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2023年01月05日
サル対策には肥料袋
私の趣味の1つに家庭菜園があります。庭の茶色く硬い土をシャベルで耕すところから始め、畑を作り、サツマイモやスイカ、メロン、カボチャ、キュウリ、ミニトマト、ピーマン、オクラ、ナス等の夏野菜を作っています。
農業は全くの素人のため、栽培方法は苗を買ったホームセンターに掲示してあった説明書きを参考にして、肥料は安いもの(鶏糞、牛糞等)を買って、適当な量を土に混ぜ合わせています。
虫対策には、農薬を使いません。ウリハムシ(ウリ科の野菜につくオレンジ色の虫)は直接手で捕まえ、潰しています。ホオズキカメムシ(ピーマンやトマト、サツマイモ等につく)はペットボトル(カメムシ捕獲器)の中に割りばしで落とし込んでいます。ただ、サツマイモのカメムシに関しては、数が多すぎるのと、取らなくても苗へのダメージは小さいので、放置しています。
病気は、今年初めてカボチャやキュウリ等がうどんこ病になったので、ネット情報を参考にして、穀物酢を水で薄めたもの等を散布しました(効果は微妙でしたが)。
さて、前置きが長くなり申し訳ありません。そろそろサルの話題に入ります。
立派な野菜を育てるためには、水をやるだけでなく、前述のように多くの世話をする必要がありますが、その世話をして実った果実(我が子)を食い散らかし、苗をグジャグジャにして去っていくのがサルです。
【サルが食い散らかしたミニトマト】
【サルが食い散らかしたキュウリ】
【サルがかじった白色カボチャ】
【サル?がかじったスイカ】←かじったのはカラスでした(^_^;)
そして、その食い散らかした後の掃除をするのは、もちろんサルではなく、私です。これではサルの召使いのようなものです。こんな腹立たしいことはありません。
【サルが食い散らかした果実(干し柿までもが餌食に・・・)】
このサル被害を防ぐために、畑の四方そして天井を、柵やネットで囲うことで、物理的にサルの侵入を防ぐことは可能です。しかし、生半可な囲いだと、隙間をサルに破られて入られてしまいます(近所の畑では、身体の小さなサルが囲いの隙間から入って、大ザルにエサを手渡していました)。それに、趣味レベルの家庭菜園に対して、大がかりな労力とお金がかかる囲いを設置することは、割に合いません。
そこで、何か良いサル対策はないかとネットサーフィンをしていたところ、「肥料袋を被せる」という実に簡単でお金のかからない方法を発見しました(下写真参照)。「スイカのカラス対策」というネット記事の中で紹介されていた方法で、元々は「現代農業」という雑誌に載っていたようです。
【左:スイカに肥料袋を被せる前、右:被せた状態】
使う肥料袋は、太陽光が透過しやすい、内側が白色のタイプが良いようです。私は鶏糞の袋を使いました。牛糞の袋は内側が黒かったので、使いませんでした。また、スーパー等のビニール袋は、中が蒸れて濡れた際、果実がすけて見えて、サルに見つかってしまうのと、強度が弱く、簡単に破られてしまうため、使えません。
私は肥料袋に果実部分を入れた後、袋の口の部分(ツルの両端)をダブルクリップで留めました(下写真参照)。サルに見つかっても、簡単に袋を開けられないようにするためです。
【肥料袋の口をダブルクリップで留めた状態】
先ほども言いましたが、肥料袋の中は蒸れます。蒸れても果実自体に問題は無かったのですが、袋の中に水が溜まるため、私はキリで袋に小さい通気穴を十数ヶ所開けました。水が溜まる袋の下側(底)については、上側よりも若干大きめの穴を開け、溜まった水が抜けるようにしました。
肝心の成果について、大きくて甘いスイカが3個ほど、収穫できました。一番大きいやつで13.2kgありました(下写真参照)。
【収穫直前のスイカ】
【左:13.2kgのスイカ、右:輪切りにした断面】
そもそも肥料袋を被せると、なぜサルに狙われないのか?その答えは視認性、つまり「目に見えないから」だと思われます。
例えば、露出したピンポン玉サイズのスイカがかじられた一方で、袋を被せたボウリング玉サイズのスイカは全く手を付けられていませんでした。スイカと混植で栽培していたサツマイモについては、イモが隆起して頭が土から出ていたようなものは、必ず掘り起こされましたが、土に完全に埋まっていたイモは、多少掘り起こされましたが、無事に残るものも多かったです。
もちろん「袋の中に果実があるのは分かっているが、人間がしかけたワナかもしれないので、怖くて手が出せない」という理由もあるかもしれません。しかし、これはどうも違う気がします。私は空中栽培のカボチャに、ツルの負荷軽減のため、網を被せていた(下写真参照)のですが、中が見えるため、網を破られてかじられました。ワナかもしれないと思っているのならば、網を被せたカボチャは、怖くて手が出せないはずです。
