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2014年05月31日

山あり谷ありびわ湖から(2)「武曽(ムソ)横山」

b.さて、乙女が池をぐるっと一巡(ヒトメグ)りしたし、そろそろ自転車に乗って移動しましょうか、

a.池のほとりで30分もゆっくりしてたんか、楽しい時間はあっちゅうま(あっというま)やな、

b.どう進みましょう、

a.サイクリングロードがJR湖西(コセイ)線の高架にそって伸びてたような、ちょっと味気ない道やけど、迷わんからこんでええ(=これでいい)、

b.右手の畑の中にぽつんと、そこだけえらくスタイリッシュな建造物が、

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a.右は図書館、左は全国的にも響きが良い音楽ホール、

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b.文化的ですねえ、周囲が広々した田園やし、なおさらステキに見えるなあ、

a.この図書館と音楽ホールで育った子供たちが、日本を代表する芸術家になってもまったく不思議やないな、

b.バブル景気の産物とはいえ、そんな勢いを感じます、

a.でもって、我々のほうはJRと分かれて左折、県道295号線に乗って山へ向かおう、

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b.「武曽横山」ってひなびた集落、なんて読むんかなあ、

a.「むそよこやま」っていうらしい、

b.これが最後の集落、こっから先は孤独な山道に入ります、

a.土砂崩れでなきゃええけど、

b.この畑清商店さんがたぶん最後のお店、そう思うと、この色あせた門灯までとてもありがたいような、

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a.雪の深い夜、凍えながら峠を越えて、やっとの思いでこの門灯にたどりついたら、きっと泣いてまうな、緊張がほどけて、

「雪の夜 ふもとで光る 畑清(ハタキヨシ)」、

b.そんな寒い夜は、サービスでおでんもやってて欲しいな、

a.そんじゃあ、武曽(ムソ)横山の村をあとにすっか、

b.真っ昼間なのになにやら心細いっす、

a.初めての道はいつも緊張すんなあ、

b.あの山を越えるんすか、

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a.たぶん、もっと右手に低い峠があって、峠のトンネルを抜ければスキー場のはず、

b.これで県道なんすか、人っ子ひとり通りませんけど、

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a.こういうところ好きなほうやけど、さすがにちょっと寂しいなあ、京都近辺やとこんな場所でも人気(ヒトケ)を感じるけど、それがまったくない、

b.やっぱり雪が深いせいなんすか、

a.さあ、どうなんやろ、でも、ガードレールのこんなサビは雪深くないとありえへんしなあ、

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b.冬のあいだじゅう、この上に雪が積もったままなんか、

a.たぶん、

b.その雪が人や動物の気配まで吸い取ってしまうんですか、

a.さあ、それ以上のことは蟲師(ムシシ)のギンコさんに聞いてみんと分からへんなあ、

b.いよいよ山ん中に入ります、

a.意外に杉が多いな、京都の山ん中みたいや、

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b.がけ崩れもぎりぎりセーフ、路肩の斜面にブルーシートをかけてるだけで、道は通れますねえ、

a.よかった、ここまで来たら気分的に引き返せんし、

b.誰かが遠くで山仕事してます、草刈りか、いやチェーンソーの音やなあ、

a.しかし、ニッポンクネクネ大賞やな、この県道、

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b.でも、クネクネするうちに稜線(リョウセン=山の背骨のライン)が近づいて、ずいぶん明るくなってきました、

a.そろそろ峠か、

b.ふもとからどれくらい登ったんすか、

a.武曽(ムソ)横山の村が標高120m、峠のトンネル前で450mやし、330m登ったんか、けっこうあるなあ、ちなみに峠を下った朽木(クツキ)の集落も標高120m、

b.しかし、せっかく苦労して登ったのに、このモヤモヤはないっすね、

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a.「モヤモヤさまあ〜ず2(ツー)」を越えて、すでに3(スリー)やな、ああ、スッキリすみずみまで琵琶湖を見渡したかったなあ、

