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高坂圭
フリーランスの放送作家・脚本家、コピーライター として活動し、33年目を迎えました。 最近は、物語プランナーとして、ストーリーの力で ビジネスをアップするクリエイターとしても活動しています。
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posted by fanblog

2023年06月28日

21歳の新進作家に拍手!「万事快調 オール・グリーンズ」 波木銅


2021年、松本清張賞受賞作の文庫新刊。
田舎の底辺工業高校にくすぶってる、
女子高校生3人が大麻を育て
売り、クソみたいな町から飛び出そうと
する話。

とにかく、この女子3人のキャラが秀逸。
朴はラッパーで小説好き。矢部は渋い映画通。
トリアー、キューブリック、ジム・ジャームッシュ、
グサヴィエ・ドラン、パク。チャヌクなんて
あたりががんがん出てくる。
この辺も嬉しい。
タイトルになってる「万事快調」は、ゴダールの
映画が元。
岩隈はマンガおたく。大島弓子、岡崎京子あたり
に泥ハマり。

会話もいいんだよね。
煙草を吸いながら、矢口は、あのさぁと投げかけた。

「この町……まちじねぇな。村、どう思う?」
「どう思って?」
「つまり、朴秀美はこの村、好き?ずっと住みたいって
思う?
「はぁ、バ、バカにすんな。そんなわけないじゃん」
「だよね。私もそう。こんなとこに生まれちゃったのが
もう、間違いなんだよね」
気がつけばふたりとも、雨で湿っているのも
お構いなしに歩道の縁石に腰をおろしていた。

基本ヒップホップのビートがずっと鳴っている感じの
小説で、乾いたクールなユーモアが全編に満ちている。

いやー、新進気鋭の作家という言葉がぴったりの
筆者に大きな拍手を。

松本清張賞選考委員の選評をおまけとして。

おもしろかった。「万事休す」の状況なのに、この愉快さ。
作者には天性の資質が感じられた。この賞が人生を狂わせないことを切に願う。−−中島京子

頭ひとつ抜きん出ていた。登場人物たちの過剰な自意識に何度も笑わせてもらった。
皮肉とユーモアのセンスがずば抜けていて、これは努力では身につかないものだ。−−東山彰良

正直、粗の多い作品だとは思う。巧いとは一度も感じなかった。
が、際立って面白かったのは事実。−−森絵都

読みながら、そのセンスの良さに何度も唸り、選考委員としてこの作家のデ
ビューに立ち会いたいと思った。−−辻村深月

先を見通しているのか、後ろが見えていないのか。
でも、少なくとも作者には今がはっきり見えている。何者なのか見極めたい。−−京極夏彦




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2023年06月27日

ウディ・アレンの 「女と男の観覧車」を鑑賞。

1950年代のコニーアイランドが見事に再現されていて、
冒頭の海水浴場のシーンから引き込まれました。
物語はウディ・アレン得意の色恋噺ですが、
今回は放火が止められない子どもや、
ギャングの夫から逃げて来た娘、そして
女優の夢をまだ忘れらない中年のウエイトレスなど、
生活感が丸出しで、彼の撮った映画の中では
一番地べたな物語でした。

みんなが愛に飢え、ロマンスが枯渇し、
なんとかその思いを獲得しようとジタバタする様が、
素敵なコメディーになっていました。
それになにしろ各シーンがきれいでおしゃれなので
目も気持ちいいのです。
82歳アレン、見事です!







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2023年06月25日

通常料金で観られるなんて。  「エリック・クラプトン アクロス24ナイツ」


クラプトンが1990年代初頭にロンドンの
ロイヤル・アルバート・ホールで行った
42回の公演からベストパフォーマンスを
厳選。
珠玉の曲たちがスクリーンで観られる至福。
しかもフツーの料金で。

いやー、かっこよかったです。
なかでも、やっぱりこの曲。
何度聴いても泣けます。
こんな歌作れたらなぁ。

それではどうぞ。
Wonderful Tonight

https://www.youtube.com/watch?v=Y5YP_6g2h7A





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2023年06月23日

可愛くて、愛しくて、哀しくて。「この場所であなたの名前を呼んだ」 加藤千恵


読みながら何度も涙が滲んだ。
NICU(新生児集中治療管理室)を
舞台にした連作長編小説だ。

体重2500g未満の小さく生まれた
赤ちゃんを、医師やナースがさまざまな
治療、ケアする場所がNICUだ。
小説にはこう記されている。

大人相手であれば適当にできる、という
わけではないが、動作に対する労力が、
やはり桁違いに思えるときも多い。
小さな衝撃でも簡単に割れてしまう卵を、
手にいくつも抱えて歩いているような、
そんな緊張感が常に伴っている。

