2017年06月07日
大相撲 2017年 5月場所(夏場所) 千秋楽
大相撲 2017年 5月場所(夏場所)
幕内優勝が14日目に決まり、白鵬が全勝優勝となるかどうかが最大の注目とされたのだが、私としては十両の優勝争いと三賞が誰になるのかのほうが気になった千秋楽。
高安の場所後の大関昇進も決定的。
最近の成績を考えれば昇進してもいい星勘定なのだが、私としては優勝していない力士を角界最高位の大関に昇進させるのには相変わらず反対である。
千秋楽の取組結果 (太字は私の注目力士)
「十 両」
錦 木 (十両4) (10勝5敗) ○ (はたき込み) × 安美錦 (十両8) (9勝6敗)
若手の中でも期待されている錦木が、関取最年長の安美錦を破って十両優勝を決めた。
錦木は来場所 再入幕がほぼ確定。
幕内前半戦で強さを発揮して、序盤を沸かせてほしい。
安美錦には最年長十両優勝が懸かっていたが、一度は軍配をもらったが残念ながら取り直しの一番で敗れてしまった。
しかしアキレスけん断裂で引退の危機からよくぞここまで回復した。
まさに鉄人だ。
さて、取組を振り返ってみよう。
1.錦木がつっかけて「待った」。
2.手つき不十分?で立ち合い不成立で「待った」。
3.3度目の立ち合いから押していったにしきぎだったが、安美錦の引き技の前に落ちる。軍配は安美錦だったが「物言い」。安美錦の足が出るのと錦木の体が無くなるのが同時とされて「取り直し」。
4.錦木がつっかけて「待った」。
5.頭から突っ込んでいった安美錦だったが、今度は錦木がはたいてはたき込みが決まった。
「待った」が3回、さらに「取り直し」となる熱戦となった。
「はたき込み」という決まり手にも表れているように決まり方こそあっけなく決まった感じがするが、立ち合いでの駆け引きから見どころはいっぱいあった。
夏場所は優勝が10勝5敗で錦木、9勝6敗が安美錦をはじめとして8人もいるという大混戦だった。
千秋楽にしても8勝6敗同士の対戦が5番も組まれた。
十両は若手とベテランが幕内を目指すという構図の中で生まれた大混戦はしばらく続くかもしれない。
来場所も十両の土俵も目が離せない。
「幕 内」
宇 良 (西前頭10) (11勝4敗) ○ (すくい投げ) × 大翔丸 (前頭13) (8勝7敗)
今場所も前半戦と言えば宇良。
土俵際での粘りをもっと見たかったが、今場所はむしろ正攻法の押し相撲に磨きがかかってきた。
小さい体で相手を押し切る相撲が多かったと思う。
11勝に白星を伸ばしたのだが三賞はもらえず残念。
栃ノ心 (東前頭10) (12勝3敗) ○ (突き落とし) × 豊 響 (前頭13) (4勝11敗)
栃ノ心が勝って12勝目。
これで敢闘賞の候補にも挙がらなかったのは残念だが、三役経験があるからここまで下がれば当然と思われたのかもしれない。
貴景勝 (前頭7) (11勝4敗) ○ (押し出し) × 阿武咲 (前頭14) (10勝5敗)
貴景勝が勝って11勝目だったのだが、先場所新入幕で敢闘賞をお貰っているためか今回は見送られた。
千秋楽で敗れてしまったものの新入幕で10勝を挙げた阿武咲が敢闘賞。
2場所続けて敢闘賞をもらう新入幕力士が出てきた。
貴景勝のように来場所以降番付が上がっても変わらない活躍を見せてほしい。
貴景勝は来場所は横綱大関と対戦するところまで上がりそう。
大暴れできるか?