b.まあ天気には勝てないから、「雨じゃないだけ良いか」っていうお決まりのセリフで無理やり納得しましょう、

「雨やない そんだけましや とりあえず」、




2014年05月26日

山あり谷ありびわ湖から(1)「乙女が池」

a.沖縄地方はもう梅雨入りか、

b.5月も終わりになると、本州でもたまに湿っぽい風が吹きます、

a.きっと高気圧のふちを回って沖縄から吹いて来るんやなあ、梅雨の走りというか、前ぶれみたいな風が、

b.今回はどちらを旅しましょう、

a.丹波が続いたら、そろそろ近江の出番でござるな、

b.近江といっても広うございます、いずこへ参りましょう、

a.ふだんは琵琶湖も南が多いけど、今回は少し北の方まで足を伸ばそう、

b.びわ湖線と湖西線がありますが、

a.JR湖西線で近江高島駅へ向かおう、

b.では旅の日付とカメラ・自転車など簡単に、

a.2009年6月27日、京都駅から湖西線で近江高島駅まで輪行、自転車は気に入っていたけれど、どういうわけか、わずか三年でフレームが折れてしまった、ジェイミスのオーロラという旅の自転車、カメラは2014年現在でもまったく壊れてない、オリンパスのタフでコンパクトなデジカメ、ミュー1050SW、これって意外と地味良かったなあ、



b.それでは参りましょう、湖西線は京都府から滋賀県に入ると、進行方向右手に琵琶湖が広がって観光列車のような気分ですね、線路も高架で見晴らせるし、

a.これで窓ガラスがもっとキレイなら言うこと無いんやけど、まあもともと通勤電車やさけえなあ、

b.多忙な通勤客のみなさんにこそ、びわ湖の見晴らしが必要な気もしますが、

a.そういえば、左側のながめも良かったなあ、琵琶湖大橋で有名な堅田駅を過ぎると、そそり立つような比良山(ヒラサン)の山並みが続いて、登山装備の乗客も乗り降りする、

b.われわれは今回どんなコースをたどるんすか、

a.反時計回りに、山あり谷ありのコースをいちおう思い描いてるけど、

b.そういえば、昨年の6月14日〜18日のブログもこの辺を旅してました、

a.今回はそれよりもうひと山、内陸へ踏み込んでみよう、

b.それでは、ガリバーで有名な近江高島の駅前で、フレームにタイヤをはめて起動開始!

b.しかし、何回見ても異様な感じやなあ、駅前に立つ巨人のガリバー像、日本中がバブル景気に浮かれてた、その頃の遺産なのかなあ、写真とっときゃ良かった、

b.じゃあ、失礼してグーグル画像検索から他人様(ヒトサマ)の写真をお借りしましょう、

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a.この駅に降りたら絶対はずせないのが「乙女(オトメ)が池」、まずここをながめてから奥地へ進むことにしよう、

b.車窓からも細長く見えてたあの池か、太鼓(タイコ)橋もあったなあ、

a.細長いといえば、めったに写さないパノラマ写真で池を一枚、

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(クリックするとちょっとだけ大きくなります)

