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女子サッカー 日本vsフランス

の感覚ではフランスはキックオフ直後からガンガン来ると思っていました。

理由は明確で、全試合のブラジル戦ではどんどん攻めこまれて、

最後の最後までペースを握らせてもらえない姿を見られているからです。


また、大会前の親善試合でもスピード、パワー、フィジカルにやられて

結局は後味悪く破れてしまった事もあります。


両方を合わせて考えた場合、キックオフ後から10分ぐらいまでは

ガンガン攻め込んで来ると思っていました。

もし主導権を握れないのなら攻めるのを止めれば良いって感じで。


しかしフランスの取った作戦は違っていました。


攻めるどころか、前線からプレスをかけまくる訳でもなく、

高い位置で日本の両サイドのゲームメーカー、もしくはSBにボールが入るところで

激しくプレスをかけ、ボールを奪ってから逆に同サイドでカウンターを狙うものでした。


つまり引いて来た訳です。


前の試合ブラジル戦では嫌なものを対戦相手に見られてしまったと思っていたのですが、

対戦相手のフランスにインパクトを与えたのは、

その押し込まれた時にバランスを欠いてしまう部分ではなく、

見事にカウンターで奪った得点シーンだったのかもしれません。
また、フランスの個々のスキルと、特に高さから考えた優位点があります。

連戦に次ぐ連戦の上にアメリカと同グループだったフランスには

相当の疲労感があったのかもしれません。

実際に、フランスは非常に動きが重かった様に見えました。

それらを総合的に考えてみた時には、

普段通りの引き気味のサッカーをする事が勝利への一番の近道だと考えたのかもしれません。


そんなフランスの姿勢もあり、前半はペース的には日本のペースで進みます。

とは言え、最終局面にはなかなか持ち込ませてもらえないので、

若干の持たされている感はあるのですが、

球際で入れ替わるとか、良いパスを通すなど、いくらかの良い兆しもあったので、

フランスとしても全く焦りなく持たせていると言う感じではなかった事でしょう。


そんな中、均衡は突如破られます。

遠目ではありましたが、相手ファウルで貰ったFKを宮間がゴール前に放り込みます。

フランスの作ったDFの後ろ、GKの前に放り込んで、少し頭に触れれば。。。

そんなイメージだったと思うのです。

距離の事を考えると、ほぼイメージ通りではあったと思うのですが、

意外とボールは伸びて行きます。

それでもGKが難なくキャッチして、、 と思われたボールをGKがまさかの後逸。

詰めていた大儀見が混戦の中ねじ込んで、日本が幸運な1点を上げます。


後の事を考えれば、これが日本にとって本当に幸運な1点でした。


その後フランスはビハインドした事で、積極的に攻めてきます。

ただ、決め手を欠く形で、前半は終了しました。


後半はフランスのキックオフでした。

最終ラインがかなり高い位置を取った事から、かなりの猛攻を予感させますが、

まず先手をとったのは日本でした。

ボールを奪うと、パスを繋いで日本の時間を作っていきます。

前半同様、最終局面には持ち込めないものの

積極的なプレスをかけボールを奪ってはパスを回してリズムを作ろうとしました。


そしてそんな中、日本に再び好機が訪れます。

再びファウルでFKを貰うと、蹴るのは宮間。


場所、距離共に似たような場所からのFKに

フランスには明らかに1失点目の嫌なイメージがあった事でしょう。

同様にゴールに向かう様なボールを警戒するフランス。

また日本のアタッカー陣も宮間の蹴るタイミングを見てスタートをかけます。


しかし宮間の蹴ったボールは、1点目よりも浅い位置で、

そしてファーサイドへと供給されます。

そこで待っていたのは阪口でした。


ドンピシャで阪口に合うと阪口もこれをシッカリ合わせて更に逆のサイドゴールへ。

キーパーは全く触る事も出来ず2点目となります。


2−0になった後も小刻みにボールを回す日本。

これはゲームが決したか?と思われましたが、本日のゲームはここからでした。


フランスは立て続けに2枚の交代カードを切ったのが後半の12分でした。

ここからフランスの猛攻が始まります。


フランス的には2点のビハインドになったので、目的がシンプルになる反面、

