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2023年11月29日

Scoovo C170 2年半ぶりです

 Scoovo C170 関係の取り扱いが、会社とともに消滅してから5年弱になります。

私のブルーとシルバーの2台のScoovo C170は、現在も問題なく稼働しています。

以前に作成したテーブルや整理ボックスなどは、ときに破損したりします。
そのようなときは、保存してある造形用STLファイルを開いて造形して修復します。

IMG_1880.JPGIMG_1882.JPG


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上図左上は、小さなテーブルと、45°傾斜の置台(パソコンや本用と携帯など最小のもの)です。

テーブルの右下端には、足で踏みつけてこわしてしまった45°傾斜の置台のパーツがのせてあります。
置台の修復はすでに完了しています。
上図右上はその使用状態です。とても小さなテーブルです。片手でひょいと移動できるので使い勝手がよいです。
ただいま、そのテーブル上でブログ記事を書いています。
上図下の2つは、こわしてしまった45°置台の右下のパーツのScoovoC170による修復作業中です。

例によってScoovoC170のノズルは、一定の使用後に目詰まりを起こします。

対応方法は
記事「Scoovo C170 生き残り作戦」に記載した

(プランA)ノズルの上部を分離して、変形したテフロンチューブを取り出して交換する。
(プランB)ノズルNZL-S2の先端半分を装着し、残りの半分は使用済みのNZL-S1のものをはめて使用する。

です。
(プランB)は確実にうまくゆきます。新品のノズルと同様にまた造形を継続することができます。
(プランA)は一時的にはうまくゆきますが、すぐにまた目詰まりすることもあります(かなり長く使用できることもある)。

17ミリのテフロンチューブのゆがみとともに、ノズルの下半分のフィラメントの射出口部分が問題です。トル―ダーの歯車はフィラメントを細かく押したり引いたりするので射出口内壁が滑らかでないと溶融フィラメントが同期できないでしょう。ノズルの上半分は古くなったテフロンチューブがそのまま残っているので工夫して取り出せば何回でも使用できます。

手持ちのクリアーなノズルがいよいよなくなったら、射出口をクリアーにする問題にチャレンジするかもしれません。

IMG_1883.JPGIMG_1884.JPG


IMG_1886.JPGIMG_1885.JPG


上の図はマスクの鼻ガイドです。

コロナから少し解放されましたが、かなり前に作成しました。
いまでも重宝しています。

それでは、また、ごきげんよう。

2021年04月18日

Scoovo C170 1年ぶり

 2台のScoovo C170は問題なく稼働しています。
1台目の購入は2013年11月なので8年間の継続運転となります。
メーカーの破産、サポートの終了?、にもめげず使用できています。

 ブルーのScoovoのノズルが目詰まりしていました。
記録によると、このノズルは2019年7月に新品交換したものです。これで造形したフィラメントは7kg程度です。経験によると、これは目詰まりまでの標準的な使用量です。
(以上の記述は最初の記入に思い違いがあって書き直しました)

今回は、このノズルに対してテフロンチューブのみを交換して再生ノズルとして復活させる作業をしました。
この作業は以前の記事「Scoovo C170 プランA(再生ノズル作成)成功」に記載しました。

ある意味でこれは新品のノズルに交換するよりも楽です。
それはヒーテッドブロックからノズル(下半分)をはずさなくてよいことです。
柔らかいアルミ合金のヒーテッドブロックを結合しているネジ穴はばかになっていてネジはききません。
0.9ミリの銅線で縛り付けて結合しています。
ブロックを割るには銅線をはずしてまたしばる手間がいります。
テフロンチューブの交換はそれなしでできます。

記事「Scoovo C170 プランA(再生ノズル作成)成功」の作業を完璧に実行しました。
劣化したテフロンチューブは、ノズルの上半分に入った状態になります。
ラジオペンチなどでそれを引っ張り出せればラッキーなのですが、
今回は、ノズルの上半分から出ているテフロンチューブが短くてうまくつまめません。
そこで上記記事のように、半田ごてでノズル上部を加熱した状態で
フィラメントの入り口から0.9ミリのピアノ線で押してチューブを出しました。

取り出したチューブは図のようです。透き通っているほうがノズルの上部つまりフィラメントの入り口です。
白くなっているのは溶けたフィラメントです。
造形時にこれが溶けてスムーズにノズル先端に移動できれば問題はないのですが、
最後の図のように出口が変形して狭くなっています。
これが目詰まりです。テフロンチューブを交換すればよいことが分かります。
IMG_0518.jpgIMG_0519.jpg

IMG_0521.jpgIMG_0520.jpg


 これまでの造形物を展示しましょう。
次はフラワーポッドです。左の2つを重ねて上に土を入れます。
上の箱の下には水はけ用の小さい穴をたくさんあけました。
IMG_0232.jpgIMG_0238.jpg


記事「Scoovo C170 造形の基本ノーハウ3」でベッドからブルーテープが浮く不具合について
述べましたが、それを防ぐ効果的な方法を見つけました。
下の図のようにブルーテープの端をアルミテープで押さえることです。
ベッドは2重構造で上のテーブルは取り外し可能で磁石で下に固着します。
そのわずかなすき間にはいるような薄いテープでなければなりません。
アルミテープは薄くて粘着力も強力です。
ブルーテープをテーブル端までぎりぎりに貼ってアルミテープを重ねます。
ノズルがアルミテープの上にこないようにする必要があります。
IMG_0255.jpgIMG_0253.jpg