b.奥に家が連なって見える、

a.あのすぐ先は琵琶湖、細長いぎりぎりのエリアに国道と旧道が並走してる、

b.水だらけですね、

a.この池もびわ湖のオマケみたいな湖やし、ホンマ滋賀県は水の豊かなエリアやなあ、

b.そういえば、びわ湖の湖底からも水がわき出すとか、

a.そうらしいなあ、

「湖底から わき出す比良(ヒラ)の 清水かな」、

b.四阿(アズマヤ)に哀れな野良猫さんが、

a.野良ネコはひと目で分かるな、栄養が足りてないから、顔が鋭角三角形や、グレープフルーツ味のカロリーメイトしかないけど食うかなあ、

b.食べてますよ、よほど空腹なんすね、

a.ここは雪の深い地方やから、今のうちに何とかスポンサー見つかるとエエなあ、

「雪が降る そのころまでに 家猫(イエネコ)へ」、

b.なんかここだけで半日過ごせるほど、のんびりした良い場所ですね、

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a.山や谷、走るの止(よ)そうか、

b.どっちでもいいですけど、

a.まあとにかくここは自転車を降りてゆっくり歩こう、

「いい場所は 自転車おりて 歩こうよ」、

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b.右端のひときわ大きな屋根はお寺ですね、きっと、

a.江戸時代からこんな感じかなあ、

b.水草といいアジサイといい、水と空気が良いと、こうも色あざやかなんすね、

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a.誰が見るでもなくこんだけ咲きほこるんか、なんだかぜいたくやなあ、


2014年05月22日

奥深い丹波の森へ(5)「終着の園部駅へ」

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b.さて、篭坊(カゴボウ)温泉も素通りしたし、そろそろ帰りましょうか、

a.目的地の温泉を素通りとは、われわれもスカしちょる、

b.まあ、温泉については大勢の人たちが感想を語っているやろうし・・・

a.うむ、それもそうやな、ほなボチボチ帰路につきまひょか、

b.しかし、あの田んぼにこの村のヌシみたいな、人格を感じさせる樹木が、

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a.豊かな自然のせいか、あばら屋のさびたトタン屋根までステキやな、

b.コレも丹波マジックでせうか、

a.ところで、疲労もじわじわと溜まってきたおり、チミ(=君)には申し訳ないんやが、ひとつワガママを聞いてもらえんか、

b.なんすか、

a.われわれは、こっからUターンしてJR園部駅を目指すんやけど、まずは右手の山を越えねばならん、

b.県道12号線ならトンネルもあって便利ですけど、

a.それがいかん、便利なんはええ事やけど、そのおかげで交通量も多い、そこで、すこし遠回りになるが、ヒト気の途絶えた細道で峠を越えたいんや、

b.ああ、またすか、もう慣れっこになってしまいました、

a.県道37号線の途中から右手の細い谷へ入り、さらにクルマも走れんような細い道を登って峠を越えるんや、

b.高低差どれくらいあるんすか、

a.標高345mから登りはじめて、峠のてっぺんが461m、下った先が272mや、なんぼ登ってなんぼ下るんや、

b.ええと、116m登って、189m下ります、こっちから行く方が下りが多くてずいぶんお得ですねえ、

a.細道とはいってもぜんぶ舗装してあるから、それなりに走りやすい、それに何より、

b.何より?

a.雰囲気がすばらしい、歩いて峠を越えていた時代の雰囲気が今でも感じられる、

b.じゃあ行きますか、ぱったりヒト気の無くなった細道のさらにわき道に分け入って峠越えか、ちょっと怖いな、

a.このあたりはヒトよりも草木(クサキ)が主役やから失礼の無いように、

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b.たしかに、えらい伸び伸び生き生き育ってますね、名もない雑草まで、

a.道ばたのガードレールまで草木に食べられてしまいそうや、

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「草木(ソウモク)も ガードレールを 食べはじめ」、

b.それから33分が過ぎました、

a.峠はとうに越えて、最短距離というだけで国道にしぶしぶ付き合い、たどり着いたのは安田の大杉

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b.ここだけ見てると、すぐ横を通る国道の喧噪(ケンソウ=騒々しさ)がウソのような、