正 代 (前頭5) (10勝5敗) ○ (押し出し) × 御嶽海 (東小結) (8勝7敗)
正代が5枚目で10勝目をあげて来場所は三役か前頭筆頭くらいまで上がりそう。
横綱大関相手でも体格負けしないだけに上位にとってみれば厄介な力士が上がってくることになる。
千秋楽敗れた御嶽海だが殊勲賞を獲得。
来場所も横綱大関相手に物怖じしない相撲を見せてほしい。
琴奨菊 (東関脇) (7勝8敗) ○ (押し出し) × 勢 (前頭6) (9勝6敗)
琴奨菊が千秋楽勝って1つの負け越しにとどめた。
8日目まで1勝7敗から6勝1敗の後半戦だった。
開き直って前に出る相撲が復活し、結果が出た感じだ。
これで小結にとどまる可能性が出てきたので、来場所も横綱大関相手にがぶり寄りで圧倒する相撲を取ってほしい。
これより三役
玉 鷲 (東関脇) (10勝5敗) ○ (はたき込み) × 豪栄道 (西大関) (9勝6敗)
玉鷲が勝って関脇の地位で2桁に乗せた。
ここ数場所三役で勝ち越しを続けているだけに2桁を続けていくと大関と言う声もかかってくるだろう。
豪栄道はカド番脱出には成功したものの9勝どまり。
せめて2桁に乗せてほしい。
照ノ富士 (東大関) (12勝3敗) ○ (小手投げ) × 高 安 (西関脇) (11勝4敗)
照ノ富士が先輩大関としての貫禄勝ち。
差し込んだのは高安の方だったが、照ノ富士がきっちりと組み止めると両腕を極める体勢。
差し手を抜くことも差すこともできない状態になってしまった高安は、照ノ富士の小手投げ(極め投げ?)を残せなかった。
白 鵬 (西横綱) (15勝0敗) ○ (寄り切り) × 日馬富士 (東横綱) (11勝4敗)
夏場所最後の一番。
白鵬が1年ぶりの優勝を全勝とできるか?という話題はあったわけだが、日馬富士の終盤戦での失速からすれば「あっさりと」全勝が決まるのではないかと思っていた。
この予想は良い方向で裏切られた。
立ち合いから良い形になったのは日馬富士。
白鵬は防戦一方という感じに見えるくらい日馬富士が攻め立てた。
しかし負けない白鵬は健在で苦しい体勢でもなんとかしのぐ。
長い相撲となったが、ポイントは白鵬のまわしの取り方と切り方。
自分が上手をつかむと、すぐさま相手の上手を切った。
これで日馬富士は残すことが出来なくなってしまった。
相変わらずの「負けない強さ」と、「まわしを取る切る技」の成熟度は「さすがは白鵬」と思わせる一番となった。
幕内優勝
15勝0敗
白 鵬 (西横綱) (38回目)
三 賞
敢闘賞
阿武咲
殊勲賞
御嶽海
技能賞
高 安
嘉 風
大関昇進を決めたこともあり高安が三賞のいずれかを受賞することは予想できたが、技能賞とは思っていなかった。
もう1人の技能賞の嘉風も申し訳ないが意外だった。
「該当者なし」も多い技能賞なのだが1場所で2人出て、しかもそれが11勝した宇良ではなかったことも意外だった。
新入幕で10勝していた阿武咲が敢闘賞、10連勝中だった横綱 日馬富士に土をつけた御嶽海が殊勲賞。
栃ノ心や貴景勝にも敢闘賞を挙げてもいいんじゃないかとは思うのだが、今場所もらえなかった分番付を上げた来場所の奮起につなげてほしい。
大好評の夏場所だったと言っていいだろう。
宇良や石浦といった小兵力士が前半戦を沸かせ、後半戦では横綱 白鵬が1年ぶりの優勝を全勝で決めて締めた。
殊勲賞の御嶽海の活躍や、貴景勝、阿武咲といった新鋭の活躍もあり「土俵の充実」という部分で面白い場所だった。
横綱2人 稀勢の里、鶴竜のケガによる途中休場が残念だったが、しっかり治して来場所4横綱で最終盤まで優勝争いをしてもらいたい。
この記事を書いている時点で新大関 高安が誕生している。
前述のとおり優勝が無い高安は、私の中では「準」大関扱いをすることになりそう。
早い段階で初優勝して「準」の文字を取り去ってほしい。
来場所からまたしても、4横綱 3大関の頭でっかちな番付となる。
まずはこの7人が揃って千秋楽まで優勝争いをしてほしい。
だが、三役を含めて星の潰し合いとなるだろう。
関脇になるだろう2人 玉鷲と御嶽海がどう立ち向かっていくか?
