2008年11月11日
まぼろしの邪馬台国
『あなたと過ごした毎日は、ほんとうに幸せだった』
映画「まぼろしの邪馬台国」を観てきました。
しかし、いつ見ても吉永小百合さんは美しい方ですね。
そして、宮崎康平さんを演じた竹中直人さんも素晴らしかった。
この「まぼろしの邪馬台国」の著者・宮崎康平さんは、さだまさしさんの「関白宣言」のモデルになった人らしく、感情表現がへたくそ、しかし心の温かな人であることは映画の中にも随所に見ることができました。
宮崎さんには二人の妻がありました。子供を置いて逃げた先妻と吉永さん演ずる和子さんです。映画は、タイトルの「邪馬台国」というよりは、この二人の女性の生き方、そして夫への愛し方の違いをテーマにしていたようにも感じられます。
島原電鉄の元社長さんで盲目だった宮崎康平さんは、社長退任後、奥様(和子さん)と一緒に念願だった邪馬台国の場所を探しはじめます。初めは和子さんの朗読する魏志倭人伝をレコーダーに録音して何度も聴くところから始めます。宮崎さんは目が見えないからこそイメージできる3世紀の邪馬台国の風景に思いを馳せます。和子さんも、倭人伝に触れることで康平さんの目になると同時に、良き理解者になっていきます。
和子さんは、実際に歩いてみようと康平さんを外へと連れ出します。こうして二人の邪馬台国を探す旅が始まりました。
宮崎康平さんには仮説がありました。それは
○九州に邪馬台国があったこと。
○倭人伝に書かれた二十数カ国に及ぶ国々の場所を特定することで、邪馬台国の場所は特定できる。
ということでした。つまり、場所特定の旅が著書「まぼろしの邪馬台国」であり、宮崎夫婦の旅だったのです。
「まぼろしの邪馬台国」が出版され、康平さんが次に手がける事業は「卑弥呼」の墓を探すことでした。しかし旅の目的は、いつまでも夫婦で旅ができることへの喜びへと変わっていきます。この辺りの優しさが人間・宮崎康平さんであると同時に、夫婦の絆なんだと思いました。そして、この物語を身近で接してきたさだまさしさんの「関白宣言」という唄につながっていくんだと思います。
宮崎康平さんが亡くなり、その追悼ラジオ特番として「さだまさし邪馬台の詩」という番組が放送されたことがありました。それは康平さん宜しく、魏志倭人伝の朗読を聞きながらさださん独自の「まぼろしの邪馬台国」を探す内容でした。
この時、倭人伝の朗読をしてくださった方が宮崎和子さんで、九州大学の真鍋教授への取材旅行にも立ち会っておられました。ですから僕は、和子さんの声を知っています。
テープに録音したこの番組を、今まで何度聴いてきたことか。しかし、残念なことに今、このテープは実在しておりません。
しかし、若い頃に刷り込まれたこの番組のことは細部に渡り記憶しています。これは僕にとっての宝であり、この映画が上映されたことも幸せなことでした。
≫≫のろブロ記事 ⇒ 映画『まぼろしの邪馬台国』
≫≫のろブロ記事 ⇒ さだコラム『邪馬臺』
≫≫公式サイト ⇒ 『まぼろしの邪馬台国』
【このカテゴリーの最新記事】