【網を被せたカボチャ】
そこで、網の上にスーパーのビニール袋を被せた(下写真の左参照)ところ、かじられずに済むようになりました。
【左:網の上にビニール袋を被せた状態、右:何も被せていない状態】
ちなみに、ビニール袋の底は切り落としているため、水がたまる心配はなく、また網の上に被せているため、雨等で濡れた際に、袋が張り付いて、中のカボチャがすけて見えることもありません。ただ、切り落としたビニール袋の底からのぞけば、中にカボチャがあることはバレたのですが、運が良かったのか無事でした。サルも人里にある畑に出没する時は、あまりノンビリしていると、人に見つかって返り討ちに遭う危険があるため、「パパッ」と見て、「そこに果実がある」ということが分からなければ、狙わないのかもしれません。
以上のように、「袋を被せる」ことが、サル対策にかなりの効果を発揮することをご理解いただけたと思いますが、その一方で欠点があります。それは、トマトやキュウリといった、小さくてたくさん果実を付ける作物には向かないことです。実った果実すべてに袋をかけていたら、かなり手間がかかります(片手間の家庭菜園レベルでは、そんなに手間はかけられません)。よって「袋を被せる」のは、スイカやカボチャ等、大きくて少数の果実を付ける作物が良いでしょう。
蛇足ですが、肥料袋以外のサル対策についても、私はいくつか実践・検討しました。
1.果実にカゴやザルを被せる
カゴはスーパーの買い物カゴタイプのものです。ただ、私の畑のスイカは、サツマイモと混植していたため、サツマイモの畝のデコボコと、ツルの繁茂が邪魔をして、カゴを設置しにくかったので、やめました。
ザルについては、100均の一番大きいザルを2個買って、上下で挟んだザルの中に果実(スイカ)を入れて育てていましたが、果実の生育が良く、ザルよりも大きくなりそうだったので、途中で肥料袋に替えました。小玉スイカであれば、ザルでも良いかもしれません。
2.カカシや忌避剤
カカシは近所のホームセンターで売ってなかったので、私は空気で膨らますタイプの虎を設置しました(下写真参照)。
【ミニトマトの前に設置した虎】
設置して2ヶ月間はサルが来ませんでしたが、その後は来て、また悪さをするようになりました。偽物であることがバレたのかもしれません。
忌避剤については、インターネットで「サルが嫌いな臭いのシート」を見つけたので、試してみましたが、効果はありませんでした。
私が購入したシート↓
屋外に設置するため、雨等にさらされて、臭いが薄まり、効力が弱くなってくるのかもしれません。
3.サルが苦手な作物を栽培する
私はオクラやピーマンを栽培したことがありますが、それらはサルが苦手なため、成熟した実が付いていてもサルにかじられたことはありません。残念ですが、来シーズンの家庭菜園はトマトやキュウリを諦めて、サルが苦手な作物にシフトする予定です。
4.エアソフトガンや花火
「エアソフトガン」はBB弾を飛ばす遊戯銃のことです。略して「エアガン」と呼ばれることが多いですが、法律では「エアガン」は空気銃のことを指し、エアソフトガンとは別物で、日本で無許可で所持していると逮捕されます。
私はインターネットでエアソフトガンを購入し、玄関に常備し、サルが来た時にサル目がけて打ち、追い払っています。たいていのサルは人間の姿を見ると一斉に逃げ出しますが、ボスザルだけは歯向かってくる(威嚇してきて逃げない)ことがあり危険です。棒や素手で応戦すると、最悪怪我をしてしまう恐れがあるため、エアソフトガンのような飛び道具は安心材料になります。
私が購入したエアソフトガン↓
今までサルに命中したことはありませんが、素人でも概ね狙ったところに高速で弾が飛んでいき、肌感覚で少なくとも30m以上は飛距離がある感じです。
花火については、「パーン」と音が出る打ち上げ花火になります。花火といっても、綺麗なものではなく、あくまで大きな音を出してサルを追い払うものです。ホームセンター等で売られており、上空に電線等の障害物が無い広い場所で、安定した瓶に設置し、火を点けて発射します。
【玄関に常備している花火(左)とエアソフトガン(右)】
5.地域で連携
「近所の畑をサルが荒らしているが、自分には関係がないので放っておこう。」畑作りをしていない人にとっては、下手にサルを刺激すると、自分が危険な目に遭う恐れもあるため、そのような思考になると思います。それは仕方のないことです。でも、畑作りをしている私にとっては、「近所の畑にサルがいるということは、次は自分の畑の番だ」と思い、少々危険を冒してでも、追い払う行動に出ます。もちろん、安全第一なので、無理はできませんが、例えば車に乗っている時にそういった場面に遭遇したら、クラクションを鳴らすだけでも良いと思います。要は、私一人の努力では、サルに太刀打ちできないので、地域全体で少しずつサルを追い込んでいけば、サルが「人里はやっぱり怖い」と思うようになり、出現頻度が減ってくるのではないかと思います。
