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市井の料理研究家兼ミリタリー研究家です。思いついたことを書いていきます。
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2023年03月10日

首振りミサイル

・米国空軍研究所は対空ミサイルの弾頭を直接目標に向ける技術を開発している

・指向性弾頭でも従来型の近接爆破での弾片散布は無駄が多い

・散布される破片や子弾を目標の方向に直に向けることが出来れば、効果は大きい


3月に入って暖かくなってきましたが、花粉の量も尋常ではないようで、花粉症で塗炭の苦しみです(T_T)
自分の場合は目と皮膚の痒み、鼻づまり、頭痛もちょっと来ます。

さて米国空軍研究所が面白いものを開発しているようです。正直、この発想はありませんでした。

AFRL Missile Utility Transformation via Articulated Nose Technology MUTANT



巡航ミサイルや高速の対地ミサイルなどの目標に対しては、近接起爆による弾殻の弾片により破壊する形になるのですが、ただ爆発するだけだと弾片の大きさが不揃いになったりして散布密度にムラが出来てしまいます。そこで予め弾殻に弾子重量・形状を調整された格子刻みを入れて均一化を諮ったり、タングステン等の硬くて重い金属で予め加工された弾子を入れたりします。所謂、調整破片弾です。

他に弾頭に複数の信管を備え、起爆する際に目標と反対側の象限の信管を起爆させ、爆発威力に指向性を持たせる指向性弾頭も存在します。

An AIM-120A advanced medium range air-to-air missile warhead detonates during a test

an-aim-120a-advanced-medium-range-air-to-air-missile-warhead-detonates-during-1aa428.jpg

画像引用元: Public Domain Media The U.S. National Archives
https://nara.getarchive.net/media/an-aim-120a-advanced-medium-range-air-to-air-missile-warhead-detonates-during-1aa428

中距離空対空誘導弾AAM-4の外観
AAM-4.jpg
画像引用元: 日本語版ウィキペディアのShiftさん - 原版の投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=107674464による

上の写真のAAM-4では指向性弾頭と近接信管として4象限アクティブ・レーダー近接信管を備えています。写真では中央翼の前側に黒い長方形のものが見えますが、これがレーダーの窓です。

General Atomics - Blitzer Railgun Land-Based Mobile Combat Simulation [360p]



これはレールガンでの運用構想の映像ですが、散布された子弾が目標を破壊する様子が良く分かります。

ただ、このように破片や子弾をミサイルの同心円状に散布する従来の方法ではその大部分が無駄になることも良く分かると思います。そこで、散布される破片や子弾を目標の方向に直に向けることが出来れば、その効果を従来より大幅に高めることが出来ます。

このAFRL Missileの映像の中で、思わず笑ってしまったシーンがありました(w

FireShot Capture 1527 - USAF Testing 'Mutant' Missiles That Twist In Mid-Air To Hit Their Ta_ - www.thedrive.com.png
画像引用元: https://www.youtube.com/watch?v=J81iY6APmtQ&t=232s より抜粋して加工

これは地上滑走試験の様子ですが(タマはHellfireのようです)、発射前に赤丸内のコネクターがミサイルから射出されて外れています(3:52辺り)。レール型ランチャーから発射されるミサイルの場合、接続されているアンビリカルコネクターが上手く外れるようにしないといけません。

AIM_9L_Sidewinder_p1220802.jpg
画像引用元: David Monniaux - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=2272437による

上の写真のAIM-9のアンビリカルケーブルは180度半周して接続されて、発射時に前方へ抜けるようになっています。

また、AGM-65の場合は尾部にアンビリカルコネクターがあり、これも発射時に前方へ抜けます。

1080px-AGM-65_back1.jpg
画像引用元: By Varnav - Own work, CC0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=103517331

ただ、ミサイルによっては弾体の横にコネクターがあるものがあります。例えば空対空誘導弾であるAIM-7です。ちなみに写真内で接続されている白いケーブルはMISSILE MOTOR FIREWIREです。
1280px-Loading_AIM-7.jpg
画像引用元: By Tech. Sgt. Ben Bloker - http://www.af.mil/shared/media/photodb/photos/060509-F-2295B-025.jpg, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=780008

このようにミサイルの弾体のサイドにコネクターがある場合、レール式で発射する場合は頭を捻るわけです(w
なので、発射前にぴょんと外れてくれる動作を見た時はすごく感心しました。

では、例えばF-2でAIM-7やAAM-4をレール式ランチャーから発射する際は、ミサイルと繋がっていたアンビリカルケーブルはどうなるのでしょう。答えはご想像の通りです(w

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