2016年09月09日
アガサ・クリスティから (66) (作者アガサ・クリスティ自身のミステリー*失跡事件その10)
(作者アガサ・クリスティ自身のミステリー*失跡事件その10)
世間を騒がせていたアガサ・クリスティの失踪事件は、11日間で幕を閉じた。
いくつかある憶測また仮説とは・・・
●記憶喪失説・・・・・・・文字通り、記憶喪失による説。
●計画説・・・・・・・・・夫をこらしめるために計画し実行したが、騒ぎが大きくなってしまった説。
●共犯との復讐説・・・・・愛人のいる夫に対する復讐を兼ねた当てつけを親しかった義妹と企てたという説。
●売名行為説・・・・・・・アガサ・クリスティの内気な性質から、もっとも考えにくい説であるとされている。
●風変わりなものでは、Dトリック実験説なるものもあった。
彼女の書いている作品の中に使用するトリックの実験を行っているのではないか?という推測であった。
**************
今回は、(共犯との復讐説)にスポットを当てたいと思う。
●共犯との復讐説・・・彼女は、ある人物と、自分を裏切った浮気から離婚協議を起こした夫に復讐するために、失踪したというもの。
ある人物とは、義妹であり、親友でもあった女性(ナン・ワッツ)。
この説は、大のクリスティファン(←彼は、アガサ・クリスティに関するクイズ番組にて全問正解したほどであるアガサ・クリスティ・マニア。)であり、英国推理作家協会会員であるジャレッド・ケイドが立てた仮説である。
彼の説は、(ナン・ワッツ)の娘ジュディス・ガードナーという人物の証言を元に組み立てたと言われている。
つまり、アガサの義妹でもあり、親友でもあるナンに深い信頼を寄せていた彼女の協力を得て、夫に対する復讐として失踪事件を企て、実行したというものである。
この説によると、アガサは、彼女を裏切った夫を懲らしめるために、ワッツの協力を得て、失踪事件を計画的に起こしたのである。
まず彼女は、家族に行先を告げないままに車で外出をする。
あらかじめ立てていた計画通りに車を乗り捨て、ナンの自宅に一泊し、準備を万全にしてから、ハロゲート・ハイドロパシックホテル(ロンドンから北へ250m程に行った高級ホテル)に入った。
自分がハロゲートに向かった旨は、夫アーチボルトの弟に宛てた手紙の中に示唆してあった。
夫が彼女の居場所をすぐに見つけられるようにしたつもりだったのだが、騒ぎは思いも寄らず、大きなものとなり、しばらく身動きがつかなくなっていた。
夫に恥をかかせるために行われた狂言による失踪・・・。
いずれにせよ、度重なるストレス(アクロイド殺害事件のトリックにおけるフェアか?アンフェアか?の大論争・最愛の母の死など)の上に、夫の許せない裏切り・・・当時、愛人がいた夫との離婚協議に悩み、追い詰められ、苦悩し、憔悴しきっていた彼女の取った行為が失踪事件だったのだ。
その失踪事件は謎も多く、前述したようにいくつもの説がある中で、この【共犯との復讐説】もその一つに過ぎない。
因みにアガサの義妹であり、親友である(ナン・ナッツ)の娘からの証言を元に組み立てられたこの説は、比較的、矛盾点も少なく整合性があるのだが、何故か、それほど重要視されてはいないとのことである。
(次号に続く)
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