最後に、「肥料袋を被せる」方法は、お金も労力もたいしてかからず、効果の高い、非常に良い方法だと思います。しかしながら、私はこの方法を試してまだ1年目です。来シーズンも実践してみる予定ですが、もしかしたらサルが袋に慣れてきて、やられてしまうかもしれません。その際は、ここに追記したいと思います。
他に良い方法があれば、コメントしてください。これを読んでいる皆さんとともに、力を合わせて、より良いサル対策を見つけていきたいです。
〜2023年8月13日 追記〜
今年はスイカとカボチャ、ミニカボチャ、メロンを育てました。肥料袋やビニール袋、不織布シート等を被せてサル対策を行いました。その結果と考察を報告したいと思います。
結論から言うと、肥料袋を被せたものは無事でしたが、ビニール袋や不織布シートを被せたものはヤラれました(無事だったものもありますが)。
それでは、詳しく見ていきましょう。下写真はミニカボチャですが、不織布シートを被せて、風で飛ばないように石を置いていました。
【左:何も被せていない状態、右:不織布シートを被せた状態】
上写真のミニカボチャはサルの被害をまぬがれましたが、同じように不織布シートを被せていたカボチャが2個ヤラれました(下写真参照)。
幸い、サルが畑を荒らしている最中に気付き、山に持ち帰る前だったため、1個は美味しくいただき、もう1個は近所の人にあげました。ただ、1個はツルも切られていたため、ツルの先が枯れてしまわないかと心配でしたが、ツルも所々、根を張っていたため、今も枯れずに持ちこたえています。
一方、昨年と同じように空中栽培をしたカボチャについては、網を被せた上にビニール袋を被せて、ビニール袋の底も完全に切り落とさず、両端と真ん中に小さい切り込み(水抜きのため)を入れる程度にして、中が見えにくいようにしていましたが、ヤラれました。カボチャはサルが山に持ち帰っていたため見当たらず、そこにあるのは破られた網とビニール袋だけでした(下写真参照)。
一方、今年はメロン(網目の無いプリンスメロンという品種)も栽培し、実った果実には全てビニール袋を被せるようにしました(下写真参照)。
【右のメロンは、撮影用にわざと袋に切り込みを入れ、中が見えるようにしている】
このメロンは熟れるとヘタが取れ、空中栽培の場合は果実が地面に落下してしまうため、ビニール袋を近くのツルや支柱等にくくりつけておくことで、果実の落下を防ぐことができます。また、地面にできたメロンは土で汚れたり、傷ついたり、その傷に虫が寄ってきたりしやすいため、それらを防ぐ意味でもビニール袋は有効です。このビニール袋にも、カボチャの時と同様、底の両端と真ん中に小さい切り込みを入れ、水抜きしました。
結局、メロンもまた、サルにヤラれました。ビニール袋が一重だとすけやすいため、二重にしてみましたが、それでもヤラれました。二重でも少しすけて見えるためか、サルが「ビニール袋の中にはメロンがある」と学習したのか、定かではありませんが・・・。
このメロンもまた、食べカスが見当たらなかったため、後日、裏山に捜索しに行ったところ、発見しました!カボチャ、ミニカボチャ、メロンが変わり果てた姿になっていました(下写真参照)
ただ、今回のサル被害で、少し学んだこともありました。それは、地面にゴロンと実をつけているものや、空中栽培だと低い位置のもの、フェンスの外側のもの(サルが山に持ち逃げしやすい場所にあるもの)等、サルにとって狙いやすいものがヤラれていることです。同じように不織布シートやビニール袋をしていても、ヤラれていないものも多数ありました。費用や労力の都合上、完璧なサル対策を行うことは難しいので、例えばサルに狙われやすい位置にあるもののみ、果実を有刺鉄線で覆う等、来年以降、やってみようと思っています。
また、スイカほど果実が大きくならないカボチャやミニカボチャ、メロンについては、サイズの小さい肥料袋や米袋(2kg、5kg、10kg等)を使うのもありかと思います。米袋の透明になっている箇所については、白いテープを貼っておくと良いかもしれません。これも、来年以降、試してみようと思っています。
一方、最初にも書きましたが、肥料袋を被せたものは今年も無事でした。今年はメロンが豊作で、スイカはメロンの葉の陰に隠れたためか不作で、3.3kgの小さいサイズのもの1個だけでしたが、無事にサルから守り抜き、甘いものができました。