……読みながら、保育器に入った小さな
赤ちゃんの姿が何度も浮かぶ。
早産がゆえにさまざまなリスクを背負いながらも
懸命に生きる赤ちゃんと、支えるママとパパ。
18トリソミーーと呼ばれる染色体異常の
赤ちゃんが出てくる場面がとても深く心に
残っている。
出産にたどり着く前に、お腹の中で亡くなって
しまうことが多い赤ちゃんが誕生するシーンだ。

ふぇええーーん。
泣き声だ。生きている、と思った。生きている。
赤ちゃんは生きている。生きて、泣いている。
「産まれましたよ」
看護師さんが言う。わたしはこぶしをほどく。
さっきまでとは異なる理由で手が震えている。

目も口も開いている。黒目がちの目とは
視線は合わない。思い出したように
泣き声をあげる(中略)。
なんて小さいのだろう。そして、なんて
可愛いのだろう。
たくさん言いたいことがある気がした。
だけど言葉にならず、わたしの目からは
どんどん涙が溢れた。
ありがとう、と絞り出すようになんとか言い、
驚くほど小さな手に触れる。
華奢な指が数本、重なっている。
手の甲はあたたかった。
けれど、この赤ちゃんも二か月後、亡くなって
しまう。

現在、現在、赤ちゃんの約9%が低出生体重児、
約6%が早産児として生まれているそうだ。

ページをめくりながら、僕は
何度も何度も、頑張れ、頑張れと声をかけた。
命が生まれることがいかに大きな奇跡であるか、
それがどんなに素敵なことかを
教えてくれる小説です。



この場所であなたの名前を呼んだ (講談社文庫) [ 加藤 千恵 ]

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2023年06月22日

観山寄席二日目。


今夜も総勢、88名のお客様で、
今までで一番の入り。

空治さんは、たらちね。
文治師匠は、昨日大受けだった、
お血脈と、浮世床のニ席。

もちろん、皆さん大爆笑。
自分の好きな噺家さんをお呼びして、
皆さんが一緒に喜んでもらえる、
笑いの渦の中にいて、
ご馳走、美酒をいただく幸せ。

プロデューサー冥利に尽きる二日間でした。

演者、スタッフ、そしてお客様にただただ感謝です🥲



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2023年06月21日

再読。ソフトな、仁義なき戦い。  「孤狼の血」 柚月裕子


16、7歳の頃だ。
タバコの煙が立ち込めている
二番館で、やくざ映画とポルノ
が入り乱れての3本、4本立て
をオールナイトでよく観た。
硬い椅子の上でうつらうつらしながら
それでもSEXと暴力シーンには体が反応して
目覚めた。
'
「仁義なき戦い」「県警対組織暴力」
「仁義の墓場」などなど、スクリーンから
ほとばしるバイオレンス、どうしようもない
男たちの生きざま、死にざまを凝視した。
'
映画化もされた、柚月裕子のこの代表作には
そんなやくざ映画の匂いがある。
けれどどこか優しい。
この手の映画にありがちな女を食い物にしたり、
男を癒すための存在として描いてないからだろう。
柄は決して良くないが、どこか品がある。

「わしらの役目はのう、ヤクザが堅気に迷惑
かけんよう、目を光らしとることじゃ。
あとは――やりすぎた外道を潰すだけでええ」
主人公の刑事、大上章吾の台詞通り、
彼は清濁併せのむ、ギリギリの捜査で名を馳せる。
タッグを組むのは、大卒の新米刑事。
徹底的なリアリティとひとひねり、ふたひねり
あるストーリーは、読み始めたら止まらない。
著者の本を読んだのはこれで3冊目だが、
今のところ、すべて面白い。





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桂文治独演会

御礼「観山寄席」

僕の一番好きな仕事、
寄席のプロデュース。
いよい今日からです。
おかげさまで、博多、小倉とも
大入り満員。
キャンセル待ちが出るほどです。

おいしい懐石料理とお酒、そして
桂文治師匠の落語を、たくさんのお客様と
二日間も堪能できるなんて、
ほんと、有難いことです。
師匠、よろしくお願いしまーす。





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2023年06月19日

現代アーティスト、富永愛子さんの作品に熱視線。



彼女は、日用品をナフタリンでかたどったオブジェや、
塩を使ったインスタレーションなど、
気配の痕跡を用いて時を視覚化する作品で
注目を集めるアーティスト。

ナフタリンは時がたてば変化し、形を変え
消えていく。
そのはかなさ、切なさがなんだか生物そのもの
のように思えて、胸が締め付けられた。

たくさんの作品を観たいかたはこちら。

https://mizuma-art.co.jp/artists/miyanaga-aiko/

彼女のHP

http://www.aiko-m.com/index.html


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2023年06月18日

耳を澄まし、目を凝らす。「堤未果のショック・ドクト政府のやりたい放題から身を守る方法」   堤未果


とんでもない事実の羅列に
怒りと驚きと、深いため息が
何度も交差し、身も心も疲れたが、
これじゃいかんと喝も入れた。
感想を書いていたらキリがないので、
この本を多くの人に少しでも伝えるために、
印象に残った文章を引いていきます。