前の記事「Scoovo C170 その後」でサボテンハンガーを作りました。そこから連想して以下のようなサボテントレーを作ってみました。机上の狭い空間を立体的に活用するためにアイテムです。
IMG_0321.jpgIMG_0322.jpg


ここでは、記事「Scoovo C170 「ネジ」による構造物」での経験が使われています。
以下のような部品の組み合わせです。
IMG_0302.jpgIMG_0306.jpg


次の左はポールに直接接続される腕ですが、この上に右のような取り外し可能なトレーをおきます。
大きさ、深さは用途によって何種類かあります。
IMG_0307.jpgIMG_0316.jpg


 ブックエンドを作ってみました。IMG_0324.jpg


ボールペンの先端部分が破損しました。代替品を造形しました。
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 マスクの鼻枠を作りました。眼鏡をかけるときは必携です。
以下はマスクにセットした状態です。

今回はこの辺で。
IMG_0480.jpg


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2020年03月06日

Scoovo C170 その後

 ここしばらくscoovoから離れています。

すごく退屈したらまた何か造形してみようとは思っています。
インターネットで検索してみると、さすがにscoovo c170は市場から消えています。

しかし、scoovo x?はいい値段で出品されています。
ノズルNZL-S1は消えていますが、NZL-S2は昔の定価より高値で出ています。

ちょっと前に、記事「Scoovo C170 生き残り作戦」で紹介した

(プランB)ノズルNZL-S2の先端半分を装着し、残りの半分は使用済みのNZL-S1のものをはめて使用する。

は、実際に試してみました。

 問題なく成功しました。

目詰まりしたNZL-S1は取ってあります。
この上半分とノズルNZL-S2のテフロンチューブおよび下半分を組み合わせることで
NZL-S1とすることができるので当分はscoovo c170を稼働することができます。

私はまだ数年間はscoovo c170を使い続けることができるように思います。

このブログもまだ続けようと思います。
PLAフィラメントの熱溶融で造形する3Dプリンタの記事というわけです。

前に造形したものをいくつか紹介しましょう。
下は掃除機の吸い口です。なくしたので造ってみました。
IMG_0098.JPGIMG_0097.JPG


以下はサボテン状の小物ハンガーです。
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サボテンハンガーを作ってみたら、郵便物などを格納する状差しに流用したくなりました。
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 昔の記事「Scoovo C170 3次元プリンタの未来形(その3)(テーブルと椅子の完成)」
で作成したテーブルの脚は角形でした。
 サボテン作成で円柱もけっこうきれいにできることがわかったので普通の円柱脚をもつ
テーブルを作成しました。
IMG_0100.JPGIMG_0123.JPG


サボテンポールは高く持ち上げるのに便利であることが分かりました。
そこで昔の記事「Scoovo C170 はどうなる?」で紹介した横着ツール

「こたつの手前においてノートパソコンの画面を寝ながらみる」

の別バージョンを造ってみました。こちらのほうが快適です。

 もちろん見ながら寝てしまいます。
IMG_0196.JPGIMG_0210.JPG


それではまた。



2019年06月30日

Scoovo C170 造形の基本ノーハウ6(再生ノズル作成について)

 ブルーのScoovo C170もノズルの目詰まりを起こしました。こちらも6リール(キログラム)程度のフィラメントを消費しました。
 前回と同じようにテフロンチューブを交換して再生ノズルとしました。楽勝です!!

 ところが半日ほど造形したのち、再び目詰まりが始まりました。

 シルバーのScoovo C170は再生ノズルで快調に造形できています。つまり、テフロンチューブの交換の仕方に何か問題があるのです。

 いっしょに考えてみませんか?


IMG_0108.JPGIMG_0107.JPG


まず、上左は目詰まりを起こしたノズルから取り出したテフロンチューブです。
意外に変形は少なく原型をとどめています。
上右は半日ほど造形して目詰まりが起こり始めた再生ノズルから取り出したテフロンチューブです。
画像はズームが同じでないため、大きさが違って見えますが、ともに17ミリの同じ大きさです。

 ともにくびれて膨らんでいる部分があります。

 右は再生ノズルの下部のテフロンチューブを格納する内部をのぞいたものです。
これまでの記事で調べたノズル下部と違って溶けて固まったフィラメント(白)が内部を埋めています。
IMG_0111.JPG


 以上の状況にちょっと動揺して、このノズルで再々生ノズルを作成するのをあきらめました。
捨てないでとっておいた過去の使用済みノズル(目詰まりしたもの)で再生ノズルを作成することにしました。

 これでどうだ?
と試してみました。

しかし、今度はさらに短時間で、1つ目の造形中に目詰まりが始まりました。

 右はまたも失敗した再生ノズルから取り出したテフロンチューブです。
 テフロンチューブ自体には何の損傷もありません。
IMG_0110.JPG


 手がかりは以上です。

 半日ほど悩みぬきました。「急いてはことを仕損じる!」です。

 それでは私の立てた仮説を右図で説明します。

 最初の2つのテフロンチューブのふくらみは図の空間Bに発生したものと思われます。
 この空間はノズルの下部と上部の雄ネジと雌ネジのすき間です。何らかの理由でネジが締まりきらないときに発生するでしょう。

