2017年10月09日
選挙 その NO-12 かなり かなり ステージそのものに 厳しい見方をしている日刊ゲンダイ 2題です
選挙 その NO-12
低投票率狙いの巧妙な仕掛け “馬の骨”集めたガラクタ選挙
日刊ゲンダイDIGITAL2017年10月8日
左から安倍首相、小池希望代表、枝野立憲民主代表(C)日刊ゲンダイ
モリカケ疑惑から逃げ回る安倍首相に審判を下す衆院選挙が10日、公示される。「政権選択選挙だ」「安倍政権に対峙する」などと勇ましい掛け声で希望の党を旗揚げした小池都知事だが、フタを開けてみたらどうだ。単独過半数獲得をブチ上げ、200人超の候補者を擁立したものの、ゾンビ議員やポンコツ新人の掃きだめ。醜聞続出で“魔の2回生”と呼ばれる安倍チルドレンもひどかったが、それに輪をかける有象無象の寄せ集めだ。
コラムニストの小田嶋隆氏は言う。
「希望の党が公認候補に署名させた10項目の政策協定書でうたう安保法制容認、改憲支持、外国人地方参政権付与反対はネトウヨの3大好物です。こんな極右フィルターを通り抜けられるのですから、トンデモ候補の量産は当然の成り行きでしょう。花がハチを誘い、糞にハエがたかるように、餌によって集まる昆虫が異なるのと理屈は同じですよ。小泉チルドレンしかり、小沢ガールズしかり、膨張期の橋下維新しかり。風頼みで新人が大量当選すると、一定数の欠陥議員が紛れ込んできた。安倍チルドレンも多くが恥さらしですが、希望の新人は中でも最も質が悪い印象です」
その筆頭が熊本県議から鞍替えした荒木章博氏(64=東京7区)。小池の元公設秘書で、都民ファーストの会代表の荒木千陽都議(35)の父親。小池が「お父さん」と呼ぶほど距離が近く、縁故採用はミエミエなのだが、それ以上に問題なのは荒木の“前”だ。
県議時代の1997年、その立場を利用して17歳も年下の女性に男女関係を強要し、半年間にわたって性行為を強いたとして熊本地裁に告訴された。荒木は「合意の上だった」と争ったが、地裁は原告の主張をほぼ全面採用。「女性の意思に反して性行為に及んだもので、刑法上の婦女暴行または、それに準じる行為に当たる」と認定し、300万円の損害賠償を命じたのだ。荒木の訴えによる控訴審は1審判決を支持した上、荒木の謝罪を条件に和解した。強姦魔を国政に送り出そうとする小池新党の異常な倫理観は疑う余地がないが、立憲民主党の長妻昭代表代行にブツけるのだから、世論をナメきっているとしか思えない。
小池が親しくしていた故鳩山邦夫元法相の長男の鳩山太郎元都議(43=東京2区)も身内枠だ。資産面は申し分ないが、独特な言動で悪評しきりなのは広く知られた話である。都知事選出馬をめぐって対立が深まった萩生田光一前官房副長官(54)には、元寝屋川市議の吉羽美華氏(37=東京24区)をあてる。谷川とむ前衆院議員(41=大阪19区)の元嫁だ。2012年の衆院選(大阪1区)、13年の参院選(大阪選挙区)、16年の阪南市長選で玉砕した選挙マニアで、身構えていた萩生田も拍子抜けしているという。
早々に民進に見切りをつけ、小池の下に駆け込んだ細野豪志元環境相(46=静岡5区)が引っ張り出した鈴木望元衆院議員(68=静岡3区)は衆院2期目を争った14年選挙は維新の党所属で、旧民主党との選挙区調整で比例九州ブロックに回され、落選。引退を考えたところに担がれ、地元はひっくり返ったという。
鳩山太郎氏(左)と吉羽美華氏/(C)日刊ゲンダイ
そして、小池の古巣である兵庫に立てた野口威光氏(43=兵庫4区)、幾村奈応子氏(37=兵庫6区)はともに元秘書だ。
希望公認のおよそ半数は、小池が分裂させた民進の現職、元職、新人。残りはこうしたにわか候補や、地方議会経験もないド素人ばかりなのが実情なのだ。
政治学者の五十嵐仁氏は言う。
「安倍首相はこの国の政治や行政を私物化した上に、野党の準備不足を突いた前例のない大義ゼロの解散でトンデモ候補の乱立を招いた。有権者の半数が総選挙に関心を持っていないところに、グチャグチャの選挙戦を展開されたら、嫌気が差して棄権する動きが増えかねない。それが一番心配です。そうなれば、安倍首相は二重三重に日本をぶっ壊すことになります」
