もし君に手紙が届くなら

「無意味な言葉が僕の翼になる」より。
2011年08月24日投稿。




「オペラ」より、お題を借りてきました。
このお題について詳しくは後ほど。











1.枯れ果てた虹

それは涙のあとに架かるから
悲しみを通り越したんだと
誰かが言うかもしれないね




2.浸した爪先

どっぷり浸かってしまったら
戻ることに飽いてしまうから
ちょっとだけ、ちょっとだけ




3.落ちていった隣人達

視線をやって
自分は大丈夫だなんて
思いこんで、いたいだけ




4.魚の眠る日に

普段は口にしない
言葉を
ありがとう、と
言ってみた後で
いただきます




5.遠くに咲いた花

手が届かないものへの例え
否、
手を伸ばす気すら起きないものへの、例え




6.擬似的死体ゴッコ

否、
大切な人がもういないなら
死んでいるのと一緒
ゴッコどころの話じゃない




7.神殺しの右手

思い上がったその手では
もう愛しい人の髪さえ撫でられない




8.風に散った桜

終わった後は
踏みつけられるだけ




9.足跡を巡る

いつまで経っても辿り着かないし
終わりもなくて
でも
不毛とも呼べなくて




10.錆び付いた鍵

ドアの鍵はもう開かないかもしれない
だけど
君の心を開けることはできるかもしれない




11.夜に亡く

いつの間にか暗闇に溶けてしまった誰かに
ばいばい




12.水滴の刻み方

蛇口を捻れば止まってしまう
君の鼓動と同じ
一定の速度で




13.泣けない子供に

玉葱を刻んだところで
刻まれた感情は取り戻せない
だけど
気休めぐらいには笑えるさ




14.瞼に残る光

終わる色
夕焼け
いつか誰かと見た、残照




15.息を止めた朝

空が余りに明るくて
喪失を嘆く暇もないぐらい




16.地獄のダンデブー

ときめきもない出会いなんて
すぐに忘れてしまうから
苦しいぐらいで
ちょうどいいのかもね




17.青いりんごと黄色のイチゴ

それは甘くて美味しいのかもしれない
けど一生
手を伸ばしてなんて
もらえないかもね




18.夜毎口ずさむ童話

もう中身なんてどうでもいい
その響きがなけれが
眠れないだけ




19.冷えきった頬

叩いてみて
乾いた音がするのは
頬が冷えているからか
心が冷えているからか




20.空になった鳥籠

いつか飛んでいけると信じること
無駄じゃないけど
結局は
ただ逃がされただけ




21.明日の明日

明日、
朝になったら今日になって
明日なんて永遠に来ない
だから
明日の明日なんて
途方もない話




22.太陽を弾いた真珠の欠片

突き破れなくても
途中で燃え尽きても
穿った証ぐらい
残したいものさ




23.踏み出せない鼓動

跳ねたところで
先を考えたら足踏みして終わる
傍から見たら
なんて奇怪なステップだろうね




24.十円玉の穴

開いているはずがない
けど
開いてしまったら
もう
閉じない
傷跡と同じ




25.2人きりの孤独

遠い向こうを眺めることを否定したところで
本当に君を側に置いておくことはできない




26.海に浮かべた紙風船

傷口に潮がしみるのに
このまま沈んでしまいたいのに
ふわふわ漂うしかできない




27.気紛れで身勝手で

>そうでない人なんて本当はいないのに
そうでない人なんて、本当はつまらないのに
そんな貴方は好きじゃないなんて




28.花盗人

摘み取ってしまえないものを
摘み取ってしまう人




29.左手の小さな宝石

ころころころ
手の平ん中
誰にも見せてなんかあげない




30.喜びのない物語

だって世界には
君がいない











こんばんわ。
こちらも旅の合間に答えていたもの。とか言いながら、半分は旅が終わってから答えてます(苦笑)
このお題はケイ様の「オペラ」より借りてきました。
自分なりの定義のようなものを詩的に答えた感じ、の、なんですが、何だか中途半端なものに(苦笑)
もう少しきっぱりといきたいものですね。
自分で言うのもなんですが、個人的に、5とか6とか、26とか30とかが、気に入っています。