2018年08月02日
独裁制100点満点のカンボジア選挙
はフン・セン首相が率いる与党・カンボジア人
民党(CPP)が圧勝しました。2013年に実施
された下院選挙でカンボジア人民党を僅差ま
で追い上げたカンボジア救国党(CNRP)は、
去年解散させられました。それで人民党が圧勝
したようです。
5年前にカンボジア救国党が躍進した理由の一
つにカンボジア人民党の腐敗が上がっていまし
た。そこから想像すると、選挙戦で政権の腐敗
を主張されると人民党は勝てないかもしれない
と心配したのだろう、となります。
救国党への攻撃は、2017年6月3日にケム・ソ
カ氏が逮捕され、フン・セン首相の「救国党は
政府転覆計画に関与した」との最高裁への訴え
によって、最高裁は11月16日に救国党の解散
を命じました。「アメリカと共謀して政府転覆
を図った」ということです。「弁護士が出廷し
ない」のも理由にあげられたということです。
どこにも書かれてはいないのですが、このブロ
グでは中国の政権関係者がカンボジアでシナリ
オを書いたのではないかという感じがしないで
もありません。今は暑い時期ではありますし、
このブログを信用はしないでくださいね。今回
の選挙結果からすると100点満点の陰謀効果で
すね。
腐敗した政権が続くと中国の「一帯一路」が元
気になりそうですね。マレーシアでの後退を取
り戻せるかもしれません。カンボジアはアセア
ンの中の1国なので南シナ海分野の議論では中
国の勢力となります。経済支援が中国から受け
やすそうです。
2つ目の記事は、アメリカや欧州連合(EU)
などが今回の選挙を批判しています。アメリカ
は「民主主義を傷つける行為」に関与した個人
らへのビザ(査証)の発給制限措置を発表した
ということです。カンボジア現地ではアメリカ
やEUの経済制裁があるかもしれないと心配し
ています。そこはフン・セン首相がうまく演じ
るのではないかという国民もいるようです。
中国としては貿易摩擦の対策として、生産過剰
気味の製品をカンボジアに持ってくると合理的
かもしれません。こういう場合、30年以上独裁
的に首相を続けている人は魅力的でしょう。中
国が見逃すことはまずありません。
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カンボジア・プノンペン・画像
カンボジア総選挙で与党圧勝 米など公平性を疑問視
BBC News 7/30(月) 13:10配信
カンボジアで29日に実施された下院選挙で、1985年以来政権の座にあるフン・セン首相が率いる与党・カンボジア人民党(CPP)が圧勝した。有力野党が存在しないなかでの選挙に対して、米国などが公平性を疑問視している。
CPPによると得票率は80%で、定数125議席中のうち少なくとも100議席を獲得するとみられる。
選挙管理委員会関係者によると、投票率は82.71%だったという。
前回の選挙で僅差で敗れた野党・カンボジア救国党(CNRP)は解散されていることから、本当の選挙ではないと批判する声が出ている。
米国や欧州連合(EU)も選挙が信用できる形で実施されたのか疑問視しているが、CPPは他に19政党から候補者が出馬したとしている。
CNRPの元党首で海外亡命中のサム・ランシー氏はフェイスブックで、「競争のないなかでの勝利は空虚だ」とコメントした。「恐怖のなかでの偽の選挙は人々の意思を裏切るものだ」。
公式の選挙結果は8月中旬まで発表されないとの情報がある。
専門家は、投票率がフン・セン首相の正統性の大きな試金石になると指摘していた。選挙期間中には、選挙のボイコットを訴えていた野党活動家たちが扇動罪に問われた。
27日には、多数の独立系ニュースサイトを表示させないよう、政府がインターネット・サービス・プロバイダー(ISP)に命じている。これにはラジオ・フリー・アジアやボイス・オブ・アメリカ、ボイス・オブ・デモクラシーが含まれる。
英字紙のニュースサイトも表示できなくなった。
長らく内戦状態にあったカンボジアでは、1993年に大規模な国連平和維持活動の一環として、数十年ぶりに複数の党が参加する選挙が実施された。
過激な共産主義政策を進めたクメール・ルージュの統治下にあった1975〜79年には、推計約200万人が命を落とした。
クメール・ルージュの兵士から反対勢力に転じたフン・セン首相の政権下で、カンボジアは急速な経済発展を遂げた。
フン・セン氏は、野党勢力や批判者を排除するため司法や治安部隊を利用したと非難されてきたが、野党勢力の活動を長年にわたって一部許容してきてもいる。
しかし、野党の有力者、ムー・ソクフア氏はBBCに対し、今回の選挙はカンボジアの民主主義の「死」を意味すると語った。
2013年の前回選挙では、結果は受け入れられないとするCNRPが大規模な抗議活動を行い、フン・セン政権にとって過去10年以上で最も大きな危機となった。
CNRPの参加が許された昨年の地方選挙で、同党の投票率は約44%だった。