 さて、今回の再生ノズルの失敗の原因は空間Aです。

この空間が存在すると、溶融フィラメントがここを埋めます。
本来はテフロンチューブの内部ではフィラメントとして通過してノズル下部で溶融すべきです。
この空間に下からの熱で溶融物が溜まると送りを妨げるのは明らかです。

 望ましいテフロンチューブの状態は右図下です。
特に重要なのはテフロンチューブがノズル下部の縁までしっかり入り込んで空間Aができない(可能な限り少ない)ことです。
イメージ015.jpg


 それでは解決策です。

IMG_0122.JPGIMG_0119.JPG


 私はいままで上図左のように、テフロンチューブをノズル上部に差し込んでからノズル下部にねじり込んでいました。
これだとテフロンチューブはノズル下部格納部の縁まで達することができず、空間Aが発生する可能性大です。

 正しい嵌め方は、上図右です。
つまり、最初にテフロンチューブはノズル下部に入れます。
テフロンチューブをノズル下部の格納空間の縁に達するまでしっかり押し込んで
空間Aを残さないようにしてからノズル上部をセットします。

 「目からうろこ!」の簡単な解決策でしょ!!

 実際にこのやり方で作成した再生ノズルでブルーのScoovoは現在順調に造形を続けています。

 最初に作成したシルバーScoovoの再生ノズルの作成の手順は上図左でした。
しかし、そのときはたぶん「虫の知らせ!」でテフロンチューブはノズル上部から
かなり飛び出た状態でノズル下部にはめ込んだのだと思います。
 その結果空間Aはほとんどできなかったと推測されます。

 ちょっとしたことで命運を分けました。ともかく最初に成功例を得たのは幸運でした。

 ところで、再生ノズルとして目詰まりを起こして下部内部に白の溶融フィラメントが埋まっているノズルは、ヒーテッドブロックからはずすときノズル先端部を傷つけてしまいました。右です。そのときは動揺していて「これは廃棄だな」と思ったのです。

 しかし、ノズルは貴重です。これもいずれ使用するかもしれません。
IMG_0112.JPG


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 再々生ノズルとして使用するときのために上図のように処理しておきました。
 ノズル下部にたまった溶融フィラメントははんだごて(図では省略)で温めておいて上左のように2.8ミリのドリルを手で回転させながら掻き出します。
 ノズル金属の材質はかなり柔らかいです。調子に乗ってドリルを回して下部の縁を削り取らないように注意しましょう。
掻き出したフィラメントかすも図に入れておきました。
必要ならば0.3ミリのピアノ線(NZL-S1のノズルの出口は0.35ミリ)も役立ちます。
図中にあります。

 上図右は掃除後のノズル内部です。使えそうでしょ!

2019年06月13日

Scoovo C170 プランA(再生ノズル作成)成功

 シルバーのScoovo C170が、待っていた(?) 目詰まりを起こしました。6リール(キログラム)程度の造形での結果です。

 「Scoovo C170 生き残り作戦」のプランA作戦の開始です。

 図のようにエクストルーダーを上に移動してノズル固定金具をはすしてヒーテッドブロックをぶら下げます。
 この状態でパソコン画面からヒーターをオンにして200度程度にします。ノズルをヒーテッドブロックに付けたままなので温度センサーによる制御が生きています。

 やけどをしないように武蔵よろしく2本のペンチをうまく使ってノズルの上部をゆっくりひねってはずします。

 ヒーターや温度センサーの配線をひねりすぎて断線しないように注意してください。サポートを受けられないとしたらこれで一巻の終わりです。

 結合部をゆっくりはずすことで内部に格納されているテフロンチューブに大きなダメージを与えることを防ぎます。
IMG_0084.JPG


 テフロンチューブの格納スペースはノズル上部が大きいので切り離すとノズル上部に入った状態で分離されます。ノズル上部からはノズル下部で目詰まり原因となった変形部分が出でいます。
 この部分をラジオペンチでつまんでテフロンチューブを取り出さなければならないのですが、初めての作業でもたもたしているうちに、ヒーテッドブロックから離されたノズル上部が冷えてしまいました。
 耐熱性のテフロンも温度を上げると少し軟化するので取り出しやすくなります。
 考えた結果、「Scoovo C170 生き残り作戦」で触れた「(b)半田ごてとノズルを熱伝導の良い銅線などで結んであたためる」方法を採用しました。

 右図です。はんだの溶融温度は230度付近なので熱伝導の良い銅線などでこての先端に縛り付けると簡単に200度程度に上がります。
 ここでも2本のラジオペンチが必要です。

図中には取り出したテフロンチューブがあります。チューブの損傷していない右部分がノズル上部に入っていました。左右逆に置くべきでした。
IMG_0085.JPG


 ノズル下部の内側を覗いてみました。
画像をクリックしてみてください。ノズルの内部にテフロンチューブやフィラメントの残りがありません。
 私は一時、目詰まりは、フィラメントが炭化してノズル内部に付着することが原因かな?、と思っていました。
この図をみて考えを改めました。ノズルの金属にはフィラメントやテフロンは付着しません。
 つまり、テフロンチューブは簡単に取り換えることができて、ノズルを復活することは難しくない、ということです。
IMG_0088.JPG


