2022年08月05日
感染爆発 医師のコロナ感染体験記 新冷戦(196)
感染爆発 医師のコロナ感染体験記
新冷戦(196)
新冷戦(196)
以下の記事は医師が新型コロナの患者を診
察しているうちに感染してしまって、その
後の症状や医療的な様々なことを詳しく記
録して投稿されたようです。この医師は現
在の感染拡大は「感染爆発」と判断してい
ます。感染爆発というのは爆発的に感染者
が増える状態ですが、1日の新規感染者が
7月23日に20万人に達し、この頃の1週間
の新規感染者は世界最多となった言うこと
でした。7月28日には23万3000人を超え、
7月29日、30日は22万人台です。大変な
状況です。
感染爆発が起きるとどうなるか。現在ニュ
ースで流れているような半パニック状態に
なります。新型コロナの感染者が急に増え
ると感染したかもしれないと不安になる人
も急増します。新型コロナ関係の窓口は問
い合わせの電話が集中するので、電話が通
じにくくなります。病院や医院は自分で病
院へ行ける人が発熱外来へ集中します。電
話が繋がらなかったり、患者が多いのでと
いのでと断られたりします。病院や医院で
運よく受け付けてもらった人も苦しい中を
長時間耐えた後に診察してもらうという状
況になります。1日か2日遅れてウイルス陽
性が判明すると濃厚接触者を判定し、正味
５日間の自宅待機や外出自粛が要求される
ので、その間の食糧確保をしなければなら
ない。濃厚接触者は感染者よりもはるかに
多いと思われ、感染症に対する緊張感が広
がるでしょう。
自力で病院へ行かれない人は救急車を呼ぶ
でしょうが、救急車がなかなか来てくれな
かったり、乗せてもらった救急車が病院で
ベッドが空いていないと受け入れを拒否さ
れたりします。それも数カ所で拒否される
こともあるようです。病院や医院の場合、
職員が新型コロナに感染して出勤できなく
なると対応能力が小さくなり、職員の欠勤
が広がると医療崩壊します。感染爆発はこ
こまで影響します。
以下の報道記事は木村知医師が投稿したも
のです。新型コロナのオミクロン株BA.5に
感染した現役の医師が症状を克明に記録さ
れています。記事もぜひ読んでみてくださ
い。7月15日の夕方、なんとなく鼻の奥が
ヒリヒリした感覚があり、いつもより疲労
を感じたということです。深夜には鼻の奥
の違和感はノドの痛みに変化し始めたとい
うことです。
7月16日朝、ノドの痛みは違和感程度、痰
がらみの軽い咳があった。体温を測ると
37度4分だった。少し発熱している。家に
常備していた抗原検査キットでウイルスを
検査した。鼻の奥に綿棒を入れ粘膜を採取
して検査キットで確認、5分もしないうち
に陽性であることが判明した、ということ
です。
すぐに家族全員に症状を聞き、体温を測っ
た。それから数日分の食糧の買い出しを頼
んだ。自己検査でウイルス陽性の結果が出
たことを勤務先へ連絡し、新型コロナに感
染した登録は勤務先から役所へしてもらう
ことにしたそうです。
8月3日の1日の新規感染者は24万9830人
でした。もうほとんど25万人ですね。1週
間の新規感染者数は2週続けて世界最多だ
そうです。日本の感染爆発は継続中です。
オミクロンBA.5型の感染力でしょう。多少
絶望的です。
竜巻・コロラド州
2020年6月の9
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
だから過去最大の感染爆発が起きている…コロナ感染した現役医師が語る「BA.5の本当の怖さ」
配信
■数百人の感染者を診療してきたが、ついに
とうとう感染してしまった。
新型コロナウイルスに、である。一昨年に始まったコロナ禍以降、現在に至るまで、おそらく数百人の感染者を直接対面で診療してきた私だが、実際に感染したのは初めてだ。
【この記事の画像を見る】
幸い軽症で、発症後2日目には症状はピークアウト。入院加療を要する事態には至らずに済んだが、実際自分が罹患(りかん)して自宅療養者となったことで、感染急拡大の今こそ緊急に解決すべき重要な問題に気づくに至った。
今回緊急寄稿を思い立った理由は、これらの問題を広く共有し、多くの自治体において迅速に対処してもらうことで、全国各地の医療体制をいかに崩壊させずに保ち、それによって手遅れの人をいかに増やすことなく第7波を乗り切るか、この一点の願いに尽きる。
はじめに一言お断りしておくが、今回の私の体験談には、私の医師という職業柄、一般の方々には同様に当てはめることができないことや、利用できない手段等が登場する。
ただこれらもその後に述べる問題点を炙り出すことにもつながると思われるので、その点はご容赦いただければと思う。
■ノドの痛みは違和感程度で微熱だったが…
体調の異変に気づいたのは7月15日。皮肉にも、ちょうど直近の拙稿「感染拡大のたびに『行動制限と自粛』はもうやめよ…現役医師が訴える『コロナ第7波』で本当にやるべきこと」が配信された当日の夕方のことである。
連日の発熱外来、通常診療を終えての帰途、なんとなく鼻の奥がヒリヒリする感覚と、いつにも増した疲労感を自覚した。