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a.推定樹齢700〜800年か、長生きしちょるのう、

b.すぐ横にコンビニもできたし、そんでやないすか、栄養がしっかり取れるし、

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a.買いに来るんか、この大杉がコンビニへ、そんなわけ無いやろ、

b.いや、そうとも限りません、大杉の弟子に小人みたいな妖精がいたら、ヒトに化けてさり気なくからあげクンやポテチやカレーパン買って、大杉に食べさせてるかも、

a.それは今オマエが食べたいもん、言うてるだけやろ、

b.いや、それならペプシネックスも頼みますよ、

a.大杉はペプシ飲まへんのか、

b.炭酸やカフェインは刺激が強すぎるとか言ってもっぱら雨水がいいそうです、根っこへ届くまでに地中で濾過されてまろやかになりますし、その辺は700歳といってもやっぱり樹木なんですね、

a.なるほど、妙に説得力あるなあ、じゃあ我々も大杉君といっしょにコンビニのあれこれ飲み食いして、もうええかげん草臥(クタビ)れてるし、次の天引(アマビキ)峠は素直に楽チントンネルを抜けて、終着の園部(ソノベ)駅へひたすら急ごう、

b.そうすね、峠の先に続く府道54号線も広くて滑らかなわりに、意外なほどクルマが少ないし、あとは楽勝です、

a.とはいえ、峠を抜けてからここを眺めずには居られん、一本で森のような八幡宮の御神木(ゴシンボク)をしばし振り返らせてくれたまえ、

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「一本で 森林みたいや 御神木」、

b.手前の趣ある茅葺き(カヤブキ)小屋も気になりますね、ここにも神様が住んでんのかなあ、

a.ああそうかも、すこし離れたほうが、大樹の枝振りとか全体像も愛(メ)でられるし、

b.そして、それから30分、府道54号線など広くなめらかでクルマも少ない道をすいすい進み、園部(ソノベ)の町へやって参りました、

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a.防災用のヘリポートも完備された公園の向こうは中学校か、

b.ええと、そうですね、南丹市立園部(ソノベ)中学校、

a.たしか、任天堂の立役者・宮本茂氏と自民党の影の総理・野中広務氏が共にこの町の出身やったなあ、

b.そのせいか、クルマもめったに来ない道まで恐ろしく幅広くなめらかです、

a.二人の偉人になんか共通点あんのかなあ、

b.さあ、活躍の場もぜんぜん違うし、どうなんすかねえ、

a.しかし、現代日本を代表するような二人やから、きっと共通点があるはずやろ、

b.じゃあ雨水が地中深くまでしみ込んで、まろやかになった地下水を飲んでるとか、

a.それは安田の大杉君やろ、それに、もしそうなら、今ごろ園部の全員が偉人になってるはずや、

b.まあ、その話はともかく、あとちょっとでJR園部駅なんで、そろそろ、

a.ホンマや、すっかり油断して話し込んでた、

b.駅に着いたら自転車を袋につめて、嵯峨嵐山駅までの30分間、人まかせの運転でウトウトしましょう、

a.うむ、園部(ソノベ)の駅なら確実に座れるし、漕()がないでも景色は流れるし、こんなありがたいことはない、






2014年05月17日

奥深い丹波の森へ(4)「篭坊(カゴボウ)温泉」

b.さて、だらだらときつかった上り坂も9割がた終わって、峠を前に道が二手(フタテ)に分かれてます、右へ行くと下るばかりで「るり渓」へ、左へ行くとあと50m登って大阪府へ、ところで、るり渓ってあまり好きじゃないすんか、