不織布シートを被せたカボチャがサルにヤラれたため、今年は途中からカボチャにも肥料袋を被せました。しかし、少し失敗しました。サルにはヤラれませんでしたが、ちょうど直射日光がガンガン当たる箇所だったため、その部分が気付いた時にはフヤけていました(下写真参照)。
肥料袋の中は温室効果で高温になるため、注意が必要です。袋の中の様子が見えないため、定期的に袋を開けて確認した方が良さそうです。そして何より、直射日光が当たるもの(空中栽培のものは大丈夫だと思いますが、地面にできたもの)については、不織布シートや抜いた雑草等を被せて、中の果実になるべく熱が伝わらないよう、対策しておく必要があります。
追記は以上です。来年以降も新たな発見があったら、追記したいと思います。
最後に余談ですが、ウリハムシが交尾しているところに遭遇しました(下写真参照)。ウリ科の葉っぱ等を食べる憎らしいウリハムシ。普段は見かけたらツブしているのですが、今回はそっとしておきました。
〜2024年8月15日 追記〜
今年もサツマイモやスイカ、ミニカボチャ等を育てています。そして残念なことに、今年は猛暑でエサ不足のためか、サルが頻繁にやって来て、大被害を受けてしまいました。その反省点・教訓をここに書いていきたいと思います。
まず、サツマイモについては、2週間おきにやって来て、引き抜かれて、まだ小さいイモを食われるの繰り返しでした。イモが隆起して頭が土から出た状態でなければ、そんなに掘り起こされることはないだろうと、たかをくくっていましたが、甘い考えでした。まだイモが成っていない根だけのやつも、手あたり次第、引き抜かれていました。
やはり、電気柵で囲わなければ、サツマイモはダメそうです。私の場合、そこまで費用や手間はかけられないので、来年からサツマイモは諦めます。
次に、スイカについては、おなじみの鶏糞の肥料袋を使い、問題なく収穫できました。ただ、半数は収穫前に割れが発生し、気づいた時には腐っていて食べられないものもありました。肥料袋を被せていると、割れてもすぐには気づけないのが難点です。毎日袋を開けて、割れていないか確認するのも面倒なので、私は袋の上から触り、割れていないか確認するようにしていました。上側だけ触って問題ないと思っていたら、下側(地面と接している側)が割れていたこともあったため、全体的に触る必要があります。
最後に、ミニカボチャについては、これもかなりヤラれてしまいましたが、そのぶん学んだことも多くありました。
ミニカボチャは大量に実をつけるため、被せる肥料袋が足りず、ビニール袋を二重に被せたり、地面の上にできたものは、カボチャの葉っぱを覆いかぶせて隠したり、新たな試みとして、5kgの米袋を半分に切ったサイズのものを被せたりしました。しかしながら、それらは全てヤラれてしまいました。ビニール袋は中が透けて見えるし、葉っぱで隠しても感づかれたのだと思います。米袋については、半分に切って使ったのが、良くなかったのだと思います。カボチャの実が膨らんでパンパンになり、袋に張り付いたり、肥料袋と比べて米袋は透明な部分もあったりするため、中が透けて見えたのだと思います。その教訓を活かし、5kgの米袋は半分に切らずにそのまま使い、透明な部分には白テープを貼りつけるようにしました。今のところ、この方法でヤラれていません。
袋をダブルクリップで留めていたものの、袋を引っ張られて外されていたものがありました。特に、空中栽培のものは外されやすいです。ダブルクリップで留める際に、しっかり留まっているかを確認し、ダブルクリップをダブルで使う(クリップの上からクリップで挟み、左右2個ずつ計4個使う)のもアリなのかもしれません。ちなみに、ダブルクリップは100円均一で安く手に入ります。
内側が黒色の肥料袋を試してみました。内側が白色の肥料袋のものと比較すると、若干果実の色が薄い印象はありましたが、思ったほど悪い見た目にはならなかったので、内側が黒色の肥料袋もアリなのかもしれません。
有刺鉄線についても試してみました。ただ、1個1個の果実に対してガチガチに囲うのは手間だったため、果実の付け根部分に気持ち程度にぶら下げていましたが、払いのけられました。やはり、ガチガチに囲わないと効果がなさそうなので、実践的ではないのかもしれません。
以上について簡単にまとめると、サル対策に使う袋は「内側が白色の大きめの肥料袋」または「透明な部分に白テープを貼った大きめの米袋」が有効だと思われます。
最後の最後に余談ですが、腹が立ったので逃げていくサルを走って100mくらい追い回してやりました。結局は山に逃げられたのですが、長袖・長ズボン・手袋・トレランシューズ着用だったら山の中まで追い回してやりたかった。悔しい!
