2020年09月04日
NYで味わった新型コロナの恐怖2 新冷戦(99)
NYで味わった新型コロナの恐怖2
新冷戦(99)
新冷戦(99)
1からの続きです
ニューヨークを代表するところにブロード
ウエイやタイムズスクエアなどがあります
が、ブロードウエイの劇場は年内はすべて
の公演を中止しています。タイムズスクエ
アのホテルはすべて休業しているというこ
とです。レストランやバーは店内の飲食は
禁止で、テラス席や路上での営業をしてい
るということです。スタッフは大量解雇さ
れたのですが、それでも反対はなく耐えて
いるようです。やはり、新型コロナの怖ろ
しさが身に染みているのでしょう。
加藤教授のお話は、「ニューヨーカーは病
院の霊安室が足りなくて、病院の前に列を
なす冷蔵車へ袋に包まれた遺体がどんどん
運び込まれていくという地獄を経験した」
ということです。医療現場も感染した市民
もこういう状態は前代未聞であり、医療関
係者から一般人まで新型コロナに戦々恐々
と3、4ヵ月を過ごしたのではないでしょ
うか。
このブログとしては、加藤教授が体験した
新型コロナは非常に貴重なものと思われ、
読者に記憶していただきたいので、その時
の地獄を思わす集団埋葬の画像を以下の記
事内に掲載しました。何が貴重かと言うと、
症状が重症化する速さと後遺症、それに感
染爆発と地獄です。何かと世界一の都市と
思わせるものがいくつもあるニューヨーク
なのですが、新型コロナの感染でできてし
まった地獄は悲惨な事件として歴史に残り
そうです。そういうことから記憶に残し、
経済活動の再建に注目するといいでしょう。
ニューヨークは6月3日にPCR検査、抗体検
査を誰でも無料で受けられるようにしまし
た。加藤教授は安全の担保と呼んでいます。
これで新型コロナウイルスを持っているか
いないか、過去に感染していたかどうかが
分かり、ウイルスを持っていないことが分
かると、周りの人を感染することはないと
いう安心感が持てます。行政の費用負担で
こういう安心が得られると信頼も生まれて
くるでしょう。
4月上旬にはニューヨーク市で1日に約800
人の死者が出ていたのですが、7月終りに
は1日の死者は1人とか2人とかに減少し、
新規の感染者は100人台になりました。地
獄を完全に脱したと思っていいでしょう。
直接的には検査→追跡→隔離で対応し、外
部からの訪問者を抑制して感染を抑えまし
た。
経済活動は6月8日から第1段階として建設
業、製造業、農業、水産業が再開されまし
た。2週間置いて第2段階、金融業、小売業、
事務職、レストラン(屋外)が認められま
した。さらに2週間置いて第3段階、さらに
2週間置いて第4段階と言うように再開され
ました。感染者が多数発生したら次の段階
に進まないという方針だったようです。
日本国内の7月の新型コロナ感染は第2波の
ように見えました。9月に入って感染者数
が少し減ってきましたが、安心していいの
かどうか分からない状況です。もっと0人
に近づいてもいいのにと思うのですが、思
うだけでは意味がないのでしょう、一度上
がると簡単には下がりません。このウイル
スは怖ろしいのだと思うのがいいようです。
竜巻・ミネソタ州2020年7月の14
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
NYでコロナに感染した世界的日本人医師からの警告
配信
1からの続きです
讃井 高齢者への感染防止対策が向上したこと、PCR検査の能力が上がって「早い入院」ができるようになったこと、重症化を防ぐ効果が期待できる薬を、「早い入院」によって早期投与できるようになったこと・・・医療体制・検査体制・治療法・医療従事者の経験などさまざまな面での進歩によって重症患者の増加を抑えられているのではないかと私は考えています。
ですから、医療供給体制は4月に比べてまだまだ余裕があります。
もちろん、医療供給体制と感染予防対策は別次元の問題です。医療が逼迫していないからといって、感染予防対策をしなくていいという理屈は成り立ちません。
