2018年10月01日
コレステロール高値、体型よりも食事が影響
コレステロール高値、体型よりも食事が影響
厚労省、全国規模による循環器疾患基礎調査対象者の長期追跡研究で
化学工業日報2018年9月13日 (木)配信
厚生労働省の「NIPPON DATA」研究班(代表者・滋賀医科大学の三浦克之アジア疫学研究センター長)は、日本人のコレステロール高値と体型差の関係が薄れてきているという研究結果をまとめた。
1980年時点に測定したコレステロール高値の人は肥満の影響が高かったが、2010年時点では痩せ型、適正体重にもコレステロール高値になりやすい人が増えていることが分かった。
研究班は、脂肪分の多い食事の摂取が増えていることが背景にあると指摘する。コレステロール高値の予防には肥満予防対策よりも、食事対策をすべきとしている。
NIPPON DATA研究は国による全国規模による循環器疾患基礎調査対象者の長期追跡研究(コホート研究)。
研究班は、国民健康・栄養調査の参加者を対象に、コレステロール高値のなりやすさと体重や体型とのかかわりについて調査した。
全国300地区から50歳以上を無作為抽出し、80年に5014人、90年に4673人、00年に5059人、10年に2105人を解析した。
肥満型(肥満度指数BMIが25キログラム/1平方メートル以上)、
痩せ型(同18・5キログラム/同未満)、適正体重(18・5キログラム/同以上〜25キログラム/同未満)
とし、
またコレステロール高値は血清総コレステロール値が220ミリグラム/デシリットル以上(悪玉といわれるLDLコレステロールが140ミリグラム/同以上)とした。
調査した30年間で肥満型は男性で16・3%から34・1%へと増加、女性では26・2%から27%と横ばいだった。
痩せ型は男性で9%から3・2%、女性で8・4%から6・6%へと減少傾向がみられた。
適正体重の人に対し、
肥満型や痩せ型の人が何倍コレステロール高値になりやすいかを
年齢、
喫煙状況、
飲酒状況、
運動習慣の有無、
総エネルギー摂取量、
脂肪酸の摂取量、
脂質異常症治療の有無を調整した
コレステロール高値オッズ比を算出。
その結果、
男性は80年時点に肥満型で2・4倍だったが、10年時点では0・9倍まで低下。
痩せ型は0・3倍から0・4倍に上昇。
女性は80年時点の肥満型1・4倍が、10年時点に1・1倍に低下。
痩せ型が0・4倍から1倍に増加していることが分かった。
研究班は、体型にかかわらず脂肪分とくに飽和脂肪酸の多い食事を摂る人が増えたため、
肥満型や痩せ型との関連性の弱まった可能性があるとしている。
脂質異常症の予防には、適正体重や痩せ型の人に飽和脂肪酸や食事性コレステロールの過剰摂取の防止による対策を行う必要があるとしている。
成果は、研究グループの浜松医科大学の柴田陽介助教の執筆による論文が日本疫学会の学会誌「Journal of Epidemiology(ジャーナル・オブ・エピデミオロジー)」に掲載された。
厚労省、全国規模による循環器疾患基礎調査対象者の長期追跡研究で
化学工業日報2018年9月13日 (木)配信
厚生労働省の「NIPPON DATA」研究班(代表者・滋賀医科大学の三浦克之アジア疫学研究センター長)は、日本人のコレステロール高値と体型差の関係が薄れてきているという研究結果をまとめた。
1980年時点に測定したコレステロール高値の人は肥満の影響が高かったが、2010年時点では痩せ型、適正体重にもコレステロール高値になりやすい人が増えていることが分かった。
研究班は、脂肪分の多い食事の摂取が増えていることが背景にあると指摘する。コレステロール高値の予防には肥満予防対策よりも、食事対策をすべきとしている。
NIPPON DATA研究は国による全国規模による循環器疾患基礎調査対象者の長期追跡研究(コホート研究)。
研究班は、国民健康・栄養調査の参加者を対象に、コレステロール高値のなりやすさと体重や体型とのかかわりについて調査した。
全国300地区から50歳以上を無作為抽出し、80年に5014人、90年に4673人、00年に5059人、10年に2105人を解析した。
肥満型(肥満度指数BMIが25キログラム/1平方メートル以上)、
痩せ型(同18・5キログラム/同未満)、適正体重(18・5キログラム/同以上〜25キログラム/同未満)
とし、
またコレステロール高値は血清総コレステロール値が220ミリグラム/デシリットル以上(悪玉といわれるLDLコレステロールが140ミリグラム/同以上)とした。
調査した30年間で肥満型は男性で16・3%から34・1%へと増加、女性では26・2%から27%と横ばいだった。
痩せ型は男性で9%から3・2%、女性で8・4%から6・6%へと減少傾向がみられた。
適正体重の人に対し、
肥満型や痩せ型の人が何倍コレステロール高値になりやすいかを
年齢、
喫煙状況、
飲酒状況、
運動習慣の有無、
総エネルギー摂取量、
脂肪酸の摂取量、
脂質異常症治療の有無を調整した
コレステロール高値オッズ比を算出。
その結果、
男性は80年時点に肥満型で2・4倍だったが、10年時点では0・9倍まで低下。
痩せ型は0・3倍から0・4倍に上昇。
女性は80年時点の肥満型1・4倍が、10年時点に1・1倍に低下。
痩せ型が0・4倍から1倍に増加していることが分かった。
研究班は、体型にかかわらず脂肪分とくに飽和脂肪酸の多い食事を摂る人が増えたため、
肥満型や痩せ型との関連性の弱まった可能性があるとしている。
脂質異常症の予防には、適正体重や痩せ型の人に飽和脂肪酸や食事性コレステロールの過剰摂取の防止による対策を行う必要があるとしている。
成果は、研究グループの浜松医科大学の柴田陽介助教の執筆による論文が日本疫学会の学会誌「Journal of Epidemiology(ジャーナル・オブ・エピデミオロジー)」に掲載された。
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