投票率を下げるための巧妙な仕掛けなのか。
魔の2回生”はカネ、下半身、人間性でアウト
醜聞をまき散らす安倍チルドレンも平然と3選を狙っている。
「このハゲー!」と絶叫しながら秘書に暴行をはたらいた豊田真由子氏(43=埼玉4区)の厚顔無恥には目を見張る。秘書の告発で大騒ぎになると病院に逃げ込んだくせに、解散風が吹き始めた途端に復帰した。特徴的なへの字眉を女性的なソフトカーブに整形し、会見を開いて出馬宣言。無所属で出馬し、子どもに「ハゲのおばちゃんだ〜」なんて指をさされながらセッセと連日辻立ちに励んでいる。
路チュー不倫を報じられた中川郁子氏(58=北海道11区)と門博文氏(52=和歌山1区)、同僚議員だったダンナのゲス不倫辞職や公用車での保育園送迎問題で火ダルマになった金子恵美氏(39=新潟4区)、「がん患者は働かなければいい」と暴言を吐いた大西英男氏(71=東京16区)、被災地おんぶ視察で復興政務官を辞めた務台俊介氏(61=長野2区)。それに、湾岸タワーマンションでの不倫同棲を報じられた藤丸敏氏(57=福岡7区)、アルコール中毒や中国人女性を議員宿舎に囲った疑惑が浮上した橋本英教氏(50=比例東北ブロック)も出馬する。
豊田真由子氏(左)と中川郁子氏(C)日刊ゲンダイ
ハレンチ議員をよくもここまで全国津々浦々から手繰り寄せたものだ。
■検証すべき信義、信念、社会常識
今度の選挙は安倍、小池という2人の独裁者にひれ伏し、バッジにしがみつく、あるいは取りにいくことだけが目的化した政治家以前の卑劣モノが醜い争いを繰り広げる動物園のショーさながらだ。
マスコミは枝野代表率いる立憲民主の態勢が整いつつあることで、「自民+公明」「希望+日本維新の会」「立憲民主+共産+社民」の3極構図だと解説するが、これはミスリードだ。改憲支持の「希維」は自公政権の補完勢力に過ぎない。「自公希維」を勝たせれば大政翼賛会まっしぐらである。
「選挙は本来、政策の是非で投票先を判断するものですが、今回はさらに2つの要素をプラスする必要があります。信義を重んじ、信頼に足る政党であるかどうか。候補者については、信念を貫く意志を持った人物かどうか。情けない話ですが、社会人としての常識をわきまえているかも見なければならないでしょう。そうした検証をすることで、どの政党、どの候補に投票すればいいかはおのずと浮かび上がってくるはずです」(五十嵐仁氏=前出)
どこの馬の骨を集めたかわからないガラクタ選挙だからこそ、国政を食い散らかす安倍自民、都政と国政を弄ぼうとする小池希望に鉄槌を下す必要がある。
安倍首相の土俵に乗ってはいけない 総選挙「本当の争点」
日刊ゲンダイDIGITAL2017年10月8日
浜矩子同志社大学教授
1952年、東京生まれ。一橋大経済学部卒業後、三菱総研に入社し英国駐在員事務所長、主席研究員を経て、2002年から現職。「2015年日本経済景気大失速の年になる!」(東洋経済新報社、共著)、「国民なき経済成長」(角川新書)など著書多数。
同じニオイがする(C)日刊ゲンダイ
今度の総選挙は当初、安倍首相のご都合主義解散への賛否と、それを自ら「国難突破解散」と名付けたことが最大の焦点でした。もちろん、安倍首相という「国難」を突破するという意味ではその通りなのですが、そこへ「希望の党」なる不気味な存在が出てきて、どうも有権者がまともな選択をできないような異様な与野党対決の構図になってしまった、というのが現状ではないでしょうか。アホノミクスの皿も小池さん(希望の党代表)の皿も、いずれも“毒皿”という感じですからね。
さすがに枝野さんがリベラルの旗を掲げた新党を結成したので、多少は逃げ道というか、正常な受け皿ができたと思っています。