 ヒーテッドブロックに黒いかすが付着しています。
ノズルの結合部から漏れ出た溶融フィラメントかもしれないとの考えは否定されます。テフロンチューブを回ってノズルの結合部からしみでることは、上記のことからありえません。
これはPLAフィラメントをノズルに押し込む歯車が削り取ってヒーテッドブロックの上に落としたものと断定できます。目詰まりが起こり始めるとフィラメントの送りに抵抗が発生して歯車がフィラメントを削り取って落とすかすが増えるのです。

 右図では、ノズル上部に新しい17ミリのテフロンチューブを挿入してあります。
このようにチューブのかなりの部分は上部に格納されます。
 パソコン上からの操作でヒーテッドブロックの温度を200度付近にします。

 あとは2本のペンチでノズルの上部と下部を結合するだけです。

 「Scoovo C170 造形の基本ノーハウ4」で述べたことですが、ヒーターはヒーテッドブロックにイモネジで固定されているのですが、しめてもすぐに緩んでしまいます。ヒーターがブロックから出てきたら手で押し込むだけでいいです。
IMG_0089.JPG



 エクストルーダーを組み立てて造形をしてみました。

 成功です。

 ほとんど新品のノズルによる高いクオリティの造形です。
新品と違うのは、射出される溶融フィラメントが少し太めであることです。
「Scoovo C170 くせものフィラメント、ノズルの劣化、ヒーテッドブロック(リモコン格納ボックス、郵便物ボックスの製作において)」においてはノズルが造形物をこすることによるノズル先端の摩耗が射出口の径を大きくすることをいいました。そこでノズルが造形物をこする場合を紹介しました。そうでない普通の造形でも造形を重ねると少しずつ射出口の径が大きくなります。

 造形するとき、新品のノズルでは細く勢いよく射出されるのでベッドへの付着が快適で最初から2倍速が可能です。射出が太めになると最初の1層目のスピードを上げると滑らかに付着できません。1層目は1倍速です。2層目から2倍速ですね。

 右図はテフロンチューブ交換による再生ノズルによる造形です。とてもきれいです。


IMG_0091.JPG

2019年06月01日

Scoovo C170 造形の基本ノーハウ5

 前回、ノズルを分解してテフロンチューブを取り出しました。

このことによって今まで「不思議だな、どうしてかな?」と先延ばしにしてきた疑問が氷解しました。
ほとんど終わってしまったC170について「いまさら何を?」だと思いますが、
溶融造形の3Dプリンターについては共通のノウハウですので、書いてみます。

 右はネットで購入した1メートルのテフロンチューブ(内径2ミリ外径3ミリ)から17ミリをカットしてPLAフィラメント(グリーン)を通したものです。
 フィラメントの径は1.75ミリなのでチューブ内径の余裕は0.25ミリしかないのにとてもなめらかに通過します。
 しかし「余裕が0.25ミリしかない!」ことを覚えておいてください。

 耐熱実験をしてみました。
半田ごてをはんだが溶融する温度まで温めてテフロンチューブに押し付けてみました。たぶん250度程度まで上がったと思います。
しかしチューブは溶けたりゆがんだりすることなく変形もありません、これがテフロンの耐熱性です。
IMG_0080.JPG


 今回のノウハウは、ノズルの目詰まり、そしてフィラメント交換時におこる目詰まり疑似現象についてです。
 いままで調子よく機能していたプリンタが、「フィラメント交換の時、なぜかフィラメントが入っていかない?」ことがあります。

 この現象を右の図で説明します。図の左はノズルを分解して上部、下部、そして格納されている長さ17ミリのテフロンチューブを取り出した模式図です。
イメージ010.jpg


 フィラメント交換するときにフィラメントをノズルからひっぱりだすと伸びたフィラメント繊維がノズルの入り口から出ているのが普通です。図の左から2番目です。
 これはとても細くて(0.25ミリ以下?)、新しいフィラメントを挿入するときに邪魔にならなければノズル交換が成功します。

 この繊維が一定以上の太さになると、新しいフィラメントの通過を妨げます。ノズルの上半分の入り口は2.5ミリ程度あるので新しいフィラメントは余裕で通過します。
 しかし、その下にあるテフロンチューブの入り口ではかなりの確率でフィラメントの挿入を妨げます。なにしろ残った繊維の太さが0.25ミリを超えたらアウトでしょう(上図左から3番目)。
 私自身、いくら押しても新しいフィラメントが入っていかず、四苦八苦した経験があります。

イメージ012.jpgイメージ011.jpg


 上図の左も同じ図を見やすくしたものです。
さてフィラメントが入っていかなければ、当然力任せにぐいぐい押すことになりますが、実は危険です。
テフロンチューブを格納している空間の下面は、フィラメントが射出部のほうに通過する穴とその周りにはテフロンチューブをそこに留めておくためのへりがあります。
上からの力でチューブがそのへりに押し付けられると下部が変形して中央の穴をふさいでしまいます(上右図参照)。
 これで本当の目詰まりが生まれます。

