2021年09月18日
名は体を表す!季節や自然にまつわる魚へんの漢字
魚へんがつく漢字は沢山あり、どうしてその字になったのか調べてみると意外と奥が深かったりします。
今回は、季節や自然にまつわる、まさに「名は体を表す」魚へんの漢字を紹介します。
季節や自然にまつわる魚へんの漢字
出典・illustAC
魚へんの漢字は沢山あって、調べてみると、ある魚に複数の漢字があてられていることも多々あります。
その経緯も中国から来た漢字由来のものもあれば、日本で生み出されたものも、逆輸入されたものなどがあります。
漢字の意味が現代の形になるまでさまざまな経緯があるみたいです。
今回は、季節や自然にまつわる魚へんの漢字を紹介します。
四季を表す魚へんの漢字
出典・illustAC
まずは、日本特有の“四季”にまつわる魚へんの漢字。
漢字を見れば「今が旬!」の意味もわかるかもしれません。
『鰆』
魚へんに春とかく「サワラ」。
早春に多く獲れるので、“春の魚”というイメージが強く、季語にもなっています。
サワラは1mまで育つ魚で、40〜50cm程のサイズは「サゴシ」などと呼ばれる出世魚。
ジギングなどで楽しませてくれる魚ですね。
魚へんに春があてられているだけあって、関西や瀬戸内での旬は春。
地域によって美味しい旬は異なり、関東地方で美味しいのは秋以降といわれ、真冬の「寒ザワラ」が絶品だそうです。
『魚夏』
魚へんではないですが、魚に夏と書いて「ワカシ」。
ワカシは出世魚ブリの子どものころ(幼魚・若魚)の名前で、ワカシは関東での呼び名です。
ブリは関東では「ワカシ → イナダ → ワラサ → ブリ」と成長し、関西では「ツバス → ハマチ → メジロ → ブリ」というように、地方によって異なる呼び名で成長する出世魚。
初夏に小さいサイズのワカシやツバスが釣れることから、魚夏の漢字があてられてるようです。
『鰍』
魚へん秋で「カジカ」。
カジカはスズキ目カジカ科の魚で、その仲間は淡水にも海にも多くいます。
漢字のものは、淡水、中でも水の綺麗な川に住むものを指しています。
どうして魚へんに秋なのかというと、カジカは秋によく鳴くとされていたため、秋があてられたそうです。
しかしながら魚のカジカは鳴きません...。
どうやら頭が扁平で不格好な姿も相まって、カエルの一種であるカジカ(河鹿)と間違えられたみたいです。
『鮗』
春・夏・秋ときたら最後は、魚へんに冬で「コノシロ」。
実はコノシロにあてられた漢字は4つもあります。
魚へんに冬以外に「鰶」「鱅」「鯯」などがあり、中でも魚へんに制と書くコノシロは、同じニシン科のコノシロに似たサッパとも読みます。
コノシロは漢字が多いだけに逸話も多いです。
焼いたときに独特なニオイがすることから「火葬場のニオイがする」と嫌われたり、武家社会では「コノシロ(此の城)を食べる」に通じるため嫌われ。
また、殺されかけた子どもを助けるため、子どもの代わりにコノシロ(子の代)を棺に入れ火葬したという伝承もあったりと、なかなか恐ろしい話が多いです。
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季節・自然にまつわる魚へんの漢字
出典・photoAC
四季にまつわるもの以外に、季節・自然に関係する漢字があてられたものもあります。
『鱪』
魚へんに夏の漢字はないものの、夏をイメージする“暑”があてられた「シイラ」。
シイラは暖かい海に生息し、ルアーゲームのターゲットにもなります。
暑があてられている理由は、単純に暖かい海に生息し暑い夏に旬を迎えるからだそう。
『𩸽』
魚へんに花で「ホッケ」。
中国にはない日本で作られた国字で、「幼魚が青緑色をしている」「産卵期のオスがコバルト色になり鮮やかな唐草模様がみられる」など、見た目の美しさから「花」があてられてとされています。
『鱈』
比較的メジャーですが魚へんに雪で「タラ」。
漢字からもイメージしやすい説としては、冬場の特に吹雪の多い時期によく獲れる、漁期にちなんでいるみたいです。
もしくは、その身が雪のように白いから付けられたという説。
北海道や東北で多く獲られる北国を代表する魚ですね。
季節や自然にまつわる魚へんの漢字
季節や自然にまつわる魚へんの漢字、いかがだったでしょうか?
どういう漢字を書くかだけじゃなく、どうしてその字になったかまで調べると、面白いですね。
ちなみに、魚へん(偏)は「さかなへん」と「うおへん」どっちで読んでも正解みたいです。
最後までご覧いただきありがとうございます。
タグ:豆知識
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