a.上流の湖のあたりが作られ過ぎてる、それにバスが通れるような広い道ばかりなんで味がないんや、

b.たしかに、通天湖を中心にゴルフ場、温泉、府立公園、少年自然の家とかたまってる、でも、渓流自体は良いんじゃないすか、

a.でも、渓流へは自転車乗ったまま入れへんしなあ、

b.なるへそ、そんなわけで、るり渓はずしで篭坊(カゴボウ)行きになるわけか、

a.そのとおりでござる、篭坊エリアは初めてやけど、地図で見るかぎり田舎の素朴な雰囲気がする、

b.じゃあ、ラスト50m登って、大阪府へ入りやしょう、

a.ここが峠のてっぺんか、るり渓へ送り込まれるバスやクルマのせいか、登った標高のわりに無味乾燥で味気ねえなあ、

b.峠から一気に70m下って能勢(ノセ)街道へやってきました、ひと目で幹線道路と分かるクルマの量とスピード、大型トラックも多いなあ、

a.能勢街道って国道173号線のことか、ずっと静かな道ばかりやったし、なんか恐怖すらおぼえるな、

b.でも、この国道を行くしか、

a.「国道は 最短距離で 付き合おう」、ということで、この小道に入んで(=入るぞ)、

b.えっ、農道でオマケに逆向きですが、これでいいんすか、

a.だいじょうV、アリナミンV、なつかCMでござる、



b.おおっと、深い森を抜けて、えらい静かなエリアに入ってまいりました、つい先ほどのノイジーな(=騒々しい)国道は何だったんでせうか、

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a.四方を森に囲まれたこの田んぼ、ここまで来たらアートやな、おまけに秋になったら食べられる、

b.アートといえば、このありふれた葉っぱまで、ステキに見えますねえ、

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a.森の暗がりに、ここだけ日を浴びて光ってるなあ、ひと休みしようか、

b.でも、こんな孤独な場所でパンクしたら泣いちゃいますね、

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a.大のオトナでも泣いちゃうなあ、交換用のチューブがこれまたパンクしてたり、チューブは無事でもインフレーター(=空気ポンプ)がスコスコに壊れてたり、

b.思っただけで、ぞっとしますねえ、

a.だから、いちばん起こりやすいトラブルであるパンクについては、2重3重に保険をかけておこう、

b.ところで、こっから篭坊(カゴボウ)温泉までは、この急な下り坂を降りるだけでは、

a.うむ、とうとう本日の目的地に近づいてきたなあ、この農道を下りきると小川に出るから、そのすぐ下流に温泉があるはず、

b.なるほど、すこし人里の気配がする小川に出てきました、道もなめらかでクルマも少ないし、最高ですね、

a.こんなところに篭坊(カゴボウ)温泉の成り立ちを伝える案内板が、

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b.平家の落武者(オチムシャ)がここへ逃げ込み、この温泉を見つけて、いくさの傷をいやしたのか、

篭坊(カゴボウ)に 隠れて浸(ツ)かる 平氏かな

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a.なんか良いなあ、隠れ里の雰囲気も残ってるし、これ見よがしな商売っ気もないし、

b.この小川もコンクリートで固めてないから、むかしの雰囲気、

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a.ところで、この小川、どこへ流れてるんや、

b.ええと、この川は羽束川(ハツカガワ)と言いまして、いくつかの小川と共に神戸市民の水がめ、千苅(センガリ)ダムへ流れ込んでます、

a.そうか、この水、神戸市民が飲んでるんか、いつのまに兵庫県へ入ったんや、

b.篭坊(カゴボウ)温泉あたりから兵庫県です、

a.で、そのあと何川になるんや、

b.武庫川(ムコガワ)になります、新幹線の新神戸駅からつづく果てしないトンネルのすぐとなりを流れるアレ、

a.ああ、武庫川か、元々はアレがコレなんか、

b.そう、コレがアレになるんです、

この流れ アレになるんか 武庫川(ムコガワ)に

a.そんな流れにそって進んでると、源平(ゲンペイ)の時代を思わすような祠(ホコラ=神様のお家)が、

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源平の ころからつづく 祠かな





2014年05月14日

奥深い丹波の森へ(3)「さえずりのみち」

b.ところで、ここは千ヶ畑(センガハタ)っていう名の村(京都府亀岡市畑野町千ヶ畑)やけど、そんなにたくさん田んぼ、あん(=有る)のかなあ、

a.たしか数年前、谷の北側を通る府道から、棚田の景色が遠くまで広がって見えた、

b.それ見に行きませんか、

a.それもええけど、今回はこっちの細道を試してみよう、もしかしたら府道にもどらんと、ずっと谷を降りられるかもしれない、

b.こんなところに、お地蔵様がひっそりと、

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a.ということは、昔はこの道がメインやったかも、

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b.「さえずりのみち」って大きな墨の字で書いてある、斜め切りの木目鮮やかな丸太に平仮名ばかりで堂々と・・・シンプルな丸太のベンチも良いなあ、峠も越えたし、ひと休みしましょう、

