ドラが重なれば雀頭を入れ替えたり、次に引きならソーズ一気通貫の目も出てきました。
もし一気通貫がつけば跳満もあります。(リーチ・ツモ・一気通貫・赤2)
この同巡、滝沢さんも
ドラ滝沢手牌
を引き戻し、マンズ混一色・七対子か国士無双のどちらかの手です。
どう見ても他家のテンパイスピードの方が早いのでオリになりそうですが。
2巡後、萩原さんは
ドラ萩原手牌
引きにも対応できる形になりました。
同巡、日向さんは
ドラ日向手牌
で、引きならテンパイになる1シャンテンです。
引く牌によっては平和・一盃口にもなり、リーチして一発や裏ドラによっては満貫もあります。
更に同巡、茅森さんも
ドラ茅森手牌
やになれば良形にもなります。
次巡、萩原さんは
ドラ萩原手牌
ここでカン待ちテンパイですが赤もドラもない手では2000点、他家からの追いかけリーチが入るのは必至です。
そして同巡、茅森さんは
ドラ茅森手牌
ソーズ一気通貫の1シャンテンに取りました。
いざとなればポンやカンチーもできますが、点数的には鳴かない寄りです。
次巡、萩原さんはリャンメンテンパイ即リーチ。
ドラ萩原手牌
待ち役なしリーチですがピンズの情報があまりなく、2枚切れと3枚切れくらいです。
間のの情報が欲しいのに自分の手牌の1枚ずつしかわかりません。
この同巡、日向さんも
ドラ日向手牌
切り追いかけリーチ。
日向さんの手は高目リーチ・平和・一盃口3900リーチ待ち。
日向さんの立場からすると、三着目や二着目から直撃して裏ドラが乗るのが理想的。
また同巡、茅森さんは
ドラ茅森手牌
現物切り。
次巡、茅森さんは萩原さんがツモ切ったばかりの切りで追いかけリーチ!
ドラ茅森手牌
ここで3人の待ちを整理すると、萩原さん、日向さん、茅森さんカン。
ちなみにはが茅森さんに1枚で残り3枚、は日向さんに2枚で残り2枚の合わせて5枚、はが萩原さんに3枚、日向さんに1枚で純カラ、は残り3枚の合わせて3枚、は萩原さんに1枚、滝沢さんに1枚で残り2枚です。
枚数だけなら萩原さん有利ですが、その通りの結果にならないのもいかにも麻雀らしい部分です。
茅森さんリーチの3巡後、ツモ。
リーチツモドラ裏ドラ茅森手牌
このアガリはリーチ・ツモ・一気通貫・赤・裏で跳満の一本場、3100−6100です。
この時点で萩原さんのアガリ牌はまだ5枚残りで他家ツモは3〜4巡残っています。
萩原さんのアガリ牌は一体どこにあったんでしょうか?
茅森早香は1982年5月4日生まれ、北海道苫小牧市出身。
第2回女流モンド21杯では21歳でタイトル獲得。
2011年、第11期女流最高位戦でリーグ戦久しぶりの参戦、大逆転で優勝。
2016年、第13回女流モンド杯決勝では三者が1000点以内の大混戦でオタ風ポンからチャンタをアガり優勝。
2017年、結婚を発表。(この時〜2018年に入ってもまだ未婚だった)
2018年、Mリーグドラフトでセガサミーフェニックスから3位指名され、平均打点王に輝く。
2019年、女流プロ麻雀日本シリーズ2019優勝。
茅森さんは「麻雀は常に冷静に打つ」・「平常心」をモットーとしています。
対局中は険しい表情を見せたりそっけなく解説する事もありますが、普段見せる可愛らしい笑顔とのギャップがファンを離しません。
以前、日記を書いていたサイトでは独特の猫語「にゃー」で締める文章から「にゃあプロ」と呼ばれる事もあります。
また、ネット上ではその口の形からよく「ω(オメガ)」と呼ばれています。
連盟の二階堂亜樹プロを尊敬していて「ライバル同盟」を結んだとも。
趣味は猫を愛でる事、ハイボールを飲む事、ゴルフ。
チーム内で格上の近藤誠一プロを「セミ」「メガネ」と呼び、某漫画家のキャラ通りの番長キャラを演じている。(かは疑問)
デビュー当時の雀風は守備的だったが少しずつ攻撃にシフトしている。
Mリーグでは2020年に槍槓を鈴木たろうプロから、2021年に石橋伸洋プロから二盃口のレア役2つをアガっている。
Mリーグ2018−2019では−65.4ポイントで21人中14位、2019−2020では−157.9ポイントで29人中23位、2020−2021では+110.2ポイントで30人中9位、2021−2022では+251.6ポイントで32人中5位。
連盟の黒木真生プロからは「天才すぎるオンナ雀士」と命名された。
団体主催の勉強会にはあまり参加せず、麻雀の勉強もあまりやらないと語っている。
この辺りも感覚派らしく、あまり他の影響を受けたくないのかもしれない。
今回のまとめ
・猫を愛でてハイボールを飲みたいお姉さん
・口の形からネット上では「ω(オメガ)」と呼ばれる
・対局中の厳しい顔と普段の可愛い笑顔のギャップが癖になる
・勉強会に参加しない、麻雀の勉強もあまりしないのに成績を残せるのは彼女の感覚の成せる業
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2022年07月25日
ちょっとだけMリーグ#21
今回もMリーガーの良い部分に注目して一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は魚谷 侑未プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/lX5IrgSojaM
※今回は動画の都合上、南家・滝沢さん3巡目からになります。
2022年3月31日 第1試合
東2局1本場
東家 魚谷 侑未 34000
南家 滝沢 和典 26000
西家 内川 幸太郎 18000
北家 松本 吉弘 22000
(敬称略)
まだ東2局でトップ目魚谷さんは二着目と満貫差でいくらでも入れ替わる可能性が高いので、点差は意識しなくて良いです。
動画の都合上、南家・滝沢さんの手は
ドラ滝沢手牌
ピンズはリャンカン受け入れ、ソーズもリャンカン+リャンメンの+受け入れの2シャンテンでほぼ形を決めました。
これではほぼリーチ・赤2600点にしかならないのでもし少し高い手を見るなら残しで567三色同順を見る手もあります。
ツモ打
次に西家・内川さんの手は
ドラ内川手牌
現在4対子でタンヤオにはが邪魔でタンヤオにはこれをすべて切る4巡が必要で、更に新たに4枚のタンヤオ牌(2〜8)を引く必要が出てきます。
タンヤオ牌1枚あたり引くのに3〜4巡かかったとする(仮定)と、4枚で4×3巡=12〜16巡かかる計算になります。
対子が多くメンツ手にならなそう、タンヤオにもスピードで遅れそうで赤もドラもないこの手ではアガリを見るというよりは守備的七対子狙いが良さそうです。
いつ他家からリーチが入っても良いように安全牌になりそうな牌を対子にしながら、リーチが入ればその対子落としで安全牌代わりにもできます。
ツモ打
次に北家・松本さんの手は
ドラ松本手牌
先程の内川さんの手と反対に、この手はメンツ手、平和を中心に見る手でしょう。
ドラを使いながら赤引きの平和にしてリーチ・平和・赤・ドラで満貫になります。
マンズ2メンツ、ピンズ1〜2メンツ、ソーズ0〜1メンツの予定で雀頭探しも並行します。
ツモ打
最後に親・魚谷さんの手は
ドラ魚谷手牌
こちらもメンツ手で、カンチャン2つ、ペンチャン1つと愚形受け入れが多く、テンパイスピードがあまり早くない手に見えます。
更に赤もドラもない手で高くならなそうで、あまり積極的に攻める手でもなさそうです。
タンヤオか平和を見ながら進めて、押し返せなさそうならオリでいいでしょう。
ツモ打
同巡、滝沢さんは
ドラ滝沢手牌
カン受けが増えてカンチャンを引くとまだ変化もあります。
例えば
に引きリャンメン、に引きなど。
また同巡、内川さんは
ドラ内川手牌
5対子で七対子1シャンテン。
1シャンテンと早いものの、タンキ待ちに良さそうな牌がくらいしかありません。
次巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
1メンツ完成しましたがメンツ手3シャンテンでカンチャン・ペンチャン受けの残る苦しい形。
また同巡、滝沢さんは
ドラ滝沢手牌
対子が増えて対々和、三暗刻も見えてきました。
更に同巡、松本さんは
ドラ松本手牌
ポンか雀頭の役なしリーチもあります。
松本さんは1ブロック足りない状態でマンズに引きでリャンメンを作るかソーズにくっつくか、引きにしてくっつきを見るかのどれかを考えたい所。
次巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
ピンズリャンカン形ができ、タンヤオへ。
まだ雀頭が決まってないので重なりも見ています。
また同巡、内川さんは
ドラ内川手牌
暗刻が増えれば対々和・三暗刻やツモり四暗刻までありますが、今は七対子寄りです。
更に同巡、松本さんは
ドラ松本手牌
まだくっついていませんがも見て残し。
2巡後、内川さんは
ドラ内川手牌
ドラ引きでドラ対子になればリーチ・ツモ・七対子の跳満もあります。
次巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
ポン材ができ、食いタンもできる形になりました。
ただ1500点の仕掛けでは点数的に足りないのでできればメンゼンでアガリを見たい手です。
同巡、滝沢さんは
ドラ滝沢手牌
ピンズの情報が少ない為、ピンズのロスが少なくし、ソーズはリャンメン受け入れを決めました。
次巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
ドラ引きでピンズのカンチャンだらけですがマンズリャンメンを決めて他家の攻めに備えます。
この同巡、内川さんが切ったを松本さんがチーして打
チードラ松本手牌
松本さんは役牌バック(後付け)、・ドラ、2000点ですが形的に苦しく、トップ目の親を流したい気持ちが現れています。
次巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
赤引きで高くなったものの、まだカンチャンの多い2シャンテンです。
同巡、松本さんは
チードラ松本手牌
ここから打。
こうしておくと他家リーチが入った後引きでも打としてでワンチャンスで外側切りもできます。
できるだけ安全に進めたい時に使える技です。
このを魚谷さんがチー。
チードラ魚谷手牌
赤からさらして少しでも高い手を警戒させたいようです。
もし12000点の仕掛けだったらと思うと他家が普段切れる牌を切れなくなってしまう効果もあります。
それによって他家がリーチしづらくなったり、危険牌を抱えてテンパイが遅れる事も。
実際、この手はタンヤオ・赤・ドラ5800点。
この同巡、、内川さんがテンパイ即リーチ。
ドラ内川手牌
これをツモれば3000−6000の一本場で、トップ目の魚谷さんと16000点差の内川さんはトップ目になれます。
この時点では内川さんに1枚、魚谷さんに1枚、松本さんに1枚で山には1枚だけです。
リーチの次巡、魚谷さんは現物切りで
チードラ魚谷手牌
この同巡、滝沢さんが4枚目でリーチ現物切り。
ここでこの巡目の捨牌を見てみると
魚谷捨牌
滝沢捨牌
内川捨牌
松本捨牌
ここでピンズの枚数に注目してみると、
が3枚切れ、が3枚切れ+ドラ表示牌の4枚見え、が4枚切れなのにドラだけが切られていません。
ドラ周りが3枚以上ずつ切られてメンツやターツではほぼ使えません。
ということはドラタンキ待ちやシャンポン待ちが考えられます。
次巡、魚谷さんはツモで現物になったばかりの打
チードラ魚谷手牌
そして次巡、魚谷さんはツモ打テンパイ。
チードラ魚谷手牌
その2巡後、内川さんがツモ切ったを松本さんがチー。
本来ならハイテイツモが松本さんで、チーすると下家の明らかに押している魚谷さんのツモへ。
トップ目の魚谷さんがリーチに放銃ならしてやったり。
チーチードラ松本手牌
その直後、魚谷さんのハイテイツモは・・・!