 以上は実は私の類推です。しかし、たぶん正しいでしょう。

この状況を理解したら解決策は上左図の左から2番目、あるいは右図です。
 挿入する新しいフィラメントの先端から5センチ程度、断面が半円になるくらいに平やすりで削ります。平面にPLAフィラメントをおいて大き目の平やすりでこすればOK。

 つまりすき間を作ることででテフロンチューブの中に入ります。押し込めば残滓フィラメント繊維もいっしょに射出部へ通過して跡かたなく溶融されます。めでたしめでたし、ということです。

 フィラメントがテフロンチューブの入り口で残滓繊維に妨害されていると感じたらフィラメントの先端5センチ程度を平やすりでこすってかまぼこ状態にしましょう。というより最初からこの状態にしてフィラメント交換を始めるのが良いでしょう。
イメージ014.jpg

【今回のノウハウ】
  図ではノズルの上半分をはずした模式図で説明しましたが、あくまでテフロンチューブの入り口での現象を説明するためのものです。実際はいつも通りのフィラメント交換のときにPLAフィラメント先端5センチほどをかまぼこ状にするということです。

 右の図のようにします。
一番下は確かScoovoC170のマニュアルにあるやり方で先端をニッパーで斜めにカットしたものです。
下から二番目はときどき使用していた楔形のカットです。

 上の平やすりの上に置いてあるのはテフロンチューブの内径を意識した今回紹介しているものです。赤い印の付けてあるあたりから板の上でこすって断面積を徐々に小さくしてあります。数回こすればすぐにこの状態になります。これなら間違いなくテフロンチューブの中に滑り込んで行きます。
 つまりこの5センチがチューブを通過するときに残滓繊維も一緒にノズルに送り込んでしまおうという作戦です。

IMG_0081.JPG


【追伸】
 2013年11月に1台目のScoovoC170を購入してから6年目になります。2015年12月
に2代目を購入してから4年目です。
 最初のころ計3回ほど本体をサポートに送って、修理しましたが、以降は問題なく造形を継続しています。
2016年からつけている記録によると23リール(キログラム)のPLAフィラメントを造形しました。2013年からだとこの1.5倍を超える量になると思います。

 ScoovoC170の頑丈さは見事なものです。「ほとんどの部品が国産、組み立ても日本人・・・」という触れ込みで発売された3Dプリンターですが、私の感想ではそれほど間違ってはいないように思います。
ただ、使用上のノウハウが公開されず、多くの購入者が使い切れなかったということもあったかもしれません。
 他の機種の使用経験がないのですが、個人的にはScoovoC170はすばらしい製品であると思います。

 光造形プリンタ、サポートマティリアルが水にとけるデュアルノズル、ベッドに糊で着床する、など様々なタイプの3Dプリンタがあります。
 いちいちベッドに糊をこすりつけるのは面倒です。
 サポートを水につけて溶かすのは面倒です。
 光造形はあとで紫外線ランプにさらして固化させるのが面倒です。

ScoovoC170のベッドに張り付けたブルーテープは穴があくまで何回でも使えます。
中空から始まる構造物にはサポートを準備しなければなりませんが、置き方を工夫したりしてたくさんの場合にサポートなしで造形できます。使いこなすには修行が必要ですが、慣れるととてもシンプル単純です。

 溶融造形タイプの3Dプリンターは必ず生き残ると思います。つまり、ScoovoC170は生き残ることは可能です。

 最近、たくさんの造形をしました。またの機会にアップします。

2019年05月22日

Scoovo C170 生き残り作戦


最近ありがたいコメントをいただきました。例えば次のようなものです。

「・・・ヒートヘッドをまるごとMakerbotの中華3Dプリンタのものに変更する・・・
Posted by yoshi at 2019年05月13日 14:14」

「・・・責任を持とうとしない委譲先も、いつか同様の道を歩むのではないでしょうか。このブログをアップしていただき、ありがとうございました。
Posted by 小ミカン at 2019年05月20日 19:31」

詳細はコメント全文をご覧ください。

前回、「もうこのブログは終わりかな?」と思ったのですが、
「この状況もそれなりに面白いかもしれない」ということで、
もうしばらく、「手持ちのScoovo C170 2台をいかにして使い続けるか」について考えてみましょう。


私が「Scoovo C170 はあぶないかもしれない」と思い始めたのは、
昨年、予備のノズル「NZL-S1」を購入しようとしてサイトを探したら見た限りすべて
「販売終了」とか「在庫なし」になっていたときです。
株式会社abee にメールして確認すると「販売を終了するつもりはない」との回答で
直接ノズルを2本購入することができました。また「現在在庫なし」となっていたビックカメラに
注文しておいた1本も1か月ほどたってから届きました。

ということでひとまず安心していたのですが、半年もたたないうちに株式会社abeeは倒産しました。

さて昔話はこれくらいにして、

現在、考えている「延命作戦」もしくは「生き残り作戦」を説明します。

IMG_0068.JPGIMG_0071.JPG


上左で、下は未使用のノズルNZL-S1、その上は目詰まりを起こして使用済みとなったNZL-S1です。
NZL-S1の上部はエクストルーダーに固定するためネジになっています。
またNZL-S1は中央部がネジで接続されていて2つに分離されます。

