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2017年03月16日

アガサ・クリスティから (105) (ミス・マープルと十三の謎*金塊G)







(ミス・マープルと十三の謎*金塊G)







「まるで脅迫されているみたいに聞こえたよ、ニューマン。」

屋敷の方へ丘を上っていくときにレイモンドは言った。







友人はレイモンドに考えすぎだと、笑い飛ばしたのだった。






レイモンドは信じられず、首を振った・・・彼はケルヴィンの中に悪意にみちた野蛮な何かを感じ、つかみどころのない不思議なたくらみを持っているような気がしてならなかった。






この時からレイモンドの不安は始まった。





第一夜はぐっすり寝ていたが、次の夜からは寝苦しくなり・・・目覚めた日曜日の朝も陰気な曇り空にも影響されて、気分は優れなかった。





「どうかしたのかい、ウェスト?今朝は何か神経がピリピリしているようだな」






レイモンドは、得体のしれない不吉な予感を伝えたが、ニューマンは天気のせいだよ。と言って、取り合わなかった。





レイモンドは何も言わず、午後はモーターボートに乗って、海に繰り出した。
しかし、ひどい土砂降りにあい、慌てて戻って来た。






その夜は嵐がひどく、レイモンドはますます不安な思いを抱えていたが、ニューマンは少し嵐が落ち着くと、
窓から外を眺めた。





「おさまりそうだね。もう半時間もすれば、すっかり晴れ上がったいい夜になるよ、きっと。そしたら僕は外をぶらついて来よう。」






(次号に続く)




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