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高坂圭
フリーランスの放送作家・脚本家、コピーライター として活動し、33年目を迎えました。 最近は、物語プランナーとして、ストーリーの力で ビジネスをアップするクリエイターとしても活動しています。
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2023年06月18日

耳を澄まし、目を凝らす。「堤未果のショック・ドクト政府のやりたい放題から身を守る方法」   堤未果


とんでもない事実の羅列に
怒りと驚きと、深いため息が
何度も交差し、身も心も疲れたが、
これじゃいかんと喝も入れた。
感想を書いていたらキリがないので、
この本を多くの人に少しでも伝えるために、
印象に残った文章を引いていきます。

タイトルにもある「ショック・ドクトリン」とは、
テロや戦争、自然災害、金融危機、それから
感染症のパンデミックといったショッキングなことが
起きて国民が思考停止になった隙を突き、
普通なら炎上しかねない政策(規制緩和、民営化、
社会保障切り捨ての3本柱)を猛スピードでねじ込み、
政府とお友だち企業を大儲けさせる
ドクトリン(基本原則)のこと。

たとえばアメリカの9.11。
テロ対策のもとに、銃の売り上げが急激に伸び、
国会では巨額の軍事予算が満場一致で決まった。
「愛国者法」がスピード可決され、
国民の電話やファックス、メール、カード番号や
銀行口座、ネット上の発言、やりとり、書店で
どんな本をかているか、どこのスポーツクラブに
入っているかまで、国民を日常的に監視する権限を
政府は手に入れた。
これがつまり、「ショック・ドクトリン」。
日本でも起きている。

以下、長くなるので、印象に残った小見出し、
タイトルだけ紹介します。

第一章 マイナンバーという国民監視テク

1 コロナ過がチャンスだった
2 マイナ保険証はここが危ない
3 日本人が知らない世界のマイナンバー事情
4 個人情報がすべて紐づけられた先に

第二章 命につけられる値札ーコロナショック・ドクトリン
2 健康をお金に買える錬金術師たち
WHOに流れ込む製薬企業マネー
日本の国民皆保険制度は世界のドル箱
コロナで毎分750万円稼ぐ3社の闇
4 緊急時に拡大された権力は、その後もずっと残る

第三章 脱炭素ユートピアの先にあるディストピア

1 地球を救う町は都市収容所?
3 災害と省エネは結びつく
4 電気自動車も十分CO2を排出する

読むとあまりの酷さに絶望的になりますが、
筆者は高らかに話します。

希望を捨てることはありません。
ショック・ドクトリンの戦略のひとつは、
都合の悪いことは極力、隠ぺいが基本。

だから「何かおかしいな」と違和感を覚えたら
隠された情報を調べ見抜き(基本はお金の流れを
チェック)、辛抱強く政府や学校、役所などに
声を届けたり、地域で声を上げ、おかしいと
思ってる地方議員などを応援し、選挙を勝たせる。

それによって政策が止まったり、変わった例は
いくらでもある。
アメリカでは「個人IDカード法」が法律として
成立したが、高速道路の出入り口で、
運転免許証の代わりに個人IDカードを提示するという
指示を無視して、それまで通り運転免許証を出した。

1人、2人ならまだしも、10人、20人とみんなが
同じことをしたので、罰金をとろうにも警察の手が
足りずに取り締まることができなくなった。
つまり法律はいつのまにか塩漬けになった。

世界全体を動かしているシステムの前で、
個人の力はあまりにも小さく思えるかもしれませんが、
私たち1人ひとりが、何が起こっているかを知り、
守るべきものを決め、ゲームのルールを知ったら
必ず変わります。

自分の頭で考え、意志を持つ国民は簡単に
騙せないからです。自分や家族、子供たちを
守りましょう。
私の本を読み「未来はまだ自分たちで選べる」と
一人でも多くの読者が思ってくれたら、こんなに
嬉しいことはありません。


「考えろ、考えろ、たとえ一秒の何分の一ぐらいの
時間しか残されていないとしても、
考えることだけが唯一の希望だった」
−ジョージ・オーエル「1984年」より




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