リーチに無スジです。
チードラ魚谷手牌
リーチの捨牌を見ると
内川捨牌
最初こそから切られているものの、そこからと切られているのは不自然です。
タンヤオや平和であれば↑の3〜7牌はほぼ必要牌です。
3〜7牌の切られ方に注目すると相手の手役やテンパイスピードがある程度測れます。
つまり内川さんはタンヤオや平和のようなメンツ手ではないのがわかります。
メンツ手ではない=その反対、対子手だと判断できます。
対子手=七対子か対々和のどちらかに絞れます。
対々和は2ハンで、役牌か赤、ドラ、混一色などがないと安い手のまま。
このリーチはほぼ七対子、ドラタンキ待ちか赤タンキ待ちと見ていいでしょう。
リーチの内川さんが18000点持ちラス目だからというのも理由です。
魚谷さんはをツモ切りして流局。
魚谷さん、内川さん、松本さん3人テンパイです。
チードラ魚谷手牌
内川手牌
チーチー松本手牌
リーチに無スジの牌でも押せるのは、ちゃんと相手手役がわかっていないとできない事です。
内川さんリーチの時点ではマンズはだけ、字牌もしか切られずマンズ混一色を考える方もいらっしゃるかもしれません。
魚谷 侑未は1985年11月2日生まれ、新潟県柏崎市出身。
2008年、麻雀を覚えて約1年でプロ試験に合格。
2009年、プロデビュー。
2011年、第六期女流桜花を初出場で優勝。
2012年、第七期女流桜花優勝。
2012年、女流モンド杯初制覇。
2013年、モンド王座杯初優勝。
2016年、モンド王座杯連覇。
2018年、A2リーグ昇格。
2018年、女流プロ麻雀日本シリーズ優勝。
2018年、Mリーグドラフト会議でセガサミーフェニックスから1位指名される。
2018年、日本オープン初優勝で男女混合タイトル初優勝。
2018年、王位戦優勝。
2020年、Mリーグ1シーズン役満2回など大活躍、MVPと最高打点賞の二冠に輝く。
2021年、入籍を発表。
2021年、女流モンド杯、モンド王座杯制覇。
2021年、新設タイトル第一回鸞和戦で優勝。
魚谷プロは女流プロの中では獲得したタイトル数も多く、それまで新人女流プロが口にする目標が二階堂亜樹プロばかりだったものが、魚谷プロに憧れて受験したという人が増えています。
趣味はアニメ鑑賞、ゲーム、乗馬。
最近は東城りおプロと一緒に開設した「りおみんちゃんねる」でも話題に。
雀風は最近、鳴く事が減っているが、名前に「魚」が含まれている事、鳴きを多用する打ち筋から「最速マーメイド」とも呼ばれる。
第六期第七期女流桜花優勝で二度も涙を流したり、プロ入り当初は嬉しいに関係なくよく泣いていたため、鳴きの多い雀風とかけて、泣き虫マーメイドと呼ばれていた。
2022年、近代麻雀で「泣き虫マーメイド」連載開始。
得意手役は「鳴き仕掛けでも満貫になりやすい」という理由から混一色。
SNSで時々衝突するのが見受けられますが、この辺りにもご本人の負けず嫌いっぷりが現れています。
他にも寿人さん相手に強気発言されている動画もあります。https://youtu.be/Tmvxg3PccPM
Mリーグ2018−2019のスコアは−249.1ポイント、2019−2020は+451.4ポイント、2020−2021は−179.3ポイント、2021−2022は−128.7ポイント。
これは魚谷さんと似たタイプの園田賢プロにも言える事ですが、鳴きを多用する=その度に手牌が短くなりリーチには対応しづらくなるデメリットが常につきまといます。
鳴いた状態からオリる牌を探すのは難しく、アガるにしても当たり牌を1枚も引かずにアガれる事の方が少ないものです。
これは私の個人的意見ですが、魚谷プロは他人より難易度の高い事に挑戦されている印象があります。
今回のまとめ
・最近は鳴きが減りつつあるが鳴きを多用する「最速マーメイド」
・優勝時などよく泣くことから近代麻雀で「泣き虫マーメイド」連載開始
・時折見せる、負けず嫌いっぷりも持ち味
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2022年07月23日
ちょっとだけMリーグ#20
今回もMリーガーの良い部分に注目して一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は内川 幸太郎プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/gLavgu41_pk
2021年11月19日 第1試合
南2局1本場(供託リーチ棒2)を迎え、点棒状況は
東家 鈴木 たろう 38100
南家 内川 幸太郎 16600
西家 瑞原 明奈 21700
北家 日向 藍子 21600
(敬称略)
トップ目の親・たろうさんと内川さんの点差は21500点で跳満ツモでも届かない点差です。
更に二着目・三着目とは約5000点差で供託2300点と合わせても2600点ロン(計4900)では届きません。
ということは内川さんは二着目には最低3200点以上のアガリが必要でトップ目になるにはトップ目から跳満以上直撃か倍満以上ツモが必要になります。
もしトップ目から直撃でないなら約20000点(点差21500−供託2300=19200点)ロンが必要でこれは満貫+跳満=8000+12000の2回アガリが必要になります。
最初に親・たろうさんの手は
ドラたろう手牌
赤1枚のメンツ手2シャンテンですがリーチ・赤3900やドラがくっついてリーチ・赤・ドラ7700が精一杯の手に見えます。
三色など手役はあまりつかなそうで平和がつけば十分といった所。
ツモ打
次に南家・内川さんの手ですが
ドラ内川手牌
この手は役牌を含めた2シャンテンでソーズとマンズが埋まれば即リーチもあります。
対子がありこれをポンすると・赤・ドラ2の満貫がほぼ決まってしまい、それではほぼ二着までで終了してしまいます。
この局で跳満ツモならトップ目と1100点差まで詰められ、跳満直撃ならトップ目とまだトップを諦めるような時ではありません。
トップを見るならここは跳満以上の手に仕上げたい場面です。
例えばメンゼンならドラとのシャンポン待ち(例1)にしたり、対子落とししてタンピン(例2)をつければ跳満〜倍満までは見られます。
リーチロンドラ例1
リーチツモドラ例2
例1ならリーチ・白・赤・ドラ2の満貫、例2ならリーチ・タンヤオ・平和・ツモ・三色同順・赤・ドラ2の倍満です。
跳満以上を見るなら、を切る選択もあります。
ツモ打
次に西家・瑞原さんは
ドラ瑞原手牌
現時点で赤・ドラある2シャンテンですが、このままテンパイしてもシャンポン待ちになるのでなどを引いてリャンメン待ちにしてリーチ・ツモ・赤・ドラなら満貫、10300点の収入になります。
これならトップ目と2000点差まで肉迫でき、あと1アガリでトップも現実的になってきます。
役牌が重なってポンでは2000~3900までで、これもトップよりは二着で終わってしまうようなアガリです。
特に三着目とは100点差で3900程度の小さいアガリではオーラスに満貫未満のアガリで逆転もあります。
瑞原さんもここは満貫〜のアガリが欲しい場面です。
ツモ打
最後に北家・日向さんの手は
ドラ日向手牌
この手は平和や一盃口などが見られる2シャンテンでこのままテンパイを目指してもリーチ・平和2000点になりそうなので123三色や234三色や赤引きなどを見て進めたい手です。
三色ならドラも使えて平和狙いでも邪魔になりません。
日向さんは二着目と100点差で安アガリでは瑞原さんと点差を広げられず、逆転条件を緩くするだけなのでここも大きめのアガリが欲しい立場です。
瑞原さんとほぼ同じでここで満貫ツモならトップ目と2100点差まで迫れるのも大きい。
ツモ打
次巡、内川さんは
ドラ内川手牌
ピンズ四連形ができ、形が良くなり引きでも使える形に変化。
ピンズ2メンツ+雀頭の構想も視野に入ります。
例えば
例3
例4
例5
例6
私的にはピンズは例3〜6のような形を目指したい所です。
ツモ打
次巡、たろうさんは
ドラたろう手牌
次に暗刻や暗刻でもシャンテン数が変わります。
また同巡、内川さんは
ドラ内川手牌
ここからのどちらを切るのか?で意見が分かれそうな場面です。
打するとが雀頭になって567三色を見る手です。
いざという時はチーやカンチーで三色・赤・ドラ3900テンパイにも取れます。
ロンチードラ例7
もちろんメンゼンで三色・赤・ドラの満貫ルートもあります。
こちらを選ぶとメンゼンで満貫〜、裏ドラや一発ツモで跳満程度で二着で良いならこちらを選択するのが良いでしょう。
ロン例8