a.しかし、この道は村民のお散歩コースのような雰囲気、こんな味わい深い小道を散歩できるなんて幸せや、

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b.ところで、この先のルートですけど、こっからいったん下ってまた登るんでしたね、

a.うむ、ここが標高330mで、いったん288mまで下ってから、じわじわと長い登りが続いてる、

b.どれくらい登るんすか、

a.大阪府豊能郡能勢町へ入るあたりがピークで609m、いったいなんぼ登ればええんや、

b.標高差321mです、けっこうきついなあ、

a.オマケにこんな風情のある道じゃなくって、クルマのために作られたような味気ない上り坂がしばらく続く、まあ交通量は少ないんで助かるけど・・・

b.こうなったら趣味というより修行ですね、

趣味以上 修行未満の 峠かな

a.せやし(=だから)、今のうちに美しい田植えの曲線をのんびり眺めていよう、

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谷あいに みどりの波を 絵書(エガ)いてる

b.いかにも梅雨らしい湿り気を帯びた空気ですけど、山の香りがして実にすがすがしい、

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a.やっぱりこの小道、大正解やったなあ、距離はぜんぜん稼(カセ)げないけど、逆にここへずっと居たいほど、

b.この村もまた、「ぼくの夏やすみ」仕様でした、

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梅雨が来て そろそろぼくの 夏休み

a.ああ、夏はいいなあ、

b.なんで夏が良いのでせうか(=しょうか)、

a.汗をかいて峠を越えて、風を受けて下っても、涼しいばかりで心地良いからなあ、

b.小川にそってクリの木が並んでます、

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a.そういえば、クリも丹波の名産か、

b.秋になると、よく道の駅なんかで黒豆と一緒に並んでます、

黒豆の となりにならぶ 丹波栗

a.これは珍しいなあ、手前の波打つような草はなんやろ、

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b.苗木(ナエギ)が等間隔で並んでるし、なにか実を付けるんかなあ、

a.まえにも丹波の山里で同じようなの見かけたけど、明るくて美しいなあ、

b.さて、まことに残念ですが、さえずりの道もついに終わってしまい、府道へと合流しました、ここからしばらくは峠へ向けて走りに徹しましょう、

a.そやな、しかし、だんだん登って行くにつれて、昔の風情(フゼイ)をとどめる集落が現れてきてうれしいなあ、

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b.しかし、それと同時に坂はますますきびしさを増して、

a.ホンマや、あっという間にこんな登ってんで、

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b.左には見落としそうなほど慎(ツツ)ましい神社の鳥居が、

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a.あんな神社にホンマの神様が居てそやなあ、

b.どんな神様ですか、ホンマの神様って、

a.さあ、オレらよりずっと高齢できっと小柄なんちゃう(=なんじゃないか)、

b.小人(コビト)ですか、

a.物静かな小人のオジイちゃんやないか、ようわからへんけど、

山深い 静かな森の 小人かな





2014年05月09日

奥深い丹波の森へ(2)「半国山のすそ野へ」


b.神前(コウザキ)の山村をあとにして府道73に合流、坂を下ってあっという間に国道が通る広いエリアへ、

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a.とはいっても正面には半国山(ハンゴクサン)がそびえてるし、やっぱりこれも丹波の山里なのか、

b.国道が入らないようなアングルで写すと、やっぱりそれなりに山里ですよ、

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a.しかし、ここまで来たら、さすがに家が少ないな、山と畑ばっかりや、

