2022年07月15日
ちょっとだけMリーグ#16
今回もMリーガーの良い部分に注目して一局だけ掘り下げていきます。
今日の主役は勝又 健志プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/INlelHaHpCQ
2021年3月10日 第2試合
南2局を迎えて点棒状況は
東家 松本 吉弘 24800
南家 魚谷 侑未 7200
西家 勝又 健志 31500
北家 園田 賢 36500
(敬称略)
トップ目が園田さんで二着目の勝又さんと5000点差、園田さんから2600以上直撃か5200以上ロン、1000−2000以上ツモで勝又さんはトップ目になれます。
後は親の松本さんとの差も6700と追いつかれかねない点差なのでここにはアガらせたくない状況でもあります。
最初に親の松本さんの手は
ドラ松本手牌
この手は役牌がありますがポンして1500点では微妙でそれならメンゼンで手組してリーチ・赤3900〜狙いでも良さそうです。
ドラを引いた時だけ対応が難しいですがトップを見るならリーチ、できればリャンメン待ち以上のツモりやすい待ちでリーチ・ツモで点差を縮めたい状況です。
ツモ打
次に南家・魚谷さんの手は
ドラ魚谷手牌
パッと見ではチャンタや123三色、字牌がなくなれば純チャンもある手ですががありこれがあるだけでチャンタや純チャンになりづらくむしろ不要牌でもあります。
ここはを切らずにメンツ手か123三色やチャンタ、純チャンメインで満貫、跳満狙いにするのか迷い所です。
チャンタや純チャン狙いでは456をツモ切ることになり放銃の可能性大なのでこれ以上の失点は厳しい状況。
ツモ打
続いて西家・勝又さんの手は
ドラ勝又手牌
これはメンツ手、平和を見ながらタンヤオが付けば良いくらいの手です。
赤を引いてリーチ・タンヤオ・平和・赤なら満貫でトップにもなれます。
勝又さんはできれば三着目の親にはアガらせないようにしつつアガリを拾えるのが理想です。
ツモツモ切り
最後に北家・園田さんの手は
ドラ園田手牌
こちらもメンツ手、平和を見ながらタンヤオが付くといいなくらいで進めてトップ目につき放銃にも気をつけながら進めます。
遠くに456三色同順が見えるのでこれも多少意識して進めます。
ツモ打
次巡、松本さんは
ドラ松本手牌
ターツができメンツ手2シャンテン。
また同巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
1メンツ完成で一応2シャンテンです。
更に同巡、勝又さんは
ドラ勝又手牌
こちらも2シャンテン。
また同巡、園田さんは
ドラ園田手牌
カンチャン受け入れとペンチャン受け入れの残る3シャンテン。
園田さんが一歩出遅れています。
次巡、松本さんは
ドラ松本手牌
対子もできて3対子になりますが、1枚切れも見て打
同巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
1メンツできて2シャンテン、ペンとドラが残ってまだ形的には良くありません。
また同巡、勝又さんは
ドラ勝又手牌
おそらく引きの一気通貫変化も見てを残したと思われます。
更に同巡、園田さんは
ドラ園田手牌
ペン引きも見ながら、タンヤオへ移行も考えています。
次巡、松本さんは
ドラ松本手牌
引き一盃口や三暗刻、456三色も見える形へ。
また同巡、勝又さんは
ドラ勝又手牌
のどれかを引けばメンタンピンでリーチも可能になります。
次巡、魚谷さんはツモ打としますが、
打ドラ魚谷手牌
この手で受け入れを残すのならを残してもは使えるのでか
のどちらか残しで良いと感じます。
特に魚谷さんは早い手でもないのでペンチャン落としでくっつきの形で安全牌を持っておくかドラを重ねるか赤を使った好形にしてリーチのどちらかで良さそうに見えます。(三着目と17600点差のラス目)
2巡後、勝又さんテンパイですがダマテンに取ります。
ドラ勝又手牌
ここで勝又さんはダマテンに取りますが、その理由は@ドラ切りだから他家がドラポンするのか様子見、Aトップ目(園田さん)から直撃したいB赤引きを待った、などが考えられます。
この手は567三色同順にならない手なので(引きはアガリ)、を引いた時はフリテンリーチも考えてらっしゃったのかもしれません。
ドラ手牌例1
これなら待ちである程度ツモる可能性が高いのとダマテンでツモるより高くなるのとツモならリーチ・タンヤオ・平和・ツモ・三色同順の跳満、これなら文句なしのアガリです。
打ち手によっては愚形待ちだからリーチしないとか一発ツモする為に一巡まわし(あえてリーチしない)する人もいます。
この次巡、松本さんから当たり牌が切られますが勝又さんはスルー。
ここで松本さんからアガっても2000点プラスされるだけなのでスルーしたと思われます。
また同巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
まだ2シャンテン。
更に同巡、ここで勝又さんはリーチ!