小結か前頭上位となるだろう琴奨菊、貴景勝、正代といったあたりも波乱を起こせそうだ。
来場所も見どころ満載の大相撲となりそうで今からすでにワクワクしている。
日本相撲協会 公式サイト
幕内優勝が14日目に決まり、白鵬が全勝優勝となるかどうかが最大の注目とされたのだが、私としては十両の優勝争いと三賞が誰になるのかのほうが気になった千秋楽。
高安の場所後の大関昇進も決定的。
最近の成績を考えれば昇進してもいい星勘定なのだが、私としては優勝していない力士を角界最高位の大関に昇進させるのには相変わらず反対である。
千秋楽の取組結果 (太字は私の注目力士)
「十 両」
錦 木 (十両4) (10勝5敗) ○ (はたき込み) × 安美錦 (十両8) (9勝6敗)
若手の中でも期待されている錦木が、関取最年長の安美錦を破って十両優勝を決めた。
錦木は来場所 再入幕がほぼ確定。
幕内前半戦で強さを発揮して、序盤を沸かせてほしい。
安美錦には最年長十両優勝が懸かっていたが、一度は軍配をもらったが残念ながら取り直しの一番で敗れてしまった。
しかしアキレスけん断裂で引退の危機からよくぞここまで回復した。
まさに鉄人だ。
さて、取組を振り返ってみよう。
1.錦木がつっかけて「待った」。
2.手つき不十分?で立ち合い不成立で「待った」。
3.3度目の立ち合いから押していったにしきぎだったが、安美錦の引き技の前に落ちる。軍配は安美錦だったが「物言い」。安美錦の足が出るのと錦木の体が無くなるのが同時とされて「取り直し」。
4.錦木がつっかけて「待った」。
5.頭から突っ込んでいった安美錦だったが、今度は錦木がはたいてはたき込みが決まった。
「待った」が3回、さらに「取り直し」となる熱戦となった。
「はたき込み」という決まり手にも表れているように決まり方こそあっけなく決まった感じがするが、立ち合いでの駆け引きから見どころはいっぱいあった。
夏場所は優勝が10勝5敗で錦木、9勝6敗が安美錦をはじめとして8人もいるという大混戦だった。
千秋楽にしても8勝6敗同士の対戦が5番も組まれた。
十両は若手とベテランが幕内を目指すという構図の中で生まれた大混戦はしばらく続くかもしれない。
来場所も十両の土俵も目が離せない。
「幕 内」
宇 良 (西前頭10) (11勝4敗) ○ (すくい投げ) × 大翔丸 (前頭13) (8勝7敗)
今場所も前半戦と言えば宇良。
土俵際での粘りをもっと見たかったが、今場所はむしろ正攻法の押し相撲に磨きがかかってきた。
小さい体で相手を押し切る相撲が多かったと思う。
11勝に白星を伸ばしたのだが三賞はもらえず残念。
栃ノ心 (東前頭10) (12勝3敗) ○ (突き落とし) × 豊 響 (前頭13) (4勝11敗)
栃ノ心が勝って12勝目。
これで敢闘賞の候補にも挙がらなかったのは残念だが、三役経験があるからここまで下がれば当然と思われたのかもしれない。
貴景勝 (前頭7) (11勝4敗) ○ (押し出し) × 阿武咲 (前頭14) (10勝5敗)
貴景勝が勝って11勝目だったのだが、先場所新入幕で敢闘賞をお貰っているためか今回は見送られた。
千秋楽で敗れてしまったものの新入幕で10勝を挙げた阿武咲が敢闘賞。
2場所続けて敢闘賞をもらう新入幕力士が出てきた。
貴景勝のように来場所以降番付が上がっても変わらない活躍を見せてほしい。
貴景勝は来場所は横綱大関と対戦するところまで上がりそう。
大暴れできるか?
