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2023年07月20日
これは、名著だなぁ。 「NHKラジオ深夜便 絶望名言」 頭木弘樹 川野一宇
いやー、面白い企画です。
絶望名言とは著者曰く、
悲しい時に悲しい歌を聞きたくなるように、
辛い時には絶望的な言葉が心にしみて、
逆に救いになることがある。
そういう言葉のことを「絶望名言」と
呼ばせてもらう。
’
というわけで、この本には。
カフカ、ドストエフスキー、ゲーテ、
中島敦、太宰治、シェークスピアなど、
文豪たちの絶望的な言葉が紹介されている。
命名したの頭木さんの解説が添えられているんだが、
これがまた秀逸。
たとえば、カフカの「絶望名言」
’
将来に向かって歩くことは
ぼくにはできません。
将来に向かってつまずくこと、
これはできます。
いちばんうまくできるのは、
倒れたままでいることです。
のことに関して、頭木(かしわぎ)さんは、
’
「この言葉を読んだとき、僕は難病で病院の
ベッドで倒れたままだったわけです。
ですから、すごく響きました。
苦労は人を成長させる面もありますけど、
人をダメにしたり歪めたりする面もあります。
でもやっぱり、それでも生きていくしかない
わけですよね。
じゃあ、前を向いて歩いて行くのかというと、
そうではなくて、ぼくは倒れたままの状態から
ある程度立ち上がりましたけど、まだ半分
倒れてままなんですよね。
だから、まだ絶望の名言は手放せないんですよ。
’
うーん、わかりますよねー。
こんな感じでかゆいところに手が届く
解説が目からウロコで気持ちいいのです。
’
明けない夜もある、と一度でも思ったことの
ある方には、おすすめです。
’
絶望名言とは著者曰く、
悲しい時に悲しい歌を聞きたくなるように、
辛い時には絶望的な言葉が心にしみて、
逆に救いになることがある。
そういう言葉のことを「絶望名言」と
呼ばせてもらう。
’
というわけで、この本には。
カフカ、ドストエフスキー、ゲーテ、
中島敦、太宰治、シェークスピアなど、
文豪たちの絶望的な言葉が紹介されている。
命名したの頭木さんの解説が添えられているんだが、
これがまた秀逸。
たとえば、カフカの「絶望名言」
’
将来に向かって歩くことは
ぼくにはできません。
将来に向かってつまずくこと、
これはできます。
いちばんうまくできるのは、
倒れたままでいることです。
のことに関して、頭木(かしわぎ)さんは、
’
「この言葉を読んだとき、僕は難病で病院の
ベッドで倒れたままだったわけです。
ですから、すごく響きました。
苦労は人を成長させる面もありますけど、
人をダメにしたり歪めたりする面もあります。
でもやっぱり、それでも生きていくしかない
わけですよね。
じゃあ、前を向いて歩いて行くのかというと、
そうではなくて、ぼくは倒れたままの状態から
ある程度立ち上がりましたけど、まだ半分
倒れてままなんですよね。
だから、まだ絶望の名言は手放せないんですよ。
’
うーん、わかりますよねー。
こんな感じでかゆいところに手が届く
解説が目からウロコで気持ちいいのです。
’
明けない夜もある、と一度でも思ったことの
ある方には、おすすめです。
’
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2023年07月19日
腰痛で動けないときに観るのは(笑) 「メタルフォーゼの縁側」
ブロック注射をするほどでもなく
レントゲンも異常なしだったんだが、
腰痛がひどく、少し動くだけで
「うっ」となるとき、せめてもの気晴らしに
選んだのがこの映画。
’
封切りのときに観たので、アマゾンプライムでの
鑑賞は二度目だが、胸がキュンキュンする。
ボーイズラブコミックを通してつながった