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農業は全くの素人のため、栽培方法は苗を買ったホームセンターに掲示してあった説明書きを参考にして、肥料は安いもの(鶏糞、牛糞等)を買って、適当な量を土に混ぜ合わせています。
虫対策には、農薬を使いません。ウリハムシ(ウリ科の野菜につくオレンジ色の虫)は直接手で捕まえ、潰しています。ホオズキカメムシ(ピーマンやトマト、サツマイモ等につく)はペットボトル(カメムシ捕獲器)の中に割りばしで落とし込んでいます。ただ、サツマイモのカメムシに関しては、数が多すぎるのと、取らなくても苗へのダメージは小さいので、放置しています。
病気は、今年初めてカボチャやキュウリ等がうどんこ病になったので、ネット情報を参考にして、穀物酢を水で薄めたもの等を散布しました(効果は微妙でしたが)。
さて、前置きが長くなり申し訳ありません。そろそろサルの話題に入ります。
立派な野菜を育てるためには、水をやるだけでなく、前述のように多くの世話をする必要がありますが、その世話をして実った果実(我が子)を食い散らかし、苗をグジャグジャにして去っていくのがサルです。
【サルが食い散らかしたミニトマト】
【サルが食い散らかしたキュウリ】
【サルがかじった白色カボチャ】
【サル?がかじったスイカ】←かじったのはカラスでした(^_^;)
そして、その食い散らかした後の掃除をするのは、もちろんサルではなく、私です。これではサルの召使いのようなものです。こんな腹立たしいことはありません。
【サルが食い散らかした果実(干し柿までもが餌食に・・・)】
このサル被害を防ぐために、畑の四方そして天井を、柵やネットで囲うことで、物理的にサルの侵入を防ぐことは可能です。しかし、生半可な囲いだと、隙間をサルに破られて入られてしまいます(近所の畑では、身体の小さなサルが囲いの隙間から入って、大ザルにエサを手渡していました)。それに、趣味レベルの家庭菜園に対して、大がかりな労力とお金がかかる囲いを設置することは、割に合いません。
そこで、何か良いサル対策はないかとネットサーフィンをしていたところ、「肥料袋を被せる」という実に簡単でお金のかからない方法を発見しました(下写真参照)。「スイカのカラス対策」というネット記事の中で紹介されていた方法で、元々は「現代農業」という雑誌に載っていたようです。
使う肥料袋は、太陽光が透過しやすい、内側が白色のタイプが良いようです。私は鶏糞の袋を使いました。牛糞の袋は内側が黒かったので、使いませんでした。また、スーパー等のビニール袋は、中が蒸れて濡れた際、果実がすけて見えて、サルに見つかってしまうのと、強度が弱く、簡単に破られてしまうため、使えません。
私は肥料袋に果実部分を入れた後、袋の口の部分(ツルの両端)をダブルクリップで留めました(下写真参照)。サルに見つかっても、簡単に袋を開けられないようにするためです。
【肥料袋の口をダブルクリップで留めた状態】
先ほども言いましたが、肥料袋の中は蒸れます。蒸れても果実自体に問題は無かったのですが、袋の中に水が溜まるため、私はキリで袋に小さい通気穴を十数ヶ所開けました。水が溜まる袋の下側(底)については、上側よりも若干大きめの穴を開け、溜まった水が抜けるようにしました。
肝心の成果について、大きくて甘いスイカが3個ほど、収穫できました。一番大きいやつで13.2kgありました(下写真参照)。
【収穫直前のスイカ】
そもそも肥料袋を被せると、なぜサルに狙われないのか?その答えは視認性、つまり「目に見えないから」だと思われます。
例えば、露出したピンポン玉サイズのスイカがかじられた一方で、袋を被せたボウリング玉サイズのスイカは全く手を付けられていませんでした。スイカと混植で栽培していたサツマイモについては、イモが隆起して頭が土から出ていたようなものは、必ず掘り起こされましたが、土に完全に埋まっていたイモは、多少掘り起こされましたが、無事に残るものも多かったです。
もちろん「袋の中に果実があるのは分かっているが、人間がしかけたワナかもしれないので、怖くて手が出せない」という理由もあるかもしれません。しかし、これはどうも違う気がします。私は空中栽培のカボチャに、ツルの負荷軽減のため、網を被せていた(下写真参照)のですが、中が見えるため、網を破られてかじられました。ワナかもしれないと思っているのならば、網を被せたカボチャは、怖くて手が出せないはずです。
【網を被せたカボチャ】
そこで、網の上にスーパーのビニール袋を被せた(下写真の左参照)ところ、かじられずに済むようになりました。