b.で、国道372を渡ってから、どうするんですか、

a.半国山(ハンゴクサン)のすそ野を南へ進もう、

b.だったら、国道477をしぶしぶ走ると、

a.今までは確かに味気ない国道を走ってた、でも地図を見たら、半国山(ハンゴクサン)の山すそを良い感じの細道が南へ延びてる、今回はこれを試してみよう、

b.なるほど、じゃあこのまま道なりに村の中へ入っていきましょう、あまりに村の道が細いんでちょっと抵抗あるけど、

a.半国山(ハンゴクサン)の深い森をバックに昔ながらの古民家が固まってある、亀岡宮前郵便局を中心にため池二つに神社三つと、なかなか充実のラインナップやな、

b.そして道なりに坂を登っていくと、金輪寺という名のある寺院もあるそうです、

a.この辺はすべて左寄りに進もう、

b.了解、ちょっと登ってすぐ下ると池のほとり、

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a.なんでやろ、霊感もないのに人々が昔から往来してたような気配が、

b.しかし、ずっと味わい深い細道が続きますね、半国山(ハンゴクサン)のすそ野、ちょっと小高い森の中を、

a.クルマが入れないような小道やから、なおさら昔の雰囲気が色濃く残ってるな、

b.しかし、そんな良き道もとうとう終わって、本梅(ホンメ)郵便局の前へ降りてきました、さて、こっからどう行くんすか、それにそもそも、きょうの旅のルートも聞かされてないけど、

a.悪(ワリ)い、うっかり忘れてた、これから針路(シンロ=進む方角)をゆっくり西に変えて、半国山(ハンゴクサン)の南斜面をじわじわっとななめに登って、そのまま、るり渓に行くと見せかけ、じっさいは素通りして、そのまままっすぐ大阪府、兵庫県へと下り、篭坊(カゴボウ)温泉を目指しておるのじゃ、

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b.でも、半国山の南斜面って、わりと味気ない車道では、

a.たしかに、これから合流する府道はゴルフ場の中を抜ける、広いだけが取り柄のような無味乾燥な道、ただし、

b.ただし?

a.ゴルフ場を作るときに木々が伐採されて見晴らしがちょっと良い、それが楽しみといえば楽しみかなあ、

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b.なるほど、こういうことすか、東がパッと見晴らせるわけだ、

a.意外とこれくらいがエエやろ、

b.「これくらい」って?

a.100mほどの高さから見渡すほうが、すぐ登れるし、ほとんどかすまないし、

b.ああ、それはそうですね、最近はPM2.5で大気もよくかすむし、そんな時は300mの高さでも、見晴らし悪くてがっかりすることがある、

a.「かすみなし 100mの 高さなら

b.ところで、むこうの山の頂上付近にもゴルフ場が、

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a.ホンマや、国民にクルマが行き渡ったら、次はゴルフか、

ハンドルを にぎるその手に クラブやな

a.ゴルフ場へのアクセス道路を整備するから、そのぶんの森が失われ、ゴルフコースでさらに森が無くなる、

b.しかし、峠を越えると、景色が一変しました、

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a.日本昔話みたいやな、ところでふもとの村からどれくらい登ったんや、

b.先ほどの延福寺あたりが標高218m、ゴルフ場を登り切った峠が379mなんで、161m登ってますねえ、ちなみに今は峠を少しくだった347m地点、

a.じゃあ100m越えてるし、小峠じゃなく立派な峠やな、

b.でも、この峠、ちょっと変なんです、ゴルフ場の方だけぐっと下ってるのに、こっちはほとんど下らない、いわゆる片峠(カタトウゲ)ってやつじゃ、

a.ああ、きっとそれやろ、

片峠(カタトウゲ) 向きで疲労度 ちゃいますよ(=ちがいますよ)



