2022年07月23日
ちょっとだけMリーグ#20
今回もMリーガーの良い部分に注目して一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は内川 幸太郎プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/gLavgu41_pk
2021年11月19日 第1試合
南2局1本場(供託リーチ棒2)を迎え、点棒状況は
東家 鈴木 たろう 38100
南家 内川 幸太郎 16600
西家 瑞原 明奈 21700
北家 日向 藍子 21600
(敬称略)
トップ目の親・たろうさんと内川さんの点差は21500点で跳満ツモでも届かない点差です。
更に二着目・三着目とは約5000点差で供託2300点と合わせても2600点ロン(計4900)では届きません。
ということは内川さんは二着目には最低3200点以上のアガリが必要でトップ目になるにはトップ目から跳満以上直撃か倍満以上ツモが必要になります。
もしトップ目から直撃でないなら約20000点(点差21500−供託2300=19200点)ロンが必要でこれは満貫+跳満=8000+12000の2回アガリが必要になります。
最初に親・たろうさんの手は
ドラたろう手牌
赤1枚のメンツ手2シャンテンですがリーチ・赤3900やドラがくっついてリーチ・赤・ドラ7700が精一杯の手に見えます。
三色など手役はあまりつかなそうで平和がつけば十分といった所。
ツモ打
次に南家・内川さんの手ですが
ドラ内川手牌
この手は役牌を含めた2シャンテンでソーズとマンズが埋まれば即リーチもあります。
対子がありこれをポンすると・赤・ドラ2の満貫がほぼ決まってしまい、それではほぼ二着までで終了してしまいます。
この局で跳満ツモならトップ目と1100点差まで詰められ、跳満直撃ならトップ目とまだトップを諦めるような時ではありません。
トップを見るならここは跳満以上の手に仕上げたい場面です。
例えばメンゼンならドラとのシャンポン待ち(例1)にしたり、対子落とししてタンピン(例2)をつければ跳満〜倍満までは見られます。
リーチロンドラ例1
リーチツモドラ例2
例1ならリーチ・白・赤・ドラ2の満貫、例2ならリーチ・タンヤオ・平和・ツモ・三色同順・赤・ドラ2の倍満です。
跳満以上を見るなら、を切る選択もあります。
ツモ打
次に西家・瑞原さんは
ドラ瑞原手牌
現時点で赤・ドラある2シャンテンですが、このままテンパイしてもシャンポン待ちになるのでなどを引いてリャンメン待ちにしてリーチ・ツモ・赤・ドラなら満貫、10300点の収入になります。
これならトップ目と2000点差まで肉迫でき、あと1アガリでトップも現実的になってきます。
役牌が重なってポンでは2000~3900までで、これもトップよりは二着で終わってしまうようなアガリです。
特に三着目とは100点差で3900程度の小さいアガリではオーラスに満貫未満のアガリで逆転もあります。
瑞原さんもここは満貫〜のアガリが欲しい場面です。
ツモ打
最後に北家・日向さんの手は
ドラ日向手牌
この手は平和や一盃口などが見られる2シャンテンでこのままテンパイを目指してもリーチ・平和2000点になりそうなので123三色や234三色や赤引きなどを見て進めたい手です。
三色ならドラも使えて平和狙いでも邪魔になりません。
日向さんは二着目と100点差で安アガリでは瑞原さんと点差を広げられず、逆転条件を緩くするだけなのでここも大きめのアガリが欲しい立場です。
瑞原さんとほぼ同じでここで満貫ツモならトップ目と2100点差まで迫れるのも大きい。
ツモ打
次巡、内川さんは
ドラ内川手牌
ピンズ四連形ができ、形が良くなり引きでも使える形に変化。
ピンズ2メンツ+雀頭の構想も視野に入ります。
例えば
例3
例4
例5
例6
私的にはピンズは例3〜6のような形を目指したい所です。
ツモ打
次巡、たろうさんは
ドラたろう手牌
次に暗刻や暗刻でもシャンテン数が変わります。
また同巡、内川さんは
ドラ内川手牌
ここからのどちらを切るのか?で意見が分かれそうな場面です。
打するとが雀頭になって567三色を見る手です。
いざという時はチーやカンチーで三色・赤・ドラ3900テンパイにも取れます。
ロンチードラ例7
もちろんメンゼンで三色・赤・ドラの満貫ルートもあります。
こちらを選ぶとメンゼンで満貫〜、裏ドラや一発ツモで跳満程度で二着で良いならこちらを選択するのが良いでしょう。
ロン例8
ではもう1つ、切りの場合はカンとカン、と受け入れの2シャンテンに取れます。
この場合はドラ2枚+赤を使う為高い手になりやすく、567三色同順にならなくてもメンゼンならリーチ・タンヤオ・平和・赤・ドラ2、跳満〜もあります(例9)し、567三色が付けばリーチ・タンヤオ・平和・三色同順・赤・ドラ2の倍満(例10)になります。