日本的には失点を嫌がるDFライン、ポゼッションを欲しがる中盤、

カウンターをしたがる前線と、やや乱れが出てきました。


フランスは両サイドがワイドに開いた3トップに近い形になった上に、

2列め3列めも高い位置取りとなり、

前線から積極的にプレスをかける様になります。


そうすると、次々にプレスがかけられ、日本の組立が全く出来なくなります。

時折前線にボールが回っても、連動がうまくいかず全くゴールにまで迫る事が出来ません。


そして次第に体力の限界を迎える日本。

ついには右サイドの突破からクロスを上げられ、

枚数が多くマークの甘くなったところを決められついに2−1に。


さらに猛攻は続きます。

体力が切れ、プレスが遅くなると、後手後手に回るようになります。

中盤では積極的なプレスへの気持ちが出せなくなり、

最終ラインも押し上げる事が全く出来なくなります。

最終ラインは体力的な理由ではなく、精神的な理由からそう出来なかったのでしょう。


そんな中、今度は左サイドからエリア内にドリブル突破を許します。

遅れながらも阪口がプレスに行きますが、これがPKを献上する形に。



この時には日本中の誰もが同点になったと溜息をついた事と思いますが、

蹴られたボールはわずかにゴール右側を外れ何とかリードを保ちます。


日本の幸運な1点めが効いた瞬間だった様に思いました。

たられば話をしても仕方がないでしょうが、

これが1−1からのPKならば、ポジティブな気持ちで蹴る事が出来るので、

フランスの選手はもっと楽に蹴る事が出来たでしょう。

ただ、2−1からのPKでしたので、入って同点と言う状況下に、

フランスのキッカーには相当のプレッシャーがあったものと思われます。


ともあれ、日本にとっては幸運にも事無きを得ました。


日本もカードを切り、ポゼッションの回復を図りますが、

枚数をかけたフランスの攻撃になかなかペースを奪い返せない状態が最後まで続きました。


最後は長身DFを前線におき、

パワープレーに出るフランス。

大儀見だけを前線に残し、全員で必死に守る日本。


何度も決定機を迎えるフランス。

ギリギリのところでセーブする時間が続きます。


攻防はロスタイム時間切れギリギリまで続きました。

表示されたロスタイムの4分をまたいでも続くフランスの猛攻、

日本はGK福元のビッグセーブと、本当にギリギリのところで守り切ります。


そして長い長いロスタイム4分を終え、

やっと迎えた試合終了のホイッスル。


本当にドキドキさせられた試合でした。

長い長い道のりでしたが、これでようやく金メダルへの挑戦権を得ました。


そしてやはり相手はアメリカ。

カナダとの準決勝を非常に良い形で勝ち上がって来ましたし、

アメリカ的にはワールドカップの決勝では屈辱を受けた相手との決勝です。

メンタル的にも非常に強敵となる相手との決勝となりました。





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決勝に向け整理しなくてはいけない事は山ほどあります。

2トップへの対応と、どこでボールを奪うのか?の確認、

勝つためのプランの整理ですね。

もっとも必要なのは、プランの整理だと思われます。

言い方を変えれば心の準備ですね。

とても1−0とかで逃げ切れる相手ではないと思いますし、

前半で2点ぐらい先制される事も考えておかなければならない気がします。


それにしてもどんなゲームになるでしょうね?

中盤を制し、最終ラインを高く保つ事が出来るでしょうか?

ワンバックとモーガンをゴールから遠ざけ、2人の仕事を封じる事が出来るかどうか?

ショートカウンターで最終局面に持ち込む事のイメージと

セットープレーを有効に活かすための対策等で対抗出来るでしょうか?


ブラジル戦、フランス戦でも同じように、押し込まれると、

全てが悪循環に陥り、苦しい展開になると思うので、

勇気を持ってプレスに行けるかどうか?ですね。


そんなに甘い相手ではないのは重々承知の上ですが、

カナダ戦を延長まで戦った影響で、

少しでも体力的に影響があってくれれば有難いところです。




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