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高坂圭
フリーランスの放送作家・脚本家、コピーライター として活動し、33年目を迎えました。 最近は、物語プランナーとして、ストーリーの力で ビジネスをアップするクリエイターとしても活動しています。
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2024年04月09日

NHKスペシャル  「Last Days ー坂本龍一最後の日々ー」


亡くなる二日前までの映像が
切なすぎるドキュメンタリー。

当たり前のことだけど
「誰でも絶対に死ぬんだな」と
この頃しみじみそう思う。
番組でも彼が言ってる
「どう逝くかですよね」
うーん、ほんとその通りなんだよね。

大腸がんでのたうち回ってるとき、
少しでも痛くない体勢はないかと
ベッドで何百回と体を動かした。
そのとき、「ああ、人間って
切羽詰まったら、高尚なことなんて
考えないんだ。野生で動くんだ」と思った。

番組では教授の残した日記を軸に
最後の日々までを淡々と描く。
僕とはもちろん雲泥の差で
音楽を、芸術を、人生をきちんと
まっとうしようという意思と
知性が彼にはあふれてる。
でも時折、ストレートに「チクショウ」と
いった声を文字に残していることに
なぜかほっとし、涙が出る。

生きてられることの奇跡。
きちんと噛みしめろ。
指導してきた東北ユースオケの定演を
ベッドの中で指揮する教授を
見て、泣きながら自分に言い聞かせた。




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二度目の読了 「酔いがさめたら、うちに帰ろう」  鴨志田穣



自己責任という言葉が嫌いだ。
大抵の場合、上から目線の奴が弱ってる
人に吐くからだ。
'
著者は漫画家の西原理恵子さんの元夫で
戦場カメラマン。
育った環境、戦場での悲惨な経験などが
トラウマとなり、アル中になった。
本作は闘病記であり、同じように入院した
患者たちの観察記にも
なっている。
'
このラインの名作に、中島らもの
「いつかどこかのバーで」があるが、
比べるとこちらのほうが軽く情けなく、より私小説的だ。
三か月酒を断つ。寿司屋に入る。
我慢してお茶を飲み、寿司でお腹一杯になる。
最後に大将がこれどうぞと小鉢を差し出す。
奈良漬け
だった。好物だったので一気にかじった。
ここからは少し長くなるが本文をひきます。
'
初めて気がついた。
奈良漬けとはなんと酒の香りと味がするのだろうか。
少し怖気づいたものの、すべて平らげてしまった。
頭と体がぼうとしてくるのがわかる。
(中略)勘定を済ませ、外に出ると、足が自然に
コンビニに向かっていた。
気がつくと手にウォッカを持っている。
「うわっ」とびっくりして、あわてて元に戻すも、
「ノンアルコールビールならいいかも」
三本を手に取り、成分表を見ると
“アルコール度〇・五パーセント”と書かれている。
「平気さ、これくらい」
さっそくコンビニの前で一本目を空けた。
「あーあ、始まっちゃった」
'
……バカだねぇ、ほんと。でもなんか憎めない。
著者の文章の魅力はそこにある。
もちろんアル中を擁護しているわけではない。
でも小説はダメな人間を描いているほうがとても響く。
少なくとも僕には。
同じように思ってくれる方は、ぜひご一読ください。
'




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