ドラ勝又手牌
リーチの直後、園田さんは、松本さんはと現物切り。
魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
1シャンテンまで来ましたが魚谷さんはずっとスピードで遅れています。
この直後、園田さんはを引き停止。
ドラ園田手牌
ここで2枚切れのを切れば安全に進められますが、リーチ前に松本さんが切ったを園田さんはチェックしているはずです。
それを知ってか園田さんはをツモ切り、勝又さんからロン。
リーチロンドラ裏ドラ勝又手牌
リーチ・平和・タンヤオ3900点のアガリですがトップ目からの直撃で
勝又 35400
園田 32600
とトップ目に立ちました。
結局の試合は園田さんと勝又さんのマッチレースで
勝又 +50.7p
園田 + 8.9p
松本 −13.5p
魚谷 −46.1p
と勝又さんが園田さんとわずかに1800点差、30700点でトップを取ります。
今回の3900ロン、7800点差が縮まったのがトップを取れた要因の1つなのは間違いないでしょう。
勝又健志は1981年3月15日生まれ東京都出身。
大学生時代は神楽坂の雀荘「ばかんす」に入り浸る。
2000年、早稲田大学在学中に日本プロ麻雀連盟17期生でプロデビュー。
2011年、第2回麻雀グランプリMAX優勝。
2014年、自団体最高リーグA1昇格。
2015年、第32期鳳凰位獲得。
2016年、第一回麻雀プロ団体日本一決定戦で9万点トップなど優勝に貢献。
2018年、Mリーグドラフト会議でEX風林火山から3位指名される。
Mリーグ2020ファイナルでは4連勝含む7戦5トップ二着1回+274.2ポイントと大活躍でチーム優勝の立役者。
勝又さんは自分の読みを信じてリーチが入っていても多少押していく印象の強い打ち手です。
過去に密着された番組ではリーパイ(理牌:順番に並べる)していないメンチン(メンゼン清一色)の待ち当てを秒単位で当てたり、全員の持ち点を覚えていたりと前回の園田さんにも近い頭脳をお持ちです。
勝又さんのゲーム回しの上手さや麻雀知能が高い所から「麻雀IQ220」の異名があります。
また、勝又さんの所属するEX風林火山では「軍師」とも呼ばれています。
勝又さんの解説はわかりやすいと評判ですが、話が長い時があるのが玉に瑕。
Mリーグ2018シーズンでは21人中11位、2019シーズンは29人中14位、2020シーズンは30人中19位、2021シーズンは32人中8位。
連盟の中で勝又さんの実況能力の高さからMリーグ実況の日吉さんも勝又さんから実況についてアドバイスを貰っているとの話もあります。
一部の勝又さんファンからは親連荘すると「アザラッシュ」と呼ばれることも。
今回のまとめ
・ダマテンにするのは複数の理由がある(愚形待ち、ドラ切りだから他家のドラポンがあるか、変化待ち、スルーからの直撃狙いなど)
・自分の読みを信じての押しが強めの雀風
・解説や実況もこなせる勝又さん
・「軍師」、「麻雀IQ220」、リーパイなしメンチン待ち当てなど、頭の瞬発力が高い
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