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2014年05月14日

奥深い丹波の森へ(3)「さえずりのみち」

b.ところで、ここは千ヶ畑(センガハタ)っていう名の村(京都府亀岡市畑野町千ヶ畑)やけど、そんなにたくさん田んぼ、あん(=有る)のかなあ、

a.たしか数年前、谷の北側を通る府道から、棚田の景色が遠くまで広がって見えた、

b.それ見に行きませんか、

a.それもええけど、今回はこっちの細道を試してみよう、もしかしたら府道にもどらんと、ずっと谷を降りられるかもしれない、

b.こんなところに、お地蔵様がひっそりと、

IMG_2755.jpg

a.ということは、昔はこの道がメインやったかも、

IMG_2756.jpg

b.「さえずりのみち」って大きな墨の字で書いてある、斜め切りの木目鮮やかな丸太に平仮名ばかりで堂々と・・・シンプルな丸太のベンチも良いなあ、峠も越えたし、ひと休みしましょう、

a.しかし、この道は村民のお散歩コースのような雰囲気、こんな味わい深い小道を散歩できるなんて幸せや、

IMG_2757.jpg

b.ところで、この先のルートですけど、こっからいったん下ってまた登るんでしたね、

a.うむ、ここが標高330mで、いったん288mまで下ってから、じわじわと長い登りが続いてる、

b.どれくらい登るんすか、

a.大阪府豊能郡能勢町へ入るあたりがピークで609m、いったいなんぼ登ればええんや、

b.標高差321mです、けっこうきついなあ、

a.オマケにこんな風情のある道じゃなくって、クルマのために作られたような味気ない上り坂がしばらく続く、まあ交通量は少ないんで助かるけど・・・

b.こうなったら趣味というより修行ですね、

趣味以上 修行未満の 峠かな

a.せやし(=だから)、今のうちに美しい田植えの曲線をのんびり眺めていよう、

IMG_2758.jpg

谷あいに みどりの波を 絵書(エガ)いてる

b.いかにも梅雨らしい湿り気を帯びた空気ですけど、山の香りがして実にすがすがしい、

IMG_2759.jpg

a.やっぱりこの小道、大正解やったなあ、距離はぜんぜん稼(カセ)げないけど、逆にここへずっと居たいほど、

b.この村もまた、「ぼくの夏やすみ」仕様でした、

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梅雨が来て そろそろぼくの 夏休み

a.ああ、夏はいいなあ、

b.なんで夏が良いのでせうか(=しょうか)、

a.汗をかいて峠を越えて、風を受けて下っても、涼しいばかりで心地良いからなあ、

b.小川にそってクリの木が並んでます、

IMG_2760.jpg

a.そういえば、クリも丹波の名産か、

b.秋になると、よく道の駅なんかで黒豆と一緒に並んでます、

黒豆の となりにならぶ 丹波栗

a.これは珍しいなあ、手前の波打つような草はなんやろ、

IMG_2761.jpg

b.苗木(ナエギ)が等間隔で並んでるし、なにか実を付けるんかなあ、

a.まえにも丹波の山里で同じようなの見かけたけど、明るくて美しいなあ、

b.さて、まことに残念ですが、さえずりの道もついに終わってしまい、府道へと合流しました、ここからしばらくは峠へ向けて走りに徹しましょう、

a.そやな、しかし、だんだん登って行くにつれて、昔の風情(フゼイ)をとどめる集落が現れてきてうれしいなあ、

IMG_2762.jpg

b.しかし、それと同時に坂はますますきびしさを増して、

a.ホンマや、あっという間にこんな登ってんで、

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b.左には見落としそうなほど慎(ツツ)ましい神社の鳥居が、

IMG_2763.jpg

a.あんな神社にホンマの神様が居てそやなあ、

b.どんな神様ですか、ホンマの神様って、

a.さあ、オレらよりずっと高齢できっと小柄なんちゃう(=なんじゃないか)、

b.小人(コビト)ですか、

a.物静かな小人のオジイちゃんやないか、ようわからへんけど、

山深い 静かな森の 小人かな





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