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2018年10月02日

目覚め方改革プロジェクト 「目覚め方および体内リズムを整えることの重要性の啓発」 睡眠改革で睡眠上手な日本へ

目覚め方改革プロジェクト
「目覚め方および体内リズムを整えることの重要性の啓発」
睡眠改革で睡眠上手な日本へ

提供元:ケアネット 公開日:2018/09/11
枕.jpg

先進国で一番睡眠時間が短い日本

 平均睡眠時間の国際比較によると、日本人の平均睡眠時間は7.4時間とOECD諸国の中でも一番短い。

また、日本人の5人に1人は「日中、眠気を感じた」「睡眠時間が足りなかった」「夜間、睡眠途中に目が覚めて困った」など睡眠の問題を抱えている(厚生労働省 平成25年国民健康・栄養調査)。

 「良質な睡眠とは『リズム、量、質』が充足された睡眠である。

睡眠のリズムには、すっきりした目覚めが深く関係している。

睡眠関連で約15兆円の経済損失

睡眠には、

疲労回復、
エネルギー保存、
身体の成長、
免疫機能増加など

の役割があるが、

睡眠不足や不眠になると

倦怠感や頭重感、
交通・産業事故の誘因、
仕事・学業の能率や生産性の低下などを来し、
さらには生活習慣病やうつ病の誘因・増悪、
認知症発症の誘因を起こすとされている。

米国の研究では、わが国の経済損失は約15兆円といわれ、GDPに占める割合ではワースト1位となっているという。

 とくに仕事などのパフォーマンスに注目すると、慢性的な睡眠負債では眠気を自覚しにくく、徐々にパフォーマンスを低下させるとし、

たとえば17時間覚醒では、血中アルコール濃度0.05%のパフォーマンスに相当し、

24時間覚醒では血中アルコール濃度0.10%に相当するという1)(血中アルコール濃度0.05〜0.10%はビール1〜2本、日本酒1〜2合に相当)。

「睡眠の最大の役割は、心と体のメンテナンスにある。
充実した1日を過ごすためにも、睡眠の役割を正しく認識することが重要」

夜のブルーライトは体内リズムに影響

 体内時計は、
さまざまな生理現象を調節する機能を持ち、
体内リズムを作り出している。

そのため睡眠においても、
「メラトニン分泌→睡眠→深部体温低下→コルチゾール分泌→覚醒」の順番を保つリズムが重要であるという。

また、体内リズムと光の関係につき、
朝の強い光はリズムを進行させ、
夜の光はリズムを遅らせるとともに、
夜の青い光(ブルーライト)は体内時計に強く作用することから、
夜のスマホやゲームは体内リズムに影響を与えると警告する。

「ソーシャルジェットラグ(社会的時差ボケ)」

ソーシャルジェットラグとは、

蓄積した平日の睡眠負債を返済するために、
休日に寝だめなどを行った結果、
体内リズムが乱れ、
起床困難、入眠困難、蓄積疲労などが起こる現象である。

そして、ソーシャルジェットラグは、心身の健康に影響を与えることから、これを避けるためにも、

「起床時間を休日でも変えない」
「6〜8時間の睡眠時間の確保」
「朝日を浴びて、体内時計をリセットする」など

体内リズムを整えることが重要

「昼間、生き生きと過ごすために、
朝、すっきりと目覚めることが大事」

■文献
1)Dawson D, et al.nature.1997;388:235-237.
posted by 田中松平 at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 睡眠
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田中松平
元消化器外科医で,頭からつま先まで診れる総合診療科医です. 医学博士 元日本外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器内視鏡学会専門医, 日本医師会認定産業医, 日本病理学会認定剖検医,
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