ちなみに、ビニール袋の底は切り落としているため、水がたまる心配はなく、また網の上に被せているため、雨等で濡れた際に、袋が張り付いて、中のカボチャがすけて見えることもありません。ただ、切り落としたビニール袋の底からのぞけば、中にカボチャがあることはバレたのですが、運が良かったのか無事でした。サルも人里にある畑に出没する時は、あまりノンビリしていると、人に見つかって返り討ちに遭う危険があるため、「パパッ」と見て、「そこに果実がある」ということが分からなければ、狙わないのかもしれません。
以上のように、「袋を被せる」ことが、サル対策にかなりの効果を発揮することをご理解いただけたと思いますが、その一方で欠点があります。それは、トマトやキュウリといった、小さくてたくさん果実を付ける作物には向かないことです。実った果実すべてに袋をかけていたら、かなり手間がかかります(片手間の家庭菜園レベルでは、そんなに手間はかけられません)。よって「袋を被せる」のは、スイカやカボチャ等、大きくて少数の果実を付ける作物が良いでしょう。
蛇足ですが、肥料袋以外のサル対策についても、私はいくつか実践・検討しました。
1.果実にカゴやザルを被せる
カゴはスーパーの買い物カゴタイプのものです。ただ、私の畑のスイカは、サツマイモと混植していたため、サツマイモの畝のデコボコと、ツルの繁茂が邪魔をして、カゴを設置しにくかったので、やめました。
ザルについては、100均の一番大きいザルを2個買って、上下で挟んだザルの中に果実(スイカ)を入れて育てていましたが、果実の生育が良く、ザルよりも大きくなりそうだったので、途中で肥料袋に替えました。小玉スイカであれば、ザルでも良いかもしれません。
2.カカシや忌避剤
カカシは近所のホームセンターで売ってなかったので、私は空気で膨らますタイプの虎を設置しました(下写真参照)。
【ミニトマトの前に設置した虎】
設置して2ヶ月間はサルが来ませんでしたが、その後は来て、また悪さをするようになりました。偽物であることがバレたのかもしれません。
忌避剤については、インターネットで「サルが嫌いな臭いのシート」を見つけたので、試してみましたが、効果はありませんでした。
私が購入したシート↓
プラスリブ 忌避剤 撃退サル 3個入 忌避剤 害獣対策 防獣 価格:1,280円 |
屋外に設置するため、雨等にさらされて、臭いが薄まり、効力が弱くなってくるのかもしれません。
3.サルが苦手な作物を栽培する
私はオクラやピーマンを栽培したことがありますが、それらはサルが苦手なため、成熟した実が付いていてもサルにかじられたことはありません。残念ですが、来シーズンの家庭菜園はトマトやキュウリを諦めて、サルが苦手な作物にシフトする予定です。
4.エアソフトガンや花火
「エアソフトガン」はBB弾を飛ばす遊戯銃のことです。略して「エアガン」と呼ばれることが多いですが、法律では「エアガン」は空気銃のことを指し、エアソフトガンとは別物で、日本で無許可で所持していると逮捕されます。
私はインターネットでエアソフトガンを購入し、玄関に常備し、サルが来た時にサル目がけて打ち、追い払っています。たいていのサルは人間の姿を見ると一斉に逃げ出しますが、ボスザルだけは歯向かってくる(威嚇してきて逃げない)ことがあり危険です。棒や素手で応戦すると、最悪怪我をしてしまう恐れがあるため、エアソフトガンのような飛び道具は安心材料になります。
私が購入したエアソフトガン↓
初心者向け エアガン エアーガン ダブルイーグル 18歳以上用 エアーコッキングショットガン M870ソードオフタクティカルタイプ GM047C 【あす楽】【店内全品3%オフクーポン】 価格:5,680円 |
今までサルに命中したことはありませんが、素人でも概ね狙ったところに高速で弾が飛んでいき、肌感覚で少なくとも30m以上は飛距離がある感じです。
花火については、「パーン」と音が出る打ち上げ花火になります。花火といっても、綺麗なものではなく、あくまで大きな音を出してサルを追い払うものです。ホームセンター等で売られており、上空に電線等の障害物が無い広い場所で、安定した瓶に設置し、火を点けて発射します。
【玄関に常備している花火(左)とエアソフトガン(右)】
5.地域で連携
「近所の畑をサルが荒らしているが、自分には関係がないので放っておこう。」畑作りをしていない人にとっては、下手にサルを刺激すると、自分が危険な目に遭う恐れもあるため、そのような思考になると思います。それは仕方のないことです。でも、畑作りをしている私にとっては、「近所の畑にサルがいるということは、次は自分の畑の番だ」と思い、少々危険を冒してでも、追い払う行動に出ます。もちろん、安全第一なので、無理はできませんが、例えば車に乗っている時にそういった場面に遭遇したら、クラクションを鳴らすだけでも良いと思います。要は、私一人の努力では、サルに太刀打ちできないので、地域全体で少しずつサルを追い込んでいけば、サルが「人里はやっぱり怖い」と思うようになり、出現頻度が減ってくるのではないかと思います。