しかし、新型コロナ感染症を完璧に封じ込むために緊急事態宣言のような厳しい制限をずっと続けられるかというと、経済の面から難しいのではないか。
「社会の標準予防策(3密回避、手洗い、マスク 第12回参照)」を続けながら経済を回してゆくという日本なりのスタイルを進めていくしかないのでは思っています。
加藤 そこを丁寧に説明するのは行政の仕事であり、専門家の仕事だと思います。その説明が十分でないから、極端に恐怖を感じる人と、恐怖を過剰に語られたせいでこんなことになったじゃないかという人に分断されてしまったのではないでしょうか。要するに、安心を与えられていないんです。
讃井 たしかにそうかもしれません。私は常々、「“理性的”コロナ心配性になりましょう」と言っているのですが、伝える難しさを感じています。
加藤 讃井先生の話を伺ってもうひとつ言えるのは、やはり本当の意味でのパンデミックを経験した人間と経験してない人間には感覚的な違いがあるということです。
日本の第一波も大変だったと思いますが、ニューヨークが経験したのはそれとは比にならない地獄です。霊安室が足りなくて、病院の前に列をなす冷蔵車に袋に包まれた遺体がどんどん運び込まれていくという状況を生で経験したニューヨーカーからすると、せっかく日本は第一波をほぼ抑え込んだのになぜ、と感じてしまいます。
なぜ、そんなに経済再開を急いだのか、もっと慎重に進めるべきではなかったかと思うのです。
「ニューヨークは徹底した検査で感染拡大を抑え込んだ。ニューヨークを見習え」日本ではそういう報道がされているようですが、これは間違いです。
ニューヨークが感染拡大を抑え込んだのは、厳格なロックダウンと自宅待機です。そして、ニューヨーカーが厳格な規制を受け入れ、それを守ったのは、彼らが新型コロナ感染症の本当の怖さを知っているからです。
ですから、経済活動の再開にも慎重です。現在も、レストランやバーでの店内飲食は禁じられています。許されているのはテラス席での飲食のみです。ニューヨークにとって観光やエンターテインメントは巨大産業ですが、ブロードウェイは年内の公演をすべて中止すると決定しました。
それにともなってスタッフの大量解雇が行われました。タイムズスクエアのホテルはいまもすべて閉まっています。
それと比べて日本はどうでしょうか?
ニューヨークでも経済は大きく落ち込み、倒産、廃業、解雇は深刻なレベルです。それでも、慎重な経済再開にあまり怒る人がいないのは、ニューヨーカーがそれ以上に悲惨な経験をしているため納得しているということが関係していると思います。
1からの続きです
讃井 高齢者への感染防止対策が向上したこと、PCR検査の能力が上がって「早い入院」ができるようになったこと、重症化を防ぐ効果が期待できる薬を、「早い入院」によって早期投与できるようになったこと・・・医療体制・検査体制・治療法・医療従事者の経験などさまざまな面での進歩によって重症患者の増加を抑えられているのではないかと私は考えています。
ですから、医療供給体制は4月に比べてまだまだ余裕があります。
もちろん、医療供給体制と感染予防対策は別次元の問題です。医療が逼迫していないからといって、感染予防対策をしなくていいという理屈は成り立ちません。
しかし、新型コロナ感染症を完璧に封じ込むために緊急事態宣言のような厳しい制限をずっと続けられるかというと、経済の面から難しいのではないか。
「社会の標準予防策(3密回避、手洗い、マスク 第12回参照)」を続けながら経済を回してゆくという日本なりのスタイルを進めていくしかないのでは思っています。
加藤 そこを丁寧に説明するのは行政の仕事であり、専門家の仕事だと思います。その説明が十分でないから、極端に恐怖を感じる人と、恐怖を過剰に語られたせいでこんなことになったじゃないかという人に分断されてしまったのではないでしょうか。要するに、安心を与えられていないんです。
讃井 たしかにそうかもしれません。私は常々、「“理性的”コロナ心配性になりましょう」と言っているのですが、伝える難しさを感じています。
