判別するなら症状より検査キット1
新冷戦(220)
例年冬が近づいて気温が下がると、インフ
ルエンザの感染が広がります。例年通りイ
ンフルエンザ・ウイルスが流行しているよ
うです。年が明けて1月になると新型コロ
ナの感染者が猛烈な勢いで増え、感染第8
波の真っただ中、感染爆発もあるかと心配
されています。インフルエンザ・ウイルス
と新型コロナ・ウイルスの同時流行、いわ
ゆる「ツインデミック」となっているとい
うことです。
医療現場の医師はインフルエンザの症状と
新型コロナの症状はよく似ており、症状か
らどちらかを判断するのは難しいというこ
とです。従って、同時に両方の検査をする
のがいいということです。科学技術の方は
この要望を満たしてます。一つの検査キッ
トで両方の検査ができるものが薬局やイン
ターネトで販売されているということです。
この種の抗原検査キットを使用して、ウイ
ルス陽性となった場合、通常はPCR検査で
確認します。それで新型コロナウイルスの
陽性と出たら、ほぼ100%感染しています。
公的支援を得て自宅療養しましょう。保健
所と連絡を取りながら療養期間を過ごすこ
とになります。
最近見た言葉なのですが、「隠れ感染者」
という言葉があります。新型コロナの症状
がなく本人が感染していることに気が付い
ていない場合の人をいうようです。医療現
場の人がこの「隠れ感染者」の存在を実感
しているようです。来る日も来る日も雨後
のケノコのように老若男女の区別なく患者
さんが病院の窓口にあふれ、その多くがど
こで感染したか分からない市中感染なので
しょう。病院、医院の職員は感染から自分
の身を守りながらの真剣勝負が続いている
ことでしょう。そう考えると「隠れ感染者」
はかなり怖ろしい言葉ですね。
最近は1日の死者数が500人を超え、このこ
とが注視されています。第8波では死者の9
割が70代以上の高齢者です。新型コロナと
の合併症が多いということです。容体が急
変して救急車を呼んだのですが、病院に受
け入れてもらえなかったという人もいるよ
うです。1日の新規感染者数が20万人を超
えたりすると社会の中に組み立てられてい
るものが、能力をオーバーしてしまいます。
お感染爆発かと思っていると、1日の新規
感染者は減少しています。新規感染者が
10万人以下だと一息つけるところもある
ことでしょう。新型コロナ最前線の人達も
何とか持ちこたえていただきたいですね。
竜巻・カンザス州
2022年4月のA4
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この症状は新型コロナですか?インフルエンザですか? 違いは配信
インフルエンザが全国的に流行期入りしています。
発熱外来には多くの患者さんが来院されますが、「新型コロナ陽性、新型コロナ陽性、インフル陽性、新型コロナ陽性・・・」といった感じでチラホラとインフルエンザ陽性例が増えてきました。
症状によって、新型コロナかインフルエンザか当たりがつくのかどうか、書きたいと思います。
症状に違いはあるのか?
コロナ禍初期は、咳や息切れがしんどかったり、味覚障害・嗅覚障害などの特徴的な症状があったりした場合、「新型コロナかな?」と当たりをつけることが可能でした。
とはいえ、コロナ禍初期はインフルエンザ自体が流行していなかったので、そもそも両者を区別する必要がなかったのも事実です。
さて、症状によって新型コロナとインフルエンザの当たりがつくのかと問われると、オミクロン株以降は正直区別が厳しいです
最近、とてものどが痛いという発熱患者さんが受診し、「新型コロナかな?」と思っていたら、インフルエンザが陽性になったことがありました。こりゃあ症状だけでは区別できないな、と痛感しました。
あくまで私見ですが、発熱や筋肉痛が急速にやってくる「典型的なインフルエンザ」っぽいときは、やはりインフルエンザのことが多いという印象はあります。
新型コロナでも、急速に多彩な症状が出現することがありますが、ワクチンの効果もあって、ゆっくり症状が出現したり普通のかぜのような症状になったりすることも多いです。
また、潜伏期間が新型コロナより短めなので、「あの人からうつったのかな」というのが明確に分かりやすいのがインフルエンザでもあります。
とはいえ、オミクロン株以降、新型コロナの潜伏期間もどんどん短くなっているため、この差もいずれなくなるかもしれません。
同時流行下では同時検査すべき
新型コロナとインフルエンザが同時流行している現在、同居家族がすでにどちらか陽性と分かっているような場合を除き、基本的に同時検査するほうが望ましいと考えます。
現時点では、発熱者のほとんどが新型コロナですが、今後インフルエンザの割合が増えて逆転する時期が来るかもしれません。
そうなると、「まず新型コロナの検査をしましょう」という現在の推奨は体をなさない可能性があり、やはり同時検査キットの使用が望ましいと個人的に考えます(図)。
同時検査キットは、すでにドラッグストアやオンラインで市販が開始されています。第1類医薬品に該当するため、本来であれば薬剤師からの口頭説明が必要なのですが、事態が事態ですから、オンラインで問診に回答し、薬剤師からのメールを確認した後でも購入が可能となっています。
症状が出て間もない場合、インフルエンザ陽性がまだ検出できないことがあり、早すぎる検査は推奨されません。こういった塩梅が分からないから、とりあえず医療機関を受診しようという人が増えると、やはり医療は逼迫してしまいます。
年末年始の帰省後から発熱した人ですでに発熱外来は混雑していますので、自己検査の啓発がもう少しうまくいけば・・・と願っています。
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