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2024年11月16日
結局のところアニサキスってどんな寄生虫なの?
“アニサキス”
おそらく1度は聞いたことがある名前だと思います。
アニサキスは魚の寄生虫で、人間にとっても有害なんですが・・・。
食中毒になる原因として有名ですが、正直あまりよく知らない・・・。
ということで今回は、“アニサキス”について見ていきたいと思います。
アニサキスでの食中毒にならないように、予防と対処法も一緒に見ていきます。
アニサキスとは?
出典・illustAC
アニサキスとは、魚介類などの海産動物に寄生する「寄生虫」です。
人への感染としては、食用としても人気の高いサバ・アジ・サンマ・カツオ・サケ・イカなどを食べた際に感染。
他にも、イワシやニシン、ホッケやアイナメなど幅広い魚種に寄生するのがアニサキスです。
アニサキスが生きたまま体内に入ることで感染してしまいます。
アニサキスは寄生している魚介類が死亡し、時間が経つと内臓から筋肉に移動します。
新鮮な魚だけでなく、スーパーなどで販売されている魚から見つかることも。
アニサキス症
アニサキスが原因の食中毒は、アニサキスが寄生している生の魚介類を食べたことによる発症が多いです。
生きたアニサキスが体内に入ると、胃壁や腸壁に悪さ(刺入)をすることで食中毒(アニサキス症)を引き起こします。
アニサキス症の症状は?
アニサキス症に感染した場合、「胃アニサキス症」「腸アニサキス症」「腸管外アニサキス症」の3種に分けられます。
「胃アニサキス症」
食後、数時間〜数十時間後に激しい腹痛や吐き気・嘔吐の症状が発生します。
一定間隔で腹痛を繰り返すのが特徴です。
激しい腹痛の原因は、アニサキスが寄生するために消化管壁を食い破ろうとするから。
「腸アニサキス症」
腸アニサキス症の症状は生魚を食事後、十数時間〜数日後に激しい下腹部の痛み、吐き気や嘔吐に襲われます。
症状が悪化した場合は、腸閉塞や腹膜炎などの合併症を引き起こすこともあります。
「腸管外アニサキス症」
腸管外アニサキス症は、まれにアニサキスが消化管を突き破り他の部位に寄生することで発症。
腸では胃よりも壁が薄いので、胃より腸管外アニサキス症が多くなります。
発症率が低く、自覚症状もないので発見するのが難しい症状です。
管外でのアニサキスの発見は色んな所に移動する可能性があるので非常に困難。
アニサキス症の治療
出典・illustAC
アニサキスによる食中毒は、胃薬などでは効果はありません。
激しい腹痛があり、アニサキスによる食中毒が疑われる場合はすぐに病院へ行きましょう。
アニサキスの予防
アニサキスが原因の食中毒を予防するポイントは
・しっかり加熱すること
アニサキスは熱に弱いので、中心部までしっかり加熱することで死滅します。
一般的には60℃のお湯だと1分以上、70℃以上で死滅とされています。
・冷凍する
熱に弱いアニサキスですが、凍結にも弱いです。
中心部まで凍結することで死滅します。
具体的には、マイナス20℃で24時間以上冷凍する。
生食する際の予防としては
・まずは鮮度
鮮度が良いうちに内臓を取り除く。
スーパーなどで買う際にも鮮度が良い物を選び、まるごと1匹で購入の際は、速やかに内臓を取り除きましょう。
絶対に内臓は生で食べない。
・目視での確認
調理時には目視で確認して、アニサキスがいた場合は除去。
特に内臓に近いハラスの部分は要注意です。
・なめろう等にする際は
アニサキスは傷を受けると、胃壁や腸壁への侵入性が著しく低下します。
なめろう等にする場合は細かく刻むことが大事です。
酢でしめれば大丈夫?
出典・photoAC
アニサキスはお酢でしめても死滅しません!
実際に、しめさばが原因のアニサキス症が起きています。
塩漬けや醤油、わさびを付けても、アニサキスは死滅しません。
生の魚介類は注意して食べよう!
全ての魚に寄生しているわけではありませんが、せっかくなら安全に美味しく食べたい。
新鮮な魚でも捌く際にはしっかり目視での確認をしましょう。
秋は、サバやカツオが旬なので、予防を忘れずに。
最後までご覧いただきありがとうございます。
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フグ以外にも要注意!テトロドトキシンを持つ生物達!
“テトロドトキシン”と聞いてまず思い浮かべるのは、フグだと思います。
しかし、フグ以外にもテトロドトキシンを生物がいます。
今回はテトロドトキシンを有するフグや他の生物、症状について紹介します。
猛毒“テトロドトキシン”
出典・photoAC
フグが持っていることで有名な毒「テトロドトキシン」。
フグ毒とも言われていますが、フグが生成する毒ではなく、フグ以外にも保有している生物がいます。
青酸カリの500〜1000倍の毒性を示す猛毒であり、熱耐性があるため300度以上に熱しても分解されません。
人体に取り込んでしまうと死に至ることもある非常に危険な毒です。
フグが中毒死しないのはなぜ?
テトロドトキシンは細菌が貝類などに取り込まれ、それを餌としているフグが食べ、フグの体内で濃縮されて毒性を持ちます。
フグが中毒死をしない理由は、テトロドトキシンに対して高い耐性を持っているためと言われています。
テトロドトキシンの中毒症状
出典・illustAC
テトロドトキシンを摂取すると、30分〜数時間で症状が現れます。
主な症状は身体の麻痺で、急速に症状が進行すると24時間以内に亡くなってしまう例もあるほど危険な毒です。
●消化器系
腹痛、嘔吐
●神経系
初期では指先や口唇の痺れ、進行すると運動麻痺や意識消失、呼吸困難、血圧降下
処置方法
テトロドトキシンは解毒方法が見つかっていないので、体内で代謝によって無毒化され排出されるのを待つしかありません。
そのためには、麻痺症状が出た初期段階から人工呼吸を継続し、麻痺が無くなるまで呼吸を確保することが対処法になります。
テトロドトキシンを持つ代表的なフグ
最もテトロドトキシンを有していることが多い魚が“フグ”です。
一般的には肝臓や卵巣、皮に強い毒性を持っています。
しかし、フグの種類によって毒を有する部分が異なり、雑種フグのようにどこに毒を有しているか分からないフグもいるので注意が必要です。
釣れても自分で捌いてはいけない!
フグは食用にもなっている魚ですが、食用にできるフグの種類や漁獲場所、食べられる部位が決められています。
そのため、素人が調理をすることは出来ません。
フグを調理するときは必ず、フグ調理師免許持つ方にお願いしましょう。
何より釣ったフグを食べないのが一番ですね。
フグ以外のテトロドトキシンを有する生物
フグ意外にもテトロドトキシンを有している生物がいます。
ここでは比較的身近にいる生物を紹介します。
●アカハライモリ
出典・photoAC
名前の通りお腹が赤いのが特徴の日本固有のイモリ。
本州から九州の淡水域に生息し、危険を感じるとお腹を見せて毒を持っていることをアピールします。
●ツムギハゼ
熱帯に生息しているハゼ科の魚。
筋肉にテトロドトキシンを有し、他のハゼと見分け見分けがつきにくいので注意が必要。
海外では市場に出回ってしまい食中毒を引き起こしたケースも。
●ヒョウモンダコ
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海水温の上昇により、近年では日本各地で分布範囲を広げている小型のタコ。
食用としてしまった場合だけでなく、唾液にテトロドトキシンが含まれているので、噛まれた場合にもテトロドトキシン中毒を引き起こす。
小型でカラフルなだけに、手に取りたくなる気持ちもわかりますが、近づかないのが懸命です。
●カブトガニ
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生きた化石として、天然記念物に指定されている地域もあるカブトガニ。
近縁種であるマルオカブトガニなどはテトロドトキシンを有している個体もいます。
海外で食中毒を引き起こしたケースがあります。
●スベスベマンジュウガニ
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千葉県から沖縄県に掛けて生息しているスベスベマンジュウガニ。
丸みを帯びたまるでおまんじゅうのような滑らかな甲が特徴。
タイドプール・潮だまりで見かけることが多く、テトロドトキシン以外の毒も持っていることもある猛毒なカニです。
●トゲモミジガイ
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日本中部から南側の浅い砂浜などに生息しているヒトデ。
移動の時には管足を使って歩き、見た目に似合わず意外と移動速度が速いのが特徴です。
体内にテトロドトキシンを持っており、食べてしまうと中毒症状を引き起こします。
テトロドトキシンに注意!
フグをはじめ意外と身近に潜んでいる生物も保有しているテトロドトキシン。
保有している生物や万が一の時はどうすれば良いのかを知っておくことが大切です。
水辺のレジャーを楽しむ際には、事前準備を怠らないようにしましょう。
最後までご覧いただきありがとうございます。
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