図は解像度を少し高めにしておきましたのでクリックしてご覧ください。

中央の空間には内径2ミリ、外径3ミリ、長さ17ミリのテフロンチューブが格納されます。
1.75ミリのPLAフィラメントはこのテフロンチューブを通ってから200度程度の熱で
溶けて射出されます。このテフロンチューブがないと溶けたフィラメントが接続部のネジから
染み出てヒーテッドブロックの上に落ちて焦げるので異臭を発します。経験済みです。

このチューブの中ではフィラメントはまだ個体である必要があります。
エクストルーダー付属のファンはこの部分を冷却します。
射出された造形物を冷却しているようにも見えますが、その効果はありません。
「2015年11月26日 Scoovo C170 造形の基本ノーハウ2」をご覧ください。

新品は手でひねるだけで分離できます。
PLAを通して使用してしまうと常温では分離できなくなります。ネジのすきまに溶けた樹脂が入り込んで
接着剤のようになるのでペンチでひねるとむしろ他の金属部分が折れます。経験済みです。

図の上のノズルはScoovo X9用のNZL-S2です。
NZL-S1とそっくりでネジの径も同じです。先端の黄色い半分は完全に同じだと思います。
中に格納されているテフロンチューブのサイズも同じです。
しかし、エクストルーダーへの結合用のネジ位置が4ミリずれています。
したがってもしベッドを4ミリ下げることができればNZL-S2を使用することができるはずです。
しかし、これは簡単ではないようです。

図下から2番目は使用済みNZL-S1を分解したものです。−−−−(1)
この分解は容易ではないです。ヒーテッドブロックに取り付けたまま温度を200度近くまで上げて
ネジに入り込んだPLAを溶かした状態でペンチを2本用いてひねるのが最善策でしょう。

右に「2016年06月05日 Scoovo C170 造形の基本ノーハウ4」で使用した図を再掲します。

ヒーテッドブロックをはずしてもベッドにつかないようにエクストルーダーを上に持ち上げておきます。
矢印のねじをはずすとノズルの結合部が出るので上記の作業をします。
ブロックにはヒーターの端子が赤い絶縁チューブの中をプラスマイナスが極めて接近した位置に
あるので短絡しないように最大の注意が必要です。

ヒーターを温めながら短絡させると内部基盤のヒューズをとばします。経験済みです。
サポート送りになりますが、前回の記事で触れたように断られるかもしれません。
以前に「ヒューズを購入できないか?」とお願いしてみたことがありました。
「非売品なのでいくつかまとまった数であれば・・・」といわれた記憶がありますが、購入はしていません。
以降は注意してノズル交換しているので問題は発生していません。
DSCN2825.JPG


これと似た作業はノズル交換のときも必要です。長い間プリンターを使用しているとフィラメントかすがヒーテッドブロックのすき間に入り込んで常温では強力な接着効果を生みます。
常温ではノズルを取り出したり、セットすることはできません。

このノズル交換は機械に不慣れな人が簡単にできる作業ではありません。

思うにこれが Scoovo C170 がもっと普及できなかった最大要因でしょう。

話を(1)まで戻します。

今回は、とっておいた使用済みノズルをヒーテッドブロックにセットするのはめんどうなので
他の方法で温度を上げました。
皆さんはどんな方法を思いつきますか?
私が思いつくのは下の4つくらいです。

(a)油を入れたフライパンの中で温める
(b)半田ごてとノズルを熱伝導の良い銅線などで結んであたためる
(c)オーブンで温める(電子レンジは絶対不可)
(d)ノンフライヤーで温める

経験があるのは(a)(b)(d)です。
そして今回採用したのは(d)です。
(最近購入して料理に使っています¥ 8,690 。ノズル1本とそれほど値段が違わないというのは不自然ですね?)

ノンフライヤーの中は風がすごいのでアルミ箔の塊にノズルを差し込んで飛ばないようにして温めます、数分で200度近くになるので、ノンフライヤーから取り出したら冷えないうちに2つのペンチでひねって分離します。

さて使用済みのノズルを分離してテフロンチューブを取り出してみて
「ノズルの目詰まりの原因」がわかったような気がします。それは

「テフロンチューブが射出付近で変形してまだ溶けていないPLAフィラメントの通過を妨げる」

のではないでしょうか。
いままで0.3ミリのピアノ線を通しても目詰まりが解消できない理由が分かった気がします。

内径2ミリ、外径3ミリのテフロンチューブはインターネットから手に入れました。
1メートル¥ 845です。17ミリずつカットして使います。


それではようやく「生き残り作戦」です。


ノズルの目詰まりが起こったら、ヒーテッドブロックを温めながら

(プランA)ノズルの上部を分離して、変形したテフロンチューブを取り出して交換する。
(プランB)ノズルNZL-S2の先端半分を装着し、残りの半分は使用済みのNZL-S1のものをはめて使用する。
(プランC)サードパーティーがNZL-S1の代替品を作ってくれるのを待つ


