![R.jpeg](/nihonnorekisi/file/R-4008d-thumbnail2.jpeg)
概要
北上市街地の東方、北上川東岸の国見山(244メートル)の山上および山麓一帯には仏堂や仏塔の遺跡が散在し、かつてこの地域に大規模な仏教伽藍の存在したことが明らかである。この寺院跡は「国見山廃寺跡」の名称で国の史跡に指定されている。『日本文徳天皇実録』の天安元年(857年)条に「陸奥国極楽寺、定額寺に預かり」云々の記述があり、この「極楽寺」は国見山廃寺を指すものと推定されている[2][3]。この寺は平安時代初期の9世紀に創建され、発掘調査の結果から、10 - 11世紀に最盛期を迎えたと推定される。伝承では、坂上田村麻呂が異敵降伏のため毘沙門天を祀ったのが始まりであるという。
国見山南麓の谷奥には極楽寺の寺号を継承する小寺院が残っている。また極楽寺の近くにある如意輪寺、国見山北麓の立花毘沙門堂(万福寺)もかつての極楽寺の坊舎の跡と考えられている。立花毘沙門堂には木造毘沙門天立像と木造二天像(いずれも国の重要文化財)が安置されている。
![20200913082308e21.jpg](/nihonnorekisi/file/20200913082308e21-thumbnail2.jpg)
文化財
重要文化財(国指定)
銅竜頭 4頭
銅錫杖頭(どう しゃくじょうとう)1柄
上記2件は極楽寺の所蔵で、平安時代の作である。
所在地 岩手県北上市稲瀬町内門岡30
位置 北緯39度15分45.3秒 東経141度8分23.8秒
山号 国見山
宗派 真言宗智山派
本尊 阿弥陀如来
創建年 850年
札所等 岩手三十三観音霊場一番札所 江刺三十三観音霊場一番札所
文化財 銅竜頭 4頭、銅錫杖頭(重要文化財)