もし倍満ツモならトップ目たろうさんと16000+8000+2000+300+100=26400点差が縮まり、内川さんがトップ目に立ちます。
リーチロンドラ例9
リーチロン例10
メンゼンなら最低跳満〜倍満も見える手でトップを目指すならこちらを選ぶのが近道です。
ツモ打
内川さんは倍満もある方を選びました。
あくまでトップ狙い。
次巡、内川さんは
ドラ内川手牌
ネックのカンを引き、リャンメン+三面受け入れの1シャンテン。
まだ雀頭が確定していないのでどこで頭を作るのかを考えます。
ここにでも引けばの三面受け入れにも変化します。
次巡、たろうさんは
ドラたろう手牌
ドラ受け入れもできた6ブロック。
この同巡、日向さんは
ドラ日向手牌
受け入れの1シャンテンドラ切り。
5巡目ドラ切りで1シャンテン、早いドラ切りによくあるパターンです。
次巡、内川さんはツモテンパイ。
ドラ内川手牌
ダマテンでも12000テンパイ。
通常なら即リーチしても変ではないですが、ラス目だというのもあり、もしかするとトップ目たろうさんから直撃を狙ったのかもしれません。
同巡、瑞原さんは
ドラ瑞原手牌
テンパイに取ればが出て行く形ですが切り1シャンテン戻し。
赤切りなら内川さんへ16000放銃だった所。
瑞原さんは赤+ドラで役なしリーチでも5200になり二着が取りやすくなります。
次巡、瑞原さんは
ドラ瑞原手牌
ソーズ4連形で引きならリャンメン待ち以上になります。
更に同巡、日向さんはテンパイ即リーチ。
ドラ日向手牌
この手はリーチ・平和・一盃口3900待ちです。
この次巡、内川さんはツモで
ドラ内川手牌
日向捨牌
日向さんリーチ現物が、一発で引いたは当たり牌。
切りなら待ち、切りなら待ちです。
は日向さんが1枚切り+内川さんに2枚の計3枚見え、はたろうさんが1枚切り+内川さんに2枚の3枚見えで残り1枚、はドラ表示牌と瑞原さんに1枚で残り2枚、は内川さんに1枚とたろうさんに1枚で残り2枚。
ただ待ちのうちは内川さんからが3枚見えでその外側のは狙い目です。
それを知ってか知らずか切り追いかけリーチ!
ドラ内川手牌
リーチの2巡後、オリてなかった瑞原さんがテンパイ即リーチで三軒リーチ。
ドラ瑞原手牌
瑞原さんリーチの次巡、内川さんがツモ。
リーチツモドラ裏ドラ内川手牌
このアガリはリーチ・タンヤオ・平和・ツモ・三色同順・赤・ドラ・裏3の三倍満の一本場、6100−12100です。(+4000)
内川さんは一局で+28300点、トップ目たろうさんは−12100点でトップ目と28300+12100=40400点差が縮まりました。
この局の内川さんの役牌対子落としはタンピン(タンヤオ+平和)で高くなるお手本になる例で、高い手が欲しい時、トップ目と20000点以上離れて点差を縮めたい時などに活用しましょう。
内川幸太郎は1981年5月6日生まれ、長野県松本市出身。
2005年、日本プロ麻雀連盟第22期生でプロデビュー。同期は佐々木寿人等。
2014年、A2リーグ昇級。
2016年、第1回麻雀プロ団体日本一決定戦のメンバーに抜擢され個人成績32人中2位で優勝に貢献。
2017年、A1リーグ昇級。
2018年、A2リーグへ降級するが十段位タイトルを獲得。
2019年、Mリーグドラフト会議でKADOKAWAサクラナイツから1位指名される。
指名時はリーグ戦の最中だったがそこで国士無双をアガる。
2022年、KADOKAWAサクラナイツ優勝。
内川プロの趣味はサッカー観戦と飲酒(ビール、ウイスキー、焼酎)。
愛称は「手順マエストロ」。
雀風はバランス重視の対応型。
Mリーグにおいてオーラスに三着目のチーム雷電・黒沢咲プロの四暗刻・西タンキ待ちにチームスコアなど色々な事情を加味して内川プロが放銃、一時は話題の人となる。
その時放銃した西はMリーグポップアップストアにて回転する台座にディスプレイされている。
それもあり一部ファンからは「西川さん」「赤川さん」などとも呼ばれることも。
Mリーグ2019−2020は−33.1ポイントで29人中15位、2020−2021は+468.7ポイントで30人中2位、2021−2022は−139.7ポイントで32人中22位。
内川さんは比較的オーソドックスな打牌選択が多く、他のMリーガーと比べると地味に映るかもしれませんが、テンパイ時には打牌が多少強くなったり、危険牌をつかむと表情に出やすかったりと情熱的一面があり、そのイケメンさと相まってファン心をくすぐりそうです。
今回のまとめ
・内川さんはサッカーと酒を愛するアラフォー
・Mリーグで四暗刻西タンキに放銃で話題をさらった「西川さん」
・危険牌をつかんだ際に顔を歪めたりテンパイ打牌が強くなる情熱的一面も
↓西川さんは存在感あり過ぎ!という人はクリック
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