小池新党の不気味さというのは見ての通りですが、「旧民主党系を排除する」「安保法制と改憲に賛成」「改革保守」などと言って、要は「保守」であることを前面に出しています。「リアルな外交安全保障」という表現も使っていました。極めてネオコン的な色彩が濃い。ネオコンの行き着く先は国粋主義です。その意味でグリーンモンスターとアホノミクスの大将は非常に似ていますが、前者の方が「粘り腰」がありそう。パワーアップバージョンの国家主義者に、どうも一段と警戒が必要そうです。
実際、安倍さんと小池さんの発言には共通点が多い。両者が連携してしまう可能性もあり、そこに維新が加わったら、国家主義の大同団結ができあがってしまう。大政翼賛会ですね。だから“本当の”野党が本当に頑張らなければいけないと思います。
■「国難」を突破できるのか
こうした状況を踏まえた上で言いたいのは、争点をどう展開していくのかということです。安倍首相の言う消費税の使い道の変更や少子高齢化などは、すべてが後付け。北朝鮮の危機対応にしても、だったら選挙をやっている場合じゃないということにもなる。
ですから、“本当の”野党は安倍さんが設定する議論の土俵に乗らないで、今、この国が直面している「本当の問題」を争点として打ち出していくべきだと思う。それができれば面白い戦いになる。本当の野党が着眼すべき「本当の問題」とは、何か。それは、まさしく国難突破です。国粋主義化という名の国難から国民を守り切れるか、ということです。「国民の上に国家を置く」ことを目指しているのがチームアホノミクス。グリーンモンスター軍団からも同じ香りがプンプンしてくる。チームアホノミクスは財政節度の放棄を正当化する方向に向かっています。その行き着く先は、日銀による財政ファイナンスの制度化です。そうなれば「経済ファシズム体制」の完成です。そんなことを許してはいけないという観点から、切り込んでいく必要がある。
「人づくり革命」も国家のために国民を使うという考え方ですから、こうしたテーマを「本当の問題」としてうまく議論のテーブルに乗せられるといい。グリーンモンスター軍団からも、その辺についてのスタンスを引っ張り出せるといいですね。緑の衣の陰にどんな鎧が隠れているのか、打倒アホノミクスのついでに暴くことができれば楽しい。
低投票率狙いの巧妙な仕掛け “馬の骨”集めたガラクタ選挙
日刊ゲンダイDIGITAL2017年10月8日
左から安倍首相、小池希望代表、枝野立憲民主代表(C)日刊ゲンダイ
モリカケ疑惑から逃げ回る安倍首相に審判を下す衆院選挙が10日、公示される。「政権選択選挙だ」「安倍政権に対峙する」などと勇ましい掛け声で希望の党を旗揚げした小池都知事だが、フタを開けてみたらどうだ。単独過半数獲得をブチ上げ、200人超の候補者を擁立したものの、ゾンビ議員やポンコツ新人の掃きだめ。醜聞続出で“魔の2回生”と呼ばれる安倍チルドレンもひどかったが、それに輪をかける有象無象の寄せ集めだ。
コラムニストの小田嶋隆氏は言う。
「希望の党が公認候補に署名させた10項目の政策協定書でうたう安保法制容認、改憲支持、外国人地方参政権付与反対はネトウヨの3大好物です。こんな極右フィルターを通り抜けられるのですから、トンデモ候補の量産は当然の成り行きでしょう。花がハチを誘い、糞にハエがたかるように、餌によって集まる昆虫が異なるのと理屈は同じですよ。小泉チルドレンしかり、小沢ガールズしかり、膨張期の橋下維新しかり。風頼みで新人が大量当選すると、一定数の欠陥議員が紛れ込んできた。安倍チルドレンも多くが恥さらしですが、希望の新人は中でも最も質が悪い印象です」
その筆頭が熊本県議から鞍替えした荒木章博氏(64=東京7区)。小池の元公設秘書で、都民ファーストの会代表の荒木千陽都議(35)の父親。小池が「お父さん」と呼ぶほど距離が近く、縁故採用はミエミエなのだが、それ以上に問題なのは荒木の“前”だ。
県議時代の1997年、その立場を利用して17歳も年下の女性に男女関係を強要し、半年間にわたって性行為を強いたとして熊本地裁に告訴された。荒木は「合意の上だった」と争ったが、地裁は原告の主張をほぼ全面採用。「女性の意思に反して性行為に及んだもので、刑法上の婦女暴行または、それに準じる行為に当たる」と認定し、300万円の損害賠償を命じたのだ。荒木の訴えによる控訴審は1審判決を支持した上、荒木の謝罪を条件に和解した。強姦魔を国政に送り出そうとする小池新党の異常な倫理観は疑う余地がないが、立憲民主党の長妻昭代表代行にブツけるのだから、世論をナメきっているとしか思えない。
