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2013年12月13日
その娘も心配している
「もちろん心配して、お神籤を引いたり、占いに見て貰ったりしているんですが、どうもはっきりした事は判らないようです」
 これだけ聞けば、その上に詮議の仕様もないように思われたが、ともかくも藤助の家の様子を一応は見とどけて帰ろうと思い直して、長三郎はその案内をたのむと、源蔵は先きに立って自身番に近い露路のなかへはいった。長三郎もあとに付いて、昼でも薄暗いような露路の溝板を踏んで行った。

露路の入口は狭いが、奥には可なりに広いあき地があって、ここら特有の紙漉場なども見えた。藤助の家にも小さい庭があって、桃の木が一本立っていた。
「ふうちゃん、居るかえ」
 源蔵は表から声をかけたが、内には返事が無かった。三度つづけて呼ぶうちに、その声を聞きつけて、裏の井戸端からお冬が濡れ手を前垂れで拭きながら出て来た。
 お冬は十五にしては大柄の方で、源蔵の云った通り、容貌はまず十人並み以上の色白の娘であった。右の眼に故障があるか無いかは、長三郎にはよく判らなかった。
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Posted by salchan at 10:24 | この記事のURL
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