2013年09月18日
彼の一生に影さした不幸の
彼の一生に影さした不幸の最初の打撃は、あの若いエセックスが宮廷に現われたときだった。時も時、ラレイが、自分のほうへ女王の興味が振り向けられたと思ったにちがいないちょうどそのとき、ちょうどレスターの衰頽が彼のために輝かしい未来の道を開けてくれたと思われたそのとき
――その瞬間に、あの古い寵臣(レスター)の継子が少年らしい魅力を持って登場し、エリザベスをまいらせてしまったのである。ラレイは、突如としてわが身を、一度はあらゆるものを征服したはずだのに、いつの間にか魅力の衰え果てた美人の位置に置いて眺めねばならなかった。女王は、斬首した謀叛人の、三つか四つの領地を彼に投げ与えるかもしれぬ。あるいは彼の栽培したタバコを彼女の鼻で嗅いだときのしかめっつらで、彼のおいもを噛んでさえくれるかもしれない――が、そんなことはなんにもならない、彼女の心は、彼女のからだは、あの扉の向こう側に、エセックスとともにあるのだ。彼は暗く眉毛をしかめながら、戦わずして誰が退こうと決意するのだった。
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