2017年09月06日
生のショウガと加熱・乾燥させたショウガでは効果が違う!?特徴をまとめました
ショウガといえば「身体を温める」効果が有名ですよね。
最近は体温を保つことの大切さがより世間で認知され、「温活(おんかつ)」などという言葉も流行っていて、外側からも内側からも身体を温めることに熱心な女性が増えています。
体温保持の大切さについては以前書いていますので、よろしければご覧ください。
「体温は大事!低体温によるリスクと原因と改善方法」
基本的に香辛料には身体を温める効果がありますが、その分、刺激の強さや辛さが目立ち、苦手だという人もいます。
その中でショウガは比較的食べやすく、また、独自の高性能な成分も持ち合わせている優秀な食材です。
生食と乾燥や加熱させたショウガでは成分や効果が違いますので、目的別に食べ方を変えてみてください。
生ショウガと乾燥・加熱済みショウガの関係性
ショウガは約90%が水分です。
残り10%の有効成分の中で、生の状態では「ジンゲロール」が主成分になり、乾燥や加熱をすると「ショウガオール」や「ジンゲロン」に変化します。
ジンゲロールについて
【ジンゲロール概要】
ファイトケミカルの一種で、辛み成分のひとつ。
加熱や乾燥をさせるとショウガオールやジンゲロンに変化し、ジンゲロールの割合が減っていきます。
(ファイトケミカルというのは植物が自身で生成する化学物質の総称で、紫外線や外敵から身を守るのが目的です。例えば南国の植物は、強い紫外線から自分を守る物質を作り出したりします)
【ジンゲロールの効能】
・殺菌作用
・抗炎症作用
・解熱作用
・発汗作用
・胃液の分泌を促進
・肩こり、腰痛
・冷えによるむくみ、頻尿
・抗酸化作用で老化の抑制
・免疫細胞を活性化して免疫力の強化
・吐き気や頭痛を抑える
・末梢血管の拡張
・胆汁の分泌を促進
・コレステロール値を下げる
【ポイント】
・酸化しやすいので、すりおろしたらすぐに食べる。
・免疫力の向上を目的とする人は、生(ジンゲロールが多い)の方が効果的。
・末梢神経を温めるために身体の深部から熱を送り出すため、体感では温かくなるものの、体温はあがらないで身体の芯が冷える。
表面的なポカポカ対策ではなく体温を上げたい人は、加熱や乾燥させてから摂る方が良い。
ショウガオールについて
【ショウガオール概要】
辛み成分のひとつで、ショウガを加熱・乾燥させると生産される。
【ショウガオールの効能】
・殺菌作用
・発汗作用
・胃液の分泌を促進
・肩こり、腰痛
・冷えによるむくみ、頻尿
・血栓予防で血液サラサラ
・喉の痛みや腫れ、せきの症状の緩和
・消臭効果
・活性酸素の除去
・癌細胞の抑制
・中枢神経を整える、興奮を抑える
・免疫力の向上
・脂肪燃焼
・心臓からの血液拍出を増やし、身体を芯から温める
【ポイント】
・身体を芯から温めたい、体温を上げたい人は、加熱か乾燥させてショウガオールを増やしてからの方が効率良い。
・ダイエット目的の人も、ショウガオールが効果的。
・過剰摂取すると、下痢、腹痛、吐き気などの症状が出ることもある。
・「血栓予防の作用」は持病によっては好ましくないので、サプリメントで摂る場合はかかりつけの医師に相談してください。
ジンゲロンについて
【ジンゲロンの概要】
辛み成分のひとつで、ショウガロールと同じく、ショウガを加熱・乾燥させると生産される。
【ジンゲロンの効能】
・血行促進
・血圧の安定化
・発汗作用
・新陳代謝の向上
・脂肪燃焼
・腸の動きを活発化させて便秘予防
・ダイエット
・成人病予防
チューブの生姜はどうなのか
チューブにも有効成分は含まれていますが、添加物が多いため、含有量は生の生姜に比べると少なくなります。
また、添加物の中には「身体を冷やす」ものも含まれていることがあります。
チューブの生姜にはあまり過度な期待をせず、「味や香りを楽しむもの」プラスαくらいに考えておいた方が良さそうです。
加熱は何度で何分くらい?
はっきりとしたデータが無いのですが、約60度だとまだ、ジンゲロールとショウガオールの成分が半々くらい。
80度〜100度ではショウガオールの割合がジンゲロールを上回るとのことです。
熱い飲み物に入れるだけでショウガオールに変化して効果を得られると言われてますので、時間は気にしなくていいようです。
長時間加熱しても、ジンゲロールはどんどんショウガオールやジンゲロンに変化していきますが、ショウガオールは壊れずそのまま残ります。
1日の摂取目安
1日10gほどです。
すりおろした状態ですと、だいたい大さじ1杯ほどになります。
胃腸の弱い方は、少しずつ試してください。
食べ過ぎに注意!
様々な効果が高い分、食べ過ぎると逆効果も有り得ます。
【胃腸への刺激】
胃腸への刺激があるので、胸やけや腹痛を起こしたり、ガスを発生させます。
胃腸の調子が悪い時や胃腸の疾患がある場合は気を付けてください。
【流産】
ショウガはつわり(吐き気)に効果的だと言われる反面、赤ちゃんの性ホルモンに悪影響を与えて流産しやすいという話もあります。(アメリカの医療サイトでの話)
かかりつけの医師に相談しても、そこらへんを事細かく把握している産婦人科医はどのくらいいるのかと考えると・・・
個人的には、念のために摂らないでいた方が良いと思うのですが、そこらへんは各自に判断をお任せします。
医療サイトによると、「1日1g以上食べた場合」の話です。
【低血糖】
ショウガには血糖値を抑制する働きがあるため、あまり摂取しすぎると低血糖になる可能性が出てきます。
気分の悪さやめまいを感じた場合はすぐに甘いお菓子や飲料などを口に入れ、様子を見てください。
【出血】
出血性疾患のある方、すでに血液凝固を防ぐための薬を飲まれている方は、ショウガオールの摂りすぎによる血液サラサラ効果には注意が必要です。
食材としての大量摂取はもちろん、身体を温める効果があるサプリメントなどの服用も医師に相談してください。
まとめ
同じ「しょうが」ですから、ジンゲロールとショウガオールには共通した効果・効能が多いです。
大きな違いは、「身体の芯を温めるかどうか」というところ。
芯から温めたいなら、加熱か乾燥後のショウガオールがお勧めです。
また、ダイエットにもショウガオールの方が効果的です。
ジンゲロールは殺菌作用や発汗作用が強力なので、風邪の引きはじめに摂取するのはジンゲロール(生ショウガ)の方が良いとされています。
次回は、加熱して効果を高めた、常温で保存できるショウガの作り方をご紹介します。
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