ではもう1つ、切りの場合はカンとカン、と受け入れの2シャンテンに取れます。
この場合はドラ2枚+赤を使う為高い手になりやすく、567三色同順にならなくてもメンゼンならリーチ・タンヤオ・平和・赤・ドラ2、跳満〜もあります(例9)し、567三色が付けばリーチ・タンヤオ・平和・三色同順・赤・ドラ2の倍満(例10)になります。
もし倍満ツモならトップ目たろうさんと16000+8000+2000+300+100=26400点差が縮まり、内川さんがトップ目に立ちます。
リーチロンドラ例9
リーチロン例10
メンゼンなら最低跳満〜倍満も見える手でトップを目指すならこちらを選ぶのが近道です。
ツモ打
内川さんは倍満もある方を選びました。
あくまでトップ狙い。
次巡、内川さんは
ドラ内川手牌
ネックのカンを引き、リャンメン+三面受け入れの1シャンテン。
まだ雀頭が確定していないのでどこで頭を作るのかを考えます。
ここにでも引けばの三面受け入れにも変化します。
次巡、たろうさんは
ドラたろう手牌
ドラ受け入れもできた6ブロック。
この同巡、日向さんは
ドラ日向手牌
受け入れの1シャンテンドラ切り。
5巡目ドラ切りで1シャンテン、早いドラ切りによくあるパターンです。
次巡、内川さんはツモテンパイ。
ドラ内川手牌
ダマテンでも12000テンパイ。
通常なら即リーチしても変ではないですが、ラス目だというのもあり、もしかするとトップ目たろうさんから直撃を狙ったのかもしれません。
同巡、瑞原さんは
ドラ瑞原手牌
テンパイに取ればが出て行く形ですが切り1シャンテン戻し。
赤切りなら内川さんへ16000放銃だった所。
瑞原さんは赤+ドラで役なしリーチでも5200になり二着が取りやすくなります。
次巡、瑞原さんは
ドラ瑞原手牌
ソーズ4連形で引きならリャンメン待ち以上になります。
更に同巡、日向さんはテンパイ即リーチ。
ドラ日向手牌
この手はリーチ・平和・一盃口3900待ちです。
この次巡、内川さんはツモで
ドラ内川手牌
日向捨牌
日向さんリーチ現物が、一発で引いたは当たり牌。
切りなら待ち、切りなら待ちです。
は日向さんが1枚切り+内川さんに2枚の計3枚見え、はたろうさんが1枚切り+内川さんに2枚の3枚見えで残り1枚、はドラ表示牌と瑞原さんに1枚で残り2枚、は内川さんに1枚とたろうさんに1枚で残り2枚。
ただ待ちのうちは内川さんからが3枚見えでその外側のは狙い目です。
それを知ってか知らずか切り追いかけリーチ!
ドラ内川手牌
リーチの2巡後、オリてなかった瑞原さんがテンパイ即リーチで三軒リーチ。
ドラ瑞原手牌
瑞原さんリーチの次巡、内川さんがツモ。
リーチツモドラ裏ドラ内川手牌
このアガリはリーチ・タンヤオ・平和・ツモ・三色同順・赤・ドラ・裏3の三倍満の一本場、6100−12100です。(+4000)
内川さんは一局で+28300点、トップ目たろうさんは−12100点でトップ目と28300+12100=40400点差が縮まりました。
この局の内川さんの役牌対子落としはタンピン(タンヤオ+平和)で高くなるお手本になる例で、高い手が欲しい時、トップ目と20000点以上離れて点差を縮めたい時などに活用しましょう。
内川幸太郎は1981年5月6日生まれ、長野県松本市出身。
2005年、日本プロ麻雀連盟第22期生でプロデビュー。同期は佐々木寿人等。
2014年、A2リーグ昇級。
2016年、第1回麻雀プロ団体日本一決定戦のメンバーに抜擢され個人成績32人中2位で優勝に貢献。
2017年、A1リーグ昇級。
2018年、A2リーグへ降級するが十段位タイトルを獲得。
2019年、Mリーグドラフト会議でKADOKAWAサクラナイツから1位指名される。
指名時はリーグ戦の最中だったがそこで国士無双をアガる。
2022年、KADOKAWAサクラナイツ優勝。
内川プロの趣味はサッカー観戦と飲酒(ビール、ウイスキー、焼酎)。
愛称は「手順マエストロ」。
雀風はバランス重視の対応型。
Mリーグにおいてオーラスに三着目のチーム雷電・黒沢咲プロの四暗刻・西タンキ待ちにチームスコアなど色々な事情を加味して内川プロが放銃、一時は話題の人となる。
その時放銃した西はMリーグポップアップストアにて回転する台座にディスプレイされている。
それもあり一部ファンからは「西川さん」「赤川さん」などとも呼ばれることも。
Mリーグ2019−2020は−33.1ポイントで29人中15位、2020−2021は+468.7ポイントで30人中2位、2021−2022は−139.7ポイントで32人中22位。
内川さんは比較的オーソドックスな打牌選択が多く、他のMリーガーと比べると地味に映るかもしれませんが、テンパイ時には打牌が多少強くなったり、危険牌をつかむと表情に出やすかったりと情熱的一面があり、そのイケメンさと相まってファン心をくすぐりそうです。
今回のまとめ
・内川さんはサッカーと酒を愛するアラフォー
・Mリーグで四暗刻西タンキに放銃で話題をさらった「西川さん」
・危険牌をつかんだ際に顔を歪めたりテンパイ打牌が強くなる情熱的一面も
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2022年07月21日
ちょっとだけMリーグ#19
今回もMリーガーの良い部分に目を向けて一局だけ掘り下げていきます。
今日の主役は松ヶP 隆弥プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/00PQYWSPvQQ
2021年11月8日 第1試合
東1局
東家 瑞原 明奈 25000
南家 松ヶP 隆弥 25000
西家 瀬戸熊 直樹 25000
北家 多井 隆晴 25000
(敬称略)
まだ開局したばかりで点棒状況は見なくていいです。
手牌から見える理想形を追いかけつつ、巡目によって対応を変えていきましょう。
まず親の瑞原さんの手は
ドラ瑞原手牌
この手に対子がありますが、ポンして1500点では点棒的には物足りず、それなら役なしリーチでツモ、裏ドラや一発が付けば儲け物、くらいでメンゼンで手組します。
そしていつ赤を引いても使えるよう、5が使えるメンツ構成にしたい手です。
を引いた待ちにしてリーチ・ツモも狙いの一つ。
ツモ打
続いて南家・松ヶPさんの手は
ドラ松ヶP手牌
雀頭1つ+ターツ1つしかないメンツ手6シャンテンとめちゃくちゃ遅い手でテンパイスピード的にはここが一番遅いと思われます。
ということは他家からリーチが入る可能性が非常に高い状況で、自分が受け(守備)に回らざるを得ない状況です。
遠い混一色・七対子狙いにして染め色以外の二色を全部切っておけばある程度、放銃を避けられます。
切った二色の場所には現物や2枚切れ以上の字牌など安全牌を貯めておけば、流局までの安全牌も確保できます。
マンズ1枚、ピンズ3枚、ソーズ5枚で一番多いソーズ混一色を見ながら後の危険牌を先切りで良いでしょう。
ツモ打
次に西家・瀬戸熊さんの手は
ドラ瀬戸熊手牌
この手はメンツ手4シャンテンで、平和を中心に見てタンヤオを付けたり赤引きを見ます。
ドラを引くと雀頭にもできるので重なった時は使えるのとタンキ待ちで使えます。
親のテンパイが近そうなら平和1000点でも流す事を考えます。
ツモ打
最後に北家・多井さんは
ドラ多井手牌
この手はタンヤオや平和を見る手のようです。
ただこの手はテンパイしても赤を引かない限り1000や1300点の手にしかならないのでアガリに執着し過ぎない方がいいかもしれません。
ツモ打
次巡、瀬戸熊さんは
ドラ瀬戸熊手牌
マンズは引きでメンツ、引きで雀頭もできます。
飛んで7巡目、親の瑞原さんは
ドラ瑞原手牌
対子ができ、2つ対子があればどちらかが雀頭になるので対子落とし。
ポンなら雀頭、暗刻になれば雀頭、暗刻なら雀頭になります。
同巡、松ヶPさんは
ドラ松ヶP手牌
この巡目でがそれぞれ1枚切れでほぼ同じ、ここはダブを警戒して松ヶPさんは切り。
ここにドラでも重なればリーチ・混一色・七対子・ドラ2で倍満〜もあります。
松ヶPさんはマンズ・ピンズを払い、比較的安全な字牌を複数抱えていざという時の安全牌にもできます。
4対子になり、七対子2シャンテン。
同巡、瀬戸熊さんは
ドラ瀬戸熊手牌
平和1シャンテンでドラが重なればと雀頭を入れ替えてリーチ・ドラ2の5200~になります。
また同巡、多井さんは
ドラ多井手牌
メンツ手3シャンテンとスピードで一番遅れています。
次巡、瑞原さんは暗刻になり、
ドラ瑞原手牌
受け入れの1シャンテンになりました。
ドラ多井手牌
要所のが埋まり受け入れができ、2シャンテン。
次巡、松ヶPさんは
ドラ松ヶP手牌
