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2019年04月19日

外国語上達法 (岩波新書 黄版 329)

外国語上達法 (岩波新書 黄版 329)



★★★★★
本の概要

第二言語や第三以降の言語をより良く学ぶために必要となる基本的かつ重要な考え方について書かれている。また、いくつかの言語を例に挙げ、言語の違いによる特徴の違いや、その一方で存在する共通項についてなど、言語そのものに関する事柄にも多々触れられている。
感想など

外国語を学ぶことにおいて、基本的でありながらとても大切なことが色々書かれていたと思う。
その代わり、具体的な文法や語彙、発音などについてはほとんど触れられていないので、それを学ぶためにはまた別の情報媒体をいくらでも参照する必要がある。
しかしそのおかげで、とても重要なことだけをきれいに頭に叩き込んでくれたように思う。
もっともっと早い段階でこの本を読んでおきたかった・・・。
学校の英語の授業の第1回はこの本を使えばよいのではないだろうか、と思えるくらい。

この本は1986年に出版されたので、インターネットやコンピューターを活用するようなアドバイスは当然見当たらない。
しかしながらこの本の著者は、意味もなくやたら大きい辞書を持ち歩くことを良しとしなかったり、紙の辞書を手で引きまくること自体が良いことなんだという考え方に対しては、けっこう否定的なように見受けられる。
つまりこの本は、インターネット時代における辞書の引き方とも親和性が高そう。なので、出版年からやや時間が経ってしまってはいるが、今でも十分に通じる内容だと思う。
しばしば触れられるカセットテープの音声教材についても、今のデジタル機器に置き換えて考えるだけでOK。
ツールは移り変わっても、語学学習に必要となるマインドは変わらないようだ。

あとは、著者の語り口に好感が持てたり、著者が尊敬する語学の先生方のエピソードが面白かったりで、メタ的な部分についても魅力を感じる本だった
これについては、教師には魅力ある人間性が必要だと本の中で著者が言っており、それを自ら実践された結果が、そのままこの本の魅力になっているのかもしれない。

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