2022年07月29日
ちょっとだけMリーグ#23
今回もMリーガーの良い部分に注目して一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は二階堂 亜樹プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/HEYHH6MuewU
2020年10月29日 第2試合
南4局
東家 黒沢 咲 25400
南家 魚谷 侑未 40000
西家 二階堂 亜樹 36300
北家 沢崎 誠 -1700
(敬称略)
トップ目の魚谷さんと二着目の亜樹さんの点差は3700点で3900ロンや800-1600ツモでも逆転トップになれます。
三着目の黒沢さんは親で4000オールツモならトップ目になり連荘、沢崎さんが箱下ラス目でここは跳満直撃では変わらないので倍満以上直撃か三倍満以上ツモが必要です。
まず親・黒沢さんの手は
ドラ黒沢手牌
まず見えるのはマンズの一気通貫、マンズ混一色の2つです。
この手にはが不足しており、この手には必要不可欠な牌でもあります。
仮にこの手が一気通貫にならなくてもここが引けるかどうかでこの手の押し引きを決めるのが良いんじゃないでしょうか?
もし一気通貫や混一色になれば押し寄り、平和なら引き気味といった感じです。
黒沢さんはラス目と点差が27100点差あり、ラス目に跳満放銃でも転落しない為、思い切って攻めることも可能です。
ツモ打
続いて南家・魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
トップ目の魚谷さんは役牌を重ねてポン1000点でもアガればトップですが、ドラということもありドラをくっつけたタンヤオ、平和が考えられます。
ただ二着目亜樹さんとの点差が近く、亜樹さんに3900ロンや1000−2000ツモでもアガられれば二着転落という危うい立場です。
ツモ打
次に西家・亜樹さんの手は
ドラ亜樹手牌
この手はを切ればタンヤオ、3対子で七対子の3シャンテンでもあります。
赤とドラ1枚ずつがありタンヤオ・赤・ドラでも3900点以上、食いタンでもトップ条件を満たします。
ツモ打
最後に北家・沢崎さんは
ドラ沢崎手牌
ドラが1枚あるタンピンになりそうですが、三着目から跳満直撃でも着順が変わらない沢崎さんはスルーで良さそうです。
この手では倍満ロンか三倍満ツモが必要な沢崎さんには厳しそうです。
ツモツモ切り
6巡後、亜樹さんは
ドラ亜樹手牌
平和やタンヤオ、4対子で七対子2シャンテンでもあります。
同巡、沢崎さんは
ドラ沢崎手牌
ドラ2枚ありますが、せいぜい頑張って跳満くらいの手です。(リーチ・タンヤオ・平和・ツモ・ドラ2)
まだ沢崎さんの手はスルーで良さそうです。
次巡、黒沢さんは
ドラ黒沢手牌
234三色同順と一気通貫が見える手です。
また同巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
雀頭はほぼどこからでもできる&雀頭でも良い形です。
例えば引きでも
例1
例2
例3
こんな形や、引きでも
例4
例5
例6
この雀頭+2メンツになります。
なのでマンズ引きも嬉しい牌です。
同巡、亜樹さんは
ドラ亜樹手牌
ここで七対子1シャンテンになりました。
もしかするとこの手から食いタンを考える方がいらっしゃるかもしれませんが、メンツを考えるとが2枚、ソーズも2枚、、のどれか、あるいはポンのどれかが必要になります。
のうちは山に1枚以下(他家にあるかも?)では真ん中であまり場に切られるような牌ではありません。(しかもドラ)
食いタンならここから2枚以上を鳴くか引くかしないとテンパイしません。
ここは素直にタンヤオ・七対子の1シャンテンになる打。
次巡、黒沢さんは
ドラ黒沢手牌
一気通貫と234三色変化が残りました。
また同巡、亜樹さんは
ドラ亜樹手牌
456三色変化もあります。
ただしもう巡目は中盤にさしかかっているにもかかわらず、マンズもピンズもメンツは1つもありません。
次巡、亜樹さんは