タイトルにもある「ショック・ドクトリン」とは、
テロや戦争、自然災害、金融危機、それから
感染症のパンデミックといったショッキングなことが
起きて国民が思考停止になった隙を突き、
普通なら炎上しかねない政策(規制緩和、民営化、
社会保障切り捨ての3本柱)を猛スピードでねじ込み、
政府とお友だち企業を大儲けさせる
ドクトリン(基本原則)のこと。

たとえばアメリカの9.11。
テロ対策のもとに、銃の売り上げが急激に伸び、
国会では巨額の軍事予算が満場一致で決まった。
「愛国者法」がスピード可決され、
国民の電話やファックス、メール、カード番号や
銀行口座、ネット上の発言、やりとり、書店で
どんな本をかているか、どこのスポーツクラブに
入っているかまで、国民を日常的に監視する権限を
政府は手に入れた。
これがつまり、「ショック・ドクトリン」。
日本でも起きている。

以下、長くなるので、印象に残った小見出し、
タイトルだけ紹介します。

第一章 マイナンバーという国民監視テク

1 コロナ過がチャンスだった
2 マイナ保険証はここが危ない
3 日本人が知らない世界のマイナンバー事情
4 個人情報がすべて紐づけられた先に

第二章 命につけられる値札ーコロナショック・ドクトリン
2 健康をお金に買える錬金術師たち
WHOに流れ込む製薬企業マネー
日本の国民皆保険制度は世界のドル箱
コロナで毎分750万円稼ぐ3社の闇
4 緊急時に拡大された権力は、その後もずっと残る

第三章 脱炭素ユートピアの先にあるディストピア

1 地球を救う町は都市収容所?
3 災害と省エネは結びつく
4 電気自動車も十分CO2を排出する

読むとあまりの酷さに絶望的になりますが、
筆者は高らかに話します。

希望を捨てることはありません。
ショック・ドクトリンの戦略のひとつは、
都合の悪いことは極力、隠ぺいが基本。

だから「何かおかしいな」と違和感を覚えたら
隠された情報を調べ見抜き(基本はお金の流れを
チェック)、辛抱強く政府や学校、役所などに
声を届けたり、地域で声を上げ、おかしいと
思ってる地方議員などを応援し、選挙を勝たせる。

それによって政策が止まったり、変わった例は
いくらでもある。
アメリカでは「個人IDカード法」が法律として
成立したが、高速道路の出入り口で、
運転免許証の代わりに個人IDカードを提示するという
指示を無視して、それまで通り運転免許証を出した。

1人、2人ならまだしも、10人、20人とみんなが
同じことをしたので、罰金をとろうにも警察の手が
足りずに取り締まることができなくなった。
つまり法律はいつのまにか塩漬けになった。

世界全体を動かしているシステムの前で、
個人の力はあまりにも小さく思えるかもしれませんが、
私たち1人ひとりが、何が起こっているかを知り、
守るべきものを決め、ゲームのルールを知ったら
必ず変わります。

自分の頭で考え、意志を持つ国民は簡単に
騙せないからです。自分や家族、子供たちを
守りましょう。
私の本を読み「未来はまだ自分たちで選べる」と
一人でも多くの読者が思ってくれたら、こんなに
嬉しいことはありません。


「考えろ、考えろ、たとえ一秒の何分の一ぐらいの
時間しか残されていないとしても、
考えることだけが唯一の希望だった」
−ジョージ・オーエル「1984年」より




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2023年06月16日

一気読み 「人生に詰んだ元アイドルは赤の他人のおっさんと住む選択をした」 大木亜希子


寝る前に軽く読もうと
ページをめくったら、
著者の不器用さと一生懸命さが
胸に響き、気が付くと読み終えていた。

物語は、
「女優としてアイドルとしても不発に終わり、
会社員としてもドロップアウトした」28歳の
亜希子が、経済的な理由もあり、56歳のオッサンと
ルームシェアをし、その暮らしの中で、孤独を
癒され再生していく話だ。

実際の体験をベースにした小説みたいだが、
一緒に住む「ササポン」のオッサンがいい。
いつも淡々と適度な距離を持って、亜希子と
接する。
肉体関係がない、求めない、というのもいい。
二つの孤独がルームシェアすることで、
少しだけ淋しさや切なさがシェアされて
いくというのも、いまを感じさせていい。

頑張れ亜希子!と声をかけたくなる、
ハートウォームな物語です。



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