まだ、目詰まりしていないので、いずれのプランも実行してはいません。

(プランA)でノズルが回復すればノズル寿命を大幅に伸ばすことができるでしょう。
(プランB)は間違いなくうまくいく気がします、しかしNZL-S2は近いうちに品切れになるでしょう。
私は実験用にインターネットから購入した1本のほかに、株式会社コンピューケース・ジャパンから2本購入しました。教えられた購入の方法は近くの「ビックカメラ」または「ツクモ」の販売店から注文することです。

分解してみてノズルの構造が完全に分かりました。
テフロンチューブは安価なので(プランC)で工作機械を利用できる場合には
安価なNZL-S1代替品の製作は可能だと思います。
3DプリンターがあればPLAフィラメントも消費されます。

他機種のノズルを製作している方もぜひともNZL-S1をついでに製作販売してください。

2019年04月26日

Scoovo C170 はどうなる?Part2

株式会社コンピューケース・ジャパン(TEL 045-470-5948)からのメールの返信はありませんでした。

そこで電話して、「Scoovo C170ノズル「nzl-s1」が手に入らない、などの事情を説明して」アビー株式会社の販売していた3Dプリンター関連の扱いをたずねてみました。

会社の方針を検討したいとのことで、2週間ほどたって本日電話がかかってきました。回答は

「ノズル「nzl-s1」については在庫がない、製作のノウハウもないので生産できない。Scoovo X関連の在庫はあるが売れ切れ次第終わりである、新しい製作はない。サポートもできない。」

という最悪のものでした。

『 商標権譲受に関するお知らせ
・・・ なお、これまでに当該製品をご購入いただきましたお客様におかれましては、当社が責任を持ってアフターサポートをご提供させていただきますのでご安心いただき、・・・ 』

というのはいつわりでした。

ベンチャー企業の製品というのはこんなものなんでしょうか?

最近作成した箱です。30×15×5センチ の実験用の箱です。板の厚さは5ミリです。
くの字の凹凸の突起でレゴブロックのようにはめ込んで大きくするようになっています。
ピース1つの形も「くの字」型です。
IMG_0032.JPGIMG_0031.JPG


下は 45×25×10センチ の箱です。洗面台のわきに置いて使っています。
IMG_0030.JPGIMG_0029.JPG



新しい展開がなければこのブログもこれで終わりです、 残念です。みなさんお元気で。

2019年03月28日

Scoovo C170 はどうなる?

SCOOVOについてインターネットを見ていたら以下のような記事がありました。

「2004年6月に設立されたアビー株式会社の破産手続きが開始された。負債総額は1.4億円。2018.12.28 16:08 更新
・・・
アビー株式会社の商標権である「abee」については、株式会社コンピュケース・ジャパン(本社:横浜市港北区)が破産管財人より譲渡の合意と契約を締結。今後はアビー製PCケースやモバイルバッテリの販売、およびサポート業務を引き継ぐという。」

とうとう来たか!
という感じです。残念です。

Scoovo C170は、株式会社オープンキューブで製作され、破産によりアビー株式会社に引き継がれ、その破産により今回、株式会社コンピュケース・ジャパンに引き継がれたようです。

株式会社コンピュケース・ジャパンの『2019/01/10 お知らせ』 に

『 商標権譲受に関するお知らせ
拝啓 貴社ますますご盛栄のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

さて、当社は、アビー株式会社が展開しておりました製品の商標の一部について、下記の通り承継することといたしましたのでご案内申し上げます。 なお、これまでに当該製品をご購入いただきましたお客様におかれましては、当社が責任を持ってアフターサポートをご提供させていただきますのでご安心いただき、倍旧のご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
 記

途中略

7.
3Dプリンタ消耗品
PLAフィラメント、ABSフィラメント、ノズル

 略

 以上 』

とあります。この通り「サポート業務の引き継ぎ」が行われていれば問題はありません。
それを確認するためにメールにてScoovo C170ノズル「nzl-s1」を注文してみました。

まだ返信はきません。
株式会社コンピュケース・ジャパンのサポートについて情報をお持ちの方はコメントに入れていただけたらありがたいです。


 それでは最近の造形物です。これはそれほど必要を感じたわけではないのですが、
たまにScoovoC170を動かしてみたくなったので、あえて造形してみました。

IMG_0014.JPGIMG_0020.JPG


 楕円形卵を半分にしたドーム状のもので、上につまみがあります。
上は造形中の様子です。左の円筒は厚さが0.5ミリです。
これはドーム状の目的物を作成するときにヒーテッドブロックに固定されたノズルを
一層プリントするごとに円筒の位置に移動させるためのダミーです。
ドーム上のつまみのような小さな部分を造形するときに不可欠なこつです。
この工夫がないとノズル及びヒーテッドブロックがそこにとどまるため
造形物が固まることができず、ぐちゃぐちゃになります。

IMG_0021.JPGIMG_0022.JPG


 さてこの使い道は、コーヒーやビールの飲みかけにかぶせるふたなのです。
こばえがカップのへりにとまったり中にはいっておぼれたりするのを防ぎます。


 次です。これはコネクタによって結合された箱でティッシュペーパーを入れて
壁や柱にぶらさげるためのものです。便利ですよ。
 ティシュ入れ替えのために後ろ半分は開けてあり、コネクタの結合も1つはずしてあります。

