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2020年11月06日

「甘すぎた」サプライチェーン補助金 後味苦い財務省

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マスク不足が補助金議論の追い風だった(2月、東京都渋谷区でマスク完売を知らせる張り紙)
20201106日経電子版


甘すぎた」サプライチェーン補助金 後味苦い財務省
経済部 高見浩輔
底流 経済 2020/11/6 4:00日本経済新聞 電子版

2021年度予算編成が佳境を迎えつつあるなか、経済産業省が金額を定めない「事項要求」として要望したサプライチェーン強靱(きょうじん)化策が財務省内で議論の的になっている。20年度第1次補正予算で新設された補助金は募集額の10倍以上の応募があった。利用者が殺到する人気政策を継続することの何が問題なのか。

特定の国に生産拠点が集中する品目などについて国内拠点の整備費を助成する「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」は新型コロナウイルス感染拡大後の1次補正で計2200億円を計上した。

10年前に6割程度だったマスクの国内生産比率は近年3割を割り込み、コロナ後の混乱に拍車をかけた。こうした反省から安倍晋三前首相は3月の未来投資会議で「生産拠点の国内回帰を図る」と宣言し、その後制度の詳細が固まった。

首相のお声掛かりという経緯をたどった政策にもかかわらず、効果を疑問視する声は当初から根強かった。国内の能力増強を図るにしても、コロナ前の日本経済は人手不足が課題だった。人件費も高い。帝国データバンクは中国の約3倍、ベトナムの約10倍という製造業の平均賃金の高さが国内回帰の妨げになると指摘していた。

そんな懸念に反し、補助金は先行審査で決めた57件(約574億円)に続き、7月に締め切った2次募集も応募が1670件(約1兆7640億円)と募集額(約1600億円)の11倍に膨れ上がった。政府は応募の多さを理由に予備費から財源を860億円積み増すことを決めた。

「なぜここまで需要が強いのか」。財務省内では矢野康治氏が予算編成を取り仕切る主計局長に就いた7月以降、検証を進めた。導き出された結論は、募集条件の甘さ。最大の問題は更新投資を対象から除外していなかったことだ。

更新投資はそもそも国内生産の能力増強につながらない。補助金がなくてもいつかは実行される投資でもある。こうした案件まで対象にすると政策効果は薄まってしまう。

だが今回の募集要領は「(閣議決定された)4月7日より前に対外公表した事業でないこと」という緩い表現にとどまっていた。こうした条件の甘さから、本来必要のない企業まで応募に乗り出した可能性があるという。

「甘すぎた。明らかにおかしな募集条件だった」。財務省幹部は当時の省内での議論の少なさが甘い設計につながったとみている。コロナの感染拡大による混乱のなかで時間的な制約もあったが、問題はもっと根深い。この幹部は政策目的や制度設計について熟議する土壌が失われつつあると危機感を抱いている。

政策目的が曖昧なのは1人10万円を配った特別定額給付金も同じだ。麻生太郎財務相は10月27日の閣議後記者会見で給付金の多くが預金に回ったと指摘したうえで「消費に回らないと本来の目的に達しない」と発言した。だが政策決定の過程で政策目的の説明は低所得世帯の救済から「国民の連帯」(安倍前首相)へと変わったが、消費活性化策という議論は当時からほぼなかった。

安倍政権の後半は官邸に近い一部の官僚らが政策の大枠を固める上意下達の場面が目立った。政策について熟議する文化が衰退したのであれば、それは副作用ともいえる。透明性の低い政策決定プロセスは「賢い支出」への回り道だ。新政権はこの教訓をどう生かすかが問われる。
posted by 小出美水 at 08:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 政治
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