女子高生(芦田愛菜)とおばあちゃん(宮本信子)の
交流を描いたハートフルコメディ。
’
汗だくになりながら大きなリュックを背負い
走る芦田愛菜、品の良いけれども、どこか寂し気で
可愛い宮本信子。
二人の表情を見ているだけで、なんだろう
気持ちがほっとする。
’
そして何よりこの映画には、ものを創る楽しさ、
喜びが満ちている。
「そうだよな、オレも文章書き始めたの、
嬉しかったからだよな、いつのまにか仕事に
なって、プロみたいな顔してるけど、もともと
クリエイトするって、アマチュアもプロもないよな。
フリーランスのライターで35年食えてるってすごいと
人から言われるたびに、まんざらでもない顔して、
いやー、そんなことないっすよと答えてるのって
かっこ悪いよな。
さあ、また原点に戻ろう」
’
なんて殊勝なことを思い出させてくれて
いつのまにか、乙女な気持ちの悪い涙を
60を過ぎても流してしまう。
そんな映画です。
’
いやー、腰の痛み、忘れさせてくれました。
’
未見の方はまずは予告編をどうぞ。
’
レントゲンも異常なしだったんだが、
腰痛がひどく、少し動くだけで
「うっ」となるとき、せめてもの気晴らしに
選んだのがこの映画。
’
封切りのときに観たので、アマゾンプライムでの
鑑賞は二度目だが、胸がキュンキュンする。
ボーイズラブコミックを通してつながった
女子高生(芦田愛菜)とおばあちゃん(宮本信子)の
交流を描いたハートフルコメディ。
’
汗だくになりながら大きなリュックを背負い
走る芦田愛菜、品の良いけれども、どこか寂し気で
可愛い宮本信子。
二人の表情を見ているだけで、なんだろう
気持ちがほっとする。
’
そして何よりこの映画には、ものを創る楽しさ、
喜びが満ちている。
「そうだよな、オレも文章書き始めたの、
嬉しかったからだよな、いつのまにか仕事に
なって、プロみたいな顔してるけど、もともと
クリエイトするって、アマチュアもプロもないよな。
フリーランスのライターで35年食えてるってすごいと
人から言われるたびに、まんざらでもない顔して、
いやー、そんなことないっすよと答えてるのって
かっこ悪いよな。
さあ、また原点に戻ろう」
’
なんて殊勝なことを思い出させてくれて
いつのまにか、乙女な気持ちの悪い涙を
60を過ぎても流してしまう。
そんな映画です。
’
いやー、腰の痛み、忘れさせてくれました。
’
未見の方はまずは予告編をどうぞ。
’
2023年07月18日
やっぱりこの二人の画家の話は面白い! 「リボルバー」 原田マハ
アートミステリーを書かせたら
今、日本で一番の著者が
ゴッホとゴーギャンをテーマに
したんだから、面白いに決まってます。
’
しかもゴッホの自殺に使われたという
拳銃、リボルバーを巡っての物語なんて
よく考えるよね。
ストーリーテラーの魅力はもちろんだが、
彼女の小説の楽しみのもうひとつは、美術史や
画家のエピソードをわかりやすく教えてくれるところ。
’
今回心に残ったのは、やはり芸術家二人の言葉。
ゴッホと二ヶ月間一緒に暮らした後のゴーギャンは記す。
「我がゴッホは驚くべき進化を遂げた。
まるで自分の素質を完全に見抜いたかのように、
そこから太陽の光に溢れた、あの太陽また太陽の
作品が生まれていった」
’
ゴッホがゴーギャンに送った手紙より
「−親愛なる我が師、あなたを知り、
あなたに迷惑をかけてからというもの、
悪い状態ではなく、良い精神状態のときに
死にたいと思うようになりました」
’
短い共同生活だったけど、
やっぱり天才は天才を知ってたんですね。
’
小説はさらに驚きのゴーギャンの孫と拳銃を
巡る話になっていくのだが、それは
読んでからのお楽しみということで。
幻冬舎文庫、新刊。絶賛発売中です。
2023年07月14日
宮崎駿監督の新作 「君たちはどう生きるのか」
封切りで鑑賞。
???