真ん中(5)に近い切りで少しでも放銃を回避しようとする守備的な一打です。
そして同巡、多井さんは
ドラ多井手牌
マンズ受け入れができ、メンタンピンや456三色同順にもなりそうな2シャンテン。
次巡、瑞原さんは引きで暗刻になる形もありました。
同巡、松ヶPさんは
ドラ松ヶP手牌
入りならダマテンになった時は跳満になるのでおいそれとは切れない牌ですし、は自分が切ったのスジでこれも待ちには使えそうです。(はションパイ)
更に同巡、多井さんは引きでピンズ1メンツしくった形。
ドラ多井手牌
次巡、松ヶPさんは
ドラ松ヶP手牌
混一色・七対子1シャンテン。
のどちらかを引いて跳満〜にしたい所。
3枚切れ切り。
また同巡、多井さんは
ドラ多井手牌
と引きテンパイになる、目一杯の1シャンテン。
次巡、瀬戸熊さんはテンパイ即リーチ。
ドラ瀬戸熊手牌
リーチ・平和待ち2000点で打点的には物足りない手。
この直後、多井さんも
ドラ多井手牌
瀬戸熊捨牌
瀬戸熊さんの現物切りでテンパイ取り。
多井さんはを切っていてフリテンで切り方によってはアガリもあった形です。
瀬戸熊さんはリャンメン待ちと仮定するとと、、待ちを否定していて、、待ちもありません。
つまりマンズ待ちかピンズ待ちのどちらかが濃厚だろうと推測されます。
次巡、多井さんはツモ打
ドラ多井手牌
現物切りの1シャンテン戻し。
次巡、瑞原さんは3枚見えワンチャンスツモ切り。
ドラ瑞原手牌
これはドラ3枚切れでドラを使えないのと赤はが切れていてだけ、瀬戸熊さんの手は赤1枚があったとしてもせいぜいリーチ・平和・赤3900程度だと見えているからでしょう。
親の1シャンテンなら押し返したい状況だと言えます。
また同巡、松ヶPさんはテンパイ。
ドラ松ヶP手牌
を切ってリーチの現物タンキ待ち。
更に同巡、多井さんはテンパイ張り直します。
ドラ多井手牌
瀬戸熊さんにはが現物で3枚見え、そして前巡通ったばかりのです。
押し返しを考えずただオリるだけなら、瀬戸熊さんがツモ切ったばかりの切りでいい所。
ここは多井さんは切りで松ヶPさんロン。
ロンドラ松ヶP手牌
このアガリは混一色・七対子・赤の跳満、12000点です。
Mリーグ2021−2022シーズンの四着回避率96%、32人中1位の多井さんが高い手を放銃する、珍しいシーンでした。
その後も多井さんは3巡目リーチ、役牌バックなど仕掛けますがアガリには結びつかず、17000点持ちラスを引いてしまいます。
松ヶP 隆弥は1980年4月11日生まれ。
2009年、RMU(リアル・マージャン・ユニット)所属。
2011年、令昭位戦リーグ(当時:Rリーグ)最上位リーグまで昇級、クライマックスリーグ優勝。
2012年、最高位戦Classic優勝。
2014年、クライマックスリーグ優勝。
2017年、第9期令昭位獲得。
2021年、MリーグEX風林火山・新メンバーオーディションで優勝し、ドラフト指名される。
松ヶPさんは元調理師で現在もSNSで料理の写真を上げてらっしゃいます。
得意料理は煮物。
プロレス好きでサングラス収集癖あり。
対局時にはサングラスを着用し、気分によって付け替えたりもしています。
松ヶPさんの雀風は万能型。
対局中は対局者の癖や動きのような情報を見逃さない。
現在、RMUにおいて多井さんに次ぐ実力者だと言われており、過去に多井さんも近い将来、自分を超えてRMUの看板になると仰られています。
Mリーグ2021−2022シーズンの成績は213.7ポイントで32人中5位。
今回のまとめ
・松ヶPさんは元調理師で現在も料理作りに励む
・雀風は万能型で対局の癖や動きなどを注視している
・RMUでは多井さんに次ぐ実力者
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2022年07月19日
ちょっとだけMリーグ#18
今回もMリーガーの良い部分に目を向けて、一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は村上 淳プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/sPXvGp4BUAM
2019年11月18日 第2試合
南4局1本場を迎えて、点棒状況は
東家 村上 淳 30800
南家 前原 雄大 -6800
西家 滝沢 和典 31000
北家 萩原 聖人 45000
(敬称略)
※前原さんは以前、KONAMI格闘倶楽部所属だった選手です。
点棒状況だけで言えば、親の村上さんが4000オール以上ならトップ目(ただし連荘)になり、二着目の滝沢さんはのみ手(役牌、リーチなどの1ハン)でもアガれば二着、トップ目の萩原さんは1000点でもアガればトップ、ラス目の前原さんに至っては誰から倍満直撃しても三着にはなれない残念な立場です。
まず親の村上さんの手は
ドラ村上手牌
この手はピンズ8枚+字牌2種でピンズ混一色が最初に見えます。
ピンズと字牌対子が増えれば混一色・七対子、字牌が早い巡目から対子になればポンして役牌・混一色5800〜のプランもあります。
後は字牌が重ならなければタンヤオにしてリーチ・タンヤオ3900〜やリーチ・タンヤオ・平和5800〜のプランもあります。
ツモ打
次に南家・前原さんの手は
ドラ前原手牌
前原さんは点棒的に倍満を直撃しても変わらないので、ここはスルーでいいでしょう。
ツモツモ切り
続いて西家・滝沢さんの手は
ドラ滝沢手牌
滝沢さんはがあり2ハン分あるので平和などメンツ手を見ながら一盃口や引きタンヤオ振り変わりなどを考えます。
ツモ打
最後に北家・萩原さんの手は
ドラ萩原手牌
この手はメンツ手、平和も狙える手ですがタンヤオ・赤+ドラ2で鳴いても満貫ある為タンヤオを中心としてメンゼンか鳴きかを考える手に見えます。
役牌が重なればポンもありますが、二着目と三着目に満貫放銃でトップ逆転もあるので鳴く時はある程度安全牌を確保しておきたい状況だとも言えます。
ツモ打
次巡、村上さんは
ドラ村上手牌
これで混一色・七対子の3シャンテン。
同巡、萩原さんは
ドラ萩原手牌
タンヤオへ手が伸びる中、打。
これを前原さんがポン。
ポンドラ前原手牌
倍満をアガっても無意味の前原さんは半荘終了させたいのとこれ以上の失点を避ける意味で1000~2000点の仕掛け。
この直後、萩原さんは
ドラ萩原手牌
ドラにくっついて広い形になりました。
続いて村上さんは
ドラ村上手牌
対子が増え、混一色・七対子2シャンテン。
同巡、前原さんは
ポンドラ前原手牌
1000点カン待ちテンパイ。
また同巡、滝沢さんは
ドラ滝沢手牌
ドラにくっつく引きでソーズの形が良くなりました。
良くなったとはいえ、メンツ手3シャンテンでは遅い方です。
2巡後、村上さんは
ドラ村上手牌
ここで村上さんの切ったを前原さんがポン。
ポンポンドラ前原手牌
ポンしてノベタン待ちに変化しました。
この直後、滝沢さんは
ドラ滝沢手牌
前原さんのを引きますが前原さんの現物切りですら切りません。
滝沢さんは1000点放銃でも三着転落するのでアガリよりも放銃しない寄りです。
この同巡、萩原さんも
ドラ萩原手牌
まだ1シャンテンだからかすら切らずに前原さんを警戒しています。
次巡、村上さんは
ドラ村上手牌
ションパイの字牌が多く、1枚切れよりはの方が山にはありそうです。
村上捨牌
前原捨牌
滝沢捨牌
萩原捨牌
そして同巡、滝沢さんは
ドラ滝沢手牌
ツモ打
と、萩原さんが前巡通した牌に合わせ打ち。
もう滝沢さんはオリに集中しています。
滝沢さんの打牌後に白鳥さんの解説が入りますが
「これちょっと誘導している所もあるかもしれませんね。
滝沢さんが打って合わせた形で『それなりの手だよ』と一瞬見せておいて萩原さんに『もう打たないとダメですよ』というのをアピールしているかもしれないですね。
萩原さんが前原さんに打ってくれれば自分は二着になる。」
次巡、村上さんは
ドラ村上手牌
1枚切れのを切り、残し。
そこから2巡後、村上さんはテンパイ。
ドラ村上手牌
のどちらのタンキ待ちに取るのか?が問題です。
まずは場に1枚切れと自分の手に1枚の残り2枚、手に使っているの外側であり端牌(1と9)で、他家には使いづらくなりやすい牌ですがあと2枚だけ。
次には自分の手にとがあり、場に2枚切れです。
多少、他家には使いづらい牌ですが真ん中(5)に近く、他家に対子以上で持たれていてもおかしくありません。
ここは村上さんは打ダマテンに取ります。
これは今より良いタンキ待ちにしてからリーチしたい意思の現われなのでしょう。
次巡、村上さんはションパイを引きリッチ!!!