ドラ亜樹手牌
前巡、沢崎さんが2枚目切りで引きよりもその外側対子を見たのでしょう。
七対子1シャンテンを維持。
自分からが2枚ずつ見えているのにを引かず、場の2枚切れに違和感があったのかもしれません。
この時点でが魚谷さんに1枚、沢崎さんにが1枚ずつで場の2枚切れで山には2枚、が1枚だけです。
ちょっとが薄くなってきました。
同巡、沢崎さんは
ドラ沢崎手牌
役なしドラ2の1シャンテン、平和がつけば満貫といった所。
次巡、沢崎さんは
ドラ沢崎手牌
ダマテンに取りました。
黒沢さんと魚谷さんの手が進まない中、亜樹さんは
ドラ亜樹手牌
七対子の待ちに良さそうな1枚切れを温存。
そして次巡、黒沢さんがテンパイ即リーチ。
ドラ黒沢
役なしペン待ちは山に2枚。
このリーチに魚谷さんはを中抜きしてオリ。
同巡、亜樹さんもを合わせ打ち。
更に同巡、沢崎さんはツモ切りリーチ。
ドラ沢崎手牌
リーチの2巡後、亜樹さんテンパイ。
ドラ亜樹手牌
亜樹さんもタンキ待ちの三人テンパイ。
捨牌を見ると
黒沢捨牌
魚谷捨牌
亜樹捨牌
沢崎捨牌
黒沢さんにはが現物で待ちはなし、沢崎さんにはが現物では中スジになります。
黒沢さんの捨牌にピンズはだけでピンズ待ちの方が怖く見えます。
次巡、亜樹さんツモ!
ツモドラ亜樹手牌
このアガリはツモ・七対子・赤2・ドラ2の跳満、リーチなら倍満ですが亜樹さんは当たり牌らしきものを引けばいつでもオリるつもりだったようです。
黒沢 咲 18400
魚谷 侑未 37000
二階堂 亜樹 50300
沢崎 誠 -5700
で、二着目と13300点差のトップに輝きました。
二階堂亜樹は1981年11月15日生まれ、神奈川県鎌倉市出身。
愛称は「卓上の舞姫」。
実家が雀荘を経営しており、幼い頃から麻雀に慣れ親しんでいた。
1999年、日本プロ麻雀連盟からプロデビュー。
2005年、プロクィーン獲得。
2006年、モンド21王座獲得。
2009年、鳳凰戦A2リーグ昇級。
2011年、自伝的漫画「aki」連載。後に「女流闘牌伝 aki-アキ-」として映画化。
2013年、自身のブログで妊娠と入籍を発表。後に夫が井出康平と公表する。
2016年、第14回女流モンド杯獲得。
2018年、Mリーグドラフト会議にてEX風林火山から一位指名される。
2019年、離婚を公表。
二階堂亜樹プロは二階堂姉妹の妹にあたり、姉妹揃って師匠は故・安藤満プロ。
その打ち筋はドラを大切にすることもその一つで「ドラは恋人」と語る。(ただしこの言葉は桜井章一氏の言葉である)
雀風は守備型で二着や三着が多く過去には「永遠のブロンズコレクター」と皮肉られた事もある。
好きな役は混一色・清一色・メンタンピン、嫌いな役は七対子。
趣味は漫画を読む事。
亜樹さんは東場である程度点棒を稼ぐと南場はその点棒を守ろうと守備にシフトチェンジします。
おそらく本人的にこれがある程度スコアや着順を残す手段だと思っている節があります。
それによってオーラスでトップ逆転などの憂き目に遭う事もしばしば。
確かにそれだと大崩れするのは少ないですが、それと同時にトップ率も下がりがちになります。
おそらくそれは、女流同士の争いにおいて生み出された戦い方ではないかと私は感じます。
それは予選が上位2名残りのような大会においては、有効な戦い方なのかもしれません。
亜樹さんは麻雀に限らずパチンコ・パチスロ番組を持っていたりと、他分野でも活躍されています。
過去には自分自身を「僕」と呼んでいた時代があります。
Mリーグ2018−2019は−49.0ポイントで21人中12位、2019−2020は−286.4ポイントで29人中27位、2020−2021は−37.5ポイントで30人中17位、2021−2022は+49.4ポイントで32人中16位。
今回のまとめ
・漫画を読むのが好きで笑い上戸な亜樹さん
・他ジャンルでも活躍する「卓上の舞姫」
・攻撃より守備が得意な大崩れの少ない打ち手(二着と三着多め)
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