まるでジブリのような景色を楽しめる、「ラコリーナ近江八幡(おうみやはた)」です。
「絶品のバウムクーヘンが食べられるよ」
友人からのグルメ情報に期待を膨らませ、訪れた場所が「ラ コリーナ近江八幡」だ。
有名菓子メーカー「たねや」の敷地であるラコリーナ近江八幡では、実に不思議な風景が来客を待ち構える。
駐車場から徒歩で向かう道中、目の当たりにするのが、屋根を草でおおった異様な外観の建物。
まるで異世界の入り口に来てしまったかのような感覚に包まれる。
たねやが創る圧倒的な世界観は、見る者を飲み込み、本来の来店目的さえ忘れさせる。
建物は、ラ コリーナ近江八幡のメインショップだ。
中で客を迎えるのは、たねやの全商品が集まる最大級店舗「たねや」。
栗饅頭や最中などの定番商品のほか、ラコリーナ近江八幡限定商品も販売されているので、是非とも品定めをしてお好みのお菓子を選びたい。
入口正面のメインショップを抜けると、広大な中庭が待ち受けていた。
中庭の中央部にあるのは水田だ。
左手より半円を描くように囲う、草の屋根が特徴的な通路を進む。
「ラ コリーナのへそ」と呼ばれる中庭の中心部に対し、視点を移動しながら見る角度を変え、独特な世界の景色を楽しむ。
現実離れした世界が、見る者の思考を惑わし、時間の概念を忘れさせる。
通路を歩いていくと、見えてくるのが扉が付いた不可思議なオブジェ。
扉は、開けたところで何があるわけでもない。
誰が何のために使うのだろうか。
自身の無限に広がる想像力を刺激するこの作品は、藤森照信氏設計の土塔で、人気のフォトスポットだ。
藤森照信氏は、長野県出身で江戸東京博物館の4代目館長を務める日本の建築史家、建築家である。
2020年に、「ラ コリーナ近江八幡 草屋根」で日本芸術院賞を受賞している。
敷地内に点在する小さな扉一つ一つが、「これはなんだろう」と、見る者を思考の迷路に迷い込ませる。
草屋根の通路を抜け、水田を右へ回り込むと、銅屋根の存在感あふれる建物が目の前に現れる。
まるでジブリ映画に出てくる飛行船を思わせる形状の建物は、「たねや クラブハリエ」の本社だ。
一般者立入禁止の飛行船を一瞥しながら、左に隣接している建物の中へ足を向かわせる。
外観からは想像できない建物の内部が気になる。
中は、クラブハリエが手がける最大規模の店舗「バームファクトリー」。
宝石店を思わせる装飾が、モダンでオシャレな空間を作り出し、陳列されるバウムクーヘンはまるで宝飾品のようだ。
生地づくりから焼成(しょうせい)、包装まで、バウムクーヘンの製造過程を通路にて見学できる店内では、商品を身近に感じられるようになる。
演出的効果も手伝ってか、販売場所には客が群がる。
バウムクーヘンを買い求める沢山のお客に紛れ、自身も商品を品定めする。
「ちょっとシャレた贈り物」に最適な品である、バウムクーヘン。
お世話になった大切なあの人を思い浮かべて買い求める。
さぞかし喜んでくれるに違いない。
色鮮やかなバウムクーヘンが放つ、甘い誘惑には勝てない。
食べられる宝飾品は自身の食欲を刺激し続ける。
高まる欲求が、足を2階にあるカフェへ向かわせた。
円状に広がる、洗練された都会的な造りが印象的なカフェでは、「焼きたてバウムクーヘンmini セット」を注文。
しっとりとした食感のバウムクーヘンが、上品な甘さをともない、口の中を幸せで満たす。
横に添えられた甘さ控えめの生クリームは、バウムクーヘンをより味わい深くしてくれる。
苦みの強いコーヒーも、バウムクーヘンの甘さを引き立てる重要な役目をしっかりと果たす。
友人の言っていた「絶品」の言葉が思い出される。
ジブリを思わせる世界で堪能する絶品スイーツグルメ。
日頃のゴタゴタを忘れ、異次元の世界に没頭できるラ コリーナ近江八幡には、人々を引き寄せる魅力があるようだ。
改稿・編集 HT
詳しくは以下のリンクを参照してください。
ショップ情報 | ラ コリーナ近江八幡 | たねや https://taneya.jp/la_collina/shopinfo/
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