最後に、「肥料袋を被せる」方法は、お金も労力もたいしてかからず、効果の高い、非常に良い方法だと思います。しかしながら、私はこの方法を試してまだ1年目です。来シーズンも実践してみる予定ですが、もしかしたらサルが袋に慣れてきて、やられてしまうかもしれません。その際は、ここに追記したいと思います。
他に良い方法があれば、コメントしてください。これを読んでいる皆さんとともに、力を合わせて、より良いサル対策を見つけていきたいです。
〜2023年8月13日 追記〜
今年はスイカとカボチャ、ミニカボチャ、メロンを育てました。肥料袋やビニール袋、不織布シート等を被せてサル対策を行いました。その結果と考察を報告したいと思います。
結論から言うと、肥料袋を被せたものは無事でしたが、ビニール袋や不織布シートを被せたものはヤラれました(無事だったものもありますが)。
それでは、詳しく見ていきましょう。下写真はミニカボチャですが、不織布シートを被せて、風で飛ばないように石を置いていました。
上写真のミニカボチャはサルの被害をまぬがれましたが、同じように不織布シートを被せていたカボチャが2個ヤラれました(下写真参照)。
幸い、サルが畑を荒らしている最中に気付き、山に持ち帰る前だったため、1個は美味しくいただき、もう1個は近所の人にあげました。ただ、1個はツルも切られていたため、ツルの先が枯れてしまわないかと心配でしたが、ツルも所々、根を張っていたため、今も枯れずに持ちこたえています。
一方、昨年と同じように空中栽培をしたカボチャについては、網を被せた上にビニール袋を被せて、ビニール袋の底も完全に切り落とさず、両端と真ん中に小さい切り込み(水抜きのため)を入れる程度にして、中が見えにくいようにしていましたが、ヤラれました。カボチャはサルが山に持ち帰っていたため見当たらず、そこにあるのは破られた網とビニール袋だけでした(下写真参照)。
一方、今年はメロン(網目の無いプリンスメロンという品種)も栽培し、実った果実には全てビニール袋を被せるようにしました(下写真参照)。
【右のメロンは、撮影用にわざと袋に切り込みを入れ、中が見えるようにしている】
このメロンは熟れるとヘタが取れ、空中栽培の場合は果実が地面に落下してしまうため、ビニール袋を近くのツルや支柱等にくくりつけておくことで、果実の落下を防ぐことができます。また、地面にできたメロンは土で汚れたり、傷ついたり、その傷に虫が寄ってきたりしやすいため、それらを防ぐ意味でもビニール袋は有効です。このビニール袋にも、カボチャの時と同様、底の両端と真ん中に小さい切り込みを入れ、水抜きしました。
結局、メロンもまた、サルにヤラれました。ビニール袋が一重だとすけやすいため、二重にしてみましたが、それでもヤラれました。二重でも少しすけて見えるためか、サルが「ビニール袋の中にはメロンがある」と学習したのか、定かではありませんが・・・。
このメロンもまた、食べカスが見当たらなかったため、後日、裏山に捜索しに行ったところ、発見しました!カボチャ、ミニカボチャ、メロンが変わり果てた姿になっていました(下写真参照)
ただ、今回のサル被害で、少し学んだこともありました。それは、地面にゴロンと実をつけているものや、空中栽培だと低い位置のもの、フェンスの外側のもの(サルが山に持ち逃げしやすい場所にあるもの)等、サルにとって狙いやすいものがヤラれていることです。同じように不織布シートやビニール袋をしていても、ヤラれていないものも多数ありました。費用や労力の都合上、完璧なサル対策を行うことは難しいので、例えばサルに狙われやすい位置にあるもののみ、果実を有刺鉄線で覆う等、来年以降、やってみようと思っています。
また、スイカほど果実が大きくならないカボチャやミニカボチャ、メロンについては、サイズの小さい肥料袋や米袋(2kg、5kg、10kg等)を使うのもありかと思います。米袋の透明になっている箇所については、白いテープを貼っておくと良いかもしれません。これも、来年以降、試してみようと思っています。
一方、最初にも書きましたが、肥料袋を被せたものは今年も無事でした。今年はメロンが豊作で、スイカはメロンの葉の陰に隠れたためか不作で、3.3kgの小さいサイズのもの1個だけでしたが、無事にサルから守り抜き、甘いものができました。
