もし君に手紙が届くなら

「無意味な言葉が僕の翼になる」より。
2010年03月19日投稿。




「紅い金平糖」より、お題を借りてきました。











「無機質な５のお題」




１．ガタがきた人形

君は踊れない
踊ることを忘れてしまった
哀れなオートマタ
ただそこにあるだけで
もう
僕以外に愛されもしない
哀れなオートマタ

僕がいなくなったら
君はどうするの？




２．ヒビの入った鏡

割れてしまう
いつか
それは今じゃなくても
いつか
割れてしまうだろう
その亀裂はまるで
僕の心に似ているようで

まだ割れてしまわないで
願うことを止められない




３．積み重なった雑誌

積み重なった記憶
情報の多さに
何を得て何を捨てればいいか
自分でも分からない
僕と同じ

簡単に捨てられる
そんなものでもないからさ




３．悲鳴を上げる自転車

壊れたブレーキ
もう止まれない
車輪は軋み
いつも
悲鳴を上げて
坂を駆け下りていく
いつか完全に
狂ってしまうんだ

そう
僕みたいにね




５．動けない時計の針

音のない部屋
空白の、空間
誰か僕に手を差し伸べて
そうでないと
昔動けていたことさえ忘れそうだよ
音のない部屋

もう
時すら刻んでもらえない











このお題は黒木さまの「紅い金平糖」というサイトからお借りしてきました。
お題に沿ってうたうのは、とても、楽しいです。
うたうの自体が僕にとって自然なことだから、そこに、不自然な要素を混ぜてみたいのかも、とか言ってみますが、楽しいに理由付けすることほど無粋なことはないので、楽しい、で、終わらせておきますね。