岩屋寺(いわやじ)は、愛媛県上浮穴郡久万高原町七鳥(ななとり)にある真言宗豊山派の寺院。山号は海岸山(かいがんざん)。本尊は不動明王。四国八十八箇所霊場第四十五番札所。
本尊真言:のうまく さんまんだ ばざらだん せんだ まかろしゃだ そわたや うんたらた かんまん
ご詠歌:大聖(だいしょう)のいのる力のげに岩屋 石のなかにも極楽ぞある
納経印:当寺本尊、奥之院白山妙理大菩薩
概要
本堂は標高585m付近にあり本堂の位置で比較すると八十八箇所中4番目の高さで、交通機関を最大限利用する者でも30分近く参道を歩いて登らないとたどり着けない車遍路には最大の難所である。参道途中にはおびただしい数の石仏が重なるように置かれていて、境内は山に向かって右が金剛界峰左が胎蔵峰と呼ばれる天を突く礫岩峰に挟まれ堂宇は巨岩の中腹に埋め込まれるようで、神仙境を思わせる山岳霊場である。なお、本堂が大師堂より小さいのは山全体が本尊とされているからである。
毎年、旧暦3月21日は当寺の縁日で、県道からの橋より中は車進入禁止で県道反対側の駐車場になり村人総出で世話をし、護摩祈祷・御影供法要・餅まきが催行される。その際に大師像御開帳や穴禅定お水供養がある。
歴史
寺伝によれば、弘仁6年(815年)霊地を探して山に入った空海(弘法大師)は、山中で神通力を備えた法華仙人という女性と出会う。仙人は空海に帰依して山を献上した。空海は不動明王の木像と石像を刻み、木像は堂宇を建立して本尊として安置、石像は奥の院の岩窟に祀って秘仏とし、岩山全体を本尊としたという。山号の「海岸山」は空海の作とされる「山高き谷の朝霧海に似て松吹く風を波にたとえむ」の歌による。山中の霧を海にたとえた歌である。
鎌倉時代中期に時宗の祖一遍がこの寺に参篭したことは一遍聖絵に描かれている。そして、いつからか第44番大寶寺の奥の院とされていたが、明治7年に初代住職が着任した。だが、明治31年(1898年)に仁王門と虚空蔵堂(祠)を残し堂宇と史料宝物のほとんどを焼失した。その後、大正9年に大師堂、昭和2年に本堂、同9年に山門、同27年に鐘楼、同38年に宿坊、同53年に迫割不動堂と白山権現堂と順次再建されていった。
交通案内
鉄道
四国旅客鉄道(JR四国) 予讃線 - 松山駅
バス
ジェイアール四国バス 久万高原線 「松山駅」 - 「久万中学校前」下車
伊予鉄南予バス [久万営業所] -「岩屋寺」下車 (0.6km)
道路
県道12号線 岩屋寺 (0.6km)
途中の不動明王像
大きな赤不動
所在地 愛媛県上浮穴郡久万高原町七鳥1468
位置 北緯33度39分31.2秒 東経132度58分50.6秒
山号 海岸山
宗派 真言宗豊山派
本尊 不動明王
創建年 (伝)弘仁6年(815年)
開基 (伝)空海(弘法大師)
正式名 海岸山 岩屋寺
札所等 四国八十八箇所45番
2023年05月07日
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