その後、同党が国際社会の制裁措置を呼びかけるなか、党首が反逆罪容疑で拘束され、党内の有力者の多くが国外に亡命した。独立系メディアは閉鎖され、ジャーナリストたちが逮捕された。
11月には、野党が米国と共謀して政権打倒をめざしているとの訴えを受けて、カンボジアの最高裁判所が野党の解散を命令。国会(定数123)の55議員も含め、公職にあった全ての同党政治家が失職した。
初めて国連管理下で実施された1993年の総選挙後、カンボジアに多額の支援を行ってきた米国とEUは、今回の選挙では支援を行わなかった。
しかし、最近カンボジアに1億3000万ドル(約144億円)の軍事援助を提供した中国は、初めて選挙監視員を送った。
(英語記事 Cambodia election: Ruling party claims landslide in vote with no main opposition)
カンボジア総選挙で与党圧勝 米など公平性を疑問視
7月30日(月) 13時10分-国際総合(BBC News)
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<カンボジア>欧米の経済制裁、市民「懸念」
毎日新聞 7/29(日) 22:19配信
【プノンペン西脇真一】29日投開票されたカンボジアの下院総選挙を受け、フン・セン首相の強権姿勢を批判してきた米国や欧州連合(EU)などがどう対応するかが今後の焦点の一つとなる。市民の間には経済制裁を心配する声も強い。一方、権力の維持に「成功」したフン・セン氏が、過去と同様に、一定程度柔軟姿勢に転じるとの見方もある。
フン・セン氏の強権政治に対し、米国やEUなどは繰り返し非難声明を出してきた。また、米国は「民主主義を傷つける行為」に関与した個人らへのビザ(査証)発給制限措置も発表した。ただ、いずれも後発の途上国向けの特別な特恵関税制度は維持している。
一方、中国はフン・セン政権を支持する。中国にとってカンボジアは現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」のパートナーであり、南シナ海問題で中国を支持してくれる大事な国。中国企業の進出や投資も盛んだ。
これらを背景にカンボジア経済は好調に推移し「フン・セン首相の強気の背景にもなっていた」(カンボジアのNGO代表)。だが、欧米が関税引き上げなどの経済制裁に乗り出せば、衣料品や革靴など輸出産業に打撃を与えるのは必至だ。
50代の公務員男性は「自分の知る人はみな経済制裁を心配している。もし発動されれば経済危機が起きる。中国は物を買ってはくれない」と話す。
この男性は「フン・セン首相は選挙で勝てるか自信が持てず、強硬姿勢を貫いたのだろう。だが彼は融通が利くタイプだ」と言う。選挙後、欧米の圧力が高まれば、5年間政治活動を禁じられた救国党幹部らの復帰を認めるなど、妥協する可能性もあるとみる。
先のNGO代表も「与野党の共存に向けた対話が始まることを期待したい」と話す。カンボジアでは選挙などをめぐり与野党間の激しい「対立」と「合意」が繰り返されてきた。その当事者が、30年以上実権を握るフン・セン氏だからだ。
一方、日本は今回、欧米などとは一線を画した対応を取った。投票の様子を視察した藤田幸久参院議員(国民民主)は「カンボジアがさらに中国寄りとなることを日本政府は心配するが、言うべきことは言わねば。カンボジアに直接働きかけられるのは、日本だけなのだから」と話す。
東南アジアでは強権的な統治が目立ち、隣国タイは2014年にクーデターで軍事政権が発足して以降、民政復帰に向けた総選挙は実施されていない。プノンペンの警備員、チャン・ナリットさん(37)は「とにかく選挙は実施され、新政権も発足する。タイよりましではないか」と話した。
◇汚職など深刻化恐れ
高橋宏明・中央大文学部教授(東洋史)の話 今後、フン・セン首相周辺への権力集中がさらに進み、非民主的・権威主義的体制が強まる恐れがある。汚職や政治腐敗もさらに深刻化するかもしれない。人民党内では世代交代と権力委譲の準備が本格化するのではないか。一方、野党側は国内の支持者と国外に逃亡した政治家が連携する可能性があり、その場合、政権側が対抗策として人権抑圧や個人監視、メディア規制の強化などに乗り出す恐れもある。
国際社会は選挙の正当性をどう評価するかが焦点になるが、制裁を科す可能性は低いだろう。日本は選挙を巡る人権弾圧の情報を集め、もし生命に危険が及ぶケースがあった場合は厳重に抗議すべきだ。その上で、欧米が重視する自由と民主主義だけでなく、富の公平・公正な分配や社会的弱者の支援といった価値観を明確に提示しながら友好関係を発展させる必要がある。
<カンボジア>欧米の経済制裁、市民「懸念」
7月29日(日) 22時19分-アジア・オセアニア(毎日新聞)
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