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2014年06月25日
駅のホーム
足元の二本の鉄道線路は、その手前で右側に何本も支線を広げ、そこが貨物列車の操車場になっていた。荷物を載せた貨車、空のままの荷台式の貨車、箱型のもの、石油を運ぶ専門のタンク車、銀色に光る冷凍車など、いろいろな型式の貨物車が行き来し、そのさらに右側にはコンクリートの荷物置き場が広がり、運送会社の黄色い大型トラックが何台も止まっている。

そこから見える新駅とその周囲は、コンクリートの固まりだった。四角い箱のような新駅の両側には、地面に突き刺さったむき出しのコンクリートの柱が並び、その上に延びるコンクリートの高架線に、時々、ブルーとアイボリーに塗り分けられた真新しい特急列車が駆け抜けて行く。
 「とにかく早く行こうぜ」
 オサムがうんざりしたように言った時、
 「おおい、坊やたち。そこを動くんじゃありませんよ」
 かん高い、鳥が叫ぶような声があった。
 僕は思わず、新駅のコンクリートのホームから見下ろしていた誰かから声をかけられたのかと、一瞬身体を固くする。
 「振り向かないで。そのままそのまま。……はい、終わり。こっち向いてもいいです」
 僕たちは振り向く。
 橋の反対側の舗道、僕たちの斜め後ろに立っているものが何であるかを理解するには、ちょっと時間がかかった。黒い布を被せた茶色い木の箱が、台に載って僕たちの方を向いている。その隣で、小柄な老人が板のようなものをカバンにしまいかけている。
越谷 美容室
Posted by salchan at 06:21 | この記事のURL
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