ドラ村上手牌
は滝沢さんの自風で1000点でもアガれば二着の滝沢さんに対子であればポンできない時は役牌バック(後付け)の鳴きが入るはずです。
それ以外の人にはオタ風で雀頭以外ではあまり使えない牌になります。
もしを使うなら平和の雀頭、混一色の雀頭以上、チャンタの雀頭以上、対々和の1ブロック等。
そう考えると他家の手に使われている可能性が少し低いかもしれないと考えることはできます。
次巡、村上さんのツモは・・・!
リーチ・一発・ツモ・混一色・七対子の倍満、8000オールツモの一本場、8100オールです。
リーチ一発ツモドラ裏ドラ村上手牌
このアガリで持ち点は
村上 55100
前原 -14900
滝沢 22900
萩原 36900
と萩原さんに18200点差をつける大きなアガリとなりました。
次局2本場は萩原さんと滝沢さんの二軒リーチが入るも流局。
見事、村上さんが逆転トップを飾りました。
村上 +75.6
萩原 +17.4
滝沢 −16.6
前原 −76.4
村上 淳は1975年4月10日生まれ。
1997年、大学2年で最高位戦日本プロ麻雀協会のプロテストを受け合格。
22期生でプロデビュー。同期に近藤誠一・渡辺洋香。
2010年、日本オープン、最高位戦Classic、第35期最高位の三冠制覇。
2014年、モンド王座戦、最高位戦Classic、最高位の三冠制覇。
2018年、赤坂ドリブンズから2位指名を受ける。
村上淳プロは最高位戦日本プロ麻雀協会所属のプロ雀士です。
愛称は「ずんたん」「村上ジェン」など。
雀風はオカルトを否定する「デジタル」型で鳴きが少なくメンゼンでリーチを何度もかけることから「リーチ超人」とも呼ばれる。
昔、「月刊 プロ麻雀」誌上で小林 剛プロ、鈴木 たろうプロと共に「オカルトバスターズ」を結成しています。
過去に下位リーグに落ちた際、家族から貰ったお守りを励みにして上位リーグに昇級できたことから大事な対局時には胸ポケットにお守りを忍ばせて賽子を振る際には胸に手を当てるポーズが定番になりました。
対局時にはティッシュで大きな音を立てて鼻をかんだり、今回の動画のように卓上でのアクションが他人より少し激しいずんたんですが、人情味のある人柄がその人気の高さの秘密でしょう。
また、どんな高い手に放銃しても「ハイッ!」と点棒を支払う清々しさは私も見習うべき所だと感じます。
メンゼン特化型という意味では黒沢咲プロや瀬戸熊直樹プロの雀風に近いですが、「リーチ超人」の異名からリーチ回数に違いが出ています。
村上さんはその読みの鋭さとメンゼンでのリーチを主な攻撃手段としています。
ですのでそのリーチが何度も空振った際はラスを引く事も多くなってしまいます。
https://times.abema.tv/articles/-/10005336 ←ABEMAニュースの記事
https://youtu.be/YWlzWkHO4lA ←四連ラス前半
https://youtu.be/DBHjN_l3ZzY ←四連ラス後半
・・・Mリーグではリーチ超人以上にリーチ超人な(佐々木)寿人さんがいるのを忘れてはいけません。
今回のまとめ
・自らの鋭い読みとリーチを何度もかける「リーチ超人」
・情熱的なアクションもずんたんの魅力
・近藤誠一プロ・渡辺洋香プロと同期
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2022年07月17日
ちょっとだけMリーグ#17
今回もMリーガーの良い部分に目を向けて一局だけ掘り下げていきます。
今日の主役は松本 吉弘プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/4efeJ3rmuSU
2022年2月3日 第2試合
東4局1本場(供託リーチ棒1)
東家 堀 慎吾 15800
南家 松本 吉弘 21000
西家 本田 朋広 21000
北家 茅森 早香 41200
(敬称略)
親の堀さんの手は
ドラ堀手牌
既にメンツ手3シャンテンで平和を中心に見ます。
後、ドラ引きは重ねて雀頭にしたり赤引きを見ます。
沈んでいる(マイナス)親ならリーチ・平和・赤5800点くらいアガって連荘できれば十分といった所でしょうか。
ツモ打
次に南家・松本さんは
ドラ松本手牌
この手はタンヤオか役牌があり重ねてポンしていく手に見えます。
例えば
ロンポンポンドラ例1
リーチツモドラ例2
例1、2なら満貫にもなります。
現在、トップ目の茅森さんと約20000点差でこの点差は子満貫+跳満の点数とほぼ同じです。
トップを目指すならここは満貫クラスの手をアガっておきたい場面だと言えるでしょう。
ツモ打
続いて西家・本田さんは
ドラ本田手牌
ここもメンツ手で平和と234三色同順、345三色同順を中心に見る手です。
点棒状況からが暗刻になった役なしリーチはできれば避けたい所です。
本田さんもトップ目と約20000点差で安手ではアガりたくない状況。
最後に北家・茅森さんの手は
ドラ茅森手牌
この手は5シャンテンとテンパイスピードの遅い手で他家より遅いのがわかっている為、混一色や七対子を狙いながら他家への放銃に気をつけましょう。
他家に追いつけそうな時だけ攻めを考えますが、80%くらいはこの時点から守備意識です。
その次巡、松本さんの手は
ドラ松本手牌
この同巡、本田さんは
ドラ本田手牌
赤引きで少し高くなった2シャンテン。
さらに同巡、茅森さんも
ドラ茅森手牌
マンズ混一色も見ているようです。
そして次巡、堀さんは
ドラ堀手牌
引きならテンパイになる1シャンテン。
同巡、松本さんは
ドラ松本手牌
ここにでも引けば
例3
これなら待ち高目タンヤオリーチがかけられます。
また同巡、茅森さんは
ドラ茅森手牌
3対子になり、七対子の3シャンテン。
そして次巡、堀さんは
ドラ堀手牌
これで引きマンズ2メンツも考えている様子。
同巡、松本さんは
ドラ松本手牌
引きでマンズメンツや678三色の目も出てきてドラ切り。
他家にとってはオタ風のドラにつき多少切りやすい牌です。
混一色やチャンタ、対々和以外には鳴きづらいドラ。
また同巡、本田さんは
ドラ本田手牌
本田さんはここから打としますが、
4対子になり七対子の2シャンテン、一盃口も見るなら不要なで、
345三色同順への変化も本田さんは見落としているようです。
あるいは234三色へ変化もないとは言えません。
私ならここは1枚切れも見て打します。
次巡堀さんは
ドラ堀手牌
にがくっつき、マンズ変化もあります。
また同巡茅森さんは、
ドラ茅森手牌
引きでマンズ混一色・七対子も見ているようです。
マンズと字牌以外いらないっ!!と茅森さんは対子落としを始めます。
次巡、松本さんはカンツができアンカン、カンドラもでダブドラ(1枚で2ハン分)に。
アンカンドラ槓ドラ松本手牌
次巡、堀さんは
ドラ槓ドラ堀手牌
マンズはリャンカン形と受け入れで少し広くなりました。
同巡、松本さんは
アンカンドラ槓ドラ松本手牌
678三色が見え、ターツ落とし。
2巡後、本田さんは松本さんのアンカンと場に1枚切れも見てターツ落とし。
この時点でが3枚だけになったのでリャンメンターツを切りました。
次巡、本田さんは
ドラ本田手牌
ソーズメンツ完成で1シャンテン。
2巡後、松本さんは
アンカンドラ槓ドラ松本手牌
これで678三色と789三色の両方を見られます。
次にツモなら678三色、ツモなら789三色のテンパイに取れます。
また同巡、本田さんはテンパイ。
ドラ槓ドラ本田手牌
ここで本田さんは切りペン待ちリーチを選択します。
場全体を見てみると
堀捨牌
松本捨牌
本田捨牌
茅森捨牌
茅森さんの捨牌に2枚が切られています。
それ+松本さんに1枚でこの時点でペンは残り1枚しかありません。
もしのシャンポン待ちにた場合は2枚切れとはションパイで残り0+2=2枚。
ペン待ちリーチは単純に枚数だけではシャンポン待ちよりアガリ牌の枚数が1枚少ないわけです。
ドラ槓ドラ例4
アガリを見るならまだ例4のシャンポン待ちの方がマシでしょう。
あるいは何巡か一盃口が付く引きを待って5200リーチにするのも一つの手です。
リーチ直後の次巡、松本さんは
アンカンドラ槓ドラ松本手牌
本田捨牌
本田さんの捨牌4巡目にが切られていてこれが孤立牌の可能性が高く、から切りではなさそうだと判断できるので松本さんは打。
次巡も松本さん打対子落とし。
そうする間に本田さんからと切られてスジの牌も切りやすくなりました。
次巡、松本さんは引きリーチ!