2014年05月05日

奥深い丹波の森へ(1)「JR嵯峨野線で丹波の山里へ」

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b.みどり豊かな異色のアニメ「蟲師(ムシシ)」、その続編が4月からしんみり始まってます、

a.「蟲師(ムシシ)続章」か、相変わらず、こわいほど奥深い日本の自然を見せつけてくれんなあ、なんだか旅の虫がうずうずしてくる、オレらもこうしちゃ居らんねえ、森をさまよう主人公のギンコさんを追って、さっそく丹波の山んなかへ出動や、

b.じゃあ、さっそく嵯峨嵐山駅からJR嵯峨野線の下りへ乗るとして、いったいどこで降りましょう?

a.6つ(ムッツ)先の「沼の底」っていう駅だ、昔はもどりの電車があったんだが、近ごろは行きっぱなしだ、それでも行くかだ、

b.その駅って、もしかして湯婆婆(ユバーバ)の双子の姉、銭婆(ゼニーバ)が住んでる、

a.まちがえた、6つ先じゃなく4つ先、並河(ナミカワ)っていう駅、

b.というわけで、現在10時21分、並河駅の改札をぬけて駅前ロータリーに来ております、赤色系でまとめた花壇がいいっすねえ、

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a.かなり思い切った現代彫刻といい、こじんまりした駅前の静けさといい、さっそくお気に入りに追加や、

b.ところで、本日の旅のあらましを、

a.2012年6月23日土曜日、カメラはキヤノンのパワーショットG12、自転車はテスタッチのシクロクロス用フレームに、マウンテンバイク用の駆動系、タイヤはパナレーサーのリブモPTの32c、

b.それでは、蟲師(ムシシ)のギンコさんを追って、丹波の山ん中へと参りましょう、

a.うむ、まずはここ亀岡盆地から京都府亀岡市宮前町の神前(コウザキ)っていう山里を目指そう、

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b.だったら、ひとつ先の千代川(チヨカワ)駅で降りた方が早いんじゃ、

a.そうなんやけど、並河の駅から走ると、高台の京都縦貫道にそって亀岡盆地が見晴らせるからなあ、そんでや、

b.今回は写してませんが、その見晴らしを一枚差し込みましょう、

a.そうしてくれたまえ、

PB080183.jpg
(2009/11/8 霧にけむる亀岡盆地)

b.しかし、なぜまた神前(コウザキ)を目指すんですか、

a.神前(コウザキ)へ向かう府道73号線はクルマもそこそこ多いし、効率だけで味わいに欠けるけど、途中から左へ大きく回り込む昔ながらのルートがあって、ずいぶん前に一度訪ねて良かったから、もう一度、確認の意味をもあって、

b.じゃあまず、味気ないと言われる府道73号線へ合流します、こっから神前(コウザキ)まで、少し登りですね、

a.府道73号線と京都縦貫道の交差地点が標高109m、クルマと一緒に50mほど坂を登って、標高159m、ここから左の細道へ入り、これをさらに3〜40m登ると標高200m前後に神前(コウザキ)の歴史的山村が広がる、そんな寸法や、

b.そんな神前(コウザキ)の山里へやってきました、

IMG_2744.jpg

a.田植えをしたばかりの水田に丹波の山並みが映りこんでる、

水田も 丹波の山並み くりかえす

b.今日はずっとこんなくもり空かなあ、

a.もう梅雨入りした6月も後半、雨が降らんだけありがたい思わねば、

b.この地区を描いた絵本風のカワイイ地図を発見、

IMG_2745 - バージョン 2.jpg

a.芸術的価値も高いし、地図のとこだけトリミングしてみよう、

IMG_2745.jpg

b.絵画として見てても飽きないし、地図としてもしっかり書き込まれて、さりげない傑作ですね、

a.やっぱりええとこやったなあ、ただでさえ登りの府道をさらに登って、結局もとの府道へ返って行くから、ずっと敬遠してたけど・・・

IMG_2746.jpg

b.こんな田舎に仲良しのいとこが居たら幸せやなあ、

夏休み いとこの家へ 神前(コウザキ)の





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