2019年05月22日
Scoovo C170 生き残り作戦
最近ありがたいコメントをいただきました。例えば次のようなものです。
「・・・ヒートヘッドをまるごとMakerbotの中華3Dプリンタのものに変更する・・・
Posted by yoshi at 2019年05月13日 14:14」
「・・・責任を持とうとしない委譲先も、いつか同様の道を歩むのではないでしょうか。このブログをアップしていただき、ありがとうございました。
Posted by 小ミカン at 2019年05月20日 19:31」
詳細はコメント全文をご覧ください。
前回、「もうこのブログは終わりかな?」と思ったのですが、
「この状況もそれなりに面白いかもしれない」ということで、
もうしばらく、「手持ちのScoovo C170 2台をいかにして使い続けるか」について考えてみましょう。
私が「Scoovo C170 はあぶないかもしれない」と思い始めたのは、
昨年、予備のノズル「NZL-S1」を購入しようとしてサイトを探したら見た限りすべて
「販売終了」とか「在庫なし」になっていたときです。
株式会社abee にメールして確認すると「販売を終了するつもりはない」との回答で
直接ノズルを2本購入することができました。また「現在在庫なし」となっていたビックカメラに
注文しておいた1本も1か月ほどたってから届きました。
ということでひとまず安心していたのですが、半年もたたないうちに株式会社abeeは倒産しました。
さて昔話はこれくらいにして、
現在、考えている「延命作戦」もしくは「生き残り作戦」を説明します。
上左で、下は未使用のノズルNZL-S1、その上は目詰まりを起こして使用済みとなったNZL-S1です。
NZL-S1の上部はエクストルーダーに固定するためネジになっています。
またNZL-S1は中央部がネジで接続されていて2つに分離されます。
図は解像度を少し高めにしておきましたのでクリックしてご覧ください。
中央の空間には内径2ミリ、外径3ミリ、長さ17ミリのテフロンチューブが格納されます。
1.75ミリのPLAフィラメントはこのテフロンチューブを通ってから200度程度の熱で
溶けて射出されます。このテフロンチューブがないと溶けたフィラメントが接続部のネジから
染み出てヒーテッドブロックの上に落ちて焦げるので異臭を発します。経験済みです。
このチューブの中ではフィラメントはまだ個体である必要があります。
エクストルーダー付属のファンはこの部分を冷却します。
射出された造形物を冷却しているようにも見えますが、その効果はありません。
「2015年11月26日 Scoovo C170 造形の基本ノーハウ2」をご覧ください。
新品は手でひねるだけで分離できます。
PLAを通して使用してしまうと常温では分離できなくなります。ネジのすきまに溶けた樹脂が入り込んで
接着剤のようになるのでペンチでひねるとむしろ他の金属部分が折れます。経験済みです。
図の上のノズルはScoovo X9用のNZL-S2です。
NZL-S1とそっくりでネジの径も同じです。先端の黄色い半分は完全に同じだと思います。
中に格納されているテフロンチューブのサイズも同じです。
しかし、エクストルーダーへの結合用のネジ位置が4ミリずれています。
したがってもしベッドを4ミリ下げることができればNZL-S2を使用することができるはずです。
しかし、これは簡単ではないようです。
図下から2番目は使用済みNZL-S1を分解したものです。−−−−(1)
この分解は容易ではないです。ヒーテッドブロックに取り付けたまま温度を200度近くまで上げて
ネジに入り込んだPLAを溶かした状態でペンチを2本用いてひねるのが最善策でしょう。
これと似た作業はノズル交換のときも必要です。長い間プリンターを使用しているとフィラメントかすがヒーテッドブロックのすき間に入り込んで常温では強力な接着効果を生みます。
常温ではノズルを取り出したり、セットすることはできません。
このノズル交換は機械に不慣れな人が簡単にできる作業ではありません。
思うにこれが Scoovo C170 がもっと普及できなかった最大要因でしょう。
話を(1)まで戻します。
今回は、とっておいた使用済みノズルをヒーテッドブロックにセットするのはめんどうなので
他の方法で温度を上げました。
皆さんはどんな方法を思いつきますか?
私が思いつくのは下の4つくらいです。
(a)油を入れたフライパンの中で温める
(b)半田ごてとノズルを熱伝導の良い銅線などで結んであたためる
(c)オーブンで温める(電子レンジは絶対不可)
(d)ノンフライヤーで温める
経験があるのは(a)(b)(d)です。
そして今回採用したのは(d)です。
(最近購入して料理に使っています¥ 8,690 。ノズル1本とそれほど値段が違わないというのは不自然ですね?)
ノンフライヤーの中は風がすごいのでアルミ箔の塊にノズルを差し込んで飛ばないようにして温めます、数分で200度近くになるので、ノンフライヤーから取り出したら冷えないうちに2つのペンチでひねって分離します。
さて使用済みのノズルを分離してテフロンチューブを取り出してみて
「ノズルの目詰まりの原因」がわかったような気がします。それは
「テフロンチューブが射出付近で変形してまだ溶けていないPLAフィラメントの通過を妨げる」
のではないでしょうか。
いままで0.3ミリのピアノ線を通しても目詰まりが解消できない理由が分かった気がします。
内径2ミリ、外径3ミリのテフロンチューブはインターネットから手に入れました。
1メートル¥ 845です。17ミリずつカットして使います。
それではようやく「生き残り作戦」です。
ノズルの目詰まりが起こったら、ヒーテッドブロックを温めながら
(プランA)ノズルの上部を分離して、変形したテフロンチューブを取り出して交換する。
(プランB)ノズルNZL-S2の先端半分を装着し、残りの半分は使用済みのNZL-S1のものをはめて使用する。
(プランC)サードパーティーがNZL-S1の代替品を作ってくれるのを待つ
まだ、目詰まりしていないので、いずれのプランも実行してはいません。
(プランA)でノズルが回復すればノズル寿命を大幅に伸ばすことができるでしょう。
(プランB)は間違いなくうまくいく気がします、しかしNZL-S2は近いうちに品切れになるでしょう。
私は実験用にインターネットから購入した1本のほかに、株式会社コンピューケース・ジャパンから2本購入しました。教えられた購入の方法は近くの「ビックカメラ」または「ツクモ」の販売店から注文することです。
分解してみてノズルの構造が完全に分かりました。
テフロンチューブは安価なので(プランC)で工作機械を利用できる場合には
安価なNZL-S1代替品の製作は可能だと思います。
3DプリンターがあればPLAフィラメントも消費されます。
他機種のノズルを製作している方もぜひともNZL-S1をついでに製作販売してください。
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/8826167
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック