2017年08月03日
医薬部外品と化粧品の違い 「医薬部外品を選んでおけば間違いない」というわけでもない
いわゆる「化粧品」と呼ばれる商品には「医薬部外品」と「化粧品」の分類がありますが、その違いをご存じでしょうか?
なんとなく「医薬部外品の方が効きそう!」「医薬部外品の方が安心・安全」というイメージがありませんか?
でも実は、必ずしもそうとも言い切れないのです。
今日は「医薬部外品」と「化粧品」の違い、それぞれの長所と短所について書きます。
医薬部外品とは
「治療」ではなく、「予防」「衛生」を目的に作られています。
厚生労働省が認可した、エビデンスのある有効成分が規定内の濃度で含まれています。
「化粧品」では謳えない、「日焼けによるシミ、そばかすを予防する」「ニキビを予防する」などの広告が出せます。
化粧品とは
医薬部外品に比べて緩和な効果を目的としています。
広告では「予防する」などと書けないため、表現方法は「魅力を増す」「健やかに保つ」「清潔にする」などになります。
「薬用化粧品」は化粧品の部類ではなく医薬部外品の部類になります。
製品への成分表示方法の違い
【医薬部外品】
厚生労働省が認可した「指定表示成分」だけ表示すればOK。
【化粧品】
全成分の表示義務あり。
含有量の多い順に書くことになっていますが、1%以下のものについては最後に順不同で表示されます。
医薬部外品のメリットとデメリット
【メリット】
・厚生労働省が認可した、エビデンスのある有効成分が含まれているので効果を期待しやすい
・最低限、厚生労働省の指定した分量が含まれているため、少なすぎるということがない
・成分配合量の上限が定められているため、安全性が高い
・メーカー側からすると、効果を謳えて「医薬部外品」と記せるのは宣伝効果に優れ、顧客の信用を得やすい
【デメリット】
・成分配合量の上限が定められているため、即効性は感じにくい
・全成分が表示されていないため、アレルギーを持つ人には選びにくい
化粧品のメリットとデメリット
【メリット】
・全成分が表示されているので、アレルギーがある人でも成分のチェックができる
・成分が多い順に並んでいるので、濃度の見当をつけやすい
・厚生労働省による成分配合量の決まりがないため、美容成分をたくさん配合させることができ、高い効果を期待できる場合もある
【デメリット】
・含有量が多すぎて刺激が強くなるかもしれない可能性
・含有量が少なすぎて効かないかもしれない可能性
厚生労働省に認められた美白用の美容成分
・ビタミンC誘導体
・アルブチン
・コウジ酸
・エラグ酸
・ルシノー
・リノール酸
・カモミラエキス
・トラネキサム酸
・マグノリグナン
・プラセンタエキス
・4MSK
まとめ
厚生労働省の規定濃度より何倍も高い濃度で作られた化粧品は、「美容効果」と「広告効果」を天秤にかけた結果、「医薬部外品」の優位性を捨ててまで美容効果を優先しています。(化粧品として販売)
決められた範囲内の濃度で作れば、「医薬部外品」と言えたのに・・・です。
主に口コミで人気が広がるようなメーカーに、その手が多いように思います。
ブランド名だけで売れてしまう大手は比較的厚生労働省の規定を守り、認可された有効成分を使う場合は医薬部外品として販売していることが多い傾向にあります。
もちろん例外もあり、たとえばロート製薬の「オバジC」のビタミンC誘導体は、厚生労働省では3%までとしていますがそれを大幅に超え、「化粧品」として20%も配合しています。
最終的には「医薬部外品」か「化粧品」かということだけに惑わされず
・含まれている成分を把握する
・自分の欲しい効果に見合った成分と配合量を選ぶ
・(刺激や副作用の意味で)自分の肌に合った成分や配合量を選ぶ
ということが、化粧品選びには大事なことだと思います。
医薬部外品と化粧品以外にも、「医薬品」というくくりがありますが、それについてはまた今度書こうと思います。
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