2020年09月25日
世界中の医学研究を徹底的に比較してわかった最高のがん治療
★★★★
本の概要
抗がん剤治療専門家をはじめとする3名の専門家が、ちゃんとした科学的根拠に基づいたがん治療とは何か、ということを解説している。それと同時に、がんに関する様々なトンデモ医療情報が世の中に平然と蔓延している中、それらを鵜呑みにすることに対して警笛を鳴らす本。
感想など
今後の自分の健康についての、特にがんにかかるのではないかという不安から、がんに関する一般向けの本を探し、その中で一番信頼できそうだと感じたこの本を手にとってみた。
本当に科学的で合理的ながん治療とは何かということについて、医療関係者ではない普通の一般ピープルである私が知り得る知識としては、かなり信頼性が高くて網羅的なものを得ることができたのではないかと思う。
それと同時に、インターネット上を含め、がんに関するトンデモ情報や、そうでなくても効果が極めて薄かったり逆効果になってしまうような治療法の情報は、世の中に想像以上に蔓延しているということがよく分かった。そして普段賢明な人ほど、このような情報に引っかかりやすいということ。
この事は、スティーブ・ジョブズが亡くなってしまった原因にもつながるのではないか。
がんにかかってしまったらまずは「標準治療」に目を向ける、というシンプルなことを覚えられただけでも収穫なのに、それ以外の多くのことをこの本から学ぶことができた。
この本はがんの話だが、がん以外の情報リテラシー全般に関することにも警笛を鳴らされた感じがした。人々に求められる情報リテラシーは日に日に高度になってきている。一昔前なら、怪しい情報というのは、ある程度判断力がある人ならたいていすぐに判別できたと思う。でも今はそんな人でも、以前より引っかかりやすくなったのではないか。フィッシングサイトやフィッシングメール、そして詐欺まがいや誇大広告系のステマを含むコンテンツは、今では、文体、体裁、トリック的な科学的エビデンスの提示などなど、かなり洗練されており、ぱっと見ただけではそれがそうだとは分からないことが多くなってきたように思う。
でも逆に、信頼性の高いちゃんとした情報を発信し続けている機関や専門家もあるんだということも、改めて認識できた。しかしどれがそうなのかを判別するためにも、やはり自分の情報リテラシーを日頃から意識しておく必要があるだろう。
あとこの本にはがんの予防というか、がんになりやすい行為についても書かれている。私はさっそく加工された「赤い肉」の取り過ぎと酒の飲み過ぎには注意しようと思った。
タグ:がん
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posted by myreading at 08:58| 実用・教育 --- 医学エッセイ