2015年10月02日
金剛界 成身会 尊像パーツ描き1(外周1)
成身会 尊像パーツ描き1
いよいよ金剛界最後の会、成身会の尊像パーツを描き始めます!
これまでと同様に外周から内側へと順に描いていこうと思います。
成身会の外周にも微細絵や供養会と同様に二十天が描かれています。
成身会 外周二十天の位置と順番を次の図に示します。
成身会 東方五天
今回は東方五天(01〜05)の紹介をします。
東方五天のうち中央の03は東門を守護する毘那夜迦の眷属です。
残り四天はヴェーダやヒンドゥー教の主要神がまとめられた上界天の神々です。
下図左は参考にした『西院本曼荼羅』の図で右が描いた尊像パーツです。
01)那羅延天(ならえんてん)
成身会は金剛界曼荼羅の中央にあってなんとなく傷がつきにくいと思うのですが(根拠はありません)、思ったよりも画面の磨耗が多いように思います。
那羅延天は梵名のナーラーヤナの音訳でヒンドゥー教のビィシュヌ神の化身。クリシュナとも。
右手に古代インド武器の八輻輪を持つ。八輻輪は8本スポークの輪宝。
02)鳩摩羅天(くまらてん)
体の半分が摩滅していて痛々しいですね。右手に持つはずの三鈷鈴もイマイチはっきりしません。
鳩摩羅天は梵語のクマーラの音訳で、シヴァ神の子である軍神スカンダ(韋駄天)の別名。
右手に三鈷鈴を持つ。
03)金剛摧天(こんごうざいてん)
これはひどい・・・あらためて見ると傘はもう少し小さめでもよかったかな。
金剛摧天は梵名のヴァジュラ・チンナの意訳。ヴァジュラは金剛でチンナは摧砕の意。
金剛摧天は象頭人身の毘那夜迦の眷属で、傘蓋毘那夜迦ともいい傘蓋を翳す。毘那夜迦はシヴァ神とパールヴァティ妃の子で、智慧と福徳を授け、障害を除去する神。金剛摧天は煩悩を破壊し、慈悲の傘蓋により衆生を覆護する。
東門の守衛天。
04)梵天(ぼんてん)
なにか少し不思議な造形。そう見えるだけなのかはたまた・・・
梵天は梵名のブラフマンから。ヴェーダでは宇宙創造の最高神。ヒンドゥー教では創造神ヴィシュヌの臍から生じた蓮華に梵天が座し、この世界を創造したとされる。釈尊の成道にあっては帝釈天とともに説法を懇願した護法善天。
右手にもつ紅蓮華は蓮華蔵世界の象徴。
05)帝釈天(たいしゃくてん)
これもモザイク状に画面が磨耗していて痛々しい。
成身会といえば金剛界曼荼羅の中心も中心、成身会だけで十分とも言える会ですから期待も大きく、これまで描いてきた八会はこの成身会を理解するための準備と言えなくもない気持ちで描いてきました。その成身会の画面がこれほど荒れていると・・・でも、逆に考えれば、これまで描いてきた八会があるからこそ画面が荒れていて図像が見難くともしっかりと理解して尊像を描けるとも言えます。
帝釈天は梵名のシャクラから。帝釈天は梵天と並ぶ仏教の護法善天。ヒンドゥー教の神インドラのこと。
右手に古代インド武器の独鈷杵を持つ雷を操る雷霆神。
以上、東方五天でした。
では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ
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