小池が親しくしていた故鳩山邦夫元法相の長男の鳩山太郎元都議(43=東京2区)も身内枠だ。資産面は申し分ないが、独特な言動で悪評しきりなのは広く知られた話である。都知事選出馬をめぐって対立が深まった萩生田光一前官房副長官(54)には、元寝屋川市議の吉羽美華氏(37=東京24区)をあてる。谷川とむ前衆院議員(41=大阪19区)の元嫁だ。2012年の衆院選(大阪1区)、13年の参院選(大阪選挙区)、16年の阪南市長選で玉砕した選挙マニアで、身構えていた萩生田も拍子抜けしているという。
早々に民進に見切りをつけ、小池の下に駆け込んだ細野豪志元環境相(46=静岡5区)が引っ張り出した鈴木望元衆院議員(68=静岡3区)は衆院2期目を争った14年選挙は維新の党所属で、旧民主党との選挙区調整で比例九州ブロックに回され、落選。引退を考えたところに担がれ、地元はひっくり返ったという。
鳩山太郎氏(左)と吉羽美華氏/(C)日刊ゲンダイ
そして、小池の古巣である兵庫に立てた野口威光氏(43=兵庫4区)、幾村奈応子氏(37=兵庫6区)はともに元秘書だ。
希望公認のおよそ半数は、小池が分裂させた民進の現職、元職、新人。残りはこうしたにわか候補や、地方議会経験もないド素人ばかりなのが実情なのだ。
政治学者の五十嵐仁氏は言う。
「安倍首相はこの国の政治や行政を私物化した上に、野党の準備不足を突いた前例のない大義ゼロの解散でトンデモ候補の乱立を招いた。有権者の半数が総選挙に関心を持っていないところに、グチャグチャの選挙戦を展開されたら、嫌気が差して棄権する動きが増えかねない。それが一番心配です。そうなれば、安倍首相は二重三重に日本をぶっ壊すことになります」
投票率を下げるための巧妙な仕掛けなのか。
魔の2回生”はカネ、下半身、人間性でアウト
醜聞をまき散らす安倍チルドレンも平然と3選を狙っている。
「このハゲー!」と絶叫しながら秘書に暴行をはたらいた豊田真由子氏(43=埼玉4区)の厚顔無恥には目を見張る。秘書の告発で大騒ぎになると病院に逃げ込んだくせに、解散風が吹き始めた途端に復帰した。特徴的なへの字眉を女性的なソフトカーブに整形し、会見を開いて出馬宣言。無所属で出馬し、子どもに「ハゲのおばちゃんだ〜」なんて指をさされながらセッセと連日辻立ちに励んでいる。
路チュー不倫を報じられた中川郁子氏(58=北海道11区)と門博文氏(52=和歌山1区)、同僚議員だったダンナのゲス不倫辞職や公用車での保育園送迎問題で火ダルマになった金子恵美氏(39=新潟4区)、「がん患者は働かなければいい」と暴言を吐いた大西英男氏(71=東京16区)、被災地おんぶ視察で復興政務官を辞めた務台俊介氏(61=長野2区)。それに、湾岸タワーマンションでの不倫同棲を報じられた藤丸敏氏(57=福岡7区)、アルコール中毒や中国人女性を議員宿舎に囲った疑惑が浮上した橋本英教氏(50=比例東北ブロック)も出馬する。
豊田真由子氏(左)と中川郁子氏(C)日刊ゲンダイ
ハレンチ議員をよくもここまで全国津々浦々から手繰り寄せたものだ。
■検証すべき信義、信念、社会常識
今度の選挙は安倍、小池という2人の独裁者にひれ伏し、バッジにしがみつく、あるいは取りにいくことだけが目的化した政治家以前の卑劣モノが醜い争いを繰り広げる動物園のショーさながらだ。
マスコミは枝野代表率いる立憲民主の態勢が整いつつあることで、「自民+公明」「希望+日本維新の会」「立憲民主+共産+社民」の3極構図だと解説するが、これはミスリードだ。改憲支持の「希維」は自公政権の補完勢力に過ぎない。「自公希維」を勝たせれば大政翼賛会まっしぐらである。