不織布シートを被せたカボチャがサルにヤラれたため、今年は途中からカボチャにも肥料袋を被せました。しかし、少し失敗しました。サルにはヤラれませんでしたが、ちょうど直射日光がガンガン当たる箇所だったため、その部分が気付いた時にはフヤけていました(下写真参照)。
肥料袋の中は温室効果で高温になるため、注意が必要です。袋の中の様子が見えないため、定期的に袋を開けて確認した方が良さそうです。そして何より、直射日光が当たるもの(空中栽培のものは大丈夫だと思いますが、地面にできたもの)については、不織布シートや抜いた雑草等を被せて、中の果実になるべく熱が伝わらないよう、対策しておく必要があります。
追記は以上です。来年以降も新たな発見があったら、追記したいと思います。
最後に余談ですが、ウリハムシが交尾しているところに遭遇しました(下写真参照)。ウリ科の葉っぱ等を食べる憎らしいウリハムシ。普段は見かけたらツブしているのですが、今回はそっとしておきました。
〜2024年8月15日 追記〜
今年もサツマイモやスイカ、ミニカボチャ等を育てています。そして残念なことに、今年は猛暑でエサ不足のためか、サルが頻繁にやって来て、大被害を受けてしまいました。その反省点・教訓をここに書いていきたいと思います。
まず、サツマイモについては、2週間おきにやって来て、引き抜かれて、まだ小さいイモを食われるの繰り返しでした。イモが隆起して頭が土から出た状態でなければ、そんなに掘り起こされることはないだろうと、たかをくくっていましたが、甘い考えでした。まだイモが成っていない根だけのやつも、手あたり次第、引き抜かれていました。
やはり、電気柵で囲わなければ、サツマイモはダメそうです。私の場合、そこまで費用や手間はかけられないので、来年からサツマイモは諦めます。
次に、スイカについては、おなじみの鶏糞の肥料袋を使い、問題なく収穫できました。ただ、半数は収穫前に割れが発生し、気づいた時には腐っていて食べられないものもありました。肥料袋を被せていると、割れてもすぐには気づけないのが難点です。毎日袋を開けて、割れていないか確認するのも面倒なので、私は袋の上から触り、割れていないか確認するようにしていました。上側だけ触って問題ないと思っていたら、下側(地面と接している側)が割れていたこともあったため、全体的に触る必要があります。
最後に、ミニカボチャについては、これもかなりヤラれてしまいましたが、そのぶん学んだことも多くありました。
ミニカボチャは大量に実をつけるため、被せる肥料袋が足りず、ビニール袋を二重に被せたり、地面の上にできたものは、カボチャの葉っぱを覆いかぶせて隠したり、新たな試みとして、5kgの米袋を半分に切ったサイズのものを被せたりしました。しかしながら、それらは全てヤラれてしまいました。ビニール袋は中が透けて見えるし、葉っぱで隠しても感づかれたのだと思います。米袋については、半分に切って使ったのが、良くなかったのだと思います。カボチャの実が膨らんでパンパンになり、袋に張り付いたり、肥料袋と比べて米袋は透明な部分もあったりするため、中が透けて見えたのだと思います。その教訓を活かし、5kgの米袋は半分に切らずにそのまま使い、透明な部分には白テープを貼りつけるようにしました。今のところ、この方法でヤラれていません。
袋をダブルクリップで留めていたものの、袋を引っ張られて外されていたものがありました。特に、空中栽培のものは外されやすいです。ダブルクリップで留める際に、しっかり留まっているかを確認し、ダブルクリップをダブルで使う(クリップの上からクリップで挟み、左右2個ずつ計4個使う)のもアリなのかもしれません。ちなみに、ダブルクリップは100円均一で安く手に入ります。
内側が黒色の肥料袋を試してみました。内側が白色の肥料袋のものと比較すると、若干果実の色が薄い印象はありましたが、思ったほど悪い見た目にはならなかったので、内側が黒色の肥料袋もアリなのかもしれません。
有刺鉄線についても試してみました。ただ、1個1個の果実に対してガチガチに囲うのは手間だったため、果実の付け根部分に気持ち程度にぶら下げていましたが、払いのけられました。やはり、ガチガチに囲わないと効果がなさそうなので、実践的ではないのかもしれません。
以上について簡単にまとめると、サル対策に使う袋は「内側が白色の大きめの肥料袋」または「透明な部分に白テープを貼った大きめの米袋」が有効だと思われます。
最後の最後に余談ですが、腹が立ったので逃げていくサルを走って100mくらい追い回してやりました。結局は山に逃げられたのですが、長袖・長ズボン・手袋・トレランシューズ着用だったら山の中まで追い回してやりたかった。悔しい!
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