アンカンドラ槓ドラ松本手牌
リーチの次巡、本田さんがをツモ切り松本さんロン!
リーチロンアンカンドラ槓ドラ裏ドラ槓裏ドラ松本手牌
松本さんのアガリはリーチ・三色同順・裏2の満貫の一本場8300点。(+2000)
このアガリで松本さんは31300点でトップ目茅森さんに満貫ツモ圏内まで詰め寄ります。
松本吉弘は1992年5月3日生まれ、身長は187cmあり容姿や押しが強めの雀風から「卓上のヒットマン」と呼ばれる。
高校1年生で先輩から麻雀に誘われ麻雀プロの存在を知り将来の目標になる。
青山大学在学中、勤めていた雀荘オーナーで日本プロ麻雀協会所属のプロに誘われ同団体第12期後期で入会。
2013年プロデビュー。
大学卒業後、サラリーマン兼プロ雀士だったが2015年退職。
2017年、發王位を獲得。
2018年、Mリーグドラフト会議で渋谷ABEMASから3位指名。
松本さんは中学・高校と野球部に所属し、見た目はコワモテのお兄さん、取り立て屋っぽく見えますが中身はそれとは正反対の好青年です。
プライベートでも親しい小山剛志さんからは「ゲンスルー(ハンター×ハンター)」と呼ばれたりもしています。
2022年には個人チャンネル「まつもとぐみhttps://www.youtube.com/channel/UCSpPZV8gKgGtRvUq38zwD4w」を開設。
現在はVTuberを中心とした神域リーグ、チームヘラクレス監督も務めています。
Mリーグでは四暗刻ツモも経験 https://youtu.be/8IYr3FHyxZU
今回のまとめ
・松本さんはコワモテの容姿からは想像できない(ごめんなさい)好青年
・今年、個人チャンネル「まつもとぐみhttps://www.youtube.com/channel/UCSpPZV8gKgGtRvUq38zwD4w」開設
・時々見せる、押しが強めの雀風
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2022年07月15日
ちょっとだけMリーグ#16
今回もMリーガーの良い部分に注目して一局だけ掘り下げていきます。
今日の主役は勝又 健志プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/INlelHaHpCQ
2021年3月10日 第2試合
南2局を迎えて点棒状況は
東家 松本 吉弘 24800
南家 魚谷 侑未 7200
西家 勝又 健志 31500
北家 園田 賢 36500
(敬称略)
トップ目が園田さんで二着目の勝又さんと5000点差、園田さんから2600以上直撃か5200以上ロン、1000−2000以上ツモで勝又さんはトップ目になれます。
後は親の松本さんとの差も6700と追いつかれかねない点差なのでここにはアガらせたくない状況でもあります。
最初に親の松本さんの手は
ドラ松本手牌
この手は役牌がありますがポンして1500点では微妙でそれならメンゼンで手組してリーチ・赤3900〜狙いでも良さそうです。
ドラを引いた時だけ対応が難しいですがトップを見るならリーチ、できればリャンメン待ち以上のツモりやすい待ちでリーチ・ツモで点差を縮めたい状況です。
ツモ打
次に南家・魚谷さんの手は
ドラ魚谷手牌
パッと見ではチャンタや123三色、字牌がなくなれば純チャンもある手ですががありこれがあるだけでチャンタや純チャンになりづらくむしろ不要牌でもあります。
ここはを切らずにメンツ手か123三色やチャンタ、純チャンメインで満貫、跳満狙いにするのか迷い所です。
チャンタや純チャン狙いでは456をツモ切ることになり放銃の可能性大なのでこれ以上の失点は厳しい状況。
ツモ打
続いて西家・勝又さんの手は
ドラ勝又手牌
これはメンツ手、平和を見ながらタンヤオが付けば良いくらいの手です。
赤を引いてリーチ・タンヤオ・平和・赤なら満貫でトップにもなれます。
勝又さんはできれば三着目の親にはアガらせないようにしつつアガリを拾えるのが理想です。
ツモツモ切り
最後に北家・園田さんの手は
ドラ園田手牌
こちらもメンツ手、平和を見ながらタンヤオが付くといいなくらいで進めてトップ目につき放銃にも気をつけながら進めます。
遠くに456三色同順が見えるのでこれも多少意識して進めます。
ツモ打
次巡、松本さんは
ドラ松本手牌
ターツができメンツ手2シャンテン。
また同巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
1メンツ完成で一応2シャンテンです。
更に同巡、勝又さんは
ドラ勝又手牌
こちらも2シャンテン。
また同巡、園田さんは
ドラ園田手牌
カンチャン受け入れとペンチャン受け入れの残る3シャンテン。
園田さんが一歩出遅れています。
次巡、松本さんは
ドラ松本手牌
対子もできて3対子になりますが、1枚切れも見て打
同巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
1メンツできて2シャンテン、ペンとドラが残ってまだ形的には良くありません。
また同巡、勝又さんは
ドラ勝又手牌
おそらく引きの一気通貫変化も見てを残したと思われます。
更に同巡、園田さんは
ドラ園田手牌
ペン引きも見ながら、タンヤオへ移行も考えています。
次巡、松本さんは
ドラ松本手牌
引き一盃口や三暗刻、456三色も見える形へ。
また同巡、勝又さんは
ドラ勝又手牌
のどれかを引けばメンタンピンでリーチも可能になります。
次巡、魚谷さんはツモ打としますが、
打ドラ魚谷手牌
この手で受け入れを残すのならを残してもは使えるのでか
のどちらか残しで良いと感じます。
特に魚谷さんは早い手でもないのでペンチャン落としでくっつきの形で安全牌を持っておくかドラを重ねるか赤を使った好形にしてリーチのどちらかで良さそうに見えます。(三着目と17600点差のラス目)
2巡後、勝又さんテンパイですがダマテンに取ります。
ドラ勝又手牌
ここで勝又さんはダマテンに取りますが、その理由は@ドラ切りだから他家がドラポンするのか様子見、Aトップ目(園田さん)から直撃したいB赤引きを待った、などが考えられます。
この手は567三色同順にならない手なので(引きはアガリ)、を引いた時はフリテンリーチも考えてらっしゃったのかもしれません。
ドラ手牌例1
これなら待ちである程度ツモる可能性が高いのとダマテンでツモるより高くなるのとツモならリーチ・タンヤオ・平和・ツモ・三色同順の跳満、これなら文句なしのアガリです。
打ち手によっては愚形待ちだからリーチしないとか一発ツモする為に一巡まわし(あえてリーチしない)する人もいます。
この次巡、松本さんから当たり牌が切られますが勝又さんはスルー。
ここで松本さんからアガっても2000点プラスされるだけなのでスルーしたと思われます。
また同巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
まだ2シャンテン。
更に同巡、ここで勝又さんはリーチ!