「やや、もしや？」と一瞬不安が頭をよぎったが、これまでこれだけ新型コロナ診療を続けてきて感染してこなかったのだから今さら罹(かか)るわけがない、という根拠なき自信がその不安をかき消した。
久しぶりの3連休前日ということもあり、晩酌もいつもより多め、いや正直なところ深酒となった。0時半ごろに就寝。飲み過ぎもあってか2時半に尿意で覚醒。そのときすでに鼻の奥の違和感はノドの痛みに変わりつつあった。
その後、朝までの間はノドの痛みを自覚しつつの浅い眠りだったのだろう。コロナに感染してしまった夢を見ていたような記憶がある。
翌7月16日は7時に起床。ノドの痛みはあるものの違和感レベル、昨夜の深酒のせいかと思われるレベルの頭重感と軽い咳、痰がらみを自覚した。
コロナ禍以前であれば「ただの風邪気味」と思ってしまう症状だが、ここ数年インフルエンザはおろか風邪すら引いたことがなかった私にとってはかなりショッキングな事態、不安が現実のものとして襲いかかってきた。
即座に検温してみたところ37度4分。発熱している。この時点で私は「新型コロナに感染してしまった」と確信した。
■迅速抗原検査を行い、買い出しを頼み、勤務先に連絡…
わが家には私の職業柄、万が一の事態にすぐ対応するため、主たる勤務先から新型コロナの迅速抗原検査キットを家族人数分もらって常備していた。
PCR検査に使う唾液採取用の容器も常備していたのだが、だいぶ前に息子が学校で濃厚接触者に該当したときに使ってしまった後、補充するのを忘れたままとなっていた。
だが、仮にPCR用の唾液を採取できたところで勤務先までは片道1時間以上。持って行くわけにもいかないし、結果が出るのも翌日以降だ。いずれにせよ私はすでに「有症状者」。持論に忠実に、迷わず迅速抗原検査を行った。
患者さんには数多く行ってきたが、細いとはいえ綿棒を自分の鼻腔の奥深くまで挿入するのはかなり勇気が要る。
患者さんにいつも言うように「半眼で鼻に力を入れず、鼻からフーンと軽く息を吐く」を実践して粘液を十分に採取した。結果は判定時間の5分を待たずして陽性となった。私の新型コロナ感染が確定した瞬間である。
まず家族の症状と体温を確認。無症状であったが今後いつ発症するか分からないので、すぐさま開いているスーパーへ数日分の買い出しを頼んだ。同時に主たる勤務先に連絡を入れ、自己検査陽性を伝えた。
■発熱外来で診断確定を待ってはいられない
前稿に書いたが、自己検査陽性の場合でも医療機関を受診して再度検査を受けなければ診断確定とならないという運用がいまだ主流だが、私の主たる勤務地の千葉県では7月13日付で自己検査陽性ならば、それをもって診断としてよいとの通知が保健所から出されていた。
そこでこの自己検査陽性結果をもって、勤務先から保健所へ届け出てもらうことにした。ただこのように一連の自己検査から保健所への届け出依頼までの流れが迅速に完了し得たのは、私が医療者であったからにほかならない。
一般の方々の場合、検査キットが手元になければ、まず発熱外来を予約するところから始めなければならない。感染爆発している現在、どこも予約はすぐに満了だろう。
市販の「体外診断用医薬品」であるキットが手元にあって自己検査で陽性を確認しても、まだ多くの自治体では外来を受診しなければ診断確定とはならない。発症から診断確定、届け出まで早くとも2日、遅ければ数日かかりかねない状況なのだ。
私は自ら浴した恩恵を自慢しているのではない。誰もが私と同様の迅速さで対応されるべく体制を整えるべきだと提案したいのである。
とうとう感染してしまった。
新型コロナウイルスに、である。一昨年に始まったコロナ禍以降、現在に至るまで、おそらく数百人の感染者を直接対面で診療してきた私だが、実際に感染したのは初めてだ。
【この記事の画像を見る】
幸い軽症で、発症後2日目には症状はピークアウト。入院加療を要する事態には至らずに済んだが、実際自分が罹患(りかん)して自宅療養者となったことで、感染急拡大の今こそ緊急に解決すべき重要な問題に気づくに至った。
今回緊急寄稿を思い立った理由は、これらの問題を広く共有し、多くの自治体において迅速に対処してもらうことで、全国各地の医療体制をいかに崩壊させずに保ち、それによって手遅れの人をいかに増やすことなく第7波を乗り切るか、この一点の願いに尽きる。
はじめに一言お断りしておくが、今回の私の体験談には、私の医師という職業柄、一般の方々には同様に当てはめることができないことや、利用できない手段等が登場する。
ただこれらもその後に述べる問題点を炙り出すことにもつながると思われるので、その点はご容赦いただければと思う。
■ノドの痛みは違和感程度で微熱だったが…
体調の異変に気づいたのは7月15日。皮肉にも、ちょうど直近の拙稿「感染拡大のたびに『行動制限と自粛』はもうやめよ…現役医師が訴える『コロナ第7波』で本当にやるべきこと」が配信された当日の夕方のことである。
連日の発熱外来、通常診療を終えての帰途、なんとなく鼻の奥がヒリヒリする感覚と、いつにも増した疲労感を自覚した。
「やや、もしや？」と一瞬不安が頭をよぎったが、これまでこれだけ新型コロナ診療を続けてきて感染してこなかったのだから今さら罹(かか)るわけがない、という根拠なき自信がその不安をかき消した。
