2020年10月16日
運転免許証とマイナカード統合へ 政府方針固める
日経電子版2020/10/15
運転免許証とマイナカード統合へ ネットで住所変更可に
経済 政治 2020/10/15 18:00 (2020/10/16 5:42更新)日本経済新聞 電子版政府はマイナンバーカード(マイナカード)と運転免許証を一体にし、行政のテジタル化を加速する。免許証の住所変更や更新時の講習はオンラインで完結する仕組みに変える。運転免許証の保有者は全国で8000万人に上るため、2割にとどまるマイナカードの普及率が大きく上がる可能性が高い。
菅義偉首相の検討指示を受け、平井卓也デジタル改革相と河野太郎規制改革相、小此木八郎国家公安委員長は16日にも会談する見通しだ。免許証のデジタル化に向けた政府の工程表を確認する。
政府が固めた工程表案によると、まず免許情報を管理する各都道府県の警察が現在ばらばらのIT(情報技術)システムを統一する。各都道府県が異なるシステムを運用したままではマイナカードと免許証の一本化ができないためで、2022年度から25年度にかけて共通のクラウドシステムに移行する。
さらに共通システムはマイナカードのシステムと連携する。警察庁は実際に免許証とカードを一体にできるのは26年からとみている。
免許保有者の行政手続きは大幅に減りそうだ。住所を変更した際もオンラインで申請すれば済むため、警察署に出向いて届け出る必要はなくなる。免許の更新のために求められる講習もオンラインで受けられるようにする。最寄りの免許更新センターに行く必要はなくなる。
統合後は警察の業務も変わる。交通違反者の免許証の確認は、マイナカードのICチップに読み取り端末をかざして行う。免許の種類や番号、有効期限などの情報が表示される。
国際免許を取得して海外で車を運転する際には日本の免許証も携行する必要があるため、免許証を完全に廃止することはしないという。ただ、海外での運転を希望する人は一部に限られるため、政府はほとんどの免許証がマイナカードに置き換わると想定している。
警察がICチップを通じて免許以外の情報にはアクセスできないようにする。個人情報が警察に見られるのではないかという懸念が生じないように配慮する。
マイナカードは16年に始まったマイナンバー制度にあわせて導入された。カードに搭載されているICチップを使い個人認証ができる。様々な行政手続きをネットで完結するためには不可欠で、21年3月からは健康保険証としても使えるようになる。
菅政権は今後5年程度で行政のデジタル化を達成できるよう目指している。デジタル化には国と各都道府県でばらばらで運営されているシステムの統一も含まれる。警察関連の行政手続きはデジタル化が遅れている分野の一つとされてきた。
マイナカードと免許証の一本化は第2次安倍政権でも検討されたが、進展はなかった。菅政権になってようやく動き出すことになる。
タグ:デジタル化
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