ドラ勝又手牌
リーチの直後、園田さんは、松本さんはと現物切り。
魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
1シャンテンまで来ましたが魚谷さんはずっとスピードで遅れています。
この直後、園田さんはを引き停止。
ドラ園田手牌
ここで2枚切れのを切れば安全に進められますが、リーチ前に松本さんが切ったを園田さんはチェックしているはずです。
それを知ってか園田さんはをツモ切り、勝又さんからロン。
リーチロンドラ裏ドラ勝又手牌
リーチ・平和・タンヤオ3900点のアガリですがトップ目からの直撃で
勝又 35400
園田 32600
とトップ目に立ちました。
結局の試合は園田さんと勝又さんのマッチレースで
勝又 +50.7p
園田 + 8.9p
松本 −13.5p
魚谷 −46.1p
と勝又さんが園田さんとわずかに1800点差、30700点でトップを取ります。
今回の3900ロン、7800点差が縮まったのがトップを取れた要因の1つなのは間違いないでしょう。
勝又健志は1981年3月15日生まれ東京都出身。
大学生時代は神楽坂の雀荘「ばかんす」に入り浸る。
2000年、早稲田大学在学中に日本プロ麻雀連盟17期生でプロデビュー。
2011年、第2回麻雀グランプリMAX優勝。
2014年、自団体最高リーグA1昇格。
2015年、第32期鳳凰位獲得。
2016年、第一回麻雀プロ団体日本一決定戦で9万点トップなど優勝に貢献。
2018年、Mリーグドラフト会議でEX風林火山から3位指名される。
Mリーグ2020ファイナルでは4連勝含む7戦5トップ二着1回+274.2ポイントと大活躍でチーム優勝の立役者。
勝又さんは自分の読みを信じてリーチが入っていても多少押していく印象の強い打ち手です。
過去に密着された番組ではリーパイ(理牌:順番に並べる)していないメンチン(メンゼン清一色)の待ち当てを秒単位で当てたり、全員の持ち点を覚えていたりと前回の園田さんにも近い頭脳をお持ちです。
勝又さんのゲーム回しの上手さや麻雀知能が高い所から「麻雀IQ220」の異名があります。
また、勝又さんの所属するEX風林火山では「軍師」とも呼ばれています。
勝又さんの解説はわかりやすいと評判ですが、話が長い時があるのが玉に瑕。
Mリーグ2018シーズンでは21人中11位、2019シーズンは29人中14位、2020シーズンは30人中19位、2021シーズンは32人中8位。
連盟の中で勝又さんの実況能力の高さからMリーグ実況の日吉さんも勝又さんから実況についてアドバイスを貰っているとの話もあります。
一部の勝又さんファンからは親連荘すると「アザラッシュ」と呼ばれることも。
今回のまとめ
・ダマテンにするのは複数の理由がある(愚形待ち、ドラ切りだから他家のドラポンがあるか、変化待ち、スルーからの直撃狙いなど)
・自分の読みを信じての押しが強めの雀風
・解説や実況もこなせる勝又さん
・「軍師」、「麻雀IQ220」、リーパイなしメンチン待ち当てなど、頭の瞬発力が高い
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2022年07月13日
ちょっとだけMリーグ#15
今回もMリーガーの良い部分に注目して一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は園田 賢プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/IS28rlW_dkw
2021年10月7日 第2試合
東2局1本場(供託リーチ棒1)で点棒状況は
東家 多井 隆晴 27000
南家 園田 賢 29900
西家 瀬戸熊 直樹 23000
北家 魚谷 侑未 19100
(敬称略)
まだ東2局でいくらでも着順が入れ替わるのでまだ点棒は意識しなくて結構です。
親・多井さんの手は
ドラ多井手牌
配牌からがあり引きで3メンツ計算ができ、引きでも2メンツ+雀頭になる強い形です。
その中でも特にがくっつけば一気通貫になる、ある程度高い手になるメンツ手です。
例1
例2
ここからもう少しピンズと字牌が増えれば混一色にもなりますが、ここは一気通貫や平和を見ながら進めたい手に見えます。
ツモツモ切り
このを園田さんがポンして打。
ポンドラ園田手牌
この手は・赤2000点になりそうですが二着目で当面のライバルである多井さんの親は流したい場面で、ここには連荘させたくないのがわかります。
次に西家・瀬戸熊さんの手は
ドラ瀬戸熊手牌
現在2メンツ完成+ドラの3シャンテンです。
マンズは+というよりも+の2ターツとして考え、と受け入れ2つある状態だと考えた方がメンツを作りやすくなります。
こういう中ぶくれ形ができるとを切ってメンツ固定してしまう人がいますが、一盃口の目もありマンズ部分が待ちになってもある程度自分には都合の良い待ちにもなります。(になるとで少しアガりやすい等)
この手はマンズ2メンツ+ピンズ1メンツ+ソーズ1メンツにしたい手です。
後は雀頭がなく、どこかで雀頭を作らないといけません。
ツモ打
最後に北家・魚谷さんの手は
ドラ魚谷手牌
既にこの手はメンツ手2シャンテンでにくっつけて1メンツ、ピンズのどちらかにくっつけて引き一盃口や引きなどを見ます。
ツモ打
次巡、多井さんは
ドラ多井手牌
ピンズ2メンツ+1ターツで残りのマンズとソーズに雀頭を求める形です。
同巡、園田さんは
ポンドラ園田手牌
まだ3シャンテン。
と、は雀頭としてへのくっつきを見ます。
また同巡、瀬戸熊さんは
ドラ瀬戸熊手牌
雀頭ができメンツ手2シャンテン。
次巡、園田さんはターツができ2シャンテン。
ポンドラ園田手牌
鳴く時は余剰牌を持ちすぎず、安全牌を1枚は持っておきたいものです。
同巡、瀬戸熊さんも
ドラ瀬戸熊手牌
へのくっつきの1シャンテンで瀬戸熊さんがスピードでは一歩リード。
次巡、多井さんは
ドラ多井手牌
マンズリャンメン受け入れができタンヤオや234三色同順も見えてきました。
この同巡、魚谷さんも
ドラ魚谷手牌
メンツ手1シャンテンに。
次巡、多井さんは
ドラ多井手牌
ソーズリャンカン受け入れもでき、更に好形の2シャンテン。
そして次巡、多井さんは
ドラ多井手牌
まだ雀頭がないものの、どちらかが対子になればメンタンピン、5800リーチがかけられます。
その2巡後、多井さんはその念願の雀頭ができ、即リーチ。
ドラ多井手牌
この同巡、園田さんの手は
ポンドラ園田手牌
ここは一枚切れの切りでやり過ごせますが次巡はを切るくらいしかなくなります。
ツモ打
リーチの多井さんの捨牌は
多井捨牌
また同巡、瀬戸熊さんの手は
ドラ瀬戸熊手牌
ここはリーチ一発目で現物対子があり2巡切れるので切り、がありここが雀頭に固定できるようなら押し返しも考えます。
ツモ打
そして同巡、魚谷さんも
ドラ魚谷手牌
打の現物切りで様子見。
この次巡、多井さんがツモ切ったを見て園田さんが停止。
ここからチーするのは決まっているとして、次に何を切ってそこからどう親リーチに向かっていくのかを考えてらっしゃるようです。
園田さんはチーして打、これは現物のスジにあたります。
チーポンドラ園田手牌
おそらく次巡も切りで2巡時間稼ぎしてその間に引いた牌によって雀頭を決めてアガリを拾う計算なんでしょう。
次巡、園田さんは切り。
そのまた次巡、多井さんツモ切りで園田さんがこれをチーして打。
チーチーポンドラ園田手牌
園田さんは3副露(フーロ:鳴き)して未だノーテン。
親リーチに対してこの鳴き仕掛けはちょっと異常に見えます。
次巡、園田さんはツモツモ切り
更に次巡、園田さんのツモが!!!
