2018年11月13日
食事で乳がんを予防? 地中海食が乳腺内微生物叢に好影響
食事で乳がんを予防?
地中海食が乳腺内微生物叢に好影響
米国女性(40〜49歳)が一般的に摂取する食事
〔蛋白質と脂質は主に動物由来、飽和脂肪酸およびナトリウム(Na)量が多く、
一価不飽和脂肪酸(MUFA)およびn-3脂肪酸が少ない〕
地中海食:豆類、ナッツ、野菜、魚が中心の食事
(蛋白質と脂質は主に植物由来、Naおよび精製糖が少なくMUFAが多い)
たぶん日本古来の食事は、オリーブオイル以外当てはまると思う。
日本の栄養学を科学的データで検証し、世界に向けて発信してほしい!
近年、腸内細菌叢と同様、乳腺にも微生物叢が存在し、
その構成は食事の影響を受ける可能性が報告されている。
米・Wake Forest Baptist Medical CenterのCarol A. Shively氏らは、
地中海食が乳腺の微生物叢および代謝産物のプロファイルに直接影響を及ぼすことを
動物実験によって発見したと、Cell Rep(2018; 25: 47-56.e3)に報告。
乳がん予防における新たなアプローチの可能性を示唆した。
地中海食で乳酸桿菌、胆汁酸代謝物が増加
Shively氏らは、
乳腺組織に特異的な細菌叢に影響を及ぼす食事パターンがあるかを調べるため、
メスのカニクイザルに西洋食※1または地中海食※2を31カ月間与え、
試験開始前後の乳腺組織の微生物叢などについて解析し、比較検討を行った。
その結果、西洋食群と比べ、
地中海食では細菌の総菌数や多様性に差はなかったものの、
明らかに異なる乳腺組織の微生物叢を呈していた。
乳酸桿菌は乳がんの負の調節因子とされているが、
地中海食群の乳腺組織ではLactobacillaceae(乳酸桿菌)が西洋食群の約10倍に増加していた。
一方、西洋食群では乳腺組織中のRuminococcus、Lachnospiraceae、Oscillospira、Coprococcus属の数が
地中海食群に比べ有意に多かった。
また、地中海食群の乳腺組織では乳がんのリスクを低下させる可能性がある
胆汁代謝産物および微生物が産生した生理活性物質の増加が認められた一方、
活性酸素代謝産物は減少していた。
食事やサプリが乳がん予防アプローチとなるか
今回の結果について、
Shively氏は「食事の内容が乳腺特有の微生物叢および代謝産物に影響することが確認され、
その影響は乳腺など腸管以外の微生物叢に直接及ぶことが示された。
食生活が乳房の炎症に影響を及ぼし、
乳がんのリスクを調節する可能性が考えられる」
と述べている。
同氏らは、
特定の食事パターンやプロバイオティックサプリメントが乳がん予防のアプローチとなるかどうか、
これらが乳腺や乳房腫瘍の微生物叢に及ぼす影響について調べる追加の前臨床研究を実施している。
さらに、乳がんの腫瘍増殖、治療反応性および炎症に対する
胆汁酸代謝産物や微生物が産生する生理活性物質の役割についても研究を重ねているという。
※1米国女性(40〜49歳)が一般的に摂取する食事
〔蛋白質と脂質は主に動物由来、飽和脂肪酸およびナトリウム(Na)量が多く、一価不飽和脂肪酸(MUFA)およびn-3脂肪酸が少ない〕
※2豆類、ナッツ、野菜、魚が中心の食事
(蛋白質と脂質は主に植物由来、Naおよび精製糖が少なくMUFAが多い)
(宇佐美陽子)
地中海食が乳腺内微生物叢に好影響
米国女性(40〜49歳)が一般的に摂取する食事
〔蛋白質と脂質は主に動物由来、飽和脂肪酸およびナトリウム(Na)量が多く、
一価不飽和脂肪酸(MUFA)およびn-3脂肪酸が少ない〕
地中海食:豆類、ナッツ、野菜、魚が中心の食事
(蛋白質と脂質は主に植物由来、Naおよび精製糖が少なくMUFAが多い)
たぶん日本古来の食事は、オリーブオイル以外当てはまると思う。
日本の栄養学を科学的データで検証し、世界に向けて発信してほしい!
近年、腸内細菌叢と同様、乳腺にも微生物叢が存在し、
その構成は食事の影響を受ける可能性が報告されている。
米・Wake Forest Baptist Medical CenterのCarol A. Shively氏らは、
地中海食が乳腺の微生物叢および代謝産物のプロファイルに直接影響を及ぼすことを
動物実験によって発見したと、Cell Rep(2018; 25: 47-56.e3)に報告。
乳がん予防における新たなアプローチの可能性を示唆した。
地中海食で乳酸桿菌、胆汁酸代謝物が増加
Shively氏らは、
乳腺組織に特異的な細菌叢に影響を及ぼす食事パターンがあるかを調べるため、
メスのカニクイザルに西洋食※1または地中海食※2を31カ月間与え、
試験開始前後の乳腺組織の微生物叢などについて解析し、比較検討を行った。
その結果、西洋食群と比べ、
地中海食では細菌の総菌数や多様性に差はなかったものの、
明らかに異なる乳腺組織の微生物叢を呈していた。
乳酸桿菌は乳がんの負の調節因子とされているが、
地中海食群の乳腺組織ではLactobacillaceae(乳酸桿菌)が西洋食群の約10倍に増加していた。
一方、西洋食群では乳腺組織中のRuminococcus、Lachnospiraceae、Oscillospira、Coprococcus属の数が
地中海食群に比べ有意に多かった。
また、地中海食群の乳腺組織では乳がんのリスクを低下させる可能性がある
胆汁代謝産物および微生物が産生した生理活性物質の増加が認められた一方、
活性酸素代謝産物は減少していた。
食事やサプリが乳がん予防アプローチとなるか
今回の結果について、
Shively氏は「食事の内容が乳腺特有の微生物叢および代謝産物に影響することが確認され、
その影響は乳腺など腸管以外の微生物叢に直接及ぶことが示された。
食生活が乳房の炎症に影響を及ぼし、
乳がんのリスクを調節する可能性が考えられる」
と述べている。
同氏らは、
特定の食事パターンやプロバイオティックサプリメントが乳がん予防のアプローチとなるかどうか、
これらが乳腺や乳房腫瘍の微生物叢に及ぼす影響について調べる追加の前臨床研究を実施している。
さらに、乳がんの腫瘍増殖、治療反応性および炎症に対する
胆汁酸代謝産物や微生物が産生する生理活性物質の役割についても研究を重ねているという。
※1米国女性(40〜49歳)が一般的に摂取する食事
〔蛋白質と脂質は主に動物由来、飽和脂肪酸およびナトリウム(Na)量が多く、一価不飽和脂肪酸(MUFA)およびn-3脂肪酸が少ない〕
※2豆類、ナッツ、野菜、魚が中心の食事
(蛋白質と脂質は主に植物由来、Naおよび精製糖が少なくMUFAが多い)
(宇佐美陽子)
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