加藤 讃井先生の話を伺ってもうひとつ言えるのは、やはり本当の意味でのパンデミックを経験した人間と経験してない人間には感覚的な違いがあるということです。
日本の第一波も大変だったと思いますが、ニューヨークが経験したのはそれとは比にならない地獄です。霊安室が足りなくて、病院の前に列をなす冷蔵車に袋に包まれた遺体がどんどん運び込まれていくという状況を生で経験したニューヨーカーからすると、せっかく日本は第一波をほぼ抑え込んだのになぜ、と感じてしまいます。
なぜ、そんなに経済再開を急いだのか、もっと慎重に進めるべきではなかったかと思うのです。
「ニューヨークは徹底した検査で感染拡大を抑え込んだ。ニューヨークを見習え」日本ではそういう報道がされているようですが、これは間違いです。
ニューヨークが感染拡大を抑え込んだのは、厳格なロックダウンと自宅待機です。そして、ニューヨーカーが厳格な規制を受け入れ、それを守ったのは、彼らが新型コロナ感染症の本当の怖さを知っているからです。
ですから、経済活動の再開にも慎重です。現在も、レストランやバーでの店内飲食は禁じられています。許されているのはテラス席での飲食のみです。ニューヨークにとって観光やエンターテインメントは巨大産業ですが、ブロードウェイは年内の公演をすべて中止すると決定しました。
それにともなってスタッフの大量解雇が行われました。タイムズスクエアのホテルはいまもすべて閉まっています。
それと比べて日本はどうでしょうか?
ニューヨークでも経済は大きく落ち込み、倒産、廃業、解雇は深刻なレベルです。それでも、慎重な経済再開にあまり怒る人がいないのは、ニューヨーカーがそれ以上に悲惨な経験をしているため納得しているということが関係していると思います。
集団埋葬の棺(ニューヨーク・ハート島)
BBCニュースから
讃井 ニューヨークで厳格なロックダウンが成功したのは強制力があるからだ、とも言われていますが、実際のところはどうだったのですか?
加藤 違反した場合は罰則があります。ロックダウンだけでなく、隔離に関しても非常に厳しいです。濃厚接触者はたとえPCR検査が陰性でも無条件で14日間自宅隔離とされています。
讃井 日本では規制や隔離に強制力が無いので、ニューヨークのように徹底できないという面もあります。軽症患者や無症状感染者が宿泊療養するホテルが拡充されて受け入れ体制としては充分なんですけど、「私はホテルに入りません」と拒否されてしまうと、それ以上はプッシュできないのです。その人たちが自宅でどれぐらい厳格な感染対策を行っているかモニタリングは難しいでしょうし、そもそもPCR検査が陽性になった段階で音信不通になる人もいると聞いています。
その点でも、ニューヨークのほうが対策がしっかりしていたわけですね。
加藤 ニューヨークでは日本のように強制力がない規制ではもともと誰も守らないという問題があったと思いますが、そうやって厳しく人と人との接触を制限して新規陽性者数を減らしていきました。その後、ゆっくり慎重に経済活動を再開してきているわけですが、そのために一番重要になるのが安全の担保です。
一般の人からすると、どこに行ったってそんな簡単にコロナウイルスに遭う可能性はないんだという安全が担保されれば、どんどん街に出ていこうと思うじゃないですか。
そして、ニューヨークでこの安全の担保に用いられたのがPCR検査の拡充です。
以下、第15回に続く。 (8月1日対談 構成・文/鍋田吉郎) ※ここに記す内容は所属病院・学会と離れ、讃井教授・加藤教授個人の見解であることをご承知おきください(ヒューモニー編集部)。
★ ★ ★
◎讃井 將満(さぬい・まさみつ) 自治医科大学附属さいたま医療センター副センター長・ 麻酔科科長・集中治療部部長 集中治療専門医、麻酔科指導医。1993年旭川医科大学卒業。麻生飯塚病院で初期研修の後、マイアミ大学麻酔科レジデント・フェローを経て、2013年自治医科大学附属さいたま医療センター集中治療部教授。2017年より現職。
臨床専門分野はARDS(急性呼吸促迫症候群)、人工呼吸。研究テーマはtele-ICU(遠隔ICU)、せん妄、急性期における睡眠など。関連学会で数多くの要職を務め、海外にも様々なチャンネルを持つ。
