2013年07月31日
一緒にリベラルクラブに行ってくれたら
「――一緒にリベラルクラブに行ってくれたら、こんなことにならなかったんだ。いや、あたしはね、おほほ……、京ちゃんとだったらこんなみじめな気持にならなかったわよ。おほほ……。安ブランデーか、安ホテルか、ガタピシのベッドか、おほほ……。
髭をはやしてやがった。髭をはやした男大きらい! あたしは刺戟のある男はきらい! あいつひどい腋臭だった。ほら、まだあたしの手にしみこんでる!」
ペッペッと、右の手に唾を掛けて、げっぷをしていた。
「おばちゃん、お酒のんだの……?」
「のんだよ。おばちゃんはもうあかん! おばちゃんは汚れちゃった。おほほ……。でも、いいわよ。あたしは自由、リベラルクラブよ。おほほ……。京ちゃんは東京へ行っちゃったよ」
「ほんとね……?」
あたいも東京へ行く――と、カラ子はさいならという声を残して、横丁を出た足で河原町通りを京都駅の方へ歩いて行った……。
雨はなお降りやまなかった。その雨の中を、京吉と芳子がちょうどその頃、三条から二条へ一つ傘で歩いていたのを、むろんカラ子は知らなかった。
レザー ウォレット 大は小を兼ねる|yaplog!(ヤプログ!)byGMO
ペッペッと、右の手に唾を掛けて、げっぷをしていた。
「おばちゃん、お酒のんだの……?」
「のんだよ。おばちゃんはもうあかん! おばちゃんは汚れちゃった。おほほ……。でも、いいわよ。あたしは自由、リベラルクラブよ。おほほ……。京ちゃんは東京へ行っちゃったよ」
「ほんとね……?」
あたいも東京へ行く――と、カラ子はさいならという声を残して、横丁を出た足で河原町通りを京都駅の方へ歩いて行った……。
雨はなお降りやまなかった。その雨の中を、京吉と芳子がちょうどその頃、三条から二条へ一つ傘で歩いていたのを、むろんカラ子は知らなかった。
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