IMG_0012.JPGIMG_0011.JPG


 次です。

 これはページめくり機を作ったときに部品を配置するためのはめ込みパネルを使用したノートパソコンを置くための台です。IMG_0010.JPG


 使い方は下のようです。こたつの手前においてノートパソコンの画面を寝ながらみることができます。
つまり、疲れた時に映画を寝ながら見るためのものです。
 たいていは途中で寝てしまいます。
IMG_0009.JPGIMG_0008.JPG


それではまた。

2018年09月15日

プロトタイプ ページめくり機 の作成

お久しぶりです。
現在、発明家をやっています。

最近、実用新案に登録を終了した発明を紹介します。



とても安価に制作できる比較的ローテクな ページめくり機 の実験機です。
ユーチューブからのリンクです。


3Dプリンタは、考えたことを形にすることができます。
机上のアイディアは実際に試してみないとそのまま埋もれてしまいます。
最先端の材質、最新技術による製品には及ばなくとも、アイディアが現実に機能するものかどうか3Dプリンタで短時間で試すことができます。

現在取り組んでいることはアイディアを実際にScoovoC170で造形して、それが思っていたように機能するか確認して、うくいったものを実用新案として登録して、商品化する協力者が現れるのを待つ、というものです。
本当は特許として登録したいのですが、特許はお金がかかるので実用新案を選択しています。
つまり、私の立場は、お金は出さないが、アイディアとノウハウを提供します、というものです。

今回紹介しているのは、人がボタン操作で読書することを目的にした、ページめくり機、です。
障害者支援機器になりますが、ページをめくりながら撮影することで、自動自炊が実現できます。
使い道については需要次第なので天にまかせましょう。

シンクロナスモーター(扇風機の首振りや電子レンジのターンテーブルに用いられているモーター、ネットで500円程度で購入できます)などの金属部分以外はすべてScoovoC170による造形物です。

同じものですが、吸引部分を厚紙用に取り換えて 絵本をめくっているページめくり機 です。



この発明のポイントとして、実用新案登録請求の範囲、を記載します。
以下の7項目はすべて技術評価において評価6を得ています。つまり新しい実用新案として認められました。


【書類名】実用新案登録請求の範囲
  【請求項1】半回転以下の範囲を往復回転する駆動軸の直線から、本1ページの横幅の長さよりやや大きい距離に位置するように駆動軸から本の上に伸びた回転アームに取り付けられた吸引部が、開いた本の綴じられていないページ端でページを吸引して駆動軸が回転することでページを持ち上げると同時に、駆動軸の往復回転運動とワイヤーまたは歯車またはベルトなどによって完全に同期し、回転面が開いた本と平行で180度程度の往復回転運動をするページ送りスティックが持ち上がったページの下にもぐり込んでそのページをめくる一方で、常時は開いた本の上からバネや伸縮性のひもなどでページが勝手にめくれないように押さえているページ押さえハンドが、駆動軸に取り付けられたスイッチが往復回転運動のページめくり範囲においてオンとなり、ページをめくる間だけモーターなどによって持ち上がってページめくりを妨げない、というしくみの、回転する駆動部に取り付けられた吸引部とその運動に機械的に同期するページめくりスティックと駆動軸に設置されたスイッチにより電気的に同期して持ち上がるページ押さえハンドの3点による構成を特徴とするページめくり機。
  【請求項2】請求項1において吸引部を取り付けたアームの往復回転に逆回転防止機構のないシンクロナスモーターを使用したページめくり機。
  【請求項3】請求項1のページめくり機の吸引部において、吸引口の端がバネ付きのヒンジで吸引部本体に結合されていることによりページの端が吸引されたときに吸引口が引き込まれてページが「くの字」状に折れ曲がるしくみの吸引部をもつページめくり機。
  【請求項4】請求項1の吸引部として、空気を通さない柔らかい素材でできたスカートの裾の先端部分が、吸引時にも崩れず吸引口を塞がないための縁をもつ構造になっている、絵本などの厚紙に対して吸盤として機能する吸引部をもつページめくり機。
  【請求項5】請求項1のページめくり機のページをめくる送りスティックのページを押す側と反対側に取り付けられて、ページをめくったのちに本の端に残り、再びページをめくるために吸引部の回転アームと連動して送りスティックが戻るときにすでにめくったページを巻き込まないことを確実にするひれのような透明の板をもつページめくり機。
  【請求項6】請求項1のページめくり機において、ページを吸引する状況で見たとき回転アームの吸引部上方位置に取り付けられた孔またはスリットを通過して両端が本を置く台に固定され、ページめくりは妨げないが本を読むときつまり回転アームがホームポジションにあるとき本の上を押さえる紐またはテープをもつページめくり機。
  【請求項7】請求項1のページめくり機において、円弧の往復運動の特定部分でスイッチをONにするため、回転する突起物の回転中心から一定の距離にバネなどで弾性的に回転しない金属端子を配置し、突起物の形状は、順回転においてその距離より小さい突起から始まる外側を金属端子が通過し、逆回転でその距離より大きい突起から始まる内側を通過するようになっていて、円弧の往復運動を行うその突起物の内側または外側に電気導体を配置した構造のスイッチをもつページめくり機。

詳しく確認したい方は以下特許情報プラットフォームへのリンクから実用新案登録番号3217088で検索してください。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage

それではまた。




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