正 代 (前頭5) (10勝5敗) ○ (押し出し) × 御嶽海 (東小結) (8勝7敗)
正代が5枚目で10勝目をあげて来場所は三役か前頭筆頭くらいまで上がりそう。
横綱大関相手でも体格負けしないだけに上位にとってみれば厄介な力士が上がってくることになる。
千秋楽敗れた御嶽海だが殊勲賞を獲得。
来場所も横綱大関相手に物怖じしない相撲を見せてほしい。
琴奨菊 (東関脇) (7勝8敗) ○ (押し出し) × 勢 (前頭6) (9勝6敗)
琴奨菊が千秋楽勝って1つの負け越しにとどめた。
8日目まで1勝7敗から6勝1敗の後半戦だった。
開き直って前に出る相撲が復活し、結果が出た感じだ。
これで小結にとどまる可能性が出てきたので、来場所も横綱大関相手にがぶり寄りで圧倒する相撲を取ってほしい。
これより三役
玉 鷲 (東関脇) (10勝5敗) ○ (はたき込み) × 豪栄道 (西大関) (9勝6敗)
玉鷲が勝って関脇の地位で2桁に乗せた。
ここ数場所三役で勝ち越しを続けているだけに2桁を続けていくと大関と言う声もかかってくるだろう。
豪栄道はカド番脱出には成功したものの9勝どまり。
せめて2桁に乗せてほしい。
照ノ富士 (東大関) (12勝3敗) ○ (小手投げ) × 高 安 (西関脇) (11勝4敗)
照ノ富士が先輩大関としての貫禄勝ち。
差し込んだのは高安の方だったが、照ノ富士がきっちりと組み止めると両腕を極める体勢。
差し手を抜くことも差すこともできない状態になってしまった高安は、照ノ富士の小手投げ(極め投げ?)を残せなかった。
白 鵬 (西横綱) (15勝0敗) ○ (寄り切り) × 日馬富士 (東横綱) (11勝4敗)
夏場所最後の一番。
白鵬が1年ぶりの優勝を全勝とできるか?という話題はあったわけだが、日馬富士の終盤戦での失速からすれば「あっさりと」全勝が決まるのではないかと思っていた。
この予想は良い方向で裏切られた。
立ち合いから良い形になったのは日馬富士。
白鵬は防戦一方という感じに見えるくらい日馬富士が攻め立てた。
しかし負けない白鵬は健在で苦しい体勢でもなんとかしのぐ。
長い相撲となったが、ポイントは白鵬のまわしの取り方と切り方。
自分が上手をつかむと、すぐさま相手の上手を切った。
これで日馬富士は残すことが出来なくなってしまった。
相変わらずの「負けない強さ」と、「まわしを取る切る技」の成熟度は「さすがは白鵬」と思わせる一番となった。
幕内優勝
15勝0敗
白 鵬 (西横綱) (38回目)
三 賞
敢闘賞
阿武咲
殊勲賞
御嶽海
技能賞
高 安
嘉 風
大関昇進を決めたこともあり高安が三賞のいずれかを受賞することは予想できたが、技能賞とは思っていなかった。
もう1人の技能賞の嘉風も申し訳ないが意外だった。
「該当者なし」も多い技能賞なのだが1場所で2人出て、しかもそれが11勝した宇良ではなかったことも意外だった。
新入幕で10勝していた阿武咲が敢闘賞、10連勝中だった横綱 日馬富士に土をつけた御嶽海が殊勲賞。
栃ノ心や貴景勝にも敢闘賞を挙げてもいいんじゃないかとは思うのだが、今場所もらえなかった分番付を上げた来場所の奮起につなげてほしい。
大好評の夏場所だったと言っていいだろう。
宇良や石浦といった小兵力士が前半戦を沸かせ、後半戦では横綱 白鵬が1年ぶりの優勝を全勝で決めて締めた。
殊勲賞の御嶽海の活躍や、貴景勝、阿武咲といった新鋭の活躍もあり「土俵の充実」という部分で面白い場所だった。
横綱2人 稀勢の里、鶴竜のケガによる途中休場が残念だったが、しっかり治して来場所4横綱で最終盤まで優勝争いをしてもらいたい。
この記事を書いている時点で新大関 高安が誕生している。
前述のとおり優勝が無い高安は、私の中では「準」大関扱いをすることになりそう。
早い段階で初優勝して「準」の文字を取り去ってほしい。
来場所からまたしても、4横綱 3大関の頭でっかちな番付となる。
まずはこの7人が揃って千秋楽まで優勝争いをしてほしい。
だが、三役を含めて星の潰し合いとなるだろう。
関脇になるだろう2人 玉鷲と御嶽海がどう立ち向かっていくか?
小結か前頭上位となるだろう琴奨菊、貴景勝、正代といったあたりも波乱を起こせそうだ。
来場所も見どころ満載の大相撲となりそうで今からすでにワクワクしている。
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