チーチーポンドラ園田手牌
ここでかを切ればテンパイ。
単純に園田さんから2枚見えのから打は親へ放銃、切りなら待ちになります。
ただしは場に3枚切れ、はションパイ。
もしここで園田さんがシャンポン待ちに受けていたら
1枚と1枚は多井さんに、1枚は魚谷さんにありかなりアガリは難しかった状況です。
その前に切りで5800放銃ですが。
次巡、多井さんはツモ切りで園田さんロン。
ロンチーチーポンドラ園田手牌
園田さんは・赤2、3900の一本場4200点のアガリ。(+2000)
園田 賢は最高位戦日本プロ麻雀協会のプロ雀士。
大学進学を目指す浪人中に麻雀にハマり、雀荘でアルバイトを始める。
大学へ入学してもその熱は冷めることなく留年するが無事卒業を迎える。
就職前に最高位戦のプロ試験を受け合格、2003年プロ雀士となる。
2017年最高位決定戦で準優勝。
2018年麻雀駅伝でチーム優勝。
同年スリアロオールスターズでチーム優勝。
同年Mリーグドラフトで赤坂ドリブンズから1位指名を受ける。
同年Mリーグ初優勝を修める。
「近代麻雀」の選手名鑑では「状況に応じて手を変える」と素直な手の進め方をしない雀風、「王道のリーチ・ブラフの仕掛けを巧みに使い分け、自分の有利な状況に持ち込むのが得意」と評されている。
園田本人は「河(捨牌)の作り方」に拘っていて、とあるライターからは「引き出しの多さが特長」とも述べられている。
Mリーガーの中で鳴きが上手いと言われることなどから園田の愛称・異名は「魔法使い」、「ウィザード」、「麻雀賢者」。
この「魔法使い」から白鳥 翔が「魔法少女」と呼ばれることもある。
Mリーグ2018シーズンは123.2p、2019シーズンは−377.6p、2020シーズンは−28.7p、2021シーズンは−56.7p。
Mリーガーの中で麻雀の個人タイトルを持たない珍しい存在。
園田さんはメンゼンはリーチ、そしてブラフ鳴きを使います。
Mリーグでも他にはあまり見ない類の鳴きを使用。
鳴く時の牌の並びに神経を使っているのも見受けられます。
赤入りルールではリーチ時の打点が高くなりやすく、鳴きの重要性は少し低くなりがちです。
そういう面から園田さんはMリーグルールへの対応を迫られることになりました。
彼の鳴き方の面では勉強になるのとプロテスト問題のような計算する能力(くっつき問題・点数計算など)に長けた一面があります。
今回のまとめ
・浪人生で麻雀ハマる
・リーチとブラフ鳴きの魔法使い
・理数系らしく計算する能力が高め
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2022年07月11日
ちょっとだけMリーグ#14
今回もMリーガーの良い部分に注目して一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は黒沢 咲プロです。
https://youtu.be/8761GSwZRSM
※動画の都合上、7巡目〜になります。
2022年1月6日第2試合
東1局2本場を迎えて点棒状況は
東家 堀 慎吾 31700
南家 瑞原 明奈 24100
西家 黒沢 咲 22100
北家 滝沢 和典 22100
(敬称略)
最初に親・堀さんの手は
ドラ堀手牌
既に3メンツ+1ターツあり1シャンテン、のどれかを引けばテンパイ。
リーチ・ドラ2、7700点やツモってリーチ・ツモ・ドラ2の4000オールのような手になりそうです。
ツモツモ切り
次に南家・瑞原さんの手は
ドラ瑞原手牌
この手はタンヤオが確定していて345三色同順や引きなら456三色との受け入れができます。
後はピンズがカンがネックでとの枚数に注目しながら進めましょう。
ツモ打
次に西家・黒沢さんの手は
ドラ黒沢手牌
まずがあり小三元か大三元、後はピンズなどで混一色の満貫、対子が増えれば対々和や混一色・対々和・など、手の伸び方によっては満貫〜役満まで見られる大物手の予感がします。
ツモ打
最後に北家・滝沢さんの手は
ドラ滝沢手牌
この手は赤やドラが無いものの対々和と七対子が見える手で鳴きづらいが暗刻になっているのでどちらかと言えば対々和寄りの手です。
は端(1と9)に近いのと字牌で比較的鳴きやすいので鳴き寄りです。
また、瑞原さんの必要牌を4枚も持っています。
これにより瑞原さんのピンズは伸びにくいかもしれません。
滝沢さんは引きと2枚切れを見てツモ切り。
ツモツモ切り
次巡、黒沢さんは
ドラ黒沢手牌
ができ、ポンの小三元、ドラ対子になれば大三元もあります。
同巡、滝沢さんも
ドラ滝沢手牌
暗刻ができて二暗刻、対々和・三暗刻なら満貫もあります。
次巡、滝沢さんがをツモ切り現時点では堀さんに1枚、滝沢さんに2枚で残り1枚、は堀さんに1枚、黒沢さんに1枚、滝沢さんが1枚切り残り1枚、は堀さんが1枚切って滝沢さんに2枚で残り1枚とこの巡目では1+1+1=3枚しかありません。
更に次巡、堀さんがラス牌のツモ切りでこれを滝沢さんがポンして打テンパイ。
ポンドラ滝沢手牌
シャンポン待ちでツモって三暗刻の満貫。
この直後、堀さんはテンパイ即リーチ。
ドラ堀手牌
ドラタンキ待ちの7700点~です。
リーチの同巡、黒沢さんは
ドラ黒沢手牌
小三元・ドラ2や大三元もある2シャンテン。
打でアガリも見ています。
ただドラ表示牌がであと1枚しかありません。
また、ドラも堀さんの手にありこれも残りは1枚。
また同巡、滝沢さんは無スジをツモ切り。
滝沢さんにはがあり一応待ちにはワンチャンスなので押したようです。
捨牌にはがありスジを追ってを切ってくれるかもしれませんが。
次巡、瑞原さんはと現物切りでオリ。
2巡後、黒沢さんは
ドラ黒沢手牌
ツモ打
堀さんにが通っていて中スジ切り。
堀捨牌
堀さんは字牌をの2種類しか切っておらず、役牌と数牌のシャンポン待ちなども考えられます。
当然ドラと何かのシャンポン待ち、ドラタンキ待ちも十分にあり得ます。
そして次巡、黒沢さんのツモが滝沢さんの当たり牌。
ドラ黒沢手牌
そして滝沢さんの捨牌が
滝沢捨牌
この捨牌は以外は字牌が切られていないのと3〜7がと6枚も切られています。
もし滝沢さんがタンヤオなどのメンツ手であればここまで切らないですし、混一色のような染め手でもなさそうです。
ということは滝沢さんは対子手、対々和の可能性が高いと見ていいでしょう。
鳴いているのピンズがと切られて混一色でもなさそうです。
後は場全体を見て3枚以上残っている字牌はでは黒沢さんから4枚見え、も黒沢さんが2枚ずつ持っていて薄く(はドラ表示牌であと1枚だけ)、残りはどちらかです。
このツモったは当たる可能性が高いと見たのでしょう、黒沢さんは七対子も見て打
ドラ黒沢手牌
次に引きなら七対子・ドラ2テンパイに取れます。
同巡、滝沢さんが4枚目引きですがカンせず。
これは手牌をさらしたくないのとリーチに余計なカンドラと裏ドラを与えたくないのもあるでしょう。
更に次巡、黒沢さんは3枚目のツモ。
堀さんの現物が、黒沢さんがを通していては中スジになります。
ここは打でオリていきます。
この同巡、滝沢さんはツモ切りでテンパイ維持。
次巡、黒沢さんは前巡、滝沢さんが通した切り。
また同巡、堀さんの当たり牌引きで打でオリ。
ポンドラ滝沢手牌
次巡、堀さんがツモ切ったを瑞原さんがカンチャンチー。
これはハイテイツモが堀さんなのを1つ後ろにずらすチーです。
同巡、黒沢さんは滝沢さんが前巡切った打、滝沢さんも対子落とし打。
ハイテイツモの瑞原さんが切って流局、堀さんの一人テンパイでした。
この一局で黒沢さんのビタ止め、滝沢さんのビタ止めがありました。
麻雀業界では当たり牌を止めると何でも「ビタ止め」と表現しますが、当たり牌を止めないといけない時と当たり牌を止めなくてもいい時の両方のケースが存在します。
例えばかなり点数的にリードしている振りトップ(放銃してもトップ)の時です。
こんな時は多少高くても放銃しても構いません。
他にはトップ目の親がいて子が安手でテンパイしている時、自分がアガれそうもなく、子が1000点や2000点だと想像できる時は放銃してもOKです。
後は自分が勝負手でここをアガればトップになれる時は放銃しても仕方なし、くらいの気持ちでリーチします。
もし待ちの枚数が目に見えて少ないという時や待ちが愚形待ちでも勝負なら放銃も怖がらずに攻めます。
逆に放銃してはいけないのは放銃すると二着順以上転落するケース。
例えばオーラス、
親・自分 33000
A 27000
B 22000
C 18000
もしここでCからリーチが入ると、Cに満貫放銃はトップ→3着に2着順ダウンします。
こんな時は積極的にアガリを見るよりもオリを選択するのが現実的です。
ここで満貫ツモされてもトップなのでオリで十分。(跳満ツモられは二着)
あるいはどう見ても高い手の仕掛けが入っている時。
捨牌が国士無双、字一色やポンが入りがまだ3枚以上残っているなどの場合です。
役満に放銃はアガった人と64000点〜差が縮まる為、どんなトップ目からでも転落の危機です。
これはあくまで一例に過ぎませんが、その判断ができるようになる頃にはあなたの雀力は大幅にアップしていることでしょう。
黒沢咲プロは本名・年齢ともに非公開。
父親は実業家で実家は都内の9LDKの豪邸でそこから「セレブ」と呼ばれる。
2018年、Mリーグドラフト会議でTEAM RAIDENから3位指名を受ける。
2019年、トップを取った後のインタビューで結婚を発表。
同年、連盟の鳳凰戦A1リーグに女流3人目の昇級。
2020年、インタビューで懐妊を発表。帝王切開で女児が誕生。
Mリーグ2018−2019は116.9ポイント、2019−2020は150.5ポイント、2020−2021は193.3ポイント、2021−2022は−148.8ポイントの成績。
愛称は「強気のヴィーナス」「セレブ」「お嬢」。
黒沢さんはMリーグでの副露率(鳴き率)約8%と独特の雀風をお持ちです。
8%と言えば約12局に1回しか鳴かないわけで、これがいかに特殊な数字かお分かりになるでしょう。
つまりそれはメンゼンでリーチ、リーチと打点に振り切っていかに高いアガリを目指すかに特化しています。
例えばリーチして裏ドラを乗せる、三色や一気通貫など2ハン手役、3ハン手役を付けてリーチなどです。
鳴かない=鳴きが得意な相手では地蔵ラス(じっとしているラス)が増えるわけですが、Mリーグでは2019シーズンは29人中4位、2020シーズンは30人中3位と好成績を残しています。
メンゼン特化型ということは手が入らない時にはそれなりに放銃を回避できる守備力を求められることになり、押し引きの正確さは他の打ち手より高くないと成り立ちません。
今回のまとめ
・実家が9LDKのリアルセレブ
・副露率約8%=メンゼン特化型、つまり攻めない時に放銃しない守備力の高さを求められる雀風
・本名・年齢の両方とも非公開(最年少〜最年長まであるよ)
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