★ ★ ★
◎鍋田 吉郎(なべた・よしお) ライター・漫画原作者。1987年東京大学法学部卒。日本債券信用銀行入行。退行後、フリーランス・ライターとして雑誌への寄稿、単行本の執筆・構成編集、漫画原作に携わる。取材・執筆分野は、政治、経済、ビジネス、法律、社会問題からアウトドア、芸能、スポーツ、文化まで広範囲にわたる。地方創生のアドバイザー、奨学金財団の選考委員も務める。
主な著書・漫画原作は『稲盛和夫「仕事は楽しく」』(小学館)、『コンデ・コマ』(小学館ヤングサンデー全17巻)、『現在官僚系もふ』(小学館ビックコミックスピリッツ全8巻)、『学習まんが 日本の歴史』(集英社)など。
加藤 違反した場合は罰則があります。ロックダウンだけでなく、隔離に関しても非常に厳しいです。濃厚接触者はたとえPCR検査が陰性でも無条件で14日間自宅隔離とされています。
讃井 日本では規制や隔離に強制力が無いので、ニューヨークのように徹底できないという面もあります。軽症患者や無症状感染者が宿泊療養するホテルが拡充されて受け入れ体制としては充分なんですけど、「私はホテルに入りません」と拒否されてしまうと、それ以上はプッシュできないのです。その人たちが自宅でどれぐらい厳格な感染対策を行っているかモニタリングは難しいでしょうし、そもそもPCR検査が陽性になった段階で音信不通になる人もいると聞いています。
その点でも、ニューヨークのほうが対策がしっかりしていたわけですね。
加藤 ニューヨークでは日本のように強制力がない規制ではもともと誰も守らないという問題があったと思いますが、そうやって厳しく人と人との接触を制限して新規陽性者数を減らしていきました。その後、ゆっくり慎重に経済活動を再開してきているわけですが、そのために一番重要になるのが安全の担保です。
一般の人からすると、どこに行ったってそんな簡単にコロナウイルスに遭う可能性はないんだという安全が担保されれば、どんどん街に出ていこうと思うじゃないですか。
そして、ニューヨークでこの安全の担保に用いられたのがPCR検査の拡充です。
以下、第15回に続く。 (8月1日対談 構成・文/鍋田吉郎) ※ここに記す内容は所属病院・学会と離れ、讃井教授・加藤教授個人の見解であることをご承知おきください(ヒューモニー編集部)。
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◎讃井 將満(さぬい・まさみつ) 自治医科大学附属さいたま医療センター副センター長・ 麻酔科科長・集中治療部部長 集中治療専門医、麻酔科指導医。1993年旭川医科大学卒業。麻生飯塚病院で初期研修の後、マイアミ大学麻酔科レジデント・フェローを経て、2013年自治医科大学附属さいたま医療センター集中治療部教授。2017年より現職。
臨床専門分野はARDS(急性呼吸促迫症候群)、人工呼吸。研究テーマはtele-ICU(遠隔ICU)、せん妄、急性期における睡眠など。関連学会で数多くの要職を務め、海外にも様々なチャンネルを持つ。
★ ★ ★
◎鍋田 吉郎(なべた・よしお) ライター・漫画原作者。1987年東京大学法学部卒。日本債券信用銀行入行。退行後、フリーランス・ライターとして雑誌への寄稿、単行本の執筆・構成編集、漫画原作に携わる。取材・執筆分野は、政治、経済、ビジネス、法律、社会問題からアウトドア、芸能、スポーツ、文化まで広範囲にわたる。地方創生のアドバイザー、奨学金財団の選考委員も務める。
主な著書・漫画原作は『稲盛和夫「仕事は楽しく」』(小学館)、『コンデ・コマ』(小学館ヤングサンデー全17巻)、『現在官僚系もふ』(小学館ビックコミックスピリッツ全8巻)、『学習まんが 日本の歴史』(集英社)など。
NYでコロナに感染した世界的日本人医師からの警告
8月28日(金) 6時1分 ライフ総合(JBpress)
★ポスター ヘップバーン
タグ:ニュース
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