「選挙は本来、政策の是非で投票先を判断するものですが、今回はさらに2つの要素をプラスする必要があります。信義を重んじ、信頼に足る政党であるかどうか。候補者については、信念を貫く意志を持った人物かどうか。情けない話ですが、社会人としての常識をわきまえているかも見なければならないでしょう。そうした検証をすることで、どの政党、どの候補に投票すればいいかはおのずと浮かび上がってくるはずです」(五十嵐仁氏=前出)
どこの馬の骨を集めたかわからないガラクタ選挙だからこそ、国政を食い散らかす安倍自民、都政と国政を弄ぼうとする小池希望に鉄槌を下す必要がある。
安倍首相の土俵に乗ってはいけない 総選挙「本当の争点」
日刊ゲンダイDIGITAL2017年10月8日
浜矩子同志社大学教授
1952年、東京生まれ。一橋大経済学部卒業後、三菱総研に入社し英国駐在員事務所長、主席研究員を経て、2002年から現職。「2015年日本経済景気大失速の年になる!」(東洋経済新報社、共著)、「国民なき経済成長」(角川新書)など著書多数。
同じニオイがする(C)日刊ゲンダイ
今度の総選挙は当初、安倍首相のご都合主義解散への賛否と、それを自ら「国難突破解散」と名付けたことが最大の焦点でした。もちろん、安倍首相という「国難」を突破するという意味ではその通りなのですが、そこへ「希望の党」なる不気味な存在が出てきて、どうも有権者がまともな選択をできないような異様な与野党対決の構図になってしまった、というのが現状ではないでしょうか。アホノミクスの皿も小池さん(希望の党代表)の皿も、いずれも“毒皿”という感じですからね。
さすがに枝野さんがリベラルの旗を掲げた新党を結成したので、多少は逃げ道というか、正常な受け皿ができたと思っています。
小池新党の不気味さというのは見ての通りですが、「旧民主党系を排除する」「安保法制と改憲に賛成」「改革保守」などと言って、要は「保守」であることを前面に出しています。「リアルな外交安全保障」という表現も使っていました。極めてネオコン的な色彩が濃い。ネオコンの行き着く先は国粋主義です。その意味でグリーンモンスターとアホノミクスの大将は非常に似ていますが、前者の方が「粘り腰」がありそう。パワーアップバージョンの国家主義者に、どうも一段と警戒が必要そうです。
実際、安倍さんと小池さんの発言には共通点が多い。両者が連携してしまう可能性もあり、そこに維新が加わったら、国家主義の大同団結ができあがってしまう。大政翼賛会ですね。だから“本当の”野党が本当に頑張らなければいけないと思います。
■「国難」を突破できるのか
こうした状況を踏まえた上で言いたいのは、争点をどう展開していくのかということです。安倍首相の言う消費税の使い道の変更や少子高齢化などは、すべてが後付け。北朝鮮の危機対応にしても、だったら選挙をやっている場合じゃないということにもなる。
ですから、“本当の”野党は安倍さんが設定する議論の土俵に乗らないで、今、この国が直面している「本当の問題」を争点として打ち出していくべきだと思う。それができれば面白い戦いになる。本当の野党が着眼すべき「本当の問題」とは、何か。それは、まさしく国難突破です。国粋主義化という名の国難から国民を守り切れるか、ということです。「国民の上に国家を置く」ことを目指しているのがチームアホノミクス。グリーンモンスター軍団からも同じ香りがプンプンしてくる。チームアホノミクスは財政節度の放棄を正当化する方向に向かっています。その行き着く先は、日銀による財政ファイナンスの制度化です。そうなれば「経済ファシズム体制」の完成です。そんなことを許してはいけないという観点から、切り込んでいく必要がある。
「人づくり革命」も国家のために国民を使うという考え方ですから、こうしたテーマを「本当の問題」としてうまく議論のテーブルに乗せられるといい。グリーンモンスター軍団からも、その辺についてのスタンスを引っ張り出せるといいですね。緑の衣の陰にどんな鎧が隠れているのか、打倒アホノミクスのついでに暴くことができれば楽しい。
タグ:衆院選
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