久しぶりの3連休前日ということもあり、晩酌もいつもより多め、いや正直なところ深酒となった。0時半ごろに就寝。飲み過ぎもあってか2時半に尿意で覚醒。そのときすでに鼻の奥の違和感はノドの痛みに変わりつつあった。
その後、朝までの間はノドの痛みを自覚しつつの浅い眠りだったのだろう。コロナに感染してしまった夢を見ていたような記憶がある。
翌7月16日は7時に起床。ノドの痛みはあるものの違和感レベル、昨夜の深酒のせいかと思われるレベルの頭重感と軽い咳、痰がらみを自覚した。
コロナ禍以前であれば「ただの風邪気味」と思ってしまう症状だが、ここ数年インフルエンザはおろか風邪すら引いたことがなかった私にとってはかなりショッキングな事態、不安が現実のものとして襲いかかってきた。
即座に検温してみたところ37度4分。発熱している。この時点で私は「新型コロナに感染してしまった」と確信した。
■迅速抗原検査を行い、買い出しを頼み、勤務先に連絡…
わが家には私の職業柄、万が一の事態にすぐ対応するため、主たる勤務先から新型コロナの迅速抗原検査キットを家族人数分もらって常備していた。
PCR検査に使う唾液採取用の容器も常備していたのだが、だいぶ前に息子が学校で濃厚接触者に該当したときに使ってしまった後、補充するのを忘れたままとなっていた。
だが、仮にPCR用の唾液を採取できたところで勤務先までは片道1時間以上。持って行くわけにもいかないし、結果が出るのも翌日以降だ。いずれにせよ私はすでに「有症状者」。持論に忠実に、迷わず迅速抗原検査を行った。
患者さんには数多く行ってきたが、細いとはいえ綿棒を自分の鼻腔の奥深くまで挿入するのはかなり勇気が要る。
患者さんにいつも言うように「半眼で鼻に力を入れず、鼻からフーンと軽く息を吐く」を実践して粘液を十分に採取した。結果は判定時間の5分を待たずして陽性となった。私の新型コロナ感染が確定した瞬間である。
まず家族の症状と体温を確認。無症状であったが今後いつ発症するか分からないので、すぐさま開いているスーパーへ数日分の買い出しを頼んだ。同時に主たる勤務先に連絡を入れ、自己検査陽性を伝えた。
■発熱外来で診断確定を待ってはいられない
前稿に書いたが、自己検査陽性の場合でも医療機関を受診して再度検査を受けなければ診断確定とならないという運用がいまだ主流だが、私の主たる勤務地の千葉県では7月13日付で自己検査陽性ならば、それをもって診断としてよいとの通知が保健所から出されていた。
そこでこの自己検査陽性結果をもって、勤務先から保健所へ届け出てもらうことにした。ただこのように一連の自己検査から保健所への届け出依頼までの流れが迅速に完了し得たのは、私が医療者であったからにほかならない。
一般の方々の場合、検査キットが手元になければ、まず発熱外来を予約するところから始めなければならない。感染爆発している現在、どこも予約はすぐに満了だろう。
市販の「体外診断用医薬品」であるキットが手元にあって自己検査で陽性を確認しても、まだ多くの自治体では外来を受診しなければ診断確定とはならない。発症から診断確定、届け出まで早くとも2日、遅ければ数日かかりかねない状況なのだ。
私は自ら浴した恩恵を自慢しているのではない。誰もが私と同様の迅速さで対応されるべく体制を整えるべきだと提案したいのである。
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木村 知（きむら・とも） 医師 医学博士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。1968年、カナダ生まれ。2004年まで外科医として大学病院等に勤務後、大学組織を離れ、総合診療、在宅医療に従事。診療のかたわら、医療者ならではの視点で、時事・政治問題などについて論考を発信している。
著書に『医者とラーメン屋「本当に満足できる病院」の新常識』（文芸社）、『病気は社会が引き起こす インフルエンザ大流行のワケ』（角川新書）がある。
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木村 知（きむら・とも） 医師 医学博士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。1968年、カナダ生まれ。2004年まで外科医として大学病院等に勤務後、大学組織を離れ、総合診療、在宅医療に従事。診療のかたわら、医療者ならではの視点で、時事・政治問題などについて論考を発信している。
著書に『医者とラーメン屋「本当に満足できる病院」の新常識』（文芸社）、『病気は社会が引き起こす インフルエンザ大流行のワケ』（角川新書）がある。
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★楽天ブックスが本の特売中
終りまでお読み頂き、ありがとうございました
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