僕たちはこの映画をどう受け止めればいいのか。
'
2023年07月09日
優しさに包まれて。 「だるまさんが」 かがくいひろし
日曜美術館でこの絵本作家の
ことを初めて知った。
画力のある美術家であったにも
かかわらず、特別支援学校の
先生になり、以来ずっと子どもたちと
寄り添って生きてきた。
’
そして50歳になったとき、
もっとたくさんの子どもを笑顔に
したいと絵本作家になる。
享年54歳。
たった4年間の作家人生だったけど
残した16冊の本はすべて
ロングセラーになっている。
’
僕も3年間、児童指導員という仕事で
子どもたちと付き合い、絵本の読み聞かせ
などもしてきたけど、子どもたちが笑って
くれると、ほんとに嬉しいんですよね。
なんか生きてていいよ、といわれてるような
感じがして。
’
だから作品を読んで、かがくいさんが、
子どもたちをいかに、愛し尊敬しているか、
笑い転げてる彼らをどれだけ救ってるか、
痛いほどわかって、涙が止まりませんでした。
展覧会、兵庫までは巡回するみたいなので、
行こうかな。
’
’
日曜美術館でこの絵本作家の
ことを初めて知った。
画力のある美術家であったにも
かかわらず、特別支援学校の
先生になり、以来ずっと子どもたちと
寄り添って生きてきた。
’
そして50歳になったとき、
もっとたくさんの子どもを笑顔に
したいと絵本作家になる。
享年54歳。
たった4年間の作家人生だったけど
残した16冊の本はすべて
ロングセラーになっている。
’
僕も3年間、児童指導員という仕事で
子どもたちと付き合い、絵本の読み聞かせ
などもしてきたけど、子どもたちが笑って
くれると、ほんとに嬉しいんですよね。
なんか生きてていいよ、といわれてるような
感じがして。
’
だから作品を読んで、かがくいさんが、
子どもたちをいかに、愛し尊敬しているか、
笑い転げてる彼らをどれだけ救ってるか、
痛いほどわかって、涙が止まりませんでした。
展覧会、兵庫までは巡回するみたいなので、
行こうかな。
’
’
日曜美術館でこの絵本作家の
ことを初めて知った。
画力のある美術家であったにも
かかわらず、特別支援学校の
先生になり、以来ずっと子どもたちと
寄り添って生きてきた。
’
そして50歳になったとき、
もっとたくさんの子どもを笑顔に
したいと絵本作家になる。
享年54歳。
たった4年間の作家人生だったけど
残した16冊の本はすべて
ロングセラーになっている。
’
僕も3年間、児童指導員という仕事で
子どもたちと付き合い、絵本の読み聞かせ
などもしてきたけど、子どもたちが笑って
くれると、ほんとに嬉しいんですよね。
なんか生きてていいよ、といわれてるような
感じがして。
’
だから作品を読んで、かがくいさんが、
子どもたちをいかに、愛し尊敬しているか、
笑い転げてる彼らをどれだけ救ってるか、
痛いほどわかって、涙が止まりませんでした。
展覧会、兵庫までは巡回するみたいなので、
行こうかな。
’
U-NEXT 「赤頭巾ちゃん気をつけて」
僕の背骨になっている、自分を
形作ってくれた表現者たちがいる。
太宰治、梶井基次郎、吉行淳之介、
つかこうへい、五木寛之、色川武大、
立川談志、吉田拓郎などなど、
挙げればきりがないが
この映画の原作、庄司薫もその一人だ。
初めて読んだのは12歳のときだった。
東京、日比谷高校、東大、安保、
品の良い男の子のモノローグが新鮮で
地方の貧乏のガキにはあこがれだった。
昔の日本映画はタイムマシン。
この作品も1970年の東京に戻れる。
内容はさすがに?なところも多いが、
時代の流れの中で、自分の美学、美意識を
ぶざまに守ろうとする主人公、岡田裕介、
不思議ちゃんの元祖、由美を演じる森和代は
今見ても素敵だ。
ではでは懐かしの予告編をどうぞ。
2023年07月08日
名作アニメ 「昭和元禄落語心中」
戦後を駆け抜けた噺家の青春物語が
美しいアニメーションと素晴らしい
声優たちで、見事に描かれている。
これが無料で観られるなんて
信じられない。
まずはこちらをどうぞ。
2023年07月05日
今日の言の葉 立川談志
水道橋博士の「藝人春秋3」より。
博士が32歳で漫才について
本を書いたとき、「僕みたいな
ものがいいんでしょうか」と
尋ねたときの談志師匠の返事。
’
「ンー、芸人が話すだけでなく本を書く
……。それは全部、言い訳なんです。
芸人は己の芸だけで気が済まない。
言い訳したいんだ。言い訳したいから話すんだ。
話すだけでは収まらないから記すんですなー。
そんなことは、自分が欲するからやってんだ。
自分が好きでやってることなのに、
なんで人の評判を気にかける?
他人は関係ない。
自分のことは自分で認めてやればいいんdふぁ。
芸人なんてえのは、自分の好みになるのが
一番いいんです……」
’
やっぱり家元はいいこと言うねぇ。
僕も自分の好みになろう。
’
2023年06月29日
真摯な創作の記録。 「映画の生まれる場所で」 是枝裕和
フランスで撮った「真実」の
クランクアップまでを描いた
創作エッセイ。
監督の日記、手記、画コンテなども
紹介されていて、映画ファンには
たまらない一冊。
’
なかでも面白かったのは、
カトリーヌ・ドヌーブという大女優の個性。
公開後三年経った、ある日の会食、
30分遅れてきた彼女は、
「あら何?何も食べずに待ってたの?(バカねぇ)」
それが最初のひとこと。
そして席につくなり、顔をしかめて
「何この音楽……趣味悪いわねぇ……夜にこんな
音楽かけないでしょ……止まらないの?」と注文。
(自分で指定したレストランなのに……)を
心の中で突っ込みを入れたが、僕は彼女が
席に着いて5分も経たないうちにもう
クスクス笑いが止まらなくなっていた。
’
面白いねー、この自由奔放さ。
さらに描写は続く。
’
興味なさそうにメニューを見て適当に注文を
済ました後はノンストップで最近観た映画と
出演した作品の寸評(主には悪口)を楽し気に
続ける。
これも撮影中と一緒。
「嫌い」「才能無い」とジャッジされると完成
した作品も観ないし監督とも二度と会わないと
いう話をされていたので、こうして公開後
3年経ってもディナーに誘ってもらえて
正直ホッとしている。
監督は彼女に対してこう記している。
何だろう、この子どものような、わがままとも
違う素直さは。75歳カトリーヌ、手強い。
’
もちろんエッセイの一番の面白さは
是枝監督がどんな風に映画を撮っているか、
創作への姿勢、意志、想いがよくわかるところだ。
’
僕は本を片手に、映画「真実」を見直し
各シーンに対する監督の狙いを、ときには
映像を止めながら観ていった。
すると映画が今まではと違うものに見えてきて、
とてもスリリングな経験をさせてもらった。
’
僕もこれまでプロデューサーとして脚本家として
3本の映画に関わってきたが、いやはや何にも
わかってなかったと苦笑い。
監督は言う。
’
僕は以前、映画に対して抱く感情を「畏怖」と「憧憬」と書いた。
多分その感情は変わらない。
’
是枝さんが記したこの言葉を忘れるな。
僕は何度も自分に言い聞かせた。
’
2023年06月28日
衝撃!お風呂問題
’
先日酒場でいつものように
バカ話の途中で、僕が
「一人暮らしの
楽しみのひとつとして
お風呂をいっぱいに入れて
溢れる音を聞くこと」と
嬉しそうに話したら、常連たちが
一斉に声をあげた。
’
「なんてもったいないことしよるんね。
お湯いれるのはせいぜい胸まだよ。
あとは自分が寝そべればいい」
「溢れさすなんてもったいない、バチが
当たるよ」
’
「えーーーーー」
みんなオレよりいいマンション住んでるし、
お金持ちやん、それなのになぜの問いに、
「溢れさせないぶん、貯めてるのよ」とニヤリ。
’
あはは、これにはやられました。
しかし、63歳になるまで気が付かなった。
みんな、そうやってきちんと暮らしてるんだなぁ。
’
ちなみに気になったので、「バスタオルはひと風呂、
一枚使う?」って聞いたら、「んなわけないやろ。
2、3日は持たせる」。
’
もちろん僕は使い切ります。
うすうす感じてたけど、僕、どうやら超少数派です。