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2021年05月01日

時を刻む

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時間を刻むことについて考えてみましょう。

まず壁掛け時計です。
壁掛け時計を見る時 、それは舌打ちをする時です。もうこんな時間になってしまったと舌打ちをするのです。そう思っていなかったということです。まだこんな時間か?と舌を打つこともあります。その都度、壁掛け時計は、期待を裏切っているのでしょう。

長針は多分、時々私の見ていないところで、特に12から6の間の、重力のかかるところで、少し早めに動いているに違いありません。そして6から10のところで今度は重力に逆らうのでゆっくりと上がっていくのです。案外てっぺんの12のところで辻褄が合ってるのかもしれません。結果12ならいいだろうと言う、結果オーライのいい加減な性格です。
秒針は顔色ひとつ変えず黙々と動いています。彼に裏表はありません。

腕時計は、もうつけるのをやめました
腕時計を見ると 相手に色々な邪推をされます。また相手を邪推もします。

いい時計だと褒められたいのか?
もうこの場を早く出たいと思っているのか?
相手のことが嫌いなのか?
忙しいのか?
女でもいるのか?
最近仕事がうまくいってないので、どんどん仕事を探さなくてはいけないのか?

学生時代、暗い武蔵野線のトンネルの中で、時計を拾いました。それをそのままつけていたところ、引っ越しセンターのアルバイトで、粗暴なヤンキーの兄さんに
「君、いい時計つけてんな?高いんか?」
と聞かれ、
「いえ、拾いました。」
と答えると
「兄ちゃん、剽軽な奴やな」
とバカ受けし、その後、それまで殺伐とした雰囲気だったそのバイトの居心地がよくなりました。あれは暫く付けていましたが、アナログで日付がデジタルで表示されるその頃には珍しい、時計だったのです。
もう、ここまで落ちて、未来もどうなるか分らぬ身では、腕時計は不要です。電車にも乗らないので拾う事もないでしょう。

最近のお気に入りはタイマーです。
少し眠りたいとか、血圧を落とす運動の時使っています。 
ただ分と秒だけ設定し、10分後なら10分後、15分後なら15分後とそれだけのことですが、何が起こるかわからない先の未来のことを考えず、今この時に生を感じることが出来るのがタイマーです。まだ来ぬ未来を一日先すら考える必要はありません。

ストップウォッチは人にこき使われた嫌な思い出です。
こいつは、壁掛け時計の秒針と一緒で、律儀に正しい時を刻もうと、ひた向きです。
嘘が言えません。持ち主に気の利いたことが言えません。

例えばある工程の サイクルタイムを計るのに使ってはいけません。ほんの2秒と言う自動作業の自動の機械は2.01秒のサイクルタイムなら不合格です。そしてストップウォッチは何度でもダメ出しをします。その度に徹夜になり、スタッフの残業代に悩み、改善のレポートを要求され、スケジュールを作らされます。
そんな時は夢にストップウォッチと機械の動く姿が何度も出てきて...
気が狂いそうになりますが、意外に気が狂わないので、苦しみをたっぷり味わいます。
昔の話です。

昔から目覚まし時計のアラームは嫌いです。この前、大学時代に壊した目覚まし時計を母が見つけて持ってきました。よほど憎かったのでしょう。何で熱したのか形状が崩れていました。
いや確かに憎かったのでしょう。
あれは、鳴る直前まで何食わぬ顔をして、そして突然騒ぎ出します。時計の中でも最も質の悪い連中です。携帯のアラームであれば音楽は選べます。しかしどの音を選んでも、唐突なのには何も変わりありません。唐突でなければまた寝てしまうだけなのです。思えば人生の悲劇はこのアラームのようなものです  そしてこのアラームを設定したものは確実に自分なのです。しかも、悲劇をスヌーズさせる機能すらあります。

もっと大きな時計があることを考えてみたら秒針、短針、長針、日針、週針、月針、年針。まさに私の人生がそれです。30年後の何月何日何曜日、そのアラームは鳴るように自分で勝手にセットをしていたのです。そして寝ぼけている私に冷水をぶっかけ 目が覚めたら、もう二度と安らかに寝ることのできないそんな朝です。

ここまで散々、時を刻むものの悪口を書きましたが、どうも文章としてスッキリしません。何かが足りない。

しかし、もう夜の9時なので寝なくてはなりません。歯を磨こうと洗面を見たら、もうひとつ時を刻むものを見つけました。

その顔は、明らかにあらゆる肉が重力に逆らいきれず垂れ下がっていました。昔は垂れ眼で、パンダと呼ばれましたが、時間の中で垂れ、くたびれて、こけたパンダがそこにいました。
自分の事はおいておいて、かつて美しかった女性でも時間を刻み、年老いていくにつれ姿形が変わっていくものです。それで次々と乗り換えたのかと言われれば、否定はしませんが、今日こうして自分の顔を見て、皆に捨てられても仕方がないと納得せざるを得ません。

いずれにしても、時を刻むものの最後がわかりましたので、明日にはこの文章を仕上げようと寝ました。

毎日夜9時に寝て、朝3時に起きています。ところが朝2時にトイレで目が覚めました。
その後、眠れなくなりました。
何故だか、外が不思議に明るかったのです。
それは、月でした。後で調べましたが、数日前は地球から最も近いところにあったのです。
どうりで明るい筈です。「もう寝ても仕方がない。」私は起きるまでちょっと、横になり3時になる筈の目覚まし時計を解除して、のんびりとしました。
なるほど、時を刻むものなら俺を忘れるなと、お月様は、その夜特にさんざんと輝き、私に思い出させてくれたのです。
私はいつの間にか寝てしまいました。

そして、4時にはっと目が覚めました。ああ、しまった。寝坊だ。聖天様のお供えを変える時間が30以上遅れてしまいました。こんな寝坊は久々です。

聖天様に謝り、全体で一時間遅れでお祈りを始めました。
ただ不思議と、くよくよとした感情は湧きませんでした。

あわてて、お祈りを始めると東向きの窓から誰かが部屋の中に入ってきました。
それは太陽でした。時を刻むものなら、もう一人いるぞ、といいながら、太陽は東の向こうの山の上にどっしりと腰をおろし、私にこれでもかと光線を浴びせました。
かつて、お月様は私に酒を飲ませ、太陽は私に寝る合図をしました。全くひどいものでした。

もうこれで時を刻むものを全て書いただろうと思い、こうしてブログの投稿を仕上げていますが、まだ何か忘れていないでしょうか?
今さっき、地震がありましたが、失礼